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はじめに
民主党は、今回の衆議院議員選挙において政権獲得をめざし全力を尽くしてきましたが、選挙結果は大幅な議席減となり、民主党に支持いただいた方々にはご期待に添うことができず大変に申し訳なく思います。
民主党としては、2大政党を目指してきたこれまでの基本戦略の見直しを迫られていますが、私は、今回の選挙結果については過度に悲観する必要はないと考えます。民主党の敗北は、一部で言われているような致命的なものではなく、今後、政党としての存在意義(レーゾンレートル)を明確にしながら、党代表のアピール力の強化、党運営や日常活動の軌道修正、あるいは選挙をにらんだ戦略の立て直しなどで十分に挽回できるものだと考えます。民主党とはどのような政党を目指すのか、どのような人々から必要とされているのか、という政党としての存在のあり方を明らかにしていくことが重要であると考えます。
今回の総選挙をもって、民主党の飛躍のために新たなスタート・ラインが切られたという理解のもとに、以下、選挙の結果と現時点の政治情勢、さらには民主党がこれから何を為すべきかについて私なりの意見を述べてみたいと思います。
1、民主党の敗因と与党の勝因について
今回の総選挙は、まず景気が回復基調にあったこと、またマスコミ全般が郵政民営化を支持したことなどから、当初から与党側に有利に働いたという背景があります。加えて、民主党としては、夏場の早期解散を予測できなかったために、政策のアピール、選挙争点の明確化、党幹部の活用の仕方、マスコミ対応など、多くの点で与党に遅れをとりました。その取り組みの差が、小選挙区制度のもとで大幅な議席減へと繋がったものと考えられます。
今回の選挙で自民党は、@郵政民営化法案に反対した議員に党公認候補をぶつけ実質的な分裂選挙を行なったこと、A自民党の選挙を長年支えてきた建設業・農協・商店街・自営業などの団体・組織が活動力を弱めてきていること、という二つの悪条件を乗り越えて大幅な議席増をはかりました。これは、自民党と公明党が一段と結束して、小泉人気にあやかりながら、権力を掌握している与党の強みをいかんなく発揮できたからです。とりわけ、マスコミを効率的に利用する選挙戦略が巧妙であったこと、各種の補欠選挙・首長選挙などを通じ自民・公明間の選挙協力体制がより精緻化されたことも勝因の一つでしょう。
しかし今後、自民・公明間の選挙協力体制が解消されたり、「改革路線」にほころびが出て小泉人気が衰えるようなことになれば、自民党の選挙態勢は一挙に崩れていくことが予想されます。今回の自民党への票の集中は、あくまで一過性のものであり、この政治的状況の本質を読み取って、次回の総選挙に向けて、民主党は基本政策を打ち立て、政権奪取のための戦略を練っていく必要があると考えます。
2、与党の3分の2体制と小泉政権の行末
小泉政権は自民党と公明党との連立を基本に4年半にわたり続いてきましたが、「改革」の名のもとに、日本の政治・経済・国民生活など様々な分野で破壊的な結果をもたらしてきました。今回の選挙では、日本経済の回復基調が過度に強調され、また「官から民へ」という規制緩和策があたかも実績を上げたかのように喧伝(けんでん)されましたが、その裏でいかに多くの犠牲が払われたのか、そのことが全く隠されてしまいました。またマスコミも小泉改革の日の当たるところのみを報道してきた観があります。
今後も、衆議院での与党の3分2体制を背景に、小泉政権は財政再建とかグローバル化への対応として様々な分野で構造改革・規制緩和策に着手してくるでしょう。今日のように景気が順調に回復してくると、改革によって生ずる矛盾や問題点はますます表に出にくくなり、中途半端な改革も成果をあげたものと評価されます。乱暴な改革、不当な負担を強いる改革も「改革の断行」となり、その結果、切り捨てられるもの、敗者となっていくもの、あるいは過度の負担を強いられるものなど、改革の犠牲をまともに受ける人々や地域が出てくることを警戒しなければなりません。
また、衆議院での与党勢力3分の2を背景に、今後、小泉政権は強引な国会運営を行ったり、さらに民主党に追い打ちをかけるような対応をしてくるかも知れません。
以下、懸念されることを説明します。
(1)官僚主権の強化と独裁的手法
小泉首相は「官から民へ」と強調しておきながら、これまでの政策立案においては一貫して官僚主導を容認してきました。
各種の私的諮問機関で民間人を起用しているものの、実際の実務権限を持たされているのは財務省を中心とした官僚群です。首相官邸の主導を装った官僚主権の強化が行われてきたわけです。副大臣・政務官制度の創設は「官から政へ」の流れをつくるものでありましたが、4年半の在勤期間中、主要政策課題についてはすべて官僚任せとし、その一方で、政治主導で政策を推進するタイプの議員はことごとく要職からはずしてきたという政治手法は、今回の選挙でも多くの大臣経験者を除名・非公認にしたことにも見られました。このことで一番喜んでいるのは霞ヶ関の上層官僚群です。今回の選挙によって、この傾向がますます強まることが予想されます。
一方で、限られた人材を重用する側近政治と国会軽視という独裁的な政治手法がじわじわと現れはじめています。特に、国会軽視の姿勢は、これまでも国会答弁の不誠実さが幾度なく指摘されてきましたし、今回の郵政民営化法案についても参議院の議論経過を無視し、その決定を真っ向から否定して衆議院の解散に打って出たことに象徴的に表れています。議会の決定が気にくわない時は、「民意を問う」として、都合のよいテーマで、都合のよいタイミングで衆議院を解散するというのは議会制民主主義の否定そのものであります。
また、今回の総選挙で与党が衆議院の3分2以上を占めたことにより、参議院で法案が否決されても衆議院で再可決することができました。そのことで参議院の存在理由が一段と小さくなり、「参議院無用論・一院制論」が活発化することになるでしょう。経済的な効率性、あるいは経営における意思決定の迅速化といった社会工学的な価値観が、民主主義の効率化という次元にまで浸透していく異様な事態を生み出しそうです。
小泉首相の政治手法の特徴である@実質的な官僚依存体質、A政治的反対者を排除する体質、B議会の軽視、という三つものは実は根が一つのものであり、議会制民主主義にもとづく政治運営としては極めて問題が大きいと言えます。
(2)改革の不徹底と国民負担の強化
4年半の間、小泉首相は「改革」を掲げ、これに反対する抵抗勢力をつぶすような言動をとってきました。しかし、道路公団の民営化問題、三位一体改革と称した地方分権、さらには最も注目されるべき財政再建問題においても実質には改革の名に値しないものでした。今回の郵政民営化でも、政府案の内容は巨大な銀行と生命保険会社を作るだけの話で、その巨額の資金をねらうアメリカの金融界とそれに後押しされたアメリカ政府からの圧力に応えたものです。
一方、小泉政権は、経済のグローバル化への対応、あるいは金融システムの維持と銘打って、収入面においては法人税や消費税に対して所得税の比重を一段と大きくし、支出面では不良債権処理や大型公共事業や道路建設事業の維持に膨大な資金をつぎ込み、財政赤字の拡大をはかってきました。
現在、中央・地方を併せて1000兆円と言われる財政赤字の累積額は、まさに自民党政権がその利権構造を温存しながら作り出したものであることを忘れてはなりません。小泉首相が「自民党をぶっ壊す」と言う場合、自分には財政赤字に何ら責任はなく、自分はあたかも「改革の騎士」であるかのような弁法とっていますが、自民党総裁である小泉首相が財政再建の責任をとるのは当たり前のことです。また、今回の総選挙を通じて自民党の二世議員が増えましたが、新人の二世議員も財政赤字を作った先代の地盤を受け継いで当選したからには、彼らも累積赤字をつくった責任を自覚すべきだと考えます。
この財政再建とともに、差し迫った少子高齢化社会への備えとしての子育て支援策や年金制度・医療制度の改革も、これまでの経過からすれば小泉政権では多くのものは期待できません。さまざまな「しがらみ」をもつ自民党では、いくら小泉首相が「自民党をぶっ壊す」と言っても、公的な資金を糧とする業界・団体・職業群・地域社会が依然として根強く存在し、選挙の際の票を武器に自民党に対して利益を要求するという構造は変えようがありません。まさに、この既得権、利権構造を壊さない限り、本体の改革は進まないわけであり、これを実行できるのは、「しがらみ」のない民主党の他にないということです。
(3)郵政民営化法案への対応
「郵政民営化法案」は、若干の修正を経て、特別国会に再度提出される予定です。政府が提案する郵政民営化は、国家公務員たる職員の身分変更と事業分割による市場原理の導入という、公的事業部門の改革では最もやり易い分野で手をつけようとしただけです。もちろん、郵政民営化で国家財政の赤字は減るわけではありませんし、これを突破しないと他の公的部門の改革が進まないということもあり得ないことです。このことを隠しながら、郵政民営化は改革の柱であると主張するとともに、民主党の政府法案反対を「郵政民営化反対」にすり替えた小泉首相の詭弁を追及していかなければなりません。
民主党としては、特別国会における郵政民営化法案に対し、これまでの主張をベースに法案の問題点を指摘し、事業分割、完全民営化による公正な競争条件づくり、預入れ限度額等の縮小、「地域・社会貢献基金」の撤回などを主張していく必要があります。選挙が終わってから、政府案の欠陥・問題点を指摘するマスコミの論調も出始めており、民主党はあらためて正々堂々と小泉内閣に立ち向かっていかなければなりません。
3、民主党の飛躍のために
(1)民主党にとって有利となる今後の展開
自民・公明の与党が衆議院の3分の2以上の議席をとったことで、逆に、その前途が多難になることが予想されます。とくに、@参議院の郵政民営化反対の動きが完全に封じられることにより参議院自民党の活力が失われていくこと、また衆議院でも個々の議員の役割と責任が相対的に減じ停滞感・無気力感が広まっていくこと、A新自由主義とナショナリズムの再興を指向する自民党と、福祉国家論・憲法にもとづく平和主義にたつ公明党との間での政策調整が困難になっていくこと、B小泉首相が自民党内で権威化することに対し、これに反発する勢力の活動が活発化してくること、とりわけ地方の均衡発展と福祉政策を重視する保守リベラル・グループが組織的再編をはかってくること――などが考えられます。
さらに今回の選挙で、「小泉改革」が国民からの圧倒的な信託を受けたことにより、これから公務員制度の改革、医療改革、農林・産業改革、公共事業の削減といった最も困難な課題に正面から取り組まざるを得なくなったことです。むしろ、私たちとしては、この改革の断行を期待したいものでありますが、やり方によっては自民党の支持母体との軋轢が生じ、自民党にとっては命取りになる可能性が十分あります。
また「規制緩和」「改革」の名の下でこれまで行ってきた様々な制度見直しや国民の負担増に対し、国民が批判の目を向けだしたことも指摘できます。今回の選挙における民主党の政党得票率は、小選挙区で自民党の47%に対し36%、比例区で自民党の38%に対し31%にものぼり、また、地方の小都市・農村部では民主党が予想以上の善戦をしました。このことは4年半にわたる小泉流の改革に対し、これを冷静にかつ批判的にみる人々が多くいるということであり、この地殻変動はいずれ大きな流れになっていくものと考えます。
民主党はこのチャンスを大いに生かすべきです。次期の総選挙で勝利し、政権を獲得するためには、この与党側に不利に働くであろう政治情勢を生かしながら、今後3カ年程度のスケジュールを策定して、これを実行に移す戦略をたてていく必要があります。
(2)財政の洗い直し作業と歳出構造の見直し
政権獲得戦略の第一歩は、まず政権を担える政党に相応しい政策を打ち出すことす。その最初にもってくるべき政策は、何と言っても「財政再建」です。国民生活を豊かにする、あるいは老後の生活を保障するといっても、公的な資金が回らなくなると国民経済も国民生活も破綻していまします。限られた国家資源を有効かつ効率的に使うために、国家財政は常に弾力性をもたせていく必要があるのです。
民主党としては、直ちに国家予算、とくに支出の徹底的な洗い直し作業にはいり、予算支出の無駄と不公正を取り除く方針を打ち出すべきです。同時に、これまでの福祉国家を支えてきた徴税システムと社会保障制度に関し、明確な改革ビジョンを打ち出すべきです。とくに公共事業については、必要のない可動堰やダム、高速道路など大型事業を中心に事業の削減をはかるとともに、入札制度の適正化を通じて、事業費の大幅なコストダウンをはかるべきです。
また、もう一つ重要な作業として、現在、中央・地方併せて1000兆円ともいわれる累積赤字は日本経済の運営にどのような意味を持つのかを解明することです。その一つの方法として、国の資産と負債との関係を実体的に明らかにすることが必要だと考えます。現在は、政府部門の赤字(負債)だけが取り上げられ問題視されていますが、家計・企業・政府の各経済主体における資産と負債の関係と実態をみていかないと、財政再建に関する議論が誤った方向に導かれると懸念します。
いずれにせよ、誰もが国の財政赤字を何とかしなければならない、あるいは増税や各種の本人負担・利用者負担の引き上げはやむを得ないと分かっていますが、これは制度の公平性や公正性が確保されているという前提があっての話です。改革をすすめれば、必ず既得権を失うものと利益を得るものが出てくることは避けられませんが、民主党としては改革の中身について積極的に提案し、労を惜しまずに国民と議論していく必要があると考えます。そのような議論の中で、国民生活の維持・向上に直接関わるもの、あるいは社会福祉的サービスや景気対策に関する歳出削減について合意形成ができれば、総合的な判断として負担増となるような改革でも、多くの国民からの支持が得られるものと考えます。
(4)民主党支持層の明確化
民主党は、1998年4月の結成から、自民党に対抗するために、いくつかの政治勢力・政党と合併しながら幅広い支持者によって支えられる国民政党として発展し、2大政党制の一翼を担うところまできました。とくに小選挙区で勝利するためには国民各層からの幅広い支持を得なければならず、これまで一貫して、経営者・中小企業主・農業漁業関係者・企業の中堅社員など、本来なら自民党を支持するいわゆる保守層や新自由主義的な層にも支持を訴え、政策にも幅を持たせてきました。しかし、この課程でいくつかの問題点が出てきました。その問題点と対応について若干、考え方を述べたいと思います。
@二つのジレンマの克服――労働組合との関係見直し
民主党の支持層を広げていく中で、二つのジレンマが生じました。一つは、公的セクターの改革など新自由主義的な政策を取り入れてウイングを広げたことで、政策的にも、外交政策を含む国家ビジョン的にも自民党との差異がなくなるというジレンマに陥ったということです。この場合、今回の総選挙でより明確になったように、政策的な差異がないということは、政権を掌握する与党側が有利になるということです。民主党が支持を期待した都市の保守的な中間層や若年層は、実はいつでも自民党支持に切り替わるという実態がより明らかになったわけです。これからは後述するように、支持層のターゲットを絞ることが重要だと考えます。
もう一つのジレンマは、労働組合など従来からの支持基盤を配慮すれば、政策的な幅に制限を受けることになり、逆に、これらの支持組織と一定の距離を取ろうとすれば選挙運動をはじめ全体的な組織力を失っていくというジレンマです。とくに、今回の総選挙において、小泉首相は民主党と労働組合との関係を持ち出し、連合を反改革勢力として印象づけ、民主党攻撃の材料に利用しました。日常的にも大きな支援を受ける労働組合との関係について、いま一度、政策の調整や選挙応援の方法を抜本的に洗い直す必要があると考えます。とりわけ公的セクターの構造改革問題が国家的テーマになっている今日、当該セクターの労働組合の政策については慎重に対応していくべきだと考えます。例えば公的セクターの民営化に関しては、労働基本権の確立を優先課題とし、固有の既得権益については公正・公正の観点から擁護しないことを基本に対応すべきだと考えます。
A支持層のターゲットの絞り方
これら二つのジレンマの乗り越えていくためには、まず民主党として今後どの層をターゲットにして政策を訴えていくのかを明確する作業をしなければならないと考えます。
これまで小選挙区比例代表制度の総選挙を3回経験しました。この経験をふまえると、@一般的あるいは平均的な勤労者層や労働組合に加盟している勤労者、A低所得層、年金生活者、労働組合員や非組織の労働者・パートタイマーなど社会的支援が必要な層、B地域に根ざした活動をしている市民・活動家、生協組合員、C中小・零細事業者やベンチャー起業者、D社会参加に積極的な青年・学生――などは、これまでどおり、政策を訴える中核的対象にしていく必要があると考えます。
次に、個々人の主義・主張の違いはありますが、企業の中堅社員、中央・地方の公務員、医師や弁護士・弁理士・司法書士などの専門的独立自由業、中間山村の農家や零細農家なども、民主党の政策を強く訴え、支持を仰ぐ対象であると考えます。
一方、比較的裕福な農家・漁業従事者、協同組合等に入っている商店経営者・自営業者、企業の経営層、土木建設関係の経営者・従業員、中央・地方の上層官僚、都市の富裕層などは、カバーできない層として割り切りを検討すべきでしょう。
B国家ビジョンの提示
一般的に、「小さい政府か、大きい政府か」、あるいは「アメリカ型新自由主義か、ヨーロッパ型の社会民主主義か」といった二分論的議論が盛んに行われますが、問題は日本の伝統と社会的な特性、さらに産業の実態を考えながら、我が国にあった国家ビジョンを議論していく必要があると考えます。結論的には、公的セクターの役割も一定程度重視し、社会的連帯・社会的共助、あるいは公正・公平・平等といったものに価値をおくヨーロッパ型に近いものを構想しますが、今後、民主党の中においてこの議論をしっかりと行っていくべきだと考えます。
民主党の支持層を絞って、小選挙区において自民党候補者との対比で51%以上の支持を得ていくためにも、政策やマニフェストのみならず、こういった国家ビジョン、国のあり方に関わるテーマについても、明確に国民に訴えていく必要があると考えます。
(4)選挙戦術の見直し
有権者の意識も大きく変わり、また公職選挙法上のさまざまな規制が強まる中で、選挙のやり方が全く従来通りのままで、新しい状況に対応していないところがあります。候補者・運動員の熱心さがかえって反発を買い、票をとろうとして逆に票を逃がしているかのような面も見られます。メリハリのない長々とした応援演説、粗雑な音響機器の使用、大衆操作的な候補者名の連呼の誘導、さらには相手の反応を読み取って結果を出すより頑張ったというプロセスを重視するような運動が随所で見られます。また、選挙区の情勢を的確に把握するという最も重要な作業ができていません。結局、新聞社やテレビ局の記者情報を頼りにして、間違った判断の上に戦術を立て、結果として失敗しまうというケースが見られます。
以下、いくつかの改善点を指摘してみたいと思います。
@広報活動の改善
今回の総選挙において、メディアがいかに大きな役割を果たしているかが、よりいっそう明らかになりました。党首の活用方法、若年者・女性への訴え、与党側のネガティブ・キャンペーンに対する対応などに、日常的にマスコミを味方につける工夫が必要です。とくに今回の小泉首相の選挙戦術を参考にしながら、広報活動あるいはマスコミ対策に万全を尽くす必要があると考えます。
Aマニフェスト選挙の見直し
マニフェストで争う選挙は定着したように見えます。しかし、マニフェストは党の選挙政策全般を訴えることはできても、有権者の判断を導く政策の明快さ、簡明さで難点があります。民主党のマニフェストの完全版は3万3000字ありましがこれを読破する有権者は稀だと思われます。また、与党との差異を訴える場合、マスコミが上手に比較報道できないという問題点もあります。今回の総選挙では、小泉首相はむしろ「アンチ・マニフェスト選挙」を展開したようなものです。
「マニフェスト」は政策面での対抗軸づくりでありますから、与党のものに対抗する民主党独自の政策の絞り方を工夫しなければなりません。この際、国民全体の利益を意識した総花的なものよりも、支持を得たい国民層の利害というものをある程度、意識してもよいのではないかと考えます。
B広告会社・選挙運動請負会社との関係
ポスター、キャッチコピー、テレビコマーシャルなど、各種のメディアの活用において、的確な情勢分析と的確なマーケッティングができる能力もった会社、斬新的な案が打ち出せる能力をもった広告代理店を選び、育てていく必要があると考えます。
Cテレビ番組における議員の出演問題
選挙に関わりなく、日常的にテレビ番組に出演し、自由に発言する個性的な民主党議員の動向が本来のものとは違った民主党像を作り出しているという問題点が指摘されています。テレビ出演は個々の議員の自由ですが、テレビの与える大きな影響を考えるならば、党として何らかのガイドラインをつくるべきではないかと考えます。
D落選議員の活動支援
次回の総選挙に向けた対策として、落選した議員の活動力を維持していくことが最優先されるべきです。これに必要とされる財政的負担は膨大なものになりますが、真剣に政権をねらうという目標達成のために、候補者の活動を支える体制を一段と強化し、党のさまざまな資源を集中していく必要があると考えます。
E補欠選挙・参議院選挙対策の強化
今回の選挙の失敗をふまえ、当面する神奈川選挙区の参議院補欠選挙、また2年後の参議院選挙について、全党をあげて万全の対策をとっていく必要があると考えます。この二つの選挙の勝利なくして次なる総選挙での反転攻勢はありえないと考えます。
──加藤としゆき |