国会質問

第186回通常国会 経済産業委員会(2014年5月13日)

廃炉・汚染水対策については東電に加え、政府が前面に立ってやっていかなければならない。 廃炉作業中に天変地異により被害が拡大するようなことがあってはならない。

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 質問する加藤議員

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 茂木経産大臣と傍聴者(写真左側)

 

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 廣瀬東京電力社長

 

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 田中原子力規制委員長

 


  本日(5月13日)、参議院経済産業委員会において、「原子力損害賠償機構法の一部改正案」に対する質問をしました。

  同法案は、福島第一原発の汚染水対策・廃炉事業に関する研究開発企画と廃炉作業の指導・助言をする機関として、現在、東京電力に賠償資金を提供している「原子力損害賠償機構」の中に、「廃炉等技術委員会」を設置しようとするものです。

  質問では、①「原子力損害賠償機構」の運営に関わり公開性を推進すべきこと、②「廃炉等技術委員会」の東電「廃炉カンパニー」への指示、指導のあり方、③他の原子力関係研究機関との連携のあり方、④海外の専門家を招く上で廃炉作業中の事故損害賠償を法的に整理する「原子力損害の補完的補償に関する条約」締結における諸課題、⑤様々な厳しい条件下にある東京電力の経営見通し、⑥廃炉作業におけるリスク管理のあり方――などを政府、東京電力、原子力規制委員会に問いただしました。

  同法案は、質疑終了後に採決に入り、賛成多数で可決されました。

  また、本日は電機連合の組合員の皆様が、大勢で傍聴にいらしていただきました。

 


 

 

○大久保勉委員長 原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

 

○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

本日は、原子力損害賠償機構法改正案、このことにつきまして幾つか御質問を申し上げたいと思います。先ほどの理事会で、本日で一応質疑終局、採決までということも確認されましたので、本改正案につきましては最終段階の質疑ということになろうかと思いますので、よろしくお願いします。

まず、原子力損害賠償機構、以下機構と省略させていただきますけれども、ここの議論の公開性ということにつきましてお伺いします。4月24日、本委員会において参考人の方の意見聴取を受けましたけれども、参考人の方からも、どういうふうな議論をされているのかということについて外からは見えない、よく分からない、ここについては開示性を高めるべきだという意見が出されました。また、委員会の中でも、委員から御指摘がございましたように、機構のホームページにある運営委員会の議事要旨は開催日時と協議項目のみということで、どういうふうなことを主題にどういう意見交換がされたのかということは定かではないと、このようになっております。

細かなことにつきましてはもう申し上げませんけれども、やはり廃炉等、新しい任務をこれから機構として担っていくと、また、そのことにつきましても、当然賠償と同等又はそれ以上に国民、また関係する機関、皆さん方の関心が高いということでございますし、更にこのことについては高い開示性を確保する必要があると、このように思います。このことについて、更なる努力が必要ではないかと、思いますので、決定事項のみの結果を公表するだけではなくて、検討、調整のプロセスを含めまして、必要なことにつきましては開示すべきと、このように考えております。

本来、機構の責任者の方からとも思いましたけれども、監督の任に当たっておられます経済産業省の考え方をこの場でお伺いをしたいと思います。

 

○上田隆之資源エネルギー庁長官 お答え申し上げます。

御承知のとおり、この原賠支援機構、特にこの運営委員会は機構法に基づきまして特別事業計画等々を議決する主体であるということでございます。

それで、震災以降、これまで機構のこの運営委員会において審議されてきた特別事業計画の策定過程、これにおきましては、例えば機構による一兆円の東電の株式の引受け等々のことがございました。そのときに、これ自身が東京電力の財務あるいは経営の機微に係る内容について検討をしていたということでございますので、市場への影響ということも鑑みまして、途中段階における情報ということにつきましては、それを逐一明らかにすることは必ずしも適切でないということの判断で、かなり限定的な開示にとどめていたというふうに承知をしております。

ただ、特別事業計画のこの政府認定を得たとき等々、節目節目におきましては、特別事業計画を策定した背景あるいはその内容に関しまして、運営委員長等が記者会見を行うといったことによりまして情報開示を行ってきたものと承知をしております。この新総特というものが今年の1月15日、1月に認定されましたが、その際にも機構の原田委員長が記者会見を行いまして、新総特の本文全体に加えまして、様々な参考資料もホームページに掲載をしているところでございます。

今後につきましてのことでございますが、今後はこの特別事業計画のフォローアップという段階に入るわけでございまして、この運営委員会の議論の内容に関する情報開示の在り方につきましては、私どももこれまで以上に機構におきまして強化をしていくことが望ましいと考えております。機構におきましては、他の認可法人の情報開示の仕方、こういったものも参考にしながらしっかりと情報開示を強化していく方向であると聞いておるところでございまして、そういった方向で情報開示が強化されていくことが望ましいと考えております。

 

○加藤敏幸 記者会見も非常に重要な情報開示の方法論だと思いますけれども、それだけで十分ということではございませんので、しっかりと積極的に開示をするということの方がこの賠償と廃炉等の各事業に対する国民の理解を得るということで非常に重要ではないかと、このように思います。そこのところはよろしくお願いしたいということと、ただいまは監督官庁としての決意が示されたと受け取っておりますけれども、当事者が本当にそのことを、先ほど申し上げましたように積極的に前向きに意義のあることと、面倒な仕事を押し付けられているということでなく、自分たちにしても大変必要であるということの理解の下にそれを行っていただきたい、そのことを併せて御指導を要請したいと思います。

本件についてはこれでとどめまして、次に、廃炉等技術委員会につきまして御質問を申し上げたいと思います。

廃炉事業におきまして、この廃炉等技術委員会が研究開発の企画から廃炉作業の指導、助言と、そういった言わばヘッドクオーター的な役割を担おうと、このようにしているということでございます。しかし、東電そのものは既に福島第一廃炉推進カンパニーを4月に設立をされておりますし、廃炉に焦点を絞ったセクション、そういう業務を本格的に稼働されているということでございます。

新・総合特別事業計画、この御説明の図表におきましては、廃炉等技術委員会がこの東電の廃炉カンパニーに指示等を出すと、このような説明資料になっておりました。また、法案上は第三十五条によって、助言、指導、勧告をすると、このようになっております。この言わば新・総合特別事業計画に言う指示等という言葉と、法に言う助言、指導、勧告と、このような内容につきまして、その拘束力であるとか実効性、また具体的にどういうことをこの言葉で行おうと考えておられるのか、この点について御説明をいただきたいと思います。

 

○茂木敏充経済産業大臣 今回の法案では、委員御指摘のとおり、機構の業務の範囲の一つとして、廃炉等の適切かつ着実な実施の確保を図るための助言、指導、勧告等を追加すると、こういうことにしております。

例えば、IRIDも様々なことをやっているではないかと、こういうお話も聞くわけでありますけれども、IRIDにおいては、廃炉調査に必要な遠隔操作ロボットの開発等の具体的な研究開発プロジェクト、こういったものを進めております。

一方、新機構、今後、法案を成立させていただいた以降立ち上がります新機構につきましては、事故炉の廃炉に必要な研究開発の企画を行うとともに、大変難しい作業になってまいります燃料デブリの取り出しであったりとか廃棄物の取扱い等の中長期的に必要な事項について専門技術的な検討を行い、その実施方法や時期等について東電に対して助言を行うことが想定をされております。

そういった中で、東電においても廃炉カンパニーもできる。じゃ、国の仕事、新機構の仕事、東電の役割、こういうことで申し上げますと、新機構が発足した後には、政府がまず中長期ロードマップ等の方針を策定をいたします。一方、新機構は、この政府の方針に基づきまして東電が行う福島第一原発の廃炉に関する助言等の支援を行いまして、東電は、政府の方針そして新機構の支援を受けつつ、実施主体として福島第一原発の廃炉・汚染水対策を進める、こういった形での役割分担の下でしっかりした廃炉・汚染水対策、進めてまいりたいと考えております。

 

○加藤敏幸 政府の現時点における三者間の役割の関係についてはただいま大臣から答弁をいただいたわけでありますけれども、このことについては後ほど少し御意見を申し上げたいと思います。

その前に、大臣の方の御答弁の中にもございましたが、既に国際廃炉研究開発機構、これは廃炉に関わる研究開発をマネジメントする技術研究組合ということで、先ほど御紹介があったIRIDと言われていますその機構がございます。この経済産業委員会にはその山名理事長に来ていただきましていろいろお話を伺いました。廃炉事業におけるヘッドクオーター的な機能を十分備えているという側面もあるし、既に東電と連携して廃炉のための研究開発業務を推進されているということも聞き及んでおります。また、日本原子力研究開発機構及び産業技術総合研究所などがそれぞれ研究を進めておられますし、大学関係においてもロボット技術などを中心に研究が進んでいるとお聞きをしております。

このように多数にわたる機関等が廃炉、当然汚染水の問題も含めましていろいろと関わっておられるわけでありまして、やや少し、多くの機関がそれぞれ参加されるということは是といたしましても、そのことが有機的に効果的に連携し合う、そういうふうなことがなければ、俗に言う船頭多くしてという事態もあり得るし、必要なところに必要なものが欠けるという事態も出てくる危険性もあると。

そのようなことも含めまして、各種機関を統合的にいわゆる動かしていく、こういう視点において経産省としてはどのようにお考えになっているのかということについてもお伺いしたいと思います。

 

○糟谷敏秀資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監 廃炉に関する研究開発、これは内外に開かれた形で様々な国内外の英知を結集して行う必要があると考えております。

例えば、基礎研究、基盤研究であればJAEAでありますとか、あと応用研究であれば、当然廃炉の実施主体である東電も実際の廃炉に用いる実用的研究を廃炉カンパニーとして行うわけでありますが、より困難な技術的難易度が高いものについて、国が予算を措置してIRID、国際廃炉研究開発機構が、メーカーも参加する技術研究組合という性格を生かして、公募によって選定された上でロボット等の研究開発を実施をするという、そういう様々な主体の関与が必要になります。

そういう中で、御質問いただきましたように、これを有機的につなげてうまく進めていく総合調整の役割が非常に大事になるというふうに考えております。この法案が成立した後には、これまでは政府が担ってきた廃炉に関する研究開発の企画推進ですとか研究開発の総合調整という機能を新しい機構が戦略的に行うということになるわけでありまして、その役割がしっかり果たせるように、それによって廃炉がしっかりと進められるように進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 

○加藤敏幸 ただいまの御答弁も含めまして、やっぱり中核にいるのは廃炉等技術委員会であり、総合的な責任はこの委員会が担っていると、こういう解釈だとお伺いしました。

そういうことの中で、少し元に戻りますけれども、いわゆる助言、指導、勧告を大きな責任を持つ廃炉等技術委員会が東電に対して行うと、こういったときに、それを受ける東電側がそのことをどのように受け止めるのかということもこれは大きいと思うんです。言われるがままにということと。ここのところは少しよく考えて、両者の相互関係というものを構築していくという必要性があると。

これは、現場でずっとやってくる中で、やはり現場を抱えているのは東京電力、その廃炉カンパニーが、目の前にあるこの現場をどのように解析し最適な方法で問題を解決するか、そのために創意工夫をどうするのか、必要なリソーシズをどのように調達をするのか、相談すべきことは政府に相談をし、東電の能力を超えることについては堂々と要請をしていくと。そういうことの中で、国民が大きな関心を持ち、国としても責任を持ってこの廃炉という事業を完遂しなければならない。

そのときに、この廃炉等技術委員会がまさに自らの組織を、組織があることの説明のために仕事をつくるというのは、きつい言い方かも分かりませんけれども、そういうことでは駄目であって、全ては問題を解決するためにこの技術委員会があり、かつ、現場が気持ちよくしっかりと働ける環境をつくるということでこの技術委員会と現場の廃炉カンパニーとの間がしっかりとした信頼と協働関係をつくり上げていくということが必要ではないかと、このように思いますけれども、大臣、ただいまのことについての御感想があれば一言お願いしたいと思います。

 

○茂木敏充経済産業大臣 委員おっしゃるとおりだと思っておりまして、廃炉・汚染水対策を含めてかなり中長期的な課題になってくるわけであります。それぞれの立場の役割の主体がしっかりと取り組めるよう、国としても責任を持ってまいりたいと思っております。

 

○加藤敏幸 廃炉事業の進展については、今後も国会としても高い関心と、しっかりと支援もしていく必要があると思いますので、この後も引き続き議論をしていく必要があると思います。

さて、次は、いわゆるCSC条約というものがございます。これは原子力損害の補完的補償に関する条約という問題でございまして、このことは、経産大臣がある国会答弁におかれまして、この条約の締結により外国人専門家の招聘がしやすくなってくると、そういうある種前向きのこの条約に対する評価というふうなことでお話があったと伺っておりますけれども、まず外務省から、この条約の特徴、締結国の状況だとか、いわゆるまた廃炉作業において事故が発生した場合の対応だとか、この点についての御説明をいただきたいと思います。

 

○廣瀬行成外務大臣官房審議官 お答えいたします。

今委員御指摘になりましたCSC、原子力損害の補完的補償に関する条約でございますけれども、これは、我が国政府といたしまして、国際的な原子力損害賠償制度の構築に参加するとの重要性を認識し、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に知見を有する外国企業の参入の環境を整えるためCSCを締結することとしたところでございます。

このCSCの概要でございますけれども、原子力損害の範囲を規定し、また手続について、例えば管轄権の集中だとか、そういった手続面での規定が整備しているところでございます。

このCSCでございますけれども、現在まだ発効をしておりません。アメリカ、モロッコ、アルゼンチン等が締約しておりますけれども、締約のための条件がございまして、締約国の数、それから締約国が持っています原子力発電所の、原子力施設の熱出力でこの要件が定められておりまして、まだ発効していないという状況でございます。

仮にこのCSCが適用される場合の外国企業との関係ですけれども、今申し上げましたように、裁判管轄権が事故発生国に集中されるといった内容でございます。

以上でございます。

 

○加藤敏幸 まだ発効しておりませんので、締結国の数を増やしていくということも必要かと思います。

廃炉等の技術を進展させると、この機構の発足に当たって、我が党も政府に対して内外の専門家の活用というふうなことを強く申し入れさせていただきましたし、そのことについては非常に誠実な対応をされておりますし、そういう方向に確定してきていると受け止めております。

それで、海外と、内外の知恵を結集すると一言で言いましても、例えば海外企業が日本の廃炉のどのレベルで参画をするのか、このことによってリスクということの算定は変わってくると思います。ある部分を外国企業が日本国内の事故炉についてオペレーションをするということになったときに、そのことか、ある種また外的要因によって再び原子力が、被曝をするという事態が発生したときの損害賠償についての取決めを明確にしておかなければならないということと、先ほど御答弁にありましたように、裁判管轄をどこにするのかというふうなことの明確化をしていくことがやはり内外の力を結集するインフラをつくると、条件をつくるということで必要だということでございます。

ただし、多くの国がこの条約に入ってきますと、近隣国において事故が発生したときに、そこで発生した、そのことが例えば海を隔てて、大気を隔てて我が国に経済的な損害を与えたときの裁判権というのは発生国にあるわけですから、これは発生国の法律の状況、裁判の状況によっていろいろ考えられるわけであります。まだまだそこまで締結国が増えてはいないんですけれども、方向としてこの条約を拡大していくということであれば、そのようなことについても非常に重要な検討事項、課題が残っているということを指摘させていただきまして、これはまだ先の議論があると思っておりますので、外務省においても更に研究を深めていただきたいと思います。

続きまして、東電の経営問題について質問をしたいと思います。

本日は廣瀬社長にも御出席をいただきまして、なかなか日常の経営、各種大変お忙しい中ここで答弁していただくということで、深く感謝を申し上げたいと思います。

廃炉・汚染水対策、これは東電が第一に、前面に立ってきちっと対応しておられるわけで、加えて、政府も前面に立ってやっていくんだという決意は示されていると思います。

しかしながら、私自身の受け止め方でありますけれども、東京電力株式会社におかれまして、今後の経営見通しについては大変厳しい側面があると受け止めております。この経営状況の厳しさということをやっぱり直視をする必要がある。これだけ厳しい経営環境の中にあって、なおかつ廃炉、汚染水という余り経験していない、未経験の大変難しい仕事に対処していかなければならない。当然、国も全面的にバックアップをしているわけでありますけれども、それだけでも大変難しいという状況でございます。

まず、この夏における柏崎刈羽原発の再稼働というものが一つ大きな経営課題としてあると。このこと自体が電力供給並びに経営の採算性の問題を含めて大きなポイントになっているけれども、残念ながら現時点での見通しについては私としてはよく分からないし、立っていないという状況ではないでしょうか。

二つ目は、賠償ということにつきましても、膨らむということは予想できても、これは減少するということにはなかなかならないということでありまして、機構からの資金援助で対応しているということでございますけれども、しかし、それにしても返還ということについて責任を抱えていると。

三つ目が、金融機関からの支援ということについて、私の受け止め方は、万全ではないし、社債とかそういうふうなことを含めても大きな課題を抱えているのではないか。

四つ目としては、廃炉、汚染水の対策についても、今その費用見積りが明確ではない、後発コストも大きくあり得るのではないかということ。そして加えて、責任と競争という言葉を使われておりますけれども、廃炉の問題、汚染水の問題、供給責任、そういった、また賠償という大きな責任と同時に、今衆議院で議論されております電力システム改革第二ステップということで、言わば競争下に今後企業が置かれていくと。

だから、責任を負い、かつこの競争に対応していくというとてつもない大きな試練といいましょうか、課題を抱えているということでございまして、このことにつきまして、現経営の任に当たっておられる廣瀬社長の改めて決意ということになるかも分かりませんけれども、経営者としての所信をお伺いしたいと思います。

 

○廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長 お答え申し上げます。

先生御指摘のように、現状、東京電力の経営課題はたくさんございますし、その一つ一つが大変難しい課題だというふうに認識しておりまして、それを我々もしっかり直視した上で、今大変厳しい経営課題ではありますけれども、それに向かって一つ一つ進めていこうということでございます。

具体的に幾つか御指摘ございましたので触れさせていただきますと、まず、この夏の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働という御指摘ございましたけれども、これは改めて申すまでもなく、新しい総合特別事業計画におきましては、その収支を計算する上でいつ、何月からという仮置きをさせていただいておりますが、もとより再稼働につきましては、私ども今、柏崎刈羽の六号機、七号機を規制庁、規制委員会に新しい新規制基準の適合性の審査をお願いしているところでございますので、まずはしっかり審査に対応して、私どもとしてしっかりいろいろな御質問なりお申出に対してお答えしていくということだというふうに思っております。もちろん、その上で、同時に、立地地域の皆様には私どもがこれまで柏崎刈羽に施してきたかなりの安全対策についてもしっかり御説明をして御理解をいただくようにしていかなければいけないというふうに思っておりますので、まずはそうした努力をしっかりしていくということだというふうに思っております。

それから二つ目、賠償が確かにこれからも増えていくのではないかという御指摘、これは基本的には、その損害が、原子力事故起因によって損害が継続する以上、私どもがしっかりそれを賠償していくという考えでございますので、逐次、新しい損害の状況であるとか、あるいは紛争審査会において新しい追補が出る等々に応じて損害額の見直しはしていかなければいけないと思っておりますが、これも併せて、新・総合特別事業計画にしっかり明記されているところでございますが、最後のお一人までしっかり賠償を貫徹するという基本的な考え方に基づいて、額はそれはもちろん増える方向にあるとは思いますけれども、これは原子力損害賠償支援機構の方から賠償資金については融通いただいておりますので、これについてはもちろん後で返さなければいけないわけですが、時間的な猶予もございますので、まずはとにかくしっかり賠償を最後のお一人まで貫徹するということだというふうに思っております。

それから、金融機関からの協力、これも全く御指摘のとおり大変重要な部分でございます。事故以来、私ども、借換えが来たときに、またそれを続けて与信を継続していただくなり新しい新規の与信をいただくなりということで、それでお願いをさせていただいてきておりますけれども、今後もしっかり金融機関の皆さんにも御協力をいただいてそれについてはやっていかなければいけませんが、一方で、金融機関さんとしても当然私どもの財務状況に照らして与信をいただくわけですから、しっかりとして、それにお応えできるような財務基盤をしっかりやっていかなければいけないというのはもう申すまでもないと思っておりますので、そうしたことをしっかり整えながら金融機関さんに御協力を引き続きお願いするということだというふうに思っております。

それから、廃炉並びに汚染水対策に関する費用でございます。これも、先生御指摘のように、今現在で見積もっている額で全部収まるかということは、今現在での見積りでございますので、この先三十年、四十年の間に当然そうした金額も変わってくるということは十分考えられるわけですが、現在、会計上ですが、私ども引当金を一兆円近く積んでおりまして、実際そのうちの三分の一ぐらいが使われております。また、もちろんこれでは恐らく足りないということになりますので、新たに今後十年間で一兆円ぐらいのお金をしっかり確保して、まずはとにかくそれで、お金がないので必要な対策が取れないというようなことは決してあってはいけないというふうに思っておりますので、まずはこうした手元の資金をしっかり確保をして必要な対策について十分な資金が活用できるような形に整えていくということだというふうに思っております。

それから最後に、先生御指摘のように、そうしたことをやりながら、一方で競争、自由化の中で競争していかなければいけないというのは全く御指摘のとおりでございますので、大変厳しい状況の中で私どもは競争していくということでございますが、一方で、電気事業においては、引き続きお客様から東京電力から電気を買いたいというふうに選んでいただかなければいけないということでございますので、様々なお客様サービスなり、それから、これからスマートメーター等々で新しいサービスも提供していくことが可能になりますので、そうしたことを通じてお客様から引き続き選ばれて、そうしたことによって東京電力の体力が少しでも改善をし、その体力を使って福島の責任を様々、先ほどから申しました様々な責任を果たしていくという構造だというふうに考えておりますので、それを、別々のことでなくて一つのことなんだという、こちらで頑張ってやることがまたこちらにも頑張れるのだということを社員一同しっかり心に刻んで今当たっているところでございます。

ちょっと長くなりましたが、そうした中で、この三月に終わりました平成二十五年度の決算では三年ぶりに黒字を、経常黒字を達成することができましたので、これ、だからといってずっと安心できるということではございませんので、引き続きしっかりと対策を取って、基本的には新しい総合特別事業計画に諸々の対策については今もう盛り込まれておりますので、これからはそれをいかにしっかり実行していくかということだと思っておりますので、しっかり気を引き締めて、社員一丸となってやってまいりたいというふうに思っております。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

国民の理解、支援を前提として事業が前進をするし、課題も解決していくんだと。そのためには、やはり痛いときには痛いと率直に情報を開示していくということが多くの人々の共感を得る方法だということでまた努力をしていただきたいと思います。

あと、加えて、廃炉作業というのは極めて放射線の高い状況の中での作業でございますので、研究者とかエンジニアというレベルではなくて直接作業する人たちの労働環境の問題ということもありますし、そこは人材の確保あるいはそのスキルの向上を含めてこれから大きな課題が現場としてはあると思います。このことについてはまた機会を変えた場面で御質問したいと思います。

最後に、廃炉におけるリスクということの、またそのことの管理ということから、本日は規制委員会の委員長にも御出席をいただいております。

端的に申し上げまして、この廃炉に対する規制委員会の、いわゆる監視あるいは監督とかそういった視点での役割というものは、今委員長としてどのように考えておられるのか、お話をいただきたいと思います。

 

○田中俊一原子力規制委員会委員長 先生御指摘のように、東京電力福島第一原子力発電所においては、事故発生後、様々な応急対策が実施されてきております。しかし、依然として様々なリスクが存在するというのも事実でありますので、これについては十分注意が必要であるというふうに認識しております。

当委員会としましては、原子力規制法等に基づき、東京電力から提出された実施計画に基づいて昨年8月に認可をしたところでございますが、実際には、廃炉の工程というのは、その時々によってその対応、取組も変わってまいりますので、それについては随時、重大性、影響の大きさ等を勘案しながら、そのリスクが顕在化しないように、リスクの低減化に向けた取組が進むようにということで取り組んでおります。具体的には、外部の専門家を含みます特定原子力施設監視・評価検討会を随時開きまして、そういった取組について議論をし、その結果を事業者に伝えているというようなところであります。

また、様々なリスクと申し上げました。その中でも、特に私自身、私どもが一番注意しなきゃいけないと思っていますのは、まだ各炉の上に残っております使用済燃料のリスクであります。これは、御存じのように、あれだけ建物も壊れておりますし、今後更なる地震や津波ということも考えると、できるだけ早急にあれを地上に下ろして安全な対策を取るということが必要だと思います。

幸い、四号機、一番使用済燃料のあります四号機については、今年中に使用済燃料を全部下に下ろすことができる予定になっておりますし、来年には三号機というふうに順番に行きますが、そういった認識を常に考えながらそういった今後の取組を進めてまいりたいと、そのように思っております。

 

○加藤敏幸 規制委員会として、いわゆる潜在リスクと、こういうふうに表現していいのでしょうか、そういうものに国内の知見を総動員して、そのことをしっかり捉えていくということが必要だと思います。

私は、3.11の地震、津波、そして言わば冷却機能を失ったということ、そして最終的に水素爆発に至ったこのプロセスの中で、やはり貞観大地震の歴史的な一つの事実をどのように受け止めていくか。これは、自分たちがそういうことが起こらないと断定してしまえばそれはリスクではないわけですけれども、それはやっぱり起こり得る確率を持っている、つまり生起確率を含んだ事象であると。そこのところは、規制委員会として恐らく、メンバーの皆さん方、著名なる専門家でございますから、その辺のことを含めていわゆる感受性を高めると。経験の中でベテランが持つ一つのバイアスが掛かりますけれども、ベテランバイアスを超えて、そこは新鮮に、そんなことがあるとすれば、それはひょっとしたらこういう大きなリスクが発生するに違いないんだという意味で、ある経験差というんでしょうか、そういうリスクに対する感受性の問題ということについても、是非ともこれから対応していっていただきたいと。

よもや、この廃炉のプロセスの中で、再び天変地異に見舞われて、そのことが原因で更に被害が拡大するということを十分考えていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。