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加藤としゆき
民主党
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column──コラム

 

 

 

「消えた年金記録」問題とその対応について 

2007. 6 .8 

 

1、はじめに

 民主党の追究によって、社会保険庁が所管する公的年金の記録の中に、宛先が分からない年金の記録漏れが5,000万件、さらにコンピューターに登録されていない手書きの原簿に残ったままの年金記録が1,430万件あることが判明しました。

  この社会保険庁の新たな不祥事に対し、多くの国民が不安と怒りを覚え、内閣支持率は一挙に低下しました。このような状況になってはじめて、民主党の調査要求さえも無視してきた政府・与党は、急遽、所属の判明しない年金記録の統合作業を行い、併せて5年の時効を廃止するという「年金時効撤廃特例法案」を国会に提出し、現在、参議院で審議されています。

  しかし、この法案によって、「消えた年金記録」の問題が全て解決するものではなく、また衆議院の法案審議が1日で、しかも「社会保険庁改革法案」同様に、野党の反対を押し切って強行採決を行ったため、国民の与党への不信はますます募り、安倍内閣への批判は高まりつつあります。

  以下、年金記録漏れの実態、なぜこのような事態が生じたのか、またこの問題に対してはどのような対応が最も適切であるのか、について解説いたします。

2、年金記録漏れの実態
 
  今回の年金記録漏れ問題は、主として、平成9年に行われた「基礎年金番号」導入時の混乱が尾を引いているものです。

  政府は、それまで分立していた公的年金に関し、全制度に共通する基礎年金を導入しました。厚生年金は、基本部分がほぼ基礎年金に、また国民年金はそのものが基礎年金に移行したわけです。それまでは、企業を辞めて自営業に転じた人、結婚退職をした人、企業に再就職した人、転職をした人、転居をした人などは年金制度が変わったり、登録地が変わったりすることによって、複数の年金番号を持っていたわけです。

  基礎年金の導入によって、公的年金は各事業所・社会や自治体の加入記録から、個人個人の年金記録に変わったわけですが、当時3億件あったとされる年金番号を一人一番号に統合するという膨大な作業が残されたのです。しかし、その統合作業は、データの欠損やデータの不備などで同一人物として認定できないケースが多発し、順調に進みませんでした。そして現在、ようやく所属がはっきりしない年金記録が5,000万件までに減った、というのが社会保険庁の言い分です。

  この記録漏れの実態と記録訂正に関する状況を別表1(PDFファイル)にまとめています。これを見ると、社会保険庁の業務推進方法やシステムにいかに大きな問題があったのかが判ります。年金受給者やこれから年金を支給される人のかなりの部分が、本来の支給額を下回る年金しか受給されないという大問題が起きているわけですが、さらなる問題は、記録漏れがあると分かった人が社会保険庁に訂正を求めても、保険料を支払った領収証を提示しないとなかなか訂正を認めてくれない、あるいはデータのチェックを真剣にやってくれないということです。

  柳沢厚生労働大臣は、国民や野党の厳しい追及の中で、ようやく未確認年金記録の名寄せ作業を1年間で完了し、不足分については追加の年金支給を行うとの方針を出しました。しかし、これまでの社会保険庁の対応をみると、記録の訂正がそんなに簡単に進められるとは考えられません。例えば、昨年の8月21日〜今年の3月30日の間に、記録の訂正を申し出たにもかかわらず、領収書などの証拠がないとして訂正に応じなかった対象者は20,635人にものぼり、従来の申請主義をあらため、社会保険庁みずからが精力的に照合作業を進め、加入者に順次その結果を確認していくことが優先されるべきだと考えます。

3、記録漏れの原因と救済策

 今回の年金記録漏れ問題は、要約すれば「年金保険料を支払ったにも拘わらず、同一人物に帰属しない宙に浮いた年金記録が発生していること」ですが、別表2(PDFファイル)で整理したように、記録漏れの原因によって照合作業や挙証の中味、あるいは救済策が違ってきます。

 社会保険庁の照合作業もどのタイプの記録漏れを優先すべきかを十分に考慮する必要があると考えます。とくにデータが欠落している場合は、市町村の手書き台帳やマイクロフィルムとの照合作業のみならず、各社会保険事務所間の横の調査、企業が保管している資料の調査、あるいは関係者の聞き取りなど膨大な作業が必要とされるものです。そのための必要経費と人的パワーを確保する必要もあります。

  私たちも、自らの年金権は自らで守る、という姿勢を貫きながら、この政府の不祥事の後始末作業に対し、いっそう厳しい態度を持って監視していく必要があります。

 

<別表1>「消えた年金」問題の実態と問題点

<別表2>年金記録漏れの原因と救済策

 

 
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民主党参議院比例区第3総支部