活動報告

2015年9月30日

第189回通常国会の閉会にあたって

  本年1月26日に開会された第189回通常国会は、9月27日に閉会しました。

  今通常国会は、これまで最長となる95日間の延長が行われましたが、この背景には、集団的自衛権を憲法解釈で容認する「安保関連法案」を何としても成立させたい、という安倍総理大臣の執念があったと思います。しかし、この「安保関連法案」は、大多数の国民が内容的に反対、もしくは今国会での議決に反対しました。それにもかかわらず、安倍政権と与党は強引に法案審議をすすめ、そして審議不十分なままに、衆参の委員会で強行採決が行なわれたのです。民主党はこの暴挙に対し、参議院の委員会採決と本会議採決に至るまで、徹底的に抵抗しましたが、残念ながら数の論理に押し切られ、最終的に法案の成立を許すことになりました。

  また、民主党や連合が「安保関連法案」とともに最重視した「労働者派遣法改正案」は、委員会審議において大臣が的確に答弁できない状況が続き、審議が全く不十分であったにもかかわらず、審議が打ち切られ強行採決が行われました。この改正案は、企業にとって使い勝手の良い派遣労働が常態化・拡大されることなどから、当該する派遣労働者をはじめ連合などが成立阻止の運動を展開してきたものです。しかし、これまで2回にわたり廃案に追い込んだこの法案も、今回、残念ながら数の論理に押し切られ成立しました。今後は、改正法の運営の中で、派遣元・派遣先にそれぞれ課せられる義務などが適正に守られ、労働者保護施策が適切に行われているのかをチェックしていく必要があります。私が座長を担当している民主党の「非正規労働・ワーキングプア対策チーム」においてもこの課題に対応していきたいと考えます。

  この他にも、被用者保険に国費の肩代わりをさせる「医療保険制度改革関連法案」や違憲状態が解消されない恐れのある「参議院議員選挙制度改革案」など、課題の多い法案もいくつか成立しましたが、とにかく今通常国会は、昨年末の総選挙で勝利した安倍政権が慢心と過信をいっそう強め、強引な国会運営を貫き通した国会となりました。衆議院の三分の二以上の議席をもつ与党であるからこそ、多くの国民の声に耳を傾け、院内の少数派の意見を尊重する姿勢が求められるべきですが、ここに安倍政権の非民主主義的本質が表に出てきたと言えるでしょう。

  すでに、経済に関しては、安倍政権が目標とした物価上昇を達成できず、実質賃金は低下し、消費も伸びず、経済成長率も停滞したままで、自慢の株価も国際経済の変動に翻弄され、アベノミクスもいよいよ“失敗”の様相を強めつつあります。今回の「安保関連法案」は、この経済面における閉塞感を打開するために、中国と北朝鮮の脅威をことさら強調し、外交・防衛政策に国民の目を向けさせようとする意図も一部にあったかも知れません。今後も、国民世論を無視し、コントロールをしていこうとする政治姿勢を糾弾していかなければなりません。

  一方、野党筆頭理事として担当した経済産業委員会においては、「官公需における中小企業者の受注確保法改正案」や「電気事業法等改正案」、「特許法改正案」など、8本の法案・承認案件が審議されました。とりわけ「電気事業法等改正案」は電力供給事業の自由化と発送電の分離をはかるとともに、都市ガス供給事業では製造・導管・小売の各事業を分離するという内容の法案で、民主党としては、当該する産業の労働組合とも連携し、エネルギーの安定供給、労働者の雇用確保を軸に、重要法案として位置づけ徹底審議を行ってきました。その結果、いくつかの懸案事項について附帯決議で問題点の指摘と対応を明文化させることができました。また、民主党としては、今後の電力、ガス双方のシステム改革の準備をフォローするために、私が責任者となり「電力・ガスシステム改革フォローアップワーキングチーム」を設置しました。チームは、すでに学識者、労働組合、消費者団体からのヒアリングや関係機関・施設の視察などの具体的な対応を開始しています。

  また、「特許法改正案」は、これまで従業員に帰属していた職務発明の特許権を企業にも帰属させることを可能にするというものでしたが、従業員が不利とならないよう対応を求め審議に臨みました。

  今国会は、停滞する経済状況を打破し、拡がる格差を是正するための政策について重点的な審議をすべきところでしたが、最後段階では外交・防衛問題一色になり、しかも与党の暴挙を許すことになりました。これには、民主党をはじめ野党が国政選挙で敗北し続けているという事情が根本にあることは言うまでもありません。民主党としても、次の国政選挙に向けた態勢の一段の強化が求められており、今後、全力を尽くしていきたいと考えます。