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加藤としゆき
民主党
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働くあなたと、日本再生!
column──コラム
日本の製造業を守るために政治ができること
2003.11
 最近、韓国は官民をあげて日本の製造業の誘致活動を強化しています。米国もたびたび州知事クラスが来日し、特別税率の適用など行政主導の誘致活動を行ってきました。世界中が日本の製造業の誘致に大きな関心を示しています。製造業誘致の魅力は、その生み出す雇用の大きさです。工場の直接雇用だけではなく、輸送や金融・保険といった多くのサービス産業の需要も生み出すからです。これまで多くの工場が海外に移転しましたが、その流れはまだまだ止まってはいません。

 今日本に一番必要なことは「製造業の復活」です。そして、そのための政治の役割は大変大きいと思います。私が電機産業の出身だから申し上げているわけではありません。雇用を生み出す中心産業は製造業ですし、資源や食料を輸入せざるをえない日本が、そのための外貨を稼げる産業は製造業をおいて他にないからです。
 製造業が無くなってしまったら、残る第一次産業とサービス産業で1億2600万人の国民が生活できるでしょうか。資源や食料購入のための外貨を獲得できるでしょうか。答えは否です。製造業は今なお、大きな雇用を生み出す産業であり、また、その競争力を世界に認められているのは製造業だけだからです。
 働くものの代表として、正直いえばこれ以上海外に日本の製造業を出したくない。これが私の気持ちです。

 「そんな事を言っても、日本で作ったら商売にならない」「工場は製造コストの安い海外に出ていくのが経済の必然だ」「気持ちはわかるが、それぞれの企業の努力の結果であって政治に何ができるのか」 と疑問に思われるでしょう。そこで、強い”モノづくり日本”復活のための私の考える処方を3つ申し上げます。

 第一は、中国人民元の早い時期での適切な切り上げです。経済力と比べ、人民元レートが大変安く固定されていることにより、出ていかなくてもいいような工場が中国に移転しています。中国はWTO加盟国です。人民元はいずれ自由化され、レートが上がります。問題は時期と切り上げ幅です。1985年のプラザ合意後の円相場のような急騰が起きれば今の中国経済は耐えられないでしょう。世界経済も大混乱します。私は、そうなる前に、通貨が中国当局の管理下にある内に適切な幅での切り上げが必要だと考えます。10%から20%の切り上げは最低でも必要でしょう。日本政府は中国政府にもっとしっかり働きかけるべきです。貿易不均衡は為替レートで調整されるのが国際ルールです。適切な切り上げは中国にとっても混乱を避け、中国の購買力の向上も図れることからメリットの大きい事です。
 第ニに日本での製造コストの削減です。まずは企業内の製造コストですが、これは多くの苦労も伴いながら、各企業とも相当なコスト低減を行いました。ここは政治には関与できない課題です。私が注目するのは企業外のコストです。エネルギーコスト、水道代、そして物流費。すべてがおそらく世界一高いと思います。そして行政コストも高い。行政改革というのは地方・中央の行政の効率を徹底的に追求し、そのコストを下げることが目的です。現在は、行政(お役所)の非効率さが、各企業の必死のコスト低減を帳消にし、結果としてこの国の製造業のコストを押し上げているのです。行政の効率化と製造業の海外流出は無関係ではないのです。いつまでも待っていられません。スピーディーな政治の対応が必要です。
 第三には大学のもつ基礎研究を産業に生かすこと、「産学共同」の強化です。材料技術や加工技術を初め多くのノウハウが日本中の大学に眠っています。国民の税金で研究したことを国民経済に活用するというあたりまえのことをかつては否定する考え方が日本の大学にはありました。それを乗り越えるいくつかの努力も始まっています。研究資産を企業にスムーズに橋渡しをする仕組みづくりをもっと加速する必要があります。

 先日の総選挙でも「年金制度」のあり方が大きな論点になりました。その中心は給付水準と財源をどうするかという内容でした。しかし、年金問題を考える上で基本的で深刻な問題は、若い人の雇用の確保なのです。若い人の所得水準が下がってしまえば、どんな年金制度の絵を描いても破綻してしまいます。380万人もの失業者、そして400万人を越えると言われるフリーター。今の雇用情勢が続き、若い人の所得水準が上がらなければ、年金を需給する世代を支えることはできません。若い人に雇用があって、きちっと収入があること、これが年金論議の前提なのです。

 国や地方の政策でも「雇用対策」という項目が必ず出てきますが、その多くは「失業対策」というべき一過性の内容が中心です。しっかりした雇用をつくるためには、産業をどうするか、言葉を変えれば「日本での工場の立地条件」を改善する視点が必要なのです。日本の政治や行政は製造業を日本にとどめ置くことに無関心すぎたのです。加藤としゆきはそのことをまず変えたいと思います。

 
──加藤としゆき
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民主党参議院比例区第3総支部