国会質問

第186回通常国会 経済産業委員会(2014年3月17日)

大企業だけでなく、中小企業や非正規雇用の賃上げも実施し、個人消費を底上げしていく。

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  本日(3月17日)開催された参議院経済産業委員会において、来年度政府予算案の委員会委嘱審査で質問をしました。この審査は、予算委員会における最終的な採決を前に、各常任委員会・特別委員会が関連する予算について具体的に審査するのもので、経済産業委員会は、経済産業省予算(特許庁、資源エネルギー庁、中小企業庁の外局予算を含む)と公正取引委員会予算を担当します。なお、この委嘱審査は委員会での採決は行いません。

  今回は、主として次の項目で質問を行いました。

  ①復興関係予算の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」と「被災中小企業・小規模事業者の資金繰り支援」の予算案が減額された理由

  ②福島における再生エネルギー関係事業の進捗状況

  ③水素エネルギーの活用促進に関する政府の施策と予算拡大の必要性

  ④家庭用燃料電池の「エネファーム」の普及策と補助金の拡大の必要性

  ⑤ものづくり関係予算としての「ものづくり中小企業・小規模事業者等連携事業創造促進事業」の利用促進策のあり方

  ⑥春の賃上げに対する評価と企業への賃上げ調査の是非

  ⑦特許行政の高度化、国際化に対応するための知財人材確保ための必要な施策


○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤でございます。

今日は予算案等についての審議ということでございます。来年度予算案に関する総論につきましては、予算委員会あるいは本会議の場で今後引き続き議論が尽くされると、このように思っています。本日は、経済産業省等に関わる委嘱審査ということでございますので、具体的な予算項目について御質問を進めたいと、このように思います。

まず、福島、被災地の復興加速でございます。やはりここをしっかりとつくっていくと、これが政府の基本的な方針であると思いますし、私どもも全くそこは同感でございますし、本当にここがポイントだと思っております。

そこで、具体的には津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金、この項目と、被災中小企業・小規模事業者資金繰り支援と、この二つの予算項目につきまして、外形的な数字が減額になっているということでございまして、そのことの背景を含めて御説明をいただきたいと思います。

 

○加藤洋一 地域経済産業審議官 お答え申し上げます。

被災地復興支援につきましては、集中復興期間、平成27年度にかけまして必要十分な予算措置を講じ、かつ復興の状況を踏まえながら適切に執行していくということが重要であると考えております。

こうした観点から、津波・原子力災害被災地域における企業立地補助金につきましては、平成25年度当初予算に相当規模の措置を講じた上で、その執行状況を踏まえながら追加的かつ必要十分な予算措置を講じる、そのことによりまして被災地復興を着実に進めていくという方針にしてございます。

平成25年度補正及び平成26年度当初の予算計上におきましては、こうした考えに立脚いたしまして、関係自治体とも相談しつつ所要の額を確保しているというふうに考えてございます。

また、被災中小企業・小規模事業者の資金繰り支援の平成25年度補正予算及び平成26年度当初予算に関しましても、足下の貸付実績あるいは復興状況を勘案いたしまして必要十分な予算措置を講じているものと考えております。

経済産業省といたしましては、引き続きこれらの事業を適切かつ着実に実施していくことが重要だと考えているところでございます。

 

○加藤敏幸 減額になったのは、執行状況を見ると要らないから減らしたんだと、そういうことですか。

 

○加藤洋一 地域経済産業審議官 例えば、津波補助金に関しまして申し上げますと、平成25年度当初予算、1,100億円でございました。第一次公募で666億円の事業を採択してございます。引き続きまして原子力災害被災地域を中心といたしまして支援ニーズが存在をしておりますことを踏まえまして、平成25年度補正予算で330億円、平成26年度当初予算で300億円を計上しておりまして、これを合計いたしますと1,064億円となってまいるわけでございまして、これらを使いまして引き続き十分な対応をしてまいりたいと考えております。

 

○加藤敏幸 これは、現実にはいろいろと発生しているニーズを前提として執行していくということでございますから、金額を積み上げればそれで評価されるということではなくて、現実には、どれだけの成果が後年、後発的に発生するかということもあろうかと思います。

今日のお答えはそういうことにいたしまして、既に三年が経過をし、かつ雇用創出企業立地補助金も、これは五か年の支援措置だと聞いておりますけれども、残された期間の中でどのようにニーズが発生していくか、また、これは総合的にいろんな事情がお互いに絡み合っていって初めて発生することですから、単純にこの推移だけを見るということではないと思います。

したがいまして、この企業立地補助金というのは、雇用を創出するとか、まさに地元の活性化をつくり上げるという意味で非常に重要な役割を担っていると、今日の質問はそういうことでありますけれども、今後の資金繰り等含めて、やはりいろいろとニーズが発生してくると思われますので、その辺のことはしっかりと柔軟に受け止めていただいて、これは来年のことは言いませんけれども、今後、きめの細かな対応をお願いしたいと思いますけれども、いかがですか。

 

○加藤洋一 地域経済産業審議官 御指摘のとおり、ニーズをきちんとつぶさに理解をした上で、必要十分な措置を柔軟に対応してまいりたいと考えております。

 

○加藤敏幸 それでは、関連をいたしまして、福島の復興に関わる再生エネルギー関連の予算として、研究開発拠点の機能強化事業16.1億円、次世代技術開発事業が8億円、そして県内の再生可能エネルギーの導入促進事業として9億円の33億円程度計上されております。これは福島における再生可能エネルギーを展開するということでありますけれども、ちょっとこの状況を説明してください。

 

○木村陽一 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長 お答えいたします。

福島県におきまして、委員御指摘のとおり、産総研の再生可能エネルギー研究所開設、あるいは、市民が身近に再生可能エネルギーを実感できるような見学スペースですとか展示パネル等、そういうものを備えました再生可能エネルギー発電設備への補助、これ9億円でございますけれども、そういったものを盛り込まさせていただいておるところでございます。

あわせまして、研究開発にとどまらず、被災地におきまして固定価格買取り制度と併用ができます他の地域にはないような再生可能エネルギー発電設備の導入に対する補助でございますとか、あるいは住民の帰還、あるいはふるさとの再建に役立てることを条件とした再生可能エネルギー発電設備の導入に対する補助のようなものも措置をしてございます。

あわせまして、世界初となる本格的な事業化を目指した洋上風力発電の実証事業についても手当てをさせていただいているところでございます。

 

○加藤敏幸 ありがとうございます。

やっぱり福島で見えるということが非常に大事なんですよね。だから、今言われた洋上浮力型の風力発電所の設置等につきましては、沖を眺めれば世界で最先端の風力発電所があるし、またこちらの方に入れば太陽光の発電、再生エネルギーのこれもあり、それが実績を上げているんだと、そういうことを一つ一つ積み上げていく、それが福島の皆さん方を激励し、次につながっていくという意味でもしっかりこれはやっていただきたい。実証、稼働という、単に研究開発というステージでなく、現実にそれで利益を得ているんだと、付加価値を出しているんだと、そういうことが大切ではないかと思います。これは半ば激励を込めた質問だというふうに受け止めていただきたいと思います。

次に、水素エネルギーの活用と補助金の充実ということでございまして、たしかエネルギー基本計画案におきましては二次エネルギーとして水素エネルギー利用を前面に打ち出されておるということでございますけれども、この水素エネルギーをこれからどのように位置付けていくのか、取り組んでいくのか、その辺のところ、是非説明をしていただきたいと思います。

 

○田中良生 経済産業大臣政務官 委員御承知のとおり、この水素というのは様々な物質からこれをつくり出すことができます。そしてまた、利用段階における排出は水のみと。ゆえに、エネルギー供給源の多様化、環境負荷の低減、これに資する今後の有力なエネルギーの一つであると考えているところでございます。

我が国は、2009年に、世界に先駆けましてこの家庭用燃料電池、エネファーム、これを市場投入いたしました。また、2015年に燃料電池自動車、これを市場投入予定ということであります。水素の利活用分野におきましては世界をリードしていると認識しております。例えば、家庭用燃料電池につきましては、各国でこの実用化に向けた取組が進められておりますが、いまだ実証段階のものがほとんどであります。我が国においていち早くこの市場投入、これに成功できたのは、やはり燃料電池の開発ですとかあるいは3,000台以上の実証機、これを用いた大規模な実証、そして市販開始後の導入補助ですとか、まさに今官民一体となって取り組んできたその成果だと思っております。

これのほかにも、燃料電池の高性能化、低コスト化に向けた基盤研究ですとか、あるいは燃料電池自動車、これに必須のインフラであります水素ステーションの整備支援、水素の貯蔵タンク等の機器の規制見直しですとか標準化、これに必要なデータ取得、技術開発など、様々な角度からこの水素の利活用促進に向けて取組を今行っているところでございます。

委員御指摘のとおり、世界をリードする水素利活用の分野におきましては、現在のこの優位性を維持していくこと、これがもう重要であると考えております。この現在の取組が十分か、これを不断に検証しつつ、また更なる水素の利活用、関連産業の活性化に向けて引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 

○加藤敏幸 今答弁にもありましたように、これで十分なのかということを、不断の努力できちっとやっていく、そこに尽きると思います。

この水素エネルギーの活用が非常に、夢があると言うとちょっと語弊がありますけれども、私どもにとって、国にとっても将来の子供たちにとっても非常に重要な政策である、水素が一つポイントになってくるということで、今の御答弁ではややその辺のところは省略をされているように思いますけれども、エネルギー需給の問題であるとかいろんな意味で非常に我が国にとっても戦略性の高い分野だと、そういうようなことも恐らく御議論をされていると思います。

そこで、エネファームという名前が出ましたけれども、家庭用燃料電池のエネファームにつきましては、現在約7万台弱設置をされております。2020年には140万台、2030年には530万台という導入目標が設定されているということでございました。これが一定の役割を果たしていくという意味では、こういう計画があるということについては十分理解をしたいと思っています。

ただ、この目標を達成するためには、先ほども少し触れられましたが、量産体制だとか技術開発による低価格化、あるいは市場原理へどう対応していくのか、そのようなこと、多々課題があるということもございます。わけても技術的な進歩、これも、原理をいうのではなくて製造上だとか設置上、あるいは家庭で使っていくときの操作上、そういった非常に現実的な技術面の開発だとか前進も必要ではないかと、このように思っております。

現在、エネファーム設置に対する国の補助金は45万円で、地方も少しこれに上積みをするということでありますけれども、例えばパナソニックと東京ガスが共同開発した最新の低価格の機器で約200万円であるというふうなことも聞いております。プラス工事費ということで、依然として初期費用は大きく、これを回収するということでいくと設置者の経済的な計画上、まだまだ少しと、こういうような声もあることも事実であります。

このようなことについて、いろいろお考えだと思いますけれども、少し中期的な展望と本予算案との兼ね合いでお話をいただきたいと思います。

 

○木村陽一 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長 お答えいたします。

エネファームの普及につきましては、御指摘のとおり、先日公表したエネルギー基本計画の政府原案でも、2020年に140万台、2030年に530万台を普及させるという目標を掲げております。

エネファームの導入拡大を目指しましては、政府といたしましても、2009年の市場投入以来、価格の動向を踏まえまして導入費用の一部を補助するということで、初期市場の創出を図ってまいったわけでございます。あわせまして、その低コスト化に向けた、例えば白金の使用量、触媒で用います白金を減らすといったことで技術開発の支援を行ってきたところでございまして、こうした取組によりまして、市場投入のときには300万円程度だった価格が今実勢価格で160万程度まで下がってきているということ、それから、これも御指摘ございました6.8万台ぐらいが現在普及するに至るなど、一定の成果を上げてきたものということで認識をしてございます。

導入補助金の補助単価につきましては、販売価格の低下に合わせて引き下げてきてございます。これまでも、導入拡大に水を差すようなことが決してあってはならないということで、市場の動向を見極めながら慎重に行ってまいりました。他方、こういう高い目標をクリアしていくためには、あるいは海外の市場を開拓していくというためには、やはり消費者が市場でエネファームを選ばれる、自律的に導入が進むような環境を実現していくということが非常に重要であろうということを考えてございまして、現在の導入補助金は、これに向けた、例えば事業者のコストダウンの努力を促す、最大限引き出すような支援の仕組みとして設計をしてまいったということでございます。

今後とも、技術開発、あるいは例えば業務用の分野の開拓といったことも併せまして、更なる低コスト化あるいは普及拡大に向けた取組というのを進めてまいりたいと考えてございます。

 

○加藤敏幸 この前、つくばの産業技術総合研究所を見学させていただきまして、いろいろな最先端の技術のお話を聞いてまいりました。

触媒に白金を使っているということなんですけれども、白金は価格が高いんですよ。

やはり普及に直接的に支援をするということも、これは場面によって必要ですけれども、しかし、物を作っていくプロセスだとか、いわゆる触媒の、これをどうするかとか、そういう技術開発を国として支援をしていくと、こういうことも非常に重要であって、そのことによって企業が言わばコストダウンに成功するとか、あるいは海外への展開が可能になると。そういった形での、言ってみると、保護政策ではなく、企業の実力を支えると、それはもうまさに企業自身の成果だと、そういうようなことも含めた応援の仕方ということもあるんではないかと思っております。

そんなことで、このエネルギー基本計画案、これもまた議論がありますけれども、その中で、いわゆる水素社会、これを我が国としてしっかりと育てていくと。育てるというと、何でもかんでも育つということではないんですけれども、大いに力を入れて応援をしていくということで、是非ロードマップを更に強化をし、やっていきたいと思います。ロードマップ等について何かございますか。

 

○田中良生 経済産業大臣政務官 水素のエネルギーとしての利用でございますが、先ほども答弁させていただきましたが、2009年にまずエネファーム、これが先鞭を付けました。そして、2015年には燃料電池自動車、これが市場投入予定であります。

こうした水素の利活用、これを本格化していくためには、やはり水素の製造、輸送、貯蔵といった供給、燃料電池自動車ですとか水素発電、こうしたものの利用、これをやはりバランス良く成長をさせていくということが必要であります。

このために、先日公表いたしました新たなエネルギー基本計画の政府原案におきましては、水素社会の実現に向けまして、水素の製造から貯蔵、輸送、そして利用に関わる様々な要素、これを包含したロードマップ、これを本年春をめどに策定すること、こうしたものが記載されているものであります。

こうした問題意識の下で、経産省といたしましては、昨年末に産学官から成る水素・燃料電池戦略協議会、これを設置いたしました。水素を安価でかつ環境負荷の低い形で製造する技術開発、また水素の大量貯蔵、長距離輸送、これを可能にする技術開発、燃料電池の耐久性向上ですとか低コスト化等、技術面やコスト面、様々な課題を克服するために多角的な今議論を行っているところであります。

今後、この水素社会、これを実現するために向けたロードマップ、これを策定いたしまして、このロードマップに基づいて、産学官一体となって水素社会の実現に向けた取組、これを強力に推し進めていきたいと思っております。

 

○加藤敏幸 そういうことで、やるならやると、やらないのならもうすっきりしてしまうということで、これはやるということでございますので、是非頑張ってもらいたいと思います。

それでは次に、ものづくり関係予算につきまして御質問をいたします。

先ほど高野委員の方から、中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業で1,400億円の議論がございました。お聞きしながら、「ものづくり日本」ということでずっと十年間議員やってきたわけでありますから、こういうふうな形で、本当に補助金がいいのか悪いのかという議論もございますけれども、いろいろ工夫をしながら問題を乗り越えてやっていくということであり、かつ、商業、サービスという分野にやはり焦点を広げていくと。これは、製品企画からアフターサービス、リサイクルまで含めた一気通貫の視点が必要だということで議論が前進をしているのではないかと思っております。

ただ、高野議員が縷縷こういう書類が要ると言って御紹介をしていただいたのを聞きながら、ああ、確かにたくさんあるなと。だけども、じゃ、どれを省略するのかと言われて、なかなか難しいところもあり、それは相当御議論をされているのではないかというふうに受け止めております。

さて、ものづくり中小企業・小規模事業者連携事業創造促進事業と、こういう長い予算項目について、金額は126億円でありますけれども、こちらの質問をしたいと思います。ただ、問題の内容は同類のところがあって、やっぱり申請に非常に手間が掛かるとか、いろいろとそういうふうな課題もこれありというところは共通しているのではないかと思います。

加えて、中小ものづくり高度化法の特定ものづくり基盤技術高度化指針に基づいて作成される特定研究開発計画が認定されたものに限る、また、大学、公設試験研究機関との連携も条件になってくると。確かにこれは、三年間で一億円という極めて大きな金額をつくるということで、厳しい条件設定というのはこれは当然だということだと思っております。

しかし、中小企業の実情だとか、あるいは申請している暇がないということだとか、いろんな事情があるわけでして、せっかく投資をすれば育ちそうだ、物になりそうだというものについてちゅうちょされているとか、そういうこともあろうかと思いますので、申請における個別の企業へのアドバイス機能など、やっぱり現場現場での作業が結構決め手になっていくという、そんなことも思っておりますので、その辺のところを含めて御見解を賜りたいと思います。

 

北川慎介 中小企業庁長官 御指摘の戦略的基盤技術高度化支援事業、通称サポイン事業と称しているものでございます。

私どもとしては、ものづくりの中小企業・小規模事業者、これが世界で勝ち抜けるよう、そこの研究開発を促すということは極めて重要だと考えておりまして、そのための柱の一つがこの施策でございます。御指摘のとおり、予算規模自体、昨年度の119億円から126億円に拡充いたしまして、また支援の範囲も販路拡大まで拡大してございます。

この事業、中小企業単独で取り組むことが難しい極めて高度な研究開発、これを応援しようという制度でございまして、このため、今御指摘ございましたけれども、研究開発計画、これの認定を受けること、あるいは、中小企業・小規模事業者の方が大学や公設試験研究機関と連携すると、こういったことを要件にしているわけでございます。そういったところから、なかなか使いにくいという御指摘なのかもしれないと考えてございます。

私どもといたしましては、先ほど申し上げた、これは極めて重要な支援策だと考えてございますので、利用を促していきたいと思っております。中小企業基盤整備機構におきまして、中小企業診断士、あるいは特に民間で働いておられた技術者の方、こういった方々から成る経営支援アドバイザー、これが認定に関わる申請書あるいは提案書の作成の相談あるいは申請のサポート、こういったことに努めております。

いずれにいたしましても、このような取組を通じまして、ものづくり技術の革新を支援し、この事業の利用促進も図ってまいりたいと考えております。

 

○加藤敏幸 ありがとうございました。

ものづくりだけに特化していってということではないと思いますし、なかなか輸出が伸びないというこの現状、前回、直嶋委員の方から質問があって、自動車はいいんだけれどもねと、もう一つどこかがといって、どこかというのはどこかなと思ったら電機産業で、私が関わったところでですね。

本来ならば、輸出の問題を含めて貿易収支等の話も少しと思いましたが、それは別の機会があるだろうということで省略をして、少し賃上げ等についてお伺いしたいと思います。前回、これも各委員からございましたし、大臣から、朝、新聞見るのが楽しみだ、うれしいという、これは率直な感想をいただいて、私も二十年前に連合本部でこれを担当していたので、三時間ぐらいしゃべってもしゃべり切らないという内容でございますけれども。

ただ、正直申しまして、この長い間の労使、お互いの、論点を整理いたしますと、企業競争力、国際競争力、これをどうするか。特に、我が国の人件費は世界で一番高い、世界一かどうかはともかく非常に高い、それがコスト高をつくっているという状況の中で、それはなかなか難しいと。

いわく、組合の方は、日本経済がこんなになかなかうまくいかないのは個人消費でしょうと。個人消費が伸び悩んでいるということが問題なんだから、個人消費を強化するためにはやっぱり賃上げでしょうと。今賃上げですよということで、賃上げをすべきだ。そう言いますと、経営者の方が、いや、賃上げしても貯金するだけだと、直接消費には結び付かないんだからと、そういう傾向が出ているではないかということで賃上げは駄目だと。このようなことを、もう二十何年ずっと経験をしてきたわけでありまして、その間、政府は中立でニュートラルだったんですけれども、最近は応援団ということで、朝、新聞見るのが楽しみだということで、これはこれで言われるとおり、個人消費を増やさないと景気回復ということにはならないし、消費者が自信を持ってお金を使っていく、物を買っていくという、このことをつくっていくことが好循環ですよね。

これは別に議論することはなくて、私にしてみたらもう三十年前からずっとやっていることなんで、これはこれでやっていきたい、いい結果が出ることを強く期待をしたいということであります。

さて、その中で、連合発表で1218、1,218円、ベースアップ部分であります。この後、12日の回答というのは大きいところが出てくるんです、大手が。その後、中小、地方に波及していくというこのプロセスの中で、ちょうど一か月後に解決促進ということで中小含めた取組の最後の仕上げということになるわけでありまして、したがって、このことで一言、可処分所得、実質賃金、もうここのところが勝負になると、このように思います。

だから、ここのところが実は、税金の扶養控除の問題だとか健康保険のいわゆる扶養者という位置付けだとか等を含めて、短時間労働者というのは時間賃率が上がったとしても最終的には時間を短縮して、働かない、総額収入を一定化する、そうしないと、お父ちゃんの扶養家族外れてしまったらいきなり負担が増えるという、こういう現象も実は長らくあったわけで、それやこれやとなかなかややこしい関連することもあって単純にはいかないというふうに考えております。

賃上げの環境をどのようにつくっていく、特に中小企業、地方に立地する企業、非正規という課題は残っておりますので、この辺のところ、是非、大臣の所感をお伺いしたいと思います。

 

○茂木敏充 経済産業大臣 今、大手の春闘の回答、先週の水曜の集中回答日以来あるところでありますが、委員おっしゃるように、1218と非常にいいスタートでありまして、特に電機は主要六社が2,000円全てということで、自動車だけではなくて電機にも相当な回復傾向が見えるんじゃないかな、こういうふうに思うところでありますけれども。国際競争力も重要でありますし、国内の消費を拡大することも極めて重要です。この賃上げというのがきちんと消費に回っていくためには、やっぱりデフレを解消する、このことが重要だと我々考えておりまして、そういった環境は整ってきておりますので、この賃上げというものを消費の拡大にしっかりとつなげていきたい。

同時に、大企業だけではなくて中小企業、そして小規模企業が賃上げできるような状態、そして、非正規の方々にとってもやはり給料が上がる、可処分所得が上がる、こういった状況をつくることは極めて重要だと、こんなふうに考えておりまして、中小企業につきましては、これまでも中小企業団体に対しても賃上げの要請、行わせていただいておりますが、大企業に対して賃上げの要請を行うときに、取引先企業との取引条件の改善にもしっかりと取り組んでほしい、そういった要請を併せて行っているところであります。

同時に、賃上げ企業の人件費増加分の一定程度、10%になりますが、を控除する所得拡大促進税制を拡充するとともに、中小企業の投資促進税制につきましても、中小企業にとってよりインセンティブの高い、つまり7%から10%へと、そしてまたより広い範囲をカバーする仕組みにしたところであります。

ものづくり補助金、これは先ほど来お話し申し上げておりますように、額も1,400億に拡大をいたしました。対象も、流通、サービスも加えると、こういった形にしたところでありますけれども、同時に、採択に当たりましては、人材育成とか処遇改善、こういったことに取り組んでいる企業を積極的に採択する、こういう方針も打ち出させていただきまして、そういった面からも賃上げできるような環境をつくっていきたいと、こんなふうに思っております。

非正規の労働者につきましても、政労使会議等の場を活用して、政府を挙げて経済界の方にも処遇改善、待遇改善、働きかけてきたところでありますが、連合の第一回の回答集中結果におきましても、非正規の賃上げを勝ち取った組合数、これが昨年よりも大幅に増加をしておりまして、時給でいいますと、増加したのが26組合から89組合に増えました。また、月給でいいますと14組合から58組合に増えたということでありまして、ここでも前向きな動きが出てきていると考えております。

厚生労働省とも連携をしながら、こういった非正規の方々の賃上げであったりとか処遇の改善、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

 

○加藤敏幸 大臣、ありがとうございました。大臣から連合の速報に基づいていろいろと回答内容を御紹介していただくというのは、まあ何とも言えない、それは、昔、私がずっと発表しておった内容ですのでね。

そこで、実はそのことを含めて二、三整理をしておきたいと思います。

端的に言えば、次の後の賃上げに関する、1,800社対象ですか、一部上場、アンケートをされるということにも兼ねるんですけれども、いつから経産省が厚労省になったんやという素朴な疑問の方もおられます。それからもう一つ申し上げますと、経済財政諮問会議のメンバーの方、やっぱり新自由主義的傾向が強いですねと。それから、派遣労働を含めて、この辺も結構、むしろ自由化論ということに話はアイデアとしては出ている。そんなこんなを考えながら、ここだけは、賃上げについては、もうこれは総理始め、大型の旗を振った応援団、場合によったら、後ろに手を出して引っ張っているんではないかというぐらい加勢をされている。

整理をしたいというのは、世界で一番活動しやすい、企業にとって、そういう日本列島にしますよ、これはこれで、日本国内における工場立地のメリットを増やすべきだと、国際競争は立地でも競争しておるんだよと。そうなると、イメージとしてやっぱり経済産業省というのは一番企業にとってかゆいところに手が届く、中小企業庁含めて、いろいろ細かいことをやってくれる、企業経営者にとっての、まあ理屈も含めた応援団なのか。労働分配率を上げろと、いろいろ政策をしているんだからちゃんと賃上げ率まで見張るぞと、こういう手法を含めて、どちらなんですか。取りあえず今は仮のマスクをかぶって厚生労働省の代わりをやっているんだと、もう連合も気合入れぬのかと、こういうことなのか。つまり、そこのところをどこかで整理をしていただかないとならないと思いますし。

それから、ちょっと時間がございませんから、この賃上げのデータにつきましても、これはまあ任意ですねと、これ強制するには法律が要りますから。また、企業名を公表するということについても、実はいろんな声が聞こえてきているんです。本旨は、そういうふうな、言わばアメとムチのムチに相当する政策だとは考えていなくて、これは甘利大臣の最初の初発のときの印象が非常に、フォローアップということで、実名を公表するぞというところがやや、強圧的とは言いませんけれども、非常にプレスしていくような雰囲気もあって、本質的に、経済産業省として、やっぱりそういう企業、1,800社含めて協力をもらう、これから一緒にやっていきましょうというスタンスだと思うんですけれども、やや誤解をされる。

逆に言うと、何で経産省がやらぬのか、やろうね、そんなもん、損するぜという思いも含めてありますので、この辺のところ少し、まあ来年のことはどうするのかとか、いろいろ言い出したらいっぱいありますけれども、かいつまんで簡単に御回答お願いします。

 

○茂木敏充 経済産業大臣 恐らく、先生も労使交渉をおやりになる中で、例えば日本の場合、組合側も企業経営というものを考える、そして企業の方も、労働者から搾取をするということではなくて、きちんとやはり戦力としての社員をどう活用していくか、そういう下での労使交渉というのが続いてきたんだろう、こんなふうに考えております。

今回、政府として、企業側、また政労使の会議で異例の賃上げの要請をさせていただいた。これはまさに、ちょうどアベノミクスの成果がここから本当に問われる中で、企業の収益の改善を賃上げにつなげ、それが消費の拡大を通じて更なる投資を生む、こういう好循環を生めるか生めないかのまさに極めて重要なタイミング、こういったこともありまして、異例の措置として、当然それぞれの企業におけます賃金水準等は労使の交渉で決まるものでありますが、要請を行わせていただいたと、こういうことであります。

そこの中で、1,800社のアンケートでありますが、大体、収益の状況、それから賃上げの状況は、各社、各組合でこれまでも公表している数字でありまして、何か産業の機微なデータについて調査をしているわけではないと思っておりますが、いずれにしても、今回、調査項目の中には、そういった賃上げの状況、公表する数字だけではなくて、例えば減税措置等、こういったこれまで取ってきた政策がどこまで効果を上げたのか、様々な項目につきましてもお尋ねをするという中で、この調査というものが様々な意味で今後の政策に生きていけばと、こういった意味で実施をさせていただきたいと、こんなふうに思っております。

 

○加藤敏幸 趣旨はそういうことでお話をいただきましたので、そういう趣旨に沿って、余りこれが後日問題になるようなことのないように御配慮もいただきたいと思います。

それでは最後に、知財の関係でございます。

特許庁関係予算で、今大変な環境にある中で、優秀な人材をどう確保し育成するかと、これに尽きるということで、今回100名の任期付審査官を確保するというふうに書かれておりますけれども、任期を決めているとか、実際本当に人材確保できるのか、いろいろな疑問も多々出てきますので、ここをひとつ御回答いただきたいと思います。

 

○羽藤秀雄 特許庁長官 平成26年度の政府予算案におきましては、今御指摘のとおり、100名の任期付審査官の確保ということで、審査の迅速化、そして審査体制の強化を目指しております。これは、今後十年で知的財産における世界最先端の国となると、昨年の6月に閣議決定されました知的財産政策に関する基本方針がございまして、このことを踏まえまして、世界最速、最高品質の特許審査の実現に取り組むために、集中的な体制の強化としてこの任期付審査官を始めとして審査体制の強化を図ろうと、こういう趣旨でございます。

また、この任期付審査官につきましては、民間企業の研究者、弁理士といった優秀な人材を確保したいというふうに考えております。

 

○加藤敏幸 民間の方々も含めまして、私も、同窓生集まったら大体半分は引退、半分はまだ仕事のお手伝いをする、そういうふうな状況にありました。長い経験の中で、まあ団塊の世代ということになるといろいろ問題がありますけれども、そういう経験豊富な方々を国の戦力としてこういう分野で活用されるのはいいことではないかと思いますし、知財の関係は、今日だけではなくて、実はもう特別に議論をすべきことが、技術の流出含めまして、TPPどうなるのかということもありますし、国際的にも、我が国をどうするか、所得収支のことも含めてロイヤリティーをどう形成するかとか、結構大きな課題が多々ありますので、またその辺も含めて今後いろいろとお話を聞きたいし、御意見を申し上げたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。