国会質問

第186回通常国会 消費者問題特別委員会(2014年3月18日)

消費者目線で、消費税増税に関する便乗値上げが無いよう監視いただきたい。

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  本日(3月18日)、消費者問題に関する特別委員会において、消費者庁関連の来年度政府予算案の委嘱審査で質問に立ちました。消費者庁は、「消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現」をめざして設置された行政機関で、消費トラブル・事故や消費者被害に関する相談・情報分析・防止措置、食品表示の適正化、物価のモニタリングなどの業務を遂行しています。

  主な質問項目は、以下のとおりで、それぞれ森担当大臣や消費者庁の政府参考人から回答を得ました。

①消費者物価の上昇という経済政策における消費者庁の立場

②4月からの消費税率引き上げに伴う便乗値上げに対する情報収集と対策

③「消費税分を値引きする等の宣伝や広告の禁止」に関する消費者庁としての取り組み方針

④消費者庁実施の物価モニターの成果の活用のあり方

⑤地方消費者行政活性化交付金のこれまでの収支状況と評価


○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

本日、予算案の委嘱審査ということで幾つかの質問を行いたいと思います。

まず、消費者物価、消費者物価政策の位置付けでございます。

今回の予算案で、物価関連対策の推進として物価モニター体制の強化等項目が入っております。4月1日からは消費税が上がるということもございます。加えて、インフレターゲット政策と申しましょうか、日銀の方では2%の物価上昇ということを目標に種々努力をされているということでございます。

私自身、物価が上がることがそんなにいいことなのかと、単純に言えばそこに疑問を持ちますし、言ってみれば物価は先行するわけですから、物価は。いろいろとそういう素朴な疑問を持っています。というのは、先に物価が上がるわけですから、その物価に対する支弁を各消費者が行うということであります。しかしながら、この物価が上がるほどに経済の活性化をつくらなければならない。だから、結果として物価が上がることがデフレからの脱却と、こういうことを政府は今やられていると理解をしています。

ただ、ここは、消費者の利益ということと、政府が目指すいわゆる好循環国会と、こういう政策のはざまにあって、4月1日から上がる消費税と同時に、諸物価が既に上がっているということについて、消費者の立場でそこはいろいろと考えていく必要があるのではないかと、そのように感じるところであります。

そこで、お伺いしたいのは、安倍政権始め、日銀も含めてインフレターゲット政策を取るというこの状況の中で、消費者庁におかれましては、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現というのが庁設置目的、これはまあそういうことになっておりますけれども、設置目的において消費者物価のモニタリング業務ということも積極的にされるとうたっておられますから、どのように位置付けられるのかということについてお伺いをしたいと思います。

 

○山崎史郎 消費者庁次長 お答え申し上げます。

消費者庁としましては、物価関連対策の推進という形で、今御指摘のような物価モニター制の強化でありますとか、さらに公共料金の改定の際の料金の適正化等、こういった形でまさに消費者にとって安心ができるようなそういう対応についての総合的な対策を取り組んでいるところでございます。

 

○加藤敏幸 余りすっきり分からないお答えでございましたけれども。

少し、この物価の問題とそれから便乗値上げの問題について引き続き質疑を進めますが、その前に、地方消費者行政活性化交付金について少し伺いたいと思います。

今回の予算案で、地方消費者行政活性化基金に30億円の上積みがされるということになっています。この基金への拠出については20年度第二次補正から始まっておりますし、この基金そのものの意義等については既に議論もされているということでありました。24年度予算では初めて一般会計からの拠出が行われていました。6年間あるいは前年度まで5年間の基金の収支なり、あわせて、この基金の評価についてお答えをいただきたいと思います。

考えてみれば、基金については、その使い勝手の良さだとかそういう利点についてはいろいろ議論されていますけれども、と同時に、基金そのものについてやはりいろいろな面で問題が発生している、納税者の立場からいっても疑義があるということもございますので、その点を織り交ぜて御答弁いただければと思います。

 

○川口康裕 消費者庁審議官 ただいまの御質問のうち、私から収支のところにつきましてまず御答弁申し上げたいと思います。

これまで、平成21年度から23年度までの3年間を地方消費者行政強化のための集中育成強化期間と位置付けまして、地方消費者行政強化に取り組む地方公共団体を集中的に支援してきたところでございます。その後、基金の取崩し期間を延長いたしまして、平成20年度から25年度までの6年間の交付額でございますが、これは合計で約319億円となっております。また、取崩し額でございますが、24年度までの実績で申し上げますと、合計で約223億円、また25年度の取崩し予定額を含めますと、合計約290億円となっているところでございます。

 

○岡田広 内閣府副大臣 消費者の安全、安心を確保するためには、地方消費者行政の充実強化を図ることが重要であり、これまで地方消費者行政活性化基金を通じてその充実強化を推進をしてきたところであります。

本基金は、地方公共団体が地域のニーズに応じて事業メニューを選択できる方式を採用しており、消費者庁が実施する地方消費者行政の現況調査により地方における取組の成果を毎年確認をしているところであります。当該調査によりますと、消費生活センター数や消費生活相談員数の増加、増員など、どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくりに向けて着実な成果を上げていると認識をしております。

今後とも、消費者の安全、安心を確保するため、時々の行政ニーズや地域の状況も踏まえつつ、基金の運用につきましては適切な評価、改善に努めてまいりたいと考えております。以上です。 

 

○加藤敏幸 ありがとうございました。

そういうお話の中で使われていますけれども、具体的内容についてはまた後日、御質問をさせていただきたいと思います。

さて、便乗値上げの問題ですけれども、山田太郎議員がいろいろ便乗値上げについての御質問をされました。

そこで、一つ事例を申し上げますので、少し御意見なりお考えをお伺いしたいんですけれども、サービス業です。今まで1,000円、税込みで払っておりました。4月1日から税込みで1,080円にしますと、こういうふうな広告が出ておりました。あわせて、4月1日より65歳の方にはシニア平日料金ということで1,000円に据え置きいたします、どうぞお申し出ください、免許証をと、こういうふうな書きぶりでした。このことについてよくよく考えると、税込み1,000円というのは、消費税5%ですと、たしか952円が本体価格となりますよね。それが4月1日から税込みで1,080円ということになりますから、これはどう見てもオーバーしている部分がありますね、ということですが、こういう表示はどうなんでしょうか。

 

○山崎史郎 消費者庁次長 お答え申し上げます。

便乗値上げでございますが、これにつきましては、事業者がほかに合理的な理由がないにもかかわらず税率の上昇に見合った幅以上の値上げをすると、こういった場合には便乗値上げとみなされているものでございます。

御指摘のようなケースでございますが、やはり税負担の変化以外のまさに合理的な理由があるかどうかが一つのポイントに実はなるわけでございます。例えば、そのサービスといいましょうか、商品等もございますが、コストはどうなっている、さらには需給の動向、そういった種々の要因においてまさにそういう合理的な理由があるかどうか、そういったことについて勘案するということになるわけでございます。

いずれにいたしましても、こういう価格の改定といいましょうか、の場合におきましては、事業者においては、税負担の変化以外のまさに合理的理由があるとするならば、その点についてはその旨を消費者に理解してもらうように丁寧に説明していくと、これが一番ポイントになってくると考えている次第でございます。

 

○加藤敏幸 ということは、合理的理由を弁明する責任が業者の方にあるということですね。

 

○河津司 消費者庁審議官 消費者庁におきましては、これらの合理的な理由をきちんと消費者に説明するようにということで、ポスターとかパンフレットでも周知をしているところでございます。そういう意味では、事業者が消費者にきちんと説明をするということが極めて重要だと考えております。

 

○加藤敏幸 したがって、その説明の内容が合理的であるかないかというのは、なかなか議論が現場では収めにくいところもあるし、諸般の事情によりとか諸物価高騰の折とか、流れとしてはもう1.3%物価が上がるという状況の中で、あらゆることを考えれば、電気代も上がっていますからね。つまり、そういう消費される財貨を支払うという現場において、いわゆる便乗値上げを止める、阻止するという言わば手段だとか方法というのはなかなか難しいということもあるし、では、消費者庁が全てのそういう消費の現場に手を出して指導ができるのかというと、これも物理的に非常に難しいということもあるわけですから。

そして、今御説明の中に需給で決まるというお言葉を使われましたけれども、需給で決まるということは確かに原点ですよね、この社会の。ということになると、便乗値上げというものは一体何なんだと、果たしてそれはきちっと観測できるものなのか、また、それを正すとか元に戻すとかということが現実問題としてあり得るのかという疑問に遭遇するわけであります。

そこで、先ほどお伺いしたかったのは、いわゆる物価モニター体制というものが一体どういう趣旨で行われるのかということを含めてお伺いをしたいというのが基本的な質問としてあるわけです。取りあえず、こういう段階で、何か先ほど私が申し上げたことに対してお答えがございますか。

 

○河津司 消費者庁審議官 お答えさせていただきます。

まず、御質問の物価モニターでございますけれども、昨年の10月から消費者庁の方で情報・相談窓口ということを設置いたしまして、便乗値上げに関する情報、相談を受け付けてきております。3月15日までで1,084件の御相談を承っております。設置当初は、しばらくは事業者からの御相談が多うございました。2月に入りましてからは消費者からの照会も増えてきております。

先ほど御質問のございましたように、便乗値上げというのは法律上の定義が明確にあるものではございません。先ほど御答弁申し上げましたとおり、事業者が他に合理的な理由がないにもかかわらず税率の上昇に見合った幅以上の値上げをするという場合には、それが便乗値上げとみなされるということでございますが、他方で、先ほど御質問の中にもございましたけれども、商品の特性、需給の動向、そういったものも含めて勘案する必要があるということでございます。そういった意味で、消費者の方からの御相談の窓口をつくってこれに御対応をしていくということも私どもにとって大変重要なことだというふうに考えております。

最近の消費者からの御質問を見ますと、御指摘のような、最近の諸物価の値上がりを、理由と、それからこの税率の上昇を併せてどういうふうに考えたらいいのかというふうな御相談も増えてきております。そういったことにきちんと対応をしていくということで、私ども、この便乗値上げのある意味情報をいただきながら、その中から必要があれば各省庁とも連携を取りながら対応していくということで対応してまいりたいと思っております。

 

○加藤敏幸 一方、消費税転嫁対策措置法ということで、これはどんどん転嫁しなさいということですよね。これは、当然最終消費者が払うから消費税なんだということですね。したがって、そこのところは、言わば値引きだとか、そういう宣伝広告についても、そういうふうな言い方はまずいですよと。消費税分は値引きしますとか、うちは消費者のために頑張りますとか、そういうことについてはきちっと規制していこうと。また、取引関係において弱い立場にある中小企業だとか納入業者等についてもちゃんと転嫁をきちっとすると。そういう意味では、政策目的を明示した法律なのでございますけれども。

しかし、そういうことを考えたときに、できればもう100%消費税分は消費者に転嫁をするということが大きな流れの中で、もう一つ言いますけれども、便乗というのは、先ほど言った理屈で言うと、よっぽどえげつないやり方だとか言い方をしない限りは、すべからく転嫁をしていきましょうと。そして、そういうデフレの弊害である、上げなくてはならない、それを上げないと悪い経済的な影響を与えるということを含めて克服するという、そういう政策がミックスされた状況の中での消費者庁の立ち位置だと思うんです。

逆に言えば、この転嫁措置法の中で、いわゆるいろいろな、上げたくないと、マーケットにおいて優位を保つために他者よりも一円でも安くしたいという動きの中で表示もいろいろ巧妙化してくる状況の中で、今後この転嫁対策、措置法を含めまして消費者庁としての取組方針がございましたら御説明いただきたいと思います。

 

○菅久修一 消費者庁審議官 お答え申し上げます。

私の方からは、転嫁対策特別措置法の中の消費税を値引きする等の広告宣伝の点についてお答え申し上げます。

同法の第八条で、消費税分を値引きする等の宣伝広告といったそういう表示を禁止しております。

これにつきましては、こうした表示が禁止されているということを政府など主催、様々な説明会の場で既に数百回のたしか回数だったと思いますが説明などしておりまして、かなりこうした消費税というものに関連付けた値引きの表示というのはしてはいけないということは、どうも浸透しているように感じているところでございます。

実際、表示に関する相談も受け付けておりますが、こうした消費税に絡むものでなく、その以外のいわゆる表示のやり方という相談が多うございますと感じております。ただ、こうした表示はむしろ消費税導入後に起こる可能性もございますので、そうした情報に接した場合には迅速的確に素早く対応していきたいというふうに考えております。

 

○加藤敏幸 4月以降の議論もたくさんあると思います。

元に戻りますけれども、政府統計、これは家計調査、小売物価統計調査等、非常に世界に誇るべき統計が日本にはあるわけであります。そういう中で、先ほどもございましたが、消費者物価指数というものと、それから消費者が肌で感じている、最近の物の上がり方はひどいよねとか、政府が言っている物価上昇指数よりもちょっと違うのではないかという、この差異があり得ると。これは統計ですから、物品を指定するとか品目指定とか、なかなかずれてくるし、そのときのいわゆる現場感で行われている消費行動と品目を決めていることとのずれも当然出てくるので、感覚的に差があると思います。

そこで、先ほどの物価モニターというものを、活用の仕方によって、またそこの消費者自身が感じている肌合い、この違いとそれから統計との差を埋めていくという機能もあるのではないかと。逆に言うと、便乗値上げというものは、なかなかそう簡単に観測し対処するということの難しさがある。そして、当然物価は上がった方がいいというこの流れの中で、物価さえ上がればいいということではないと思うんです。生活をされている人たちの、2%上がってしまえば実質的に2%購買力は落ちるわけですし、たんす預金の価値も下がるわけですから。物価が上がるというのは借金している人にとってはいいんですけれども、国民の目線で見たときに、必ずしもそれは、わいわいとお祭りのようなことではない。これはあり得るし、そこは、国民の生活をどう支えていくのか。豊かな生活を支えるという消費者庁におかれまして、そこの対策というか姿勢というものは必要だと思うんです。

消費者という冠を付けた省庁は消費者庁だけでしょう。そのことを含めて少しお考えをいただきたいと思います。

 

○森まさこ 国務大臣 消費者庁では、生活関連物資などの物価動向等を把握するために物価モニター調査、これは昨年の10月から始めまして、二か月に一度実施をいたしまして結果を公表しているところでございます。また、本年3月からは調査体制を更に拡充しまして、消費税率引上げ前後の価格動向を確実に把握しようというふうに試みをしておるところでございます。

消費者庁が実施している物価モニター調査は、御指摘のように、消費者の生活感覚にできるだけ即して、そして、早くその結果を知っていただくために、特徴といたしまして、調査実施二、三週間後を目途に結果を公表することによるという速報性の確保、そして特定のメーカーや銘柄、商品に偏らない調査、そして都道府県の人口比率に基づくモニターの幅広い選出などを実施、実行しております。

本調査の結果については、消費者目線に立った政策の実施に資するべく、政府全体で共有してまいろうと思います。

 

○加藤敏幸 消費者庁のお仕事の中には、先ほど出ました食品の偽装の問題でありますとか、安全性の問題だとか、多々、たくさん課題がございまして、それらについてもこの国会の場において議論がなされるべきだと、このように思います。

しかし、繰り返しますけれども、やっぱり物価というのは、庶民という言葉がいいのかどうか知りませんけれども、国民、生活者にとって極めて重要な要素なんですね。一か月の食費を何万円以内だとかそういうふうに決めておられる方もたくさん存じていますし、いろいろとこれは消費税を上げるときに議論になりました。それはそれでまだ引きずっているところも多々あると思います。

ただ、その中で、物価の番人という人がおらないわけですから、そこはどういうふうに考えていくのかということは、マクロの経済政策と消費者保護という大臣の使命、副大臣の使命を、政務官も含めまして政務三役が受け止めていただく中で適切な消費者行政というものも模索をしていただきたいと、こういう思いを込めて今日は質問を申し上げたということでございますけれども、何か決意でもございましたらお願いします。

 

○森まさこ 国務大臣 委員の御指摘をしっかりと受け止めまして、消費者の保護という目線で政務三役しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 

○加藤敏幸 ありがとうございました。質問を終わります。