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加藤としゆき
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column──コラム
中国で日本と中国を考える
2002.12
 よく「中国対日本」といった見出しを見かけますが、安全保障や外交では国が単位ですから、対立関係が起こるのは当然です。しかし、経済は産業、業種に加え企業レベルにおいても利害関係がばらばらで、国内に味方もいれば敵もいる関係が普通ですから、「中国対日本」論は大ざっぱな理屈だと思います。まして経済における「中国脅威」論は単純過ぎるし、正しくありません。
 むしろ両国の貿易収支は均衡していることから、輸出入では補完関係にあるといえます。
 また「中国企業対日本企業」という図式にも注意が必要です。確かに安い衣料品が国内企業を席巻したユニクロ現象がありましたが、ユニクロの「ファーストリテイリング」は日本企業ですから、これは「日本企業対日本企業」という図式です。つまり問題なのは中国外の先進企業が自製品を安くて良質な中国工場で生産し、世界に輸出するケースです。単に賃金が安いということだけではなく、税金も含め社会全体のコストが低いわけですから、国際競争に打ち勝つため中国に工場を引っ越す流れは加速されます。
 最近中国企業は大いに力を付けてきましたが、世界市場へ本格進出するには、特許など知的財産権の解決が必要です。中国国内で見逃されても、世界市場では許されません。したがって世界市場では中国を生産工場としてうまく使った企業が低コストを実現し、日本など高コスト国で生産する企業は大変不利になるということです。
 中国の課題の一つに高い失業率があります。人口は日本の約10倍ですから、失業者の絶対数は目がくらみそうです。このような厳しい雇用情勢を背景に、多くの労働者は「迫力」がにじみ出る働きをしていました。ミス即失職といっても決して大げさではありません。
 中国の「世界の工場化」が進むということは話が飛躍しますが、世界の「労働者」間の競争が企業競争以上に激しくなるということです。今日欧米企業の中国進出が増加傾向にあります。大規模な中国進出はいずれ母国経済に雇用喪失という痛烈なダメージを与えるでしょうが、個別企業には多国籍企業として生きる道があります。しかし残された労働者は困ってしまいます。
 どうすれば良いのでしょうか。方策は三つあります。一つは、自らの労働の質を高め、非大量生産型に移行すること。二つは、中国における労働条件を高めること。三つは、元の切り上げです。残念ながら私たちにできるのは一つだけです。

 
──加藤としゆき
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民主党参議院比例区第3総支部