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加藤としゆき
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column──コラム
京都議定書の発効にあたって
2005.02.16
 先進国30カ国に対し、地球温暖化の原因となっている排出ガスの削減を義務づける「地球温暖化防止・京都議定書」(「気候変動に関する国際連合枠組条約」第3回締約国会議で採択された、温室効果ガスの削減目標を設定した議定書)が、本日、2月16日に発効します(おりしも私の誕生日です)。これを記念して、全国各地でシンポジウムや様々なイベントが実施されています。

 京都議定書は1997年に採択され、今日まで84カ国がこれに署名しました。しかし、複数の国が関わる多国間条約は、一定の条件をクリアしないと国際法としての効力をもつことはできません。この京都議定書も、(1)批准国が55カ国以上、(2)批准する国の排出量が1990年段階の先進国全体の排出量の55%以上、の2点の条件がつけられました。そして、昨年11月18日にCo2の排出量が世界第3位のロシアが批准したことで批准国の排出量合計が61.6%となり、長年の課題であった条約発効にようやく辿り着いたわけです。
 署名と批准との違いは、署名は行政府の判断で条約を承諾するもの、一方、批准は議会が国民的意志として条約を承諾するものです。アメリカの場合は、クリントン大統領は京都議定書に署名しましたが、議会が「途上国の意味ある参加がなければ批准しない(バード・ヘーゲル決議)」として、これを拒否しました。

 さて、京都議定書の発効により、我が国も全国民的課題として、Co2の排出削減のために最大限の努力を払っていかなければなりません。京都議定書が定めた我が国の削減目標は、2012年までに1990年比で6%減らすことです。しかし、Co2の排出実態は、1990年の基準年をベースにすると何と2001年で8.2%、2003年で11.9%も上回っています。この間、私たちの生活と産業活動はエネルギーを多く消費する方向にあったのです。2003年の統計では、1990年比でオフィイスビルなど業務分野が36.9%増、家庭部門が28.9%増、運輸部門が19.5%増と大きく伸びています。製造業部門は省エネ努力でマイナスになっているため、今後はこの3つの分野で構造転換を含む思い切った改革をしない限り、京都議定書が定めた目標を達成することは困難になります。
 とくに、家庭部門においては、家電製品の増加が大きな原因となっています。家電機器・エネルギー機器の効率改善とともに、利用者たる個人も冷暖房・給湯の効率化、主電源を切る待機電力の削減、さらには環境に賦課がかからない製品を購入するなど、きめ細かい対応が期待されます。また、オフィス・事業所においても省エネのための改良点はいくらでも見い出せるはずです。すでに多くの企業・事業所が一定の成功をおさめており、参考事例は事欠きません。一方、運輸部門では自家用車からの排ガスが半分を占め、1990年比でも51.9%も増加しているという深刻な実態があります。ガソリン浪費へのペナルティーや、都市中心部への乗り入れを規制するなど公共交通機関の利用を促す方策、さらには自動車グリーン化税制のいっそうの拡充など、思い切った施策が必要だと考えます。

 省エネの強制とそれに関わるコスト負担、あるいはエネルギー浪費へのペナルティーの賦課は経済活動を抑制するのではないか、危惧する意見もあります。しかし、例えば、自動車の排ガス規制の強化が、新しい技術の進展を促し、新しいビジネス機会を産み出したという事実もあります。また、何よりも、温暖化と異常気象に関する研究が明らかにしているように、このまま温暖化が進行していけば、地球環境、とくに人間の生活環境に深刻な事態を招くことになり、もはや猶予は残されていないのです。最近の台風・ハリケーンの巨大化や集中豪雨の頻発化、干ばつ・砂漠化、海面上昇などは温暖化と密接な関係にあることが判明しつつあります。私たちの子孫に、安定した自然豊かな地球環境を残していくことは、現代人にとって最大の責務でもあり、私たちは勇気をもって行動に移さなければなりません。
 一方、私たちは、Co2排出規制に関する国際的取り組みについても注目していく必要があります。現在、先進国の中で京都議定書を批准していないのは、米国、オーストラリア、リヒテンシュタイン、モナコの4カ国で、このうち米国(36.1%)とオーストラリア(2.3%)は全先進国の排出量の3分の1以上を占めています。日本としても、EUと日本を中心にした取り組みだけでは限界がありますから、この2カ国の京都議定書への参加を粘り強く訴えていく必要があります。
また、近年、高度成長を続ける隣国中国の排出量は全世界の排出量の12%強も占め、今後ますますの増加が予想されています。とくに中国のCo2の排出は、酸性雨など日本への影響も甚大ですので、中国に環境対策の強化を強く訴えるとともに、日本としても積極的に省エネ・ガス排出抑制のための技術支援を行なっていくべきです。

 以上のことから、我が国は、地球環境保全に関して外交面、研究・技術面で積極的に国際的なリーダーシップを発揮すべきであります。このことこそが、我が国の国際社会における地位を高めるとともに、中長期的には、我が国の国民生活と向上と産業の健全な発展にも寄与するものになると考えます。この点で、行政面・立法面で多くの課題が残されていますので、本日の京都議定書の発効を機に、私も環境対策に全力を尽くしていく所存です。

 
──加藤としゆき
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民主党参議院比例区第3総支部