国会質問

第176回臨時国会 経済産業委員会(2010年10月21日)

若者の就職先が無くなっていく状況をどう脱出していくか。

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 経済産業委員会において、大畠大臣の所信に対しての質問をいたしました。日本経済の活性化に向け、外国企業を誘致するための課題提起や、エネルギー政策・独禁法など多岐に亘り質問をいたしました。6年前の初当選直後に経済産業委員会に所属し、ものづくり政策の重要性を訴えてから、港や空港の競争力を始めとする物流の問題点や、理科・理工離れについての対応など、多角的に質問をしてまいりましたが、今後も「ものづくり日本!」を合言葉に、政策の実現に向けて全力で取り組んでまいります。 

【質問項目】

1、成長戦略の課題(円高対策・雇用確保、中小企業政策など)に 

  ついて
2、鉱山保安について
3、エネルギー・資源の確保の多様化について
(1)アザデガン油田開発からの撤退について
(2)炭層メタンからの天然ガス開発
4、独占禁止法改正と経済活動の変化について
5、ものづくり政策について 

 

○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。高橋委員に引き続きまして、経済産業大臣所信にかかわる質問を幾つかしていきたいと思います。

 新大臣、前大臣も含めまして、非常に日ごろからいろいろと御指導も賜っておりまして、ある種感慨深い思いで質問をさせていただきたいと思います。余り持ち上げると、周りから、身内で何やっているんだと、こうおしかりを受けるかも分かりませんけれども、まあ普通の質問を普通にしていきたいと思います。

 まず、成長戦略の課題について少し質問をさせていただきたいと思います。10月8日に円高・デフレ対策のための緊急総合経済対策が閣議決定されました。特に経済産業省関連では、産業立地支援、国内投資促進策、これを打ち出されたということでございます。やっぱり国内に産業基盤をどんどん発展させていくということは、雇用を確保する、地域経済のことを考えますと極めて大切なことだと思います。これは今までも随分言われてきたことであります。また、所信の中でもございましたけれども、アジア拠点化、つまりアジア本社やマザー工場、研究開発機関を我が国に誘致していこうではないかと、こういうお考えも誠にもっともなお考えだと思います。

 そこで、ちょっとお手元に資料をお配りいたしました。これは、経済産業省の平成21年における工場立地動向調査ということの速報でございまして、これは海外からの研究所、外資系企業の立地件数の推移ということで時系列的に展開をしておるわけでありますけれども、見ていただきますと、正直言って、外資系企業の立地件数というのは21年でいえば7件と、こういう実態、実情にあるということでございまして、まずは、これまでの外資系企業の工場立地、資本参加あるいは合併、買収などの国内投資の実情についてお話しをいただきたいと思います。

○大畠章宏 経済産業大臣 外資系の国内立地状況についての御質問でございます。

 また、加藤議員には私も常日ごろ大変いろいろと御指導を賜っておりまして、大変ありがとうございます。また、こういう形で委員会の中で御質問をいただき、また答弁をするということになりましたが、これまでと変わらずに私も誠心誠意頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 最近の外資系企業の重要拠点というのが、言ってみますと、今御紹介いただきましたこの資料のように、日本国内というのが非常に少なくなってきておりまして、シンガポールや中国などアジア諸国に流出していることは委員の御指摘のとおりであります。したがいまして、日本の立地競争力というものが失われつつあるという危機感を私も有しているところであります。

 さらに、経済産業省が実施している動向調査等によりますと、撤退企業というのも2007年に101社から2008年は126社と聞いておりまして、大変この点も憂慮すべき事態が続いております。

 さらには、アジア諸国がグローバル企業の誘致に積極的に取り組んでおり、近隣諸国との競争に勝ち、日本をアジアの中核拠点として復活させるためにはアジアの拠点化の推進というのが大変大事でありまして、新成長戦略にも盛り込んだところであります。

 当然、そのためには何をしたらいいのかということでありますが、先ほど申し上げさせていただきましたように、国内投資促進円卓会議の中でもヨーロッパ系の経営陣から、日本の法人税が高い、せめてヨーロッパ並みにというお話もございますし、お隣の韓国やあるいは中国等が30%以下の状況等を考えますと、当然そのような、日本の市場としての魅力はあるとしても、それにしてももう高いという認識をお持ちのようでありますから、日本国としてはそういう情勢を変えまして、立地するにふさわしい環境を整えましたから日本をアジア拠点にしてもらいたいと、アジアの市場に対する日本を拠点と考えて是非進出していただきたいという環境を整えるように努力をしてまいりたいと思います。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

 今大臣のお話にありましたように、海外、今のお話ですと、欧米、ヨーロッパの企業から見て、研究開発機構あるいは地域本社、それを日本からいえば誘致をする、向こうからいえば進出をする、そのときの動機というんでしょうかね、インセンティブがどうあるのかというところを丁寧に整理をしていただきたいと。今お話にありましたように、法人税減税というのも非常に大きなファクターであると思います。しかし、人件費の問題でありますとか、そのほかのインフラ整備と言われているこれらのものを総合的に判断していただくと。

 お話にありましたように、日本のマーケットとしての魅力というのは、高い安定した購買力というものもありますけれども、日本人が持っている、ここ何百年の間培ってきた、例えば商品に対する感性の問題だとか、あるいはサブカルチャーとの結び付きを持ったいろいろな、他の諸国にはないメリットといいましょうか、そういうところをいかに前に出して売り出していくという、そういう従来にはない、やや戦略的な、ソフトを少し頭に置いたそういう誘致の形もあっていいと思います。

 加えて、海外からやってくると、社長以下幹部は、日本は外国になりますから、特に子弟の教育だとか、当然住環境なんかは随分レベルは高いし安全性も高いわけですけれども、教育環境であるとか、あるいは社員の持つ能力の中に、コミュニケーション能力を、これは語学だけではなくて、高めるだとか、あるいは大学等研究機関の、率直に言って、やっぱりすばらしい支援があるとか、そういう大きなインフラを整備していくというふうなことが必要でありますから、単に経済産業省だけではなくて、文科省を含め、やはり総合的な対応ということを是非御努力をしていただきたいと思いますけれども、何かございましたら。

○大畠章宏 経済産業大臣 確かに委員から御指摘のように、日本という国は、私もずっと日本国内で育ってきたわけでありますが、外国から見た場合にどういうふうに見えるだろうという、そういう視点は欠けていたかもしれません。日本人の持つきちょうめんさあるいは勤勉さ、そういうものが今日の日本の経済を支える大きな土台になってきたと思いますし、発展の土台でもあったと思うんです。

 しかし、今外国企業を日本国内に呼び込む場合に、もう一つ、今の日本人の教育レベルの高さというのと同時に、言葉がどうも日本語じゃないと駄目みたいだと、英語がどうも日本人は、弱いと言っていいかどうかは分かりませんが、外国企業が進出したときに日本語がよく分からないとなかなか仕事ができないというような話も聞いておりますので、これまでの勤勉さあるいはきちょうめんさ、そして学力と同時に英語力というのも文部省等々を通してお願いをしまして、何とか語学という点でも、韓国やあるいはシンガポールや、あるいは上海辺りでももう英語がかなり通用しておりますし、私の知人等も何か三か国語ぐらいは話す人が随分出てきておりますから、そういう意味では、そういう面でも、経済産業省だけでなく、文部科学省とも連携を取って、外国の企業が日本の中で仕事をできるという、そういう環境も併せて整えることが必要だと私も感じております。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

 成長戦略の中で環境だとかエネルギーだとか医療、観光、この分野について質問を一つセットしますけれども、これは後に回しまして。

 まず、引き続きまして、鉱山、チリで劇的な救出劇があって今世界中の注目を浴びておりまして、それはそれで大変すばらしいことなんですけれども、少し見方を変えまして、我が国では鉱山の事故はどうなっておるんでしょうかという視点から、原子力保安院のお立場から、鉱山の事故防止のための対策の問題でありますとかその現況、加えて、日本で残されている鉱山というのは、今でいえば石灰石鉱山、これが一番多いというふうに聞いていますけれども、その保安対策、環境対策。

 三つ目は、我が国はもう石炭とかその他の金属鉱山は随分閉山になってきて、ある種寂しい状況でありますけれども、中国などでは炭鉱事故も随分発生をしているという大変厳しい状況も伝えられております。我が国も長い間、戦後も含めまして産業復興の中で、特に石炭鉱山については事故が多発する中で苦しみながら安全対策を随分やってきたという、言ってみると鉱山事故先進国的なポジションも取っていると。そういうふうなことで、もう既に、国内ではそういう技術はもう閉山ですから要らないわけですけれども、他の諸国に対して蓄積されたそういう技術をどう展開していくのか、国際協力なりそういう視点からも大切なことであるし、そういうようなことも場合によってはビジネス化していけるという要素もあるのではないか、そんなことでこの三つの視点から質問を作ったわけであります。

 最初の安全対策等含めた内容については、これは保安院さんの方ですか、御答弁をいただき、残りの海外への支援策ということについては経産省さんの方でお答えをいただきたいと思います。

○寺坂信昭 資源エネルギー庁原子力安全・保安院長    お答え申し上げます。

 まず鉱山災害の発生状況でございますけれども、昨年私どもの方に報告を受けております災害の発生件数は、21年は37件でございます。これは、かつて、例えば昭和30年代の発生回数は数万回と、そういうオーダーに達しているものでございますけれども、非常に数が減少しております。かつ、その中身におきましても、発生の内容におきましても、運搬車両とかあるいはベルトコンベヤー、それに伴う事故、あるいは取扱中の機材でちょっと事故に遭うと、そういったものでございまして、かつての落盤とか、あるいは側壁が崩壊したとか、そういったものの発生件数は極めて減少しております。

 災害、罹災された、死亡された方の数につきましても、例えば昭和60年に南大夕張炭鉱ガス爆発事故というのがございまして、ここで62名の方がお亡くなりになっているわけでございますけれども、これを最後といたしまして、十名以上発生した事故はございません。過去5年間におきましては一名から三名でございまして、その内容も、先ほど事故の発生の内容で申し上げましたように、車両、坑外での車両事故とか、積荷用の機械による圧迫とか、そういうものでございます。

 こうした発生件数そのものの減少、死者数の減少、そういったことにつきましては、先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、かつての非常に厳しいつらい経験、そういったものも経た上での、坑内でのガスを抜く技術、あるいは新鮮な空気を確保いたします通気技術、こういったものの技術進歩、それから、坑内に入る場合と出る場合の入排気の坑道を必ず別々に二本道を造るといったようなそういう規制、それとそういうことに対する事業者の対応、さらには、現場で働いておられる方々も参加する形での各事業者での保安委員会の取組と、そういったことなど、鉱山保安法の制度や仕組みも踏まえました安全に向けた様々な取組の成果というふうに認識をしてございます。

 平成16年には自主保安確保を柱といたします鉱山保安法の改正を行ったところでございますけれども、今後とも円滑で実効的な運用を図り、事業者、行政、それから現場の方々、一体的に安全確保に向けた取組を図ってまいりたいと考えているところでございます。

○細野哲弘 資源エネルギー庁長官 御質問ございました保安安全技術の海外支援の側面からお答えを申し上げます。

 御案内のように、今世界では様々な地域で資源開発が大変な勢いで進んでおります。その中で、資源を産出する国においては、採掘に伴う安全保安の確保というのが非常に大きな課題になってきております。特に、御指摘の石炭の分野におきましては、これまでも産出をしている国においても、いわゆる易しいところからだんだん難しいところへ堀りを下げなくちゃいけない、露天掘りからあるいは坑内堀りへというようなことで、どんどん難しい場所で難しい堀り方をしなくちゃいけないということもございまして、これに伴って、保安とかあるいは安定的な生産体制をどうやって確立するかということは大変大きな課題で、御指摘のとおりでございます。

 御案内のように、日本は長年にわたって非常に国内の厳しい状況の中で、地質条件その他厳しい中で培ってまいりました優れた炭鉱技術を有しておりまして、これを活用して普及すべく、これまでも海外の炭鉱技術者を日本に受け入れて研修を申し上げる、あるいは日本から関係の技術者を派遣して現地で研修をするというようなことをずっとやってきております。

 今手元にある資料だけでも、2002年以降、例えば中国、ベトナム、インドネシア、こういったところから技術者を受け入れた数が二千百余名ございます。それから、こちらから出かけていって研修を受けていただく、これはもう3万7千名を超える研修を受けていただいているということでございます。

 こういうことを通じまして、いわゆる産炭国への技術あるいはノウハウの移転を進めて、それぞれの国における生産と保安技術の向上に資するように努力をしてまいりました。おかげさまで、産炭国の方からも、政府からも、これ大変技術の向上と安定生産に寄与するところが大きいということでしかるべき評価もいただいております。

 引き続き最大限のことをさせていただきたいと思っております。

○加藤敏幸 随分実績のある海外支援があるというお話でありましたし、一層努力をしていただきたいということと同時に、今のようなお話もマスメディアを通じてどこかの場面で国民の皆様方に知っていただきたい。我が国がそういう形で非常に地道な海外支援をして、世界的に人の命を大切にするということを展開しているということがありますので、ここも御努力をいただきたいと思います。

 次に、エネルギー資源の確保政策について少し御質問をしたいと思います。

 超党派のエネルギーに関する議連を、大臣を含めて多くの方が努力をしてこられました。我が国にとってエネルギーの安定確保というのは、まさに経済を支える、生活を支える、命を支える、極めて大切なことであると思います。安いエネルギーを確保するという視点だけではなくて、中長期にわたって安定的な資源確保ということが非常に大切だと、そういうふうな視点で今まで、例えば原油の輸入先を多角、多様化していくとか、いろんな政策、あるいはプロダクトミックスという形で、原子力から含めて自然エネルギーを、多彩なエネルギー源を開発していくと、いろんな政策を展開されてきたわけであります。これは従来、与野党を超えて、この経産委員会の中でも大きな成果を出されてきたと思います。

 そこで、先日、イランのアザデガン石油開発に関して、政府が出資する国際石油開発帝石、INPEXが開発事業から撤退をするという報道がなされました。背景等についてはやむを得ないという事情もよく分かっておるわけでありますけれども、我が国のエネルギーの調達先を多様化していくというそういう視点から見て、INPEXの筆頭株主は経済産業大臣ということでございまして、経過なり、また今後の資源確保の多様化、多角化という施策の展開等含めまして、今後の方針等お聞かせいただきたいと思います。

○池田元久 経済産業副大臣 資源小国日本としてエネルギーの供給源というか供給元を多角化するという今のお話はそのとおりでありまして、そういう方向でこれまで政府も努力をしてまいりました。

 INPEXのアザデガン油田開発の撤退についてでありますが、同社を取り巻く事業環境、御承知のように、アメリカを中心とするイランへの制裁など、事業環境を総合的に勘案した結果、撤退を行うとの経営判断に至ったものと承知をしております。撤退は大変残念でございますが、環境が刻々と変化する中で同社が行った判断を尊重したいと思います。

 我が国の資源の安定供給を確保するため、自主開発比率の引上げを行うという基本方針に変更はございません。

 他方、どの国、どの地域の権益獲得を目指すか等の具体的な方策については、情勢の変化に柔軟に対応しつつ進めるべきものだと考えております。イラクやベネズエラ、ロシアといった新たな国も含め様々な資源国と協力関係を強化してきておりまして、引き続き最大限の努力を行っていきたいと思います。

 議員外交ということもございます。インフラ輸出の関連で、先ほど大臣の答弁もございましたが、皆様方のこういう面での協力もお願いをしたいと考えております。

○加藤敏幸 引き続き、国家の基本的な政策という視点からも御努力をお願いしたいと思います。

 さてそこで、新しいエネルギー源の開発という大きなテーマがあるわけでございますけれども、炭層メタンなど、非従来型天然ガスの開発という視点で今日は一点だけお伺いをしたいと思います。

 非従来型天然ガスと言われる天然ガスにつきましては、砂岩に含まれるタイトサンドガス、石炭層に存在するコールベッドメタン、そして泥土が堆積して固まった岩の層に閉じ込められたシェールガスなどが今いろいろと注目を浴びているわけであります。埋蔵量は多いけれども、採掘技術とコストが付いてこなかったという状況の中で、どう考えてもエネルギー価格というのは上がっていくな、確保とそのコストをどう考えていくか。これは、工場立地からいっても、エネルギーコストが乱高下するような環境の中では、なかなか工場設置、維持は難しいんです。多少高くても安定してエネルギーが確保できるという状況が一番将来計画を立てやすいと、工場管理の立場からいえばそういうことであります。

 そこで、この新しい非従来型天然ガスの埋蔵量からいって、採掘技術が進めば世界のエネルギー構成比率からいっても相当状況が変化する可能性も高まっているという、そういうことから経済産業省としては、この非従来型天然ガスをどのように評価し、国のエネルギー政策にどう位置付けられているのか、今後の対応を注目したいと、こういう視点から特に開発資金への支援措置などを講じていく考えがあるのかどうか、そのことも含めまして見解をお伺いしたいと思います。

○池田元久 経済産業副大臣 非在来型天然ガスに着目されました。新しいエネルギーとして、今おっしゃったように、当然我が国もこの活用を図っていかなければならないと考えております。

 非在来型天然ガスは、通常の天然ガスに比べて開発が遅れておりましたが、技術革新により商用生産が増加してきております。アメリカやオーストラリア等の開発において我が国企業の参画も始まっております。非在来型天然ガスの開発プロジェクトにつきましては、既に石油天然ガス・金属鉱物資源機構、いわゆるJOGMECによるリスクマネーの供給等の対象となっておりまして、今後我が国の企業が支援を求める場合には積極的に応じてまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 非在来型天然ガス、最大の欠点は言いにくいと、こういうふうなことでございますけれども、これからも着目をしてやっていきたいと思いますし、特に天然ガスそのものは、CH4とか、いわゆる炭素が少ないんですよね。だからCO2対策としても非常に優れたエネルギー源であると、こんなふうに言われていますので、そういう視点からも御努力をお願いしたいと思います。

 次に、独占禁止法改正と経済活動ということにつきまして御質問を申し上げたいと思います。

 独禁法は平成17年に抜本的な法改正が行われまして、また昨年も法改正が行われ、本年1月から施行されました。特に今回の改正の背景には、長引く不況により特に中小企業に深刻な影響が出てきていると、これはなかなか言葉に、筆舌を絶するような非常に深刻な状況が出ているということから、中小企業保護という視点が入れられたということだと思います。

 一つは、従来の独禁政策の在り方と中小企業保護という二つの側面をどのようにバランスさせていくかという点について、公正取引委員会のお考えをお伺いしたいということと、もう一つは、17年改正の総括という視点から、法改正について企業行動がどのように変化したのか、あるいは市場の公正な競争がどのように回復していったのか、つまり法改正の成果なり影響というふうなものをどのように評価されているのか、この二点についてお伺いしたいと思います。

○竹島一彦 政府特別補佐人公正取引委員会委員長 お答え申し上げます。

 中小企業にかかわる事柄についての取組でございますが、これは従来から下請法に見られますように、公正取引委員会としても力を入れてきた分野の一つでありまして、それにかかわる定員も増やしてきております。ただ、このところの長引く景気低迷で、下請事業者だけじゃなくて中小事業者一般に不当なしわ寄せが寄せられていると。原料が上がっているのに転嫁できない、又は一回仕切った単価で仕事をしたにもかかわらず、事後的に、一方的に値引きを強要されたとか、そういういわゆる優越的地位の濫用とかいうことでございますが、そういったことが下請事業者だけじゃなくて中小企業全体に広がる。かつ、それも製造業だけじゃなくて非製造業でも広がるということでございますので、私どもは、独禁法の19条の不公正な取引方法というものを中小企業一般にきちっと適用しようということで、具体的な事案もちゃんと取り上げてやらせていただいております。

 それで、更に具体的には、17年改正のときに、国会でも衆参両院で強く御指摘がございまして、これは課徴金の対象にしないと、ただただやめなさいという命令だけじゃ手ぬるいというお話がございまして、それで21年改正、今年の1月から施行されているものにおいて、優越的地位の濫用とか不当廉売といったようなものについても新たに課徴金の対象にいたしますということになっておりまして、もう具体的に下請事業者以外で、大規模小売事業者が中小の納入業者いじめをしておるというものについて、具体的に我々としてはそれを摘発して今調査をしているというような状況でございます。これからも、この分野については積極的にきちんと法執行をしていきたいというふうに思っております。

 それからもう一点、私が公取委員長に就任しましてから、17年改正、21年改正と、それで実はこの国会にも、先国会から継続審査にされて今三回目の独禁法改正法案の御審議をお願いしているわけでございますが、その結果どういうことになったかということですが、その前に、その趣旨は何かということをちょっと申し上げさせていただきますと、私は、独禁法が日本の経済界、産業界において、これは守らないと損をするといいますか、独禁法というものを違反行為をするとペイしないよということをやっぱり認識していただく必要がある。

 そのために、硬い言葉で言いますと、公正取引委員会の法執行力の強化だとか、独禁法自体の持つ抑止力ということなんですが、要はやっぱり違反行為をすればそれなりのペナルティーが掛かりますと。それから、従来はなかなか発見できなかったものが発見しやすくする、摘発に掛けるそのペナルティーの程度ということでもって抑止力が決まるということでございますが、そういうことをまず第一に心掛けてまいりました。

 したがって、それに沿って課徴金の引上げとか対象範囲の拡大、犯則調査権限の導入、それから課徴金減免制度、会社としてやっていましたということを自主的に言ってくれば課徴金は減免しますと、こういうものを導入してまいりました。

 それから、もう一つの大きな柱は国際的整合性でございます。どの国も、アメリカ、欧州共同体に顕著でございますけれども、どこの国も競争法はきちんと厳正に執行している。特に欧州委員会の最近の摘発は大変巨額な制裁金を伴うものになっておるということで有名でございますけれども、どの国も基本は経済の効率化とか競争力の強化のためには独禁法というか競争法がきちんと執行されている必要があるという共通の認識がある、日本もそういう意味ではそこは基本的なところは共有すべきであると。

 それからもう一つは、国際カルテルとか国際的な企業結合が増えてまいりました。したがって、連携する必要があるということで実務的な連携体制もいろいろ組んでやってきております。

 何が起きたかと、その結果、法律関係で何が起きたかということですが、まず、従来はなかなか大企業がかかわるようなカルテル、談合というのは摘発できませんでした。一生懸命努力したけれどもできなかった。それはやっぱり疑わしきものは罰せずで止まってしまうからということで。リニエンシープログラムという課徴金減免制度を入れた効果がてきめんに出ておりまして、18年の1月から入れてもう、これ全く意外でございましたが、今年の3月末までで減免制度による申告が349件もございます。その中には大企業が入っているものもたくさんございまして、その結果、大企業がかかわっているカルテル、談合が摘発できるようになった。

 それと関係がございますけれども、課徴金の額がこの2、3年で大変多くなっておりまして、例えば21年度は360億円、ちなみに公取の予算は90億円弱でございますが、そういう課徴金納付命令が出ていると。これはやっぱり大規模なものをやっているという証拠でございます。

 それからあわせて、大企業を含め上場企業においては、今や独禁法のコンプライアンスプログラムを持っているのが普通である。ただ、それが本当に生きているか、絵にかいたもちかどうかという問題がございますけれども、それを何とか生きたものにしていただくということも、我々も実態調査したり働きかけたりしております。

 そういうことで、一言で申し上げますとまだ満足すべき水準じゃないかもしれませんが、この法律改正の効果は、抑止力の点から、それからコンプライアンス意識の向上という観点から見ても私はそれなりにあったというふうに思っております。

○加藤敏幸 今お話にありましたとおり、グローバルスタンダードとの適合ということも大きな課題でありますし、それから中小企業政策の中で、公正取引というものが経済を抑制するんじゃなくて発展する条件として、やはり払うべきものは払って公正な価格を維持して適正にお金が回っていくという。デフレ経済を更に深化させるような取引ということについては排除をするということも含めて、やはり競争政策というものが持つ本当の意味での真のねらい、経済に対してポジティブなんだという、こういうことの理解も国内にももっと広げる必要があるような気がいたしますけれども。

 これはこれでまた御努力の方、お願いを申し上げまして、最後に、2004年初当選をいたしまして6年たち、二期目を迎えました。2004年11月2日、経済産業委員会をほとんど最初の質問として一般質問、当時、中川昭一経産大臣でございました。

 私は、物づくり現場を代表するという立場から、物づくり政策の必要性を申し上げました。国内で工業、工場がどんどん海外に出ていく、ペンペン草が生えている、国内空洞化、地域経済の空洞化、若い人たちの就職先がどんどんなくなってしまうというこの状況の中からどうして脱出していけばいいのかというふうなことからお話を申し上げて、その後、2005年4月1日、ものづくり政策推進室というものを経済産業省の中におつくりになっていただき、単に経済産業省だけじゃなくて、港の競争力、空港の競争力、日本の物流システムがどうなっているんだ、各種規制はどうなんだと、理科離れ、理工離れはどうなんだとか、いろんな視点から6年間活動をやってきました。

 今回も成長戦略の中で、環境、エネルギー、医療、しかし医療のところが成長戦略として火が付くためにはやはり医事法を含めた規制緩和をどうしていくのか、やっぱり基準、安全基準をどうするのかということも含めていろいろな要素がある。つまり、物づくり政策というのは総合政策なんだという視点からこれからも努力をしていきたいと思いますけれども、同じ物づくり日本ということでいつも賛同していただいています大臣にその辺のところの御決意があれば承りたいと思います。26分までですけれども、よろしくお願いします。

○大畠章宏 経済産業大臣 物づくり政策について御質問を賜りました。その御質問の中でいつも加藤議員がおっしゃっている物づくり日本という言葉もあったわけでありますが、日本の国がここまで経済的に社会的に大きく成長してきたのも、一つには、農業も物づくりといえば物づくりだと思うんですよ。食べるものを作る、あるいはいいものを作る、性能、長もちするものを作るとか、これもすべて日本人のきちょうめんさ、そしてまた、一生懸命物事に取り組むという、そういう諸先輩方の努力の結晶が今日の日本を築いてきたものと思います。6年前の経済産業委員会での、当時の中川大臣にその物づくり政策の重要性を訴えたというお話を伺いましたが、私も、中川大臣とはいろんな思い出もございます。そういう諸先輩方の一つの積み上げが今日あると思いますが、同時に、その物づくりが、今、その土台が揺らいでいるようにも感じます。

 実は、あるとき私は本を読んでおりましたら、松下幸之助さんが、人を大事にしろという言葉があるんですね。なぜかというと、いい物はいい人でないと作れないからと、こういう文言でありますが、やはりどんなに技術が進んだとしても、その技術を利用、活用して物を作るわけですから、作る人がきちっとした形でないといい物もできないと、私もそう思います。

 そういう意味で、この物づくりというのは、経済産業省も様々な幅広い分野をやっていることは御存じのとおりでありますが、現在の円高進行等でその物づくりという基本的な基盤というのが揺らいでいるのも現実でございますが、私どもとしては、何としても日本の国を支えてきた物づくりをこれからも維持し発展させなければならないと思っておりますし、特に、低炭素型雇用創出産業立地支援の推進、ここで予備費を活用して1100億円規模で投入しておりますし、また、10月8日に閣議決定された補正予算、経済対策ステップ二でありますけれども、資金繰り支援や技術開発、海外展開など、こういう問題についても取り組み、エコポイント又はレアアース対策、立地支援等にも努力をしてまいりたいと考えております。

 いずれにしても、補正予算を早期に成立させていただき、引き続き我が国の基本的な柱として物づくりがしっかりと維持し発展するよう努力して取り組んでまいることを申し上げて、答弁とさせていただきます。

○加藤敏幸 終わります。