国会質問

第186回通常国会 経済産業委員会(2014年6月10日)

技術・インフラ・人材を維持しつつ、市場のニーズに応えながら電力の自由化を進めていく。

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140610__010.JPG電機連合の皆さんの傍聴風景

140610__002.JPG答弁する茂木大臣


  6月10日に開催された経済産業委員会において「電気事業法改正案」に関する質問を行いました。この法案は、現在、主として10電力会社によって地域独占的に電力供給が行われている電気事業を大きく改革する「電力システム改革」の第二段階の措置を規定するもので、①電力会社を発電事業者・送配電事業者・小売り事業者に区分する制度、②電力小売の全面自由化、③一般電気事業制度の見直しに伴う各種関連制度整備――などを内容としています。

  法案質疑では、「電力システム改革の理念の再確認」、「新規事業参入促進のための政策の在り方」、「供給者切り替えにおける顧客情報の共有の必要性」、「電力自由化に伴う外国資本の参入問題」、「電気事業労働者の労働基本権回復の問題」などについて、経済産業大臣や厚生労働副大臣の見解を求めました。


○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

小林委員の質問に引き続き、今日が事実上最後の質疑の時間ということですので、いろいろと質問をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず、小林委員の質問にございましたが、現場で電力供給の任に当たってこられて、現場の皆さん方の気持ちもまとめてこられた経験から危惧をされることもこれありということであり、そのことも真剣に受け止めていくと、その必要があるし、明らかにしていくということも私たちの責任ではないかと思っております。

それで、絵に描いた餅なのか、このシステム改革は絵に描いた餅ではないのか、いや、そうではない、これは本物の餅だと、これは非常に大事なことだと思うのです。一つは、これは絵に描いた餅ではないということを、まず大臣御自身が、表現方法いろいろありますけれど、これが一つあるなと。それからもう一つは、では、食べられるこの餅を食して腹を壊さないのか、いやいや、腹を壊さないにしても消化不良を起こさないのかというこの問題もあるわけです。この二つをしっかり解明をしていくということが必要だと思います。

今まで議論があったことをいろいろ顧みて、やはり福島第一原発事故以降の電力供給体制の問題でありますとか、電力会社の経営上の問題であるとか、あるいは再生エネルギーの普及状況、消費者にとっての料金問題など、そういう複雑にいろいろな課題が絡み合っていると、こういう状況の中でこの自由化という大方針が見事に前に進んでいくのかと、そこのときに二つの問題がまだ残されていると思うのです。

そこで、大臣に明快にお話をいただきたいことの一つは、事業者についてです。これは、プレーヤーの中で、今まで一般電気事業者ということで、巨大な九電力体制とか沖縄を入れて十電力体制とかいうことですが、このプレーヤー以外に新たにチャレンジをしていくと。したがって、この自由化を支える大きなプレーヤーというのは、これからチャレンジをする事業者がどういう経営マインドを持って、まさに挑戦をしていく、それがないと、先ほど言った自由化というのは結局、参考人、松村教授ですかね、規制なき独占ということになってしまうのではないかという、こういう危惧になると思うのです。これが一つです。

それからもう一つは、先ほど来、現場で働く皆さん方ということが非常に大きな要素ということです。余りこのことについてはこのシステム改革の方針の中でも丁寧には触れられていないですよね。それは事業者とそれから労使がしっかり話し合えばいいではないか、逆に言えば、しっかり話し合ってきて、そして、世界でも相当にレベルの高い供給安定力だとか品質を確保してきたこの人たちの言わば良き労使関係、現場の関係の上に立脚をして、更にこのシステム改革をより効果のある方向に進めていこうという暗黙の前提があると思うのです。

しかし、本当にそのまま良き関係が続いていくのか、働く人たちのモラルとモラールを支えることができるのかという問題については、これからも丁寧に議論をしていく必要があるのではないかと思います。

この二つのうち、最初のこのチャレンジをしていく事業者、こぞって参入せよと、そういうことなのかどうか、その辺のところはいかがですか。

 

○茂木敏充経済産業大臣 電気、先日、小林委員の方からもお話ありましたように、ためておけない、そして実際に見ることができない、なかなか取扱いが難しい品物であると、こんなふうに思っております。

そういった中で、その現場の作業環境を含め、送配電部門を発電部門と分離した後も連携のルール等をしっかりと定めていって、事故が起きない、そしてまた安定供給に支障を来さない、こういった状況をつくっていくということは大前提になってくると考えております。

今回、三段階で改革を進めさせていただく、これは、私としては、改革は大胆に進めなければならない、しかしスケジュールは現実的にということで、三つのステップを踏み、それぞれのステップの進捗状況を見ながら、また海外の様々な事例も参考にしながら日本において改革を進めていきたい、こういう思いでやっておりまして、私は、日本の企業は、そして日本人はできると思っています。

1970年代、二度のオイルショックに直面をしました。恐らく日本経済は相当ダメージを受けるだろうということでありましたけれども、結果的には、企業や国民の努力によりまして、省エネが進み、そして世界に冠たる省エネ技術、省エネ製品、さらには省エネ社会を確立することができた。

同じようなことが今回の電力システム改革を通じてでも起こってくる。様々な参入、実際に今、エネルギーであったりとかエネルギー以外の分野からも、小売部門そして発電部門への参入が起こっております。そして、これまで地域にやはり閉じこもりがちだったもっとポテンシャルを持っている既存の一般電気事業者も地域の枠を超えて競争する、こういった中から様々な新しいビジネスが生まれ、成長の機会が生まれ、そしてまたそれが需要家にとっても選択肢の拡大につながるといったことで大きなやっぱりメリットをもたらす。安定供給をしっかりと図っていく、同時にそこの中でコストを抑制する、さらには自分にとって一番いいような料金メニューというものが生まれてくるんではないかなと思っておりまして、恐らく、一般のビジネスでいってみますと、一つはやっぱりマーケットが大きくなるということは重要です。それから、商品の品ぞろえが増えるということが重要であります。さらに、三つ目としては、その商品に対して消費者が情報をきちんと持てるということが重要であります。

最終的には、例えば会社をスイッチをする、新しい契約を結ぶ、これが簡易にできるということが重要なんだと思っておりまして、今回、家計部門そして小売部門、大きな市場が開放されるわけであります。そして卸電力市場、こういったものを育てることによりまして商品の品ぞろえというものも増えてまいります。同時に、スマートメーターの普及等々によりまして消費者もかなりな情報を持つことになることになる。そして最終的には、今後制度設計をしてまいりますけれども、契約をほかに変えるということも簡易に消費者の側から、需要者の側からできるような状況をつくっていきたいと考えております。

電力、まさに国にとってナショナルセキュリティー、これに関わる極めて重要な問題であります。慎重に改革は進めます。同時に、高みを目指して大胆な改革を一つ一つ着実に歩んでいきたい、こんなふうに考えております。

 

○加藤敏幸 松永安左エ門さんという方、大変な活躍をされた方なので皆さん御存じのことかと思いますけれども、電力の鬼と言われた方です。日本発送電、これを解体して今の電力会社の体制をつくった方です。やっぱり鬼が要ると思うんですよ、こういう大改革をやっていくときには。それで、国鉄それから電電公社、郵政、三公社五現業、この三公社の皆民営化をしていったというプロセスも同じような、いろいろな思惑はありましたけれども、大変なエネルギーが要るし、と同時に、国民自身がそのことはいいことなんだという大きな支持も要ると。

この辺のところは、先ほど言われたことは設計図だと思うのです。設計図について文句は言いません。でも、現場のエンジニアとして、設計図から物を作る、実際にそれを動かして所与の性能を出していくという、ここがまさに現場で結構気を遣うし、大変なんだよということを含めて、これからの御活躍ということと、やはり鬼が要ると、茂木が鬼なのかと。そういう決意も必要ではないかと思います。これ以上のことは申し上げません。

さて、このシステムの方針書の中で、以上の考え方に基づき電力システム改革を実行する際には、世界で最も高い信頼性を有する我が国の技術と人材の蓄積、安定供給マインドを尊重するという視点を欠かすことはできない、今日まで形成されてきた技術、インフラ、人材を破壊することは決してあってはならないと高らかに宣言をされている。また、過日の参考人質疑のときに、こういう委員会の中の言わばブレーンとして活躍をされている松村教授自身も、示された資料の中で、日本の電力安定供給は一般電気事業者の、とりわけ現場の職員の高い職業意識、安定供給への責任感と矜持に支えられてきた、先進的で安定的な送配電技術、現場の高い職業意識は日本の宝だと、日本の宝を破壊しないシステム改革をと、こう言われているわけでありまして、このことについては今日までの委員会の議論の中でも共通の認識ではないかと、このように思います。

そこで、日本発送電がストライキをして、これはGHQが最後に止めたということですが、極めて国民生活に致命的な影響を与えたと。電力ストというのは一般的にその他の公共機関のやるストライキよりもはるかに破壊的ですよね。そういう意味で、スト行為を規制している法律の意味というのは、まさにその時代の要請であったと思うわけであります。

過日、参考人、電力総連の労働側の代表者も、私どもは既に組織として停電ストはやらないということを明確に決めています、と。では、ストライキをしないのなら、スト規制法を見直すことも必要ないね、ということではない。やはり日本国憲法が保障する基本権の問題と、現実に争議行為自身がもたらす社会的な影響等、このことを勘案するという中でスト規制をしているということだと思うのです。

同様のことは公務員につきましても、公務員については協約締結権、争議行為、これは禁止をしている。しかし、代わりに、労働条件の問題については人事院勧告という制度をもってこれは保障をしていると。したがって、最高裁は、この基本権問題については、基本権を止めているということには問題はあるけれども、しかし、代わりに人事院勧告という壮大なシステムをつくってそれは補填をしているのだから、一概に違反ということはないのではないかということで、大体これは収まっていることです。

申し上げたいのは、この電力の労働者というのが、言わば争議行為はできないけれども、総括原価方式という大きな仕組みの中で、労働条件というのはある種相場性を追随しながら比較的高い条件を確保することによって、人材確保の安定性、それで職場におけるモラル、モラールを支えてきたと。

これ、地域でもそうですよね。現場作業員を供給している工業高校から大体トップクラスが電力会社に入っていくという、そういう労働者の銘柄ということは確立をしているわけですから。そういうふうな大きな仕組みの中で、社会でも大事な宝だという状況、現場力というのは支えられてきたということなんです。

先ほど小林委員が大臣に質問されて、副大臣の方からお答えになったことのとおりで議論は進めていかれると、公労使でされることについて、全くそのとおりやられることだと思っています。

しかし、ただ、問題の考え方として、これから先、では自由化をしていくということは、やっぱり人件費も触るということですよね。九州電力は、今、年金下げます、退職金を三割下げますということを決めましたけれども。そういう中で、劣化をしていく労働条件をどうやって支えるのか、そして、支えることが、安定供給だとか日本国のライフラインの第一の電力の供給という、このことを支えていくということと、これはもう大きなシステムとしてなっている中で、やはりこれから先、考えていかなければならない。

それは、決してこの電力労働者だけを特別扱いということではないのですが、社会的に現場力現場力といって持ち上げることは持ち上げるけれども、持ち上げつつ足を引っ張るという状況もあるわけですから、そこのところを厚生労働省というお立場からお考えを少しいただきたい。特に基本権とかについて、公労使の議論の展開はそれとして、それに影響を与えないという議論としてお考え方があれば表明していただきたいと思います。

 

○佐藤茂樹経済産業副大臣 先ほど小林委員のところで検討の場のことについては御答弁申し上げまして、まさにこれから公労使の検討の場で内容については御検討いただくことになりますので、私ども政の方から余り予断を与えるような発言というのはなるべくしない方がいいんだと思うんですが、ただ、今現段階で我々厚労省として言えますことは、いわゆるスト規制法の在り方を考えるに当たっては、今、加藤委員御指摘のとおり、労使間での対等な交渉の促進あるいは労働基本権の保障という観点は重要と考えております。

一方で、国民経済や国民の日常生活に支障を来すことのないよう電気の安定供給の確保という観点も重要だと、そのように認識をしておりまして、ですから、私どもこの問題について検討をこれからするに当たっては、今年の夏以降に、先ほどから御答弁しておりますように、公労使三者構成の検討の場を設けまして、電力システム改革第三弾の法体系の整備に関する検討内容を踏まえつつ、今までのスト規制の歴史的経緯も踏まえながら、様々な観点から総合的な検討を行って結論を得ることにしたいと、そのように考えております。

 

○加藤敏幸 それでは、次の質問でありますけれども、これはそんなに私が大きい声で言うことではないのですが、電電公社の分割・民営化という場面では、新規参入を促すために、クリームスキミングといいましょうか、非対称規制ということで、より新規参入にプラスのハンディキャップを与えると、こういう手法が取られました。これはもう既に、御記憶にあると思いますが、真藤総裁という方が非常に御苦労されながらやってきたということでありました。

今回のこの自由化におかれまして、そのような電電公社時代のそういう手法を取られる必要性があるのか、あるいはどのようなことを考えておられるのか、この辺りについての御見解をいただきたいと思います。

 

○上田隆之資源エネルギー庁長官 お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、電電公社の分割・民営化に当たりましては、元々電電公社一社であったものを民営化し、更に分割していったと。その中では、長距離電話への新規参入に対する措置等々、クリームスキミングとおっしゃるような様々な措置、新規参入を促す措置がとられたわけでございます。

ただ、今回の電力事業のシステム改革というものにつきましては、やや、元々、現在既に十社ある電力事業者間の競争を促進していくという必要もありますし、既に、御案内のとおり一部ではありますけれども電力の自由化というものは既に一部行われておりまして、それに関して新規参入等々も行われているということでございますので、やや電電公社の場合の分割・民営化とは状況が異なっているところがあるのではないかと考えております。

今回の法案につきましては、そういった状況の違いも含めまして、現在の一般電気事業者への料金規制の経過措置、これは先ほどから御議論もございましたけれども、これにつきましては当分の間残すということにしているわけでございますが、また、小売電気事業者の破綻あるいは撤退といった事情に備えた最終保障サービスや、あるいは離島への安定供給義務につきましては、これは送配電事業者が責任を負うことといたしております。その結果、発電と小売、これらの部門につきましては、既存の事業者と新規参入者の間でできるだけイコールフッティングを図っていくという仕組みにしているわけでございます。加えまして、今回の法案では、一般電気事業者もメリットのある自由な料金メニューを作れるようになるということでございます。

先ほど大臣から申し上げましたけれども、そうしたイコールフッティングの下で、卸電力市場の活性化、あるいはスマートメーターの導入促進、あるいは電力会社を切り替える具体的な仕組みづくり、こういった新規参入を容易化する措置というものを講ずることによりまして新規参入を図っていくのが適当であると考えております。

 

○加藤敏幸 議論は、自由化を促進するということと、むやみやたらとやるということからくるマイナス面というようなことを含めて、やっぱりある程度バランスを考えたいろいろな対応が必要だと、このように思っております。

松村参考人が答えていましたけれども、自分はグリーンエネルギーが大好きだから高くてもグリーンエネルギーを買うと。つまり、電力の利用者の方から、いわゆる選択肢が増えると。その選択肢は、どういうこれはものが提供されるか今はっきり分かりませんけれども、長官、これ高くても買うと、そういう非常に理念先行型のユーザー、そういう人が本当におられるのだろうかという疑問も投げかけたんですが、長官、どう思われますか。

 

○上田隆之資源エネルギー庁長官 今回のシステム改革におきましては、需要家の選択の自由が広がるわけでございまして、小売事業者も自由な様々な料金メニューを設定すること、料金だけでなくてエネルギーの構成のメニューを設定することができるわけでございます。

したがいまして、例えば再生可能エネルギー、再生可能エネルギーだけだとバックアップの問題がありますので、再生可能エネルギーだけというのは余り現実的ではないかもしれませんが、再生可能エネルギーというものを中心として電気を自分は売りたいんだと、その代わりややコストの面では高い料金設定になると。そういう料金メニューというのは設定することは可能になるわけでございますし、また、ユーザーのサイドから見ても、それでは、やや高いかもしれないけれども、そういう小売事業者から自分は電気を買いたいと、そういうことも可能になるわけでございます。

こういった事業がどの程度進展するかということにつきましては、やはりその料金水準がどうなるかと、それからユーザーのそういった環境問題に関する意識がどの程度であるかということによりまして様々であるとは思いますけれども、現状、世上に環境問題に対する意識が高まってくることの下では、そういった需要家というものもある程度存在してくるのではないかと期待をしておりますし、また、少なくとも政府としてはそういうことができるような仕組みを用意をしていくことが重要であると考えております。

 

○加藤敏幸 次に、スイッチングということについてお伺いをしたいと思います。

電力の需要家、消費者が小売事業者を変更する場合には、つまりスイッチングにおける顧客データの共有という、これは新電力等の新たに参入するという立場の方からも随分要請があるわけでございます。この辺の、例えば共同検索システムなどというアイデアもあるようですが、顧客に自由にアクセスできるということが本当にどうなのかという疑問も多くありますけれども、このような需要家情報ということについての扱いについて、今どのようにお考えですか。

 

○高橋泰三資源エネルギー庁電力ガス事業部長 お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、需要家が小売電気事業者を切り替える際に、これを円滑に行うために、その需要家に新たに電気を供給しようとするいわゆる新電力あるいは新規参入者等がその情報を的確にスムーズに入手できるということが大変重要になります。もちろん情報保護の観点から需要家本人の承諾を得た上でということになりますけれども、これをスムーズにできる仕組み、システムということが大変重要になっております。

このため、既に一般電気事業者あるいは新電力を始めとする関係事業者が実務的な検討を進めてございまして、具体的に申し上げますと、総合資源エネルギー調査会のワーキンググループで大きな方針を示した上で、その方針に基づきまして、広域的運営推進機関が運営する情報システムを通じまして、新しい小売電気事業者が必要な情報を一般送配電事業者から速やかに取得できる仕組みを小売全面自由化の実施までに構築するということで、今実務的な作業、検討が行われているところでございます。

こういった取組によりまして、先生御指摘のございましたように、新規参入者が必要な顧客情報を適時にアクセスするということを可能といたしまして、小売電気事業者の変更が容易にできるようなそういった環境整備に努めてまいりたいと考えております。

 

○加藤敏幸 少し関連しますけれども、次の質問をまずやっておきたいと思います。

電力自由化に伴う外国資本の参入についてどのようにお考えになるのか。これは昨年の電気事業法改正案の国会審議でも取り上げられました。政府の答弁は、外国為替及び外国貿易法に基づく対内投資の規制以外は自由であると、このように御回答されていて、それはそういうことかなと思います。

ただ、電力発送電事業というのは基盤であると。先ほど来いろいろ言われています。これはやはりある種、国のセキュリティーにも関わることであります。水資源を外国の方々がどういう目的で買われるのかということについても、国民感情からすればいろいろな疑問が出てくるということを含めて、少し注意をしなければいけない、よく見張っておけよ、というのは言い過ぎかも分かりませんけれども、そういう感情があることは事実だと思います。ですから、そこのところは、だからといって排外、外国から来るものを排除するということは日本国としてあり得ない。海外資本を投入したいという立場もありますから。

この辺のところでいろいろな御意見が各サイドからあるということを含めまして、再度、経産省の御見解をお伺いしたいと思います。

 

○磯崎仁彦経済産業大臣政務官 お答えいたします。

今外為法のお話が委員の方から出ましたけれども、電気事業、まさに先ほど大臣も電力はナショナルセキュリティーというお話が出ましたけれども、やはり非常な重要なところでございますので、現行におきましては、従来から外為法に基づきまして規制が行われているということでございまして、外資の参入につきましては事前の届出をということで届出をしていただいて、それが公の秩序の維持、これを妨げることがないのかどうなのかという観点から、例えば電力の場合には我が国の電気の安定供給の確保等に支障を生ずるおそれがないのかどうなのかという観点から個別に審査を行うということになっております。

今回の電力システム改革ということになりますと、当然、原子力事業者でありますとか一般の送配電事業者、こういったところを買収しようとしたり、あるいは資本参加をするといったような場合にも、同様にこの外為法の事前届出ということによりまして、公の秩序を維持するということに反しないのかどうなのかということで個別の審査を行うということになろうかと思います。

ただ、他方で、今回の電力の自由化ということになりますと、やはり多様な事業者の参入というものをこれを受け入れるという観点が当然ございますので、そういったことも含めながら、やはりナショナルセキュリティーの観点から外為法の規制があるということでございます。

もう一つは、今回の法案につきまして、小売電気事業者につきましては登録制、それから一般送配電事業者については許可制、それから発電事業者につきましては届出制ということでございますので、小売電気事業者につきましては登録制の中で当然のことながらその供給能力等を審査をするということがございますし、一般送配電事業者につきましてはまさに事業者適格ということをやはり審査をするということになりますので、こういった許可あるいは登録の観点と外為法に基づく外資規制、この両面からの審査ということになろうかと思います。

 

○加藤敏幸 これもやはりある程度試行錯誤しながら対応する側面があるのではないかと、このように思います。

やはり日本の電力網というのはヨーロッパのように完全なネットワークではないですよね。これはもう御存じのように、北から南までずっと列島に沿って、それからそれぞれの人口稠密地に沿って形成されていると。

今回の自由化の考え方の一つに、理想的に言うと、完全ネットワークだとして、それで、例えば北海道で発電をする業者がいて、それを鹿児島で使いたいという需要者がいて、それはそれで託送費を払えばなると。ただ、北で発電しておけば、こちらで使って、完全理想状態なら瞬時に埋まる、供給できるということでありますけれども、残念ながら送電網は完全な送電ということではなくて、理想状況でなく、インピーダンスもあるし、それから容量もある。したがって、たくさん急に使うとその周辺が電圧降下を起こすだとか、あるいは周波数に影響を与えるとかいうことを含めて、潮流管理ということは非常に大事な仕事になってくるし、当然、この中にも書かれています連系線をどのように、つまり、より完全なネットワークを形成していくということを言わば基盤としてしっかり支えていくと。

そのような意味で、送電とは何なんだという部分が改めて、列島でいうと、地域独占で対応していって、地域はここで発電してここで使うという構想の下に戦後やってきたことを一括のマーケットとして、そしてネットワークとして対応していくということに結局なっていくという意味で、そこのところのベースを、設備投資も含めて、誰がどのお金でしっかりと埋めていき、問題が起こらないようにやっていくかという辺りがこれから現実的に大きな作業になるし、電気事業者、一般事業者も含めて知恵の出しどころだし、ここは大きな課題だと思います。

もう時間になりましたので答弁は求めませんけれども、このことが次の第三ステップにおいて一つの論点になっていくのではないかと申し上げて、質問を終わりたいと思います。

どうもありがとうございました。