活動報告

2015年9月25日

「安全保障関連法案」の成立にあたって

  5月19日から衆議院で審議が開始された「安全保障関連法案」は、9月19日の未明、参議院本会議で可決・成立しました。しかし、この法案に関する衆参の特別委員会では、野党側の質問に対する総理大臣や防衛大臣の答弁が二転三転し、また質問に対してまともに答えられない事態が頻発しました。このように審議が全く不十分な状態にあったにもかかわらず、9月17日の参議院の特別委員会では、委員長と与党側が審議を打ち切り、地方公聴会の報告も行わず、また審議打ち切り動議の賛否や法案そのものの賛否も正式な手続きを踏まずに強行採決が行われました。集団的自衛権の容認という憲法違反の疑いの強い「安全保障関連法案」がこのように強行採決されたことは、断じて許すわけにはいきません。

  今回の法案審議の過程で明らかになった問題の一つは、法案の内容や政府側の答弁に対して国民の支持や理解が得られないままに審議が進められたことです。憲法学者が法案の違憲性を指摘し、多くの市民、労働組合員、有識者が反対の声を挙げて国会を取り巻く大規模集会をはじめ、全国的な反対運動が展開されたにもかかわらず、安倍政権はこれを無視し、衆参で強引に採決したわけです。これは議会制民主主義の基本的なルールを無視した非民主的な政権運営であると言わざるを得ません。

  戦後70年の歴史の中で認められなかった「集団的自衛権」を憲法解釈で容認し、我が国の外交・防衛政策の大転換をはかろうとするこの法案は、立法の根拠とその必要性が明確に示されず、またPKO活動や実際の紛争の対応において自衛隊の行動にどのようなリスクが生じるのか、あるいは外交的にどのような波及効果があるのかなどの重要な事項についても政府の説明は常に曖昧なままでした。

  また、安倍総理大臣は法案提出の理由の一つとして、日本を取りまく安全保障上の情勢変化を挙げました。これは主に中国の軍事費の拡大や南シナ海での行動などを前提としたものですが、このことがどのように我が国の脅威となってくるのか、アメリカの軍事行動を具体的にどのように後方支援するのか、あるいは集団的自衛権の発動が中国に対してどのような抑止的効果を持つのか、などについては十分に納得がいく説明はありませんでした。これでは国民の理解や支持が得られないばかりか、国民の不安や危機感がますます強まっていったのも当然です。

  この点に関しては、民主党としても質問がより専門的にならざるを得なかったことや、一部対案を出したものの国際的環境の変化に対する外交・防衛政策を分かり易く提示できなかったという反省点も残りました。したがって、今後は国会に提出した対案をベースにして、党内で安全保障政策に関する議論を深め、我が国の安全を守るための総合的な外交・防衛政策としてさらに精査していく必要があると考えます。

  国会での法案審議の期間、とくに参議院段階においては、連合や多くの市民団体・青年組織、そして一般の市民の方々が国会に詰めかけ、法案の強行採決に反対する運動が深夜まで展開されました。そして、これらの運動は強行採決の後も継続されていることに今回の反対運動の大きな特徴があります。今後は、さらに法律を廃案にする運動が盛り上がり、またこの法律の違憲性を明らかにする違憲訴訟が次々と起こされることになるでしょう。

  民主党としても、これらの運動と深く連携するとともに、とりわけ法律の廃案運動を国政選挙の準備と連動させ、今後の運動を展開していく決意です。