政権にとっての「雇用統計」の重み
2003.09
アメリカの8月の雇用統計が発表され、大きな論議になっています。景気回復の見込みにもかかわらず、製造業を中心とした雇用者数が減少している状況が明らかになったからです。「雇用無き景気回復」より悪い「雇用を失いつつある景気回復(ジョブロス・リカバリー)」と一部では評されています。アメリカの景気回復持続への期待に冷水です。
この統計にブッシュアメリカ大統領はすぐさま反応し、遊説先で「生産性を上回る雇用創出に取組む」と演説しました。こんな雇用情勢では、来年の大統領選挙での再選は無いという危機感の現れです。アメリカの大統領にとって、雇用統計はいわば成績表なのです。雇用の確保、雇用の安定が大国アメリカにとっても政治の大きな目的であるということがわかります。
ひるがえってわが国の政権トップはどうでしょう。「痛みに耐えよう」という小泉構造改革路線の中で、多くの方の雇用が失われました。また、若い人の就職がなく、フリーターが増加しています。失業率は小泉政権発足の2001年4月が4.8%、2003年7月では5.3%。しかし、小泉さんが雇用をどう守るか、国民の前で約束しことはありません。
「小泉政権は働くものに冷たい政権だ」と私はいろんな場で訴えています。おそらく小泉さんも雇用統計はごらんになっているのでしょう。しかし、その意味をわかっておられないのだと思います。失業率が0.1%増える事は6万人もの人が職を失うわけです。仕事は生活の支えであるとともに、人は社会に仕事を通じて参加しているわけで、その機会が失われることの深刻さをもっともっと政治家は感じるべきだと思います。
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加藤としゆき
民主党参議院比例区第3総支部