国会質問

第186回通常国会 行政監視委員会(2014年5月19日)

日本経済の低迷から脱するために、賃金を上げて労働者のやる気を引き出すことで、労働生産性を向上させていく好循環を築く。

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  本日(5月19日)、参議院行政監視委員会において質問に立ちました。参議院・行政監視委員会は、「国会で決めた法律が内閣によって誠実に執行されているのか」、あるいは「担当する公務員が正しく効率的に業務を遂行しているのかどうか」「公務員に不正不当行為はないか」など、総務省の行政評価局と連携した行政評価・監視・苦情処理を行う場として位置づけられています。一方、参議院決算委員会は、主として予算が適正に執行されているかどうかをチェックする委員会として位置づけられています。

  質問では、以下の5項目について、政府の見解などを求め、厚生労働大臣をはじめ、各省の政務三役・担当責任者からそれぞれ答弁を得ました。

①公務部門における非正規職員・臨時職員の問題

②行政評価局が昨年実施した「ワーク・ライフ・バランス政策」の推進状況のチェックにおける質の評価の問題

③家畜伝染病対策における獣医師の地域的偏在の問題

④国家公務員の職務実績評価制度の問題

⑤空き部屋・空きビルの障害者施設転用に関わる規制の問題

 


 

○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

今日は、今国会中どうなることかと思っておりましたが、委員長、理事、大変御努力いただきまして、質疑に至ったということでございまして、敬意を表したいと思います。また、引き続き御努力をいただきたいと、このように思います。よろしくお願いいたします。

今日はいろいろと御質問を申し上げるわけでありますけれども、まず、公務部門における非正規、あるいは臨時と言われていますけれども、職員の課題について少し取り上げてみたいと思います。

いろいろとこの非正規問題については民間分野においても議論が起こっておりますし、この参議院行政監視委員会ではなく総務委員会、厚生労働委員会でも頻繁に取り上げられてきたと、このように思っております。

この委員会は、国会で決めた法律が内閣によって誠実に執行されているのか、あるいは担当する公務員が正しく効率的に業務を遂行しているのかどうか、公務員に不正・不当行為はないかなど、行政評価・監視、苦情処理の場として位置付けられておるわけであります。この非正規公務員に関わる諸問題というのは、例えば、国、地方で増えていると、こういう非正規臨時職員が一定の処遇の下に責任感そして使命感を持ってきちんと行政サービスに従事できる体制になっているのかどうかと、こういう立場から非常に課題として大いに議論されるべきだと、このように思っております。

さて、資料にございますとおり、これは少し古いのですが、2008年8月25日の総務省の研究会が提示した内容ですが、このように分類され、かつ根拠条文等整理をされております。こうあるべきと、こうあるんですと、こういうふうな内容であると考えております。

冒頭、国、地方別に、地方公務員の方、何名おられるのか。地方公務員につきましては既に、2012年、総務省が、短時間勤務の非正規職員を除いてということですから、これを除いて約60万人と、こう言われておりますし、労働組合、自治労の調査では約70万人と、このように言われておりますけれども、まずそういう正確なデータについていただきたいと思います。

 

○笹島誉行総務省人事・恩給局長 お答え申し上げます。

まず、国家公務員の方で申し上げますと、国の非常勤職員は、配付されました資料の分類に照らして申し上げますと、一般職の国家公務員のうち常時勤務を要しない官職を占める職員として位置付けられておりまして、人事院規則において、その勤務形態に応じ、採用の日から会計年度末の期間内で任期を定める期間業務職員と、その他の非常勤職員の二つに分けられております。

この二つのそれぞれの人数でございますが、平成25年7月1日現在での調査によりますと、期間業務職員が30,953人、その他の非常勤職員が109,766人となっておりまして、合計で約14万人となっております。

 

○三輪和夫総務省自治行政局公務員部長 地方の方についてお答え申し上げます。

総務省が平成24年の4月1日時点で行った調査によりますと、臨時・非常勤職員の総数は、都道府県、政令市、市町村等の合計で、先ほどお話ございましたように約60万人となっているところでございます。任用根拠別の職員数を申し上げますと、特別職の非常勤職員が約23万人、一般職の非常勤職員が約13万人、臨時的任用職員が約24万人となっているところでございます。

また、いわゆる臨時・非常勤職員ではございませんけれども、任期付きの短時間勤務職員につきましてもその任用状況については別途調査を行っておりまして、その調査結果によりますと、平成25年4月1日現在の任期付短時間勤務職員数は約4,500人となっているところでございます。以上でございます。

 

○加藤敏幸 ありがとうございました。

さて、大変多くの方々が働いておられますけれども、民間全体でいうと2千万人近い方々がこういうある種不安定な状況に、不安定雇用にある、そしてまた日々活躍あるいは努力されているということであります。まさに行政サービスの担い手の一翼を支えておられますけれども、最近は、非正規職員の基幹化、これは民間でもよく言われておりますが、パートタイマーの方が結構ベテランになって新入社員を教えているとか、そういうふうなことも間々見られるということでございます。いろいろと専門性の高い業務等もございます。しかし、雇い止めなど雇用の継続に不安を持ち、また賃金面でも正規職員より低いレベルだと、重い責任を負わされる業務も多々あると。当然、不平不満といいましょうか、あるいは仕事のモチベーションは低下をしていくということはある種仕方のないことかも分かりません。そういうようなことで果たして良質な行政サービスの提供というものが保障されるのかということは懸念されます。

また、今後、一方で定員管理という非常に厳しい枠も入ってくる中で、言わば行政コストを下げるということから、現場においては非正規職員が増えていくということも出てくるのではないかと、そういうようなことで地方自治体の現業部門を中心に増え続けていくというような傾向にあるのではないかと。

そういう状況の中で、行政サービスの質、これはいろいろな質がありますけれども、これを向上させるという視点に立って国として必要がある事柄は何なんでしょうかと、そういうようなことを、注目すべきことだとか、その点について総務省としてのお考えをお伺いしたいと思います。

 

○笹島誉行総務省人事・恩給局長 お答え申し上げます。

御指摘のように、非常勤職員も行政サービスの担い手であるということには変わりはないところでございます。したがいまして、非常勤職員による行政サービスの質的維持向上のためには、非常勤職員の適正な任用や処遇に努めることが重要であるというふうに考えております。

この非常勤職員の任用に関しましては、従前、任期を一日単位とするなど、制度上、いつでも退職させることができる不安定な任用でありましたが、平成22年10月より、採用の日から会計年度末の期間内で任期を定める先ほど申し上げました期間業務職員制度を導入しまして、より適切な任期を定めることとしたところでございます。

また、非常勤職員の処遇に関しましては、適正な給与の支給のため、平成二十年八月に人事院から各府省に対して通知が発出されておりまして、この通知では、非常勤職員の基本給について職務内容や職務経験等を考慮して支給すること、通勤手当や期末手当に相当する給与を支給するよう努めることとされているとともに、平成23年4月から、一定の要件を満たす非常勤職員は育児休業等を取得できることとしているわけでございます。

総務省といたしましては、人事管理官会議の場などを通じまして、各府省に対しまして、制度の趣旨、運用を周知していくとともに、引き続き非常勤職員の適正な任用、処遇を図ってまいりたいというふうに考えております。

 

○加藤敏幸 そういうふうに総務省のお立場ではしっかりと対応しているということでございますが、問題は、そういうことが現実行われているかということをしっかりフォローアップをしていくということが極めて重要ではないかと思います。

今内閣として、本来自主的に決める賃金交渉に対して強い要請を出され、雇用所得を増大していく、そこの購買力を向上し、高めていく、まあ同じことですけれども、高めて、維持をしていくと。こういうことについて、日本経済を支えていく、これ非常に重要な項目だという観点から、いろいろ取り組まれているということでございます。

と同時に、足下の政府の責任あるいは地方自治体の責任で雇っておられる方の条件、待遇の改善ということも是非積極的に、単に賃金のみならずいろんな各面にわたってやっていただきたいし、民間で起こっている非正規問題を解決していくのに、やはり政府自身が都合のいいときだけわあわあ言ってやってくださいと言っても、それは自分の足下をしっかりやっていくと、そしてそれをもって民間のある種お手本にしていくということも大事ではないかと、そういうようなところも要請をしたいと思います。

次に、ワーク・ライフ・バランスの問題について御質問をいたします。

資料にありますとおり、ワーク・ライフ・バランスの推進に関する政策評価、特に十四項目にわたる仕事と生活の調和推進のための行動指針、ここから数値目標が設定されて、この十四の項目についていろいろその進捗度を指数化して評価をしているということでございます。特に、指標のこの十四項目を全般的に眺めてみますと、企業の努力あるいは責任に負う項目が多いということでございますし、組織化されたところでは、労使交渉の中で実現をしていく意味で労働組合の責任も大きいということだと思います。

今回の評価は、端的に言えば、長く続いたデフレ状況の中で経営環境が厳しいと、そこで企業側が結局どれだけ努力したのか、どれだけ踏み込んで対応したのかということに尽きると思います。そこで、経営者側の対応というのは、労働時間の問題だとか休日労働の問題だとか、あるいは母性保護関係の基準引上げだとか、そういうふうな課題であり、これらについては、長らく使用者あるいは使用者団体としては厳しく、例えば厚生労働省あるいは審議会の提案に対しても厳しく抵抗してきたというとあれですけれども、それぞれの立場で反対されてきたということであります。

したがいまして、ストレートに言えば、この指標が改善されるというのは、言ってみると、経営側が大いに従来の路線を少し変えて前向きに頑張ると、そういう推進力、意識の変化がなければ進まないのではないかと、このように思うわけでございまして、ここ一年間、労使関係、特に団体ですよね、労使団体に対していろいろと御努力をされてきた厚労大臣、感触とか大分変わってきたよとか、前向きになったとか、その辺のところは随分あるのではないかと思いますので、お話をお伺いしたいと思います。

 

○田村憲久厚生労働大臣 今、ワーク・ライフ・バランスのお話がございました。

やはり我が国は少子高齢化、特に少子化の中で、非常に低い、1.26まで落ちたわけでありますが、今、1.41まで合計特殊出生率が戻ってきたというか改善をされてきました。もちろん、それには児童手当の拡充でありますとかいろんな理由はあるんだと思いますが、やはりこのワーク・ライフ・バランスというものも一つ大きな課題でありますし、そういう意味では、企業の意識も少しずつではありますけれども変わりつつあるということでありまして、特にこれを実現していくためには、それぞれの企業の実情、これに応じたやはり工夫というものをしていただかなきゃならない、そしてそれは効率的に、ある意味、労働者の方々と話合いを進める中において、それを実行していただくということが重要であります。

今、企業の中を見てみますと、この労働時間等に関する課題に対して労使で話し合っているという企業、例えば、労働時間等設定改善委員会でありますとか、あと労働組合との定期協議でありますとか、いろんな場があるわけでありますけれども、大体60%強、話合いをしていただいておるような実情であります。

また、我々、よく次世代法でくるみんマークという認定マークを作っておるわけでありますが、これを言いますと足立委員がちょっと首をひねられておられるんですけれども、一応目標に向かって、26年度、目標2千社であるわけでありますが、今、1,841ですかね、目標に向かって着実に進んできておるわけでございまして、そのような意味では、多くの企業がそういうような意識をお持ちをいただきつつあるわけでございます。

いずれにいたしましても、次世代法の延長、拡充というものもこの国会でお決めをいただいてきたわけでありまして、さらに、企業そして労働者の方々が話合いをする中において自主的に、このような形でワーク・ライフ・バランス、これを実現をしていただけるよう厚生労働省も促してまいりたい、このように考えております。

 

○加藤敏幸 労働組合の組織率というのは2割を切っているわけですから、残りの81%は、労働者代表でうまくいっているところもあれば、よく分からない労働者代表制を取っているという実態もあるわけで、だから、そこのところは、経営者のインセンティブなり、本質的にいいことだと、自分にとっても経営者にとってもいいことだという、そういう確信を与えていくといったらおかしいのですが、醸成していくということが厚生労働大臣の一番大事なお仕事だと思うのです。

それで、やはり賃上げはいいと、今政府はそれを言っているわけですから、堂々と言えばいいし、継続してやるべきですよね。

なぜなら、日本経済が低迷していることの一番大きなポイントというのは、生産性が低いということです、労働生産性。労働生産性というのは一体どうやって測るのかと、こういったときに、結局これは賃金になると思うのですよ、時間当たりの。賃金上げたら生産性が上がるのかと、こういう訳の分からない理屈で議論する必要はないのですが、結果として賃金を上げていくという大きなムーブメント、動きの中で達成されるというのが労働生産性の向上ではないかと。

歴史的に日本はそれをやってきたわけですから、そういう意味で、デフレ時代に労働条件を引き下げることが経営者にとって一番すばらしいんだという非常に、言わば正しくないというんでしょうか、適切でない隘路に踏み込んでいたと思うんです。結果としてやっぱり賃金も上がると、そしてみんながハッピーになって購買力が増えていくという、そういうことが皆さん方、政府が言っている好循環社会ということですから、そこのところはもっと根っこを、そういう哲学、理念をしっかり踏まえて各種の施策をやっていただきたいとお願いをしたいと思います。

ワーク・ライフ・バランスですが、就業率のところを見ますと、25歳から44歳女性の就業率の伸びが微増している。これは改善をしていくということですけれども、問題は内容ですよね。先ほど、子育てだと、こう言いましたけど、就業率が伸びただけでは中身は分からないのだから、具体的ないろいろな施策と相まって就業率が伸びているということを実証しなければ、これはやはり目標としては余り、今日までは良かったけど、今日からはこれでどうかというふうに感じるわけです。

それでまた、年次有給休暇の取得率についても、本来は連続休暇というのが趣旨ですから、細々と一日ずつ取ってもしようがない、連続休暇ということが大事だと。

在宅テレワーカーの数もすごいですよ、22年320万人が24年930万人に。この手の指標でここまで爆発的に改善するというのはめったにないことですよね。となると、一体このデータは何なんでしょうか。本当に指標として意味があるのかということも思ったりもするんですが、これは指標としてどうなんだろうかということを含めまして、指標づくりは専門家も含めてやっておられるということでありますけれども、質の面を留意した指標の見直しという観点から内閣府の見解をお伺いしたいと思います。

 

○佐村知子内閣府男女共同参画局長 お答え申し上げます。厳しい御指摘ありがとうございます。

実は、昨年、2013年はこの行動指針が策定をされました2007年から数値目標の目標年である2020年までのほぼ中間年に当たりますことから私ども、数値目標設定指標の進捗状況についてフォローアップということをやってまいりました。

その結果を見ますと、長時間労働の抑制でありますとか年次有給休暇の取得状況など多くの項目について、目標には近づいているものの、今の進捗スピードでは目標達成が厳しい状況であることもまた分かっております。

この数値目標は行動指針に基づいて社会全体として2020年までに達成することを目指して設定されておりまして、フォローアップの結果を鑑みると、まずは目標達成への取組の加速化を図るということが私どもとしては先かなと考えておりまして、数値目標自体の全体的な見直しは考えておりません。

ただ、先ほどちょっと御指摘がありました、付加いたしますと、在宅型テレワーカーのところなんでございますけれども、実は、新たな情報通信技術戦略工程表、平成22年6月22日の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部に基づいたものでございますけれども、自宅で仕事に関するメールを見ることができることも含んでいるんですけれども、今回、政策評価の指摘も踏まえまして、参考指標として、今後、勤務先における制度に基づく在宅型テレワーカーの数の動向も併せて把握、分析をしてまいるなどしております。

それで、在宅型テレワーカーの数に係る指標の見直しについては、既に突き抜けているという御指摘があったわけですが、目標年である2015年に向けて、先ほどの二つの指標の動向も踏まえてこれは検討してまいりたいと思っております。以上でございます。

 

○加藤敏幸 そういうお答えになるだろうと思っていましたけれども。そういうところを、今日は大臣来られないということですが、ではやりましょうと言ってやるようになるよう監視するのが行政監視委員会、激励をするということも含めてですね。別にやかましいことを言う気はなありませんが、本当にこの指標を使ってやるなら、民間企業の経験からいくと、この指標について社長が命を懸けるということなんですよ。朝から晩まで、上から下まで、この指標は正しい、これで貫徹するんだと。調子が悪くなっても、いや、まあいいかということでは無駄になっちゃうねということもあるので、よろしくお願いしたいと思います。

もうこれは、この件はこの辺にとどめまして、次に、家畜伝染病対策に関しましてお話をしたいと思います。

26年度の行政評価局調査テーマの一つに、家畜伝染病対策、これが計画されておりまして、大変、最近、口蹄疫、鳥インフルエンザ、こういうふうなことを含めて東アジア周辺諸国から非常に厳しい状況で、日本のリスクは高まっていると。

23年4月に家畜伝染病予防法が改正されまして飼養衛生管理基準が厳しくされ、その遵守が農家に義務付けられておりますけれども、御報告によりますと、牛、豚農場で45%、鶏など家禽農場で65%しか守られていない状況だということで、また、行政評価局としてこれから御努力をされるということで、期待をしたいと思います。

そこで、一つ御指摘したいのは、獣医系各大学の入学定員を区分した大学名ごとの定数でございます。獣医師養成系大学というのは全国合わせて930人の定員となっております。この定員の有無についてはなかなかよく分からないので今日は申し上げませんが、大学の所在地ですが、西日本は非常に少ないですね。165人定員枠で、これは全国の17.7%です。

中国地方、四国、九州はそれなりにというのか、また相当に畜産業が盛んで、しかも感染リスクが高い地域じゃないですか、南の方にあり、西の方にありというのは。問題は大体日本の西南の方から発生していますよね、こういうふうな状況の中で、感染リスクの高い地域であるにもかかわらず獣医師不足ということになりやすい、あるいは陥っているということになっているので、西日本におきましては、獣医師養成大学の新設等、これなかなか難しいけれども、強い要望がございます。

御存じのように、この学部の設立は教育行政ということでございますので、文部科学省の所管ということですけれども、今日は文科省には質問しませんので、また別の機会に。

夏に実施される行政評価の作業におきまして、食の安全確保、家畜伝染病の防疫体制の体制づくりの問題として、是非、地方自治体勤務獣医師や産業動物診療獣医師の不足という問題について意識をし、そのことを調査の中で何とか解明をしていただきたいと強く思っているわけでございます。

ここのところ、行政評価局としての御見解をお願いしたいと思います。

 

○渡会修総務省行政評価局長 今御指摘いただきました家畜伝染病対策に関する行政評価・監視、これは、国、都道府県等の家畜伝染病対策の実施状況につきまして、本年8月から実地に調査開始する予定でございます。

主な調査項目といたしましては、家畜伝染病予防法上の飼養衛生管理基準の遵守状況、それから口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の防疫の実施体制の整備状況などを予定しておりまして、現在より具体的な調査項目の内容を検討しているところでございますが、ただいま御指摘ございました獣医師の地域偏在の問題につきましては、現在、関係府省において各施策が進められているところでございますけれども、私どもの調査をする過程でも、委員御指摘の問題を念頭に置いて調査を進めてまいりたいと、このように考えております。

 

○加藤敏幸 2010年に口蹄疫が起こりましたけれども、この被害総額が、これいろいろ算定されていますけれども、畜産関連で1,400億円、関連産業950億円という、こういう膨大な被害が発生しているわけであります。国民にこの被害を伝えるときに、一方で、やはり獣医師さんが最前線ですよ。この方々の偏在があるということを50年間放置してきたと。まあ放置はしていないのでしょう、いろいろ事情があることはよく分かっていますから。そのことを含めて、意味のある調査を是非お願いをしたいと、このように要望いたします。

次に、国家公務員の人事評価制度の課題でございます。

国家公務員の人事評価制度、これは2009年4月1日に導入されて約4年過ぎています。本年2月7日に総務省の有識者検討会議では、2011年から12年の間に行われた国家公務員の五段階による能力評価の結果について、人事評価の過半数の公務員が優秀のAを取得している。そして、有識者検討会は、区分の趣旨の明確化や評価する上司の研修訓練の充実化など、運用の改善を求めているということになっております。

具体的に評価結果の内容を見ると、まず、求められる行動が全て確実に取られて特に優秀のS評価は5.8%、次の、求められる行動が十分に取られて優秀の評価が、A評価が53.8%と圧倒的に多く、求められる行動がおおむね取られて通常というBの39.8%を大きく上回っております。また、報告書は、人事担当者の5割以上がA評価とB評価の区分の見極めに苦慮していますとか、結果的にSとAに集中する人事評価というのは評価としてどうなんだろう、意義はないのではないかという意見も出ております。

こういう努力をされているし、この人事評価制度は非常に重要だと、是非進めるべきだという立場から、まだまだこれは発展途上にあると思っておりますので、評価者向けのパンフレットを作成し、また人事評価の講座等も行われておると思います。

しかし、この人事評価というのは、勤務評定という時代から人事評価の時代に入っていって、これはいろいろと議論がされてきましたし、私も議論に参加してきましたが、人事評価というのは面倒なんですよね、一言で言って。これは勤務評定も一緒ですけれども。一生懸命仕事をしてくれている、まあいろいろ問題もあるけど、言えば、自分にも問題があるのだから、頑張っているその部下にBとかCとかDとか点数付けてどうするんだという思いが実はあるんですよね。そんなことをやっている暇があったら仕事しろとか。

そういう状況の中で、この人事評価制度を20万人超える国家公務員についてしっかりやっていくということは、それなりの覚悟が要ると思っているんですよ。目標管理制度と同じように進めるというのがセオリーですから、単に評価だけでなく、コミュニケーションを通じてその人が育っていく、育成をしていくという、そして、そのことは本人が自覚的にやるということですから、自分自身が目標を定めると。しかし、目標といっても、数量値がない仕事だってありますよ。皆さん方大臣の仕事だって変に数値目標を作られても困るということもあるし、むしろ、それ以上に内容的な、定性的なそういう仕事が多いというお仕事もある。

その中で、評価疲れという言葉がございました、政策の方も。人事評価も、ストレスの掛かるこの仕事はできたら避けたいという、そういう人情、傾向があるわけですから、本当にやるということならやるということで徹底してやっていく。そのためには、この制度が持っている合理性、メリットというものを明確に、世界で一番優秀な官僚、役人と言われている日本の公務員の皆さん方自身が理解し納得をするという状況をつくっていくことが非常に大事だと。そういうところの努力がやっぱり足らないのではないかと、このように思っているわけです。

評価者の立場。ただ、部下の評価をするのに365日掛けていたんではしようがないんです。評価のための評価じゃないし、評価することがお仕事ではないのです。大概は別にお仕事があって間接的仕事として評価をやっていますから、その人の仕事量の20%を超えて評価に時間が掛かるようだったらその評価システムは失敗だと、私はそのようにずっと言ってきました。

そういうことで、これから課題がいっぱいあると思うし大きな山も壁もあると思いますけれども、ここのところを、より公平で適切な評価が実施されていくというこの運用の改善等につきまして、総務省のお考えをお伺いしたい。

 

○上川陽子総務副大臣 委員の御指摘、国家公務員の人事評価につきまして覚悟を持ってしっかりと取り組むようにという御指摘、もっともだというふうに考えております。

人事評価そのものでございますが、給与、任用のみならず、職員の皆さんの人事育成、自己啓発促進、あるいは勤務意欲の向上、こうした人事管理のあらゆる側面で活用するということで、この能力・実績主義の人事管理を行う基礎となるものというふうに考えております。その意味では、国家公務員制度の中でも大変重要な位置付けであるというふうに思っております。

先ほど御指摘いただきましたけれども、今年2月の7日に、有識者会議におきまして、人事評価に関する検討会報告書を公表したところでございます。その内容につきましては先生の方からも御紹介いただいたところでございますけれども、概して人事評価制度につきましては円滑に実施されているとはいえ、評価者間での評語の区分の理解へのばらつきがある可能性があるといった点につきまして御指摘がございまして、その改善策につきましても、そうした評語区分の趣旨の明確化でありますとかその徹底、さらに、御指摘いただきましたこの評価をする者、側の理解ということについては更に前進しろと、こういう御指摘がございました。

総務省におきましては、こうした御提言を踏まえまして、評語区分の趣旨の明確化及びその徹底のために、先月、人事評価の具体的手続等をまとめました人事評価マニュアルの改訂を行ったところでございまして、4月25日にはホームページ等でアップさせていただきました。また、人事評価につきましてはやはり評価者が重要な役割を担っているという、御指摘のとおりでございまして、今般のマニュアル改訂と併せまして、この適切な評価指標あるいは面談でのコミュニケーションの対応の仕方、被評価者への指導に役立つ評価訓練の充実を更に図っていくということとしておりまして、こうした面につきまして前進していけたらというふうに考えております。

 

○加藤敏幸 ありがとうございます。

まあ私がお礼を言うことではないので、国民の立場で頑張っていただきたいと思いますし、総務省のこういった仕事は、重要だと思っています。

今御答弁いただいた中身というのは、一般の民間企業でいうと間接部門というやつですよ。直接営業だとか生産とか、数値が出ないんです。だから、サボっていてもというとおかしいですけれども、周りから余りやってもやらなくてもなかなか評価されにくいというポジションだと思うんです。

しかし、十年、二十年たったときに、この部門が性根を入れて頑張って、頑張った分というのは必ず未来で何らかの花が咲いてきているんです。今これ、今年の決算見て、各企業をずっと見ながら、やっぱり地道にそういう間接部門のスタッフが本当に一つの理屈によって、その時々の何かはやり言葉に惑わされずに、十年、二十年反復連打、しっかりやり続けた人たちが最後今いい成績になっているということで、総務省のこういったスタッフ活動については大いにエールを送りつつ、やや厳しい物の言い方しますけれども、頑張っていただきたいと思います。

日本の公務員は優秀ですよ。優秀だけれども生産性が低いと、これはどういうことだというのが世界の不思議だと、こう言われているぐらいですから、優秀な人がしっかり効果を上げる、効果的な仕事をしていくと。それは一体どうやっていくのかということを、しっかり現場のお一人お一人の公務員の皆さん方との対話を通じて成し遂げていただきたいと思います。

次の問題は空き部屋、空きビルの福祉転用の問題です。ちょっと言うと分かりにくいのですが、障害者の社会参加が進んでいる中で、高齢者施設とともに障害者施設のニーズが高まっております。特に、障害者自立支援法により精神障害者を含めた障害者の職業訓練や就業支援事業などが大きく伸びておりまして、このことにより特に都市部において施設の不足が深刻化しているという御指摘を、当該のこのことをやっている方々から指摘をされております。

一方で、地域によっては人口減少、少子高齢化、地域産業の停滞ということで、残念なことながらビルの空き部屋が急増している。場合によってはシャッター通りということがいまだに続いているということで、これはこれでいろいろと努力をしているわけであります。しかし、福祉施設は火災防止など安全面を中心に様々な規制があるということで、空き家、空きビル、それを直ちに福祉関係施設には転用できないと、こういうことで、何とかしたいな、何とかならないかなというふうな悩みを抱えているということであります。

福祉関連事業を推進していくと、NPOや社会福祉法人によってはそういうコスト面でも安い既存施設を利用できるということは大いにメリットのあることなので、うまくマッチングをさせればいいのではないかと、このように思っております。

安全性の確保、利便性の向上という視点から、建築基準法、バリアフリー法、消防法などの規制がございまして、障害者施設では火災などから身を守るために防火設備や避難経路の確保などに関して厳しい規制を掛けている、これは当たり前だと、このように思います。

一方で、施設の利用の仕方によっては、一定の基準を満たせば安全が十分に確保できる場合、比較的軽度の障害者の職業訓練、あるいは昼間だけの活動、あるいは一階だけとか、そういうふうな施設では安全の確保というのは少し楽ではないだろうかと、こういうふうな思いもあります。

こういうようなことで、これは規制緩和と、合理的に緩和をしようということで、不必要な重い規制は取っ払っていこうと。これは、重要なことではないかと思っております。

規制法令に関わる省庁間の調整が必要になると思いますけれども、今お話をした内容について、国土交通省と消防庁より見解があればお伺いしたいと思います。

 

○井上俊之国土交通省住宅局長 お答え申し上げます。

既存の建築物を時代あるいは地域の実情に応じまして用途を変えるというようなことで有効活用するのは、御指摘のように大変重要だというふうに思っております。一方で安全性の問題、これも当然おろそかにできないわけでございまして、御指摘にもございましたけれども、事務所とか福祉施設などの用途に応じまして、主に火災安全、避難安全という観点で二方向避難でありますとか内装の制限、こういうものを設けているところでございます。

また、バリアフリー法では、主として高齢者、障害者が利用される2千平米以上の建築物、ですから小規模なものは対象にならないということで余り該当はないのかも分かりませんけれども、同じように車椅子使用者用トイレの設置などの制限が求められる場合があると、こんなような概要でございます。

議員の御指摘を踏まえまして、私ども具体的にどんな改修、御要望があるのかということ、不勉強で今必ずしも把握しておりませんので、既存ストックの活用を図る観点から、厚労省等関係省庁とも連携して、まず、具体的にどのようなものがどういう改修を要望されていて何が引っかかるのか、これをよく調べた上で対応を考えさせていただきたいと思います。

 

○武田俊彦消防庁審議官 先生御指摘をいただきました消防法令の関係でございますが、御指摘の障害者の職業訓練と就業支援の施設は、消防法令上は就労移行支援又は就労継続支援を行う施設というふうに該当いたしまして、面積とか階数等に応じて必要な消防用設備の設置が義務付けられているところでございます。

この基準は、同様の事業を行う施設に対して一律に適用されるものではございますけれども、個々の施設の構造や設備などの状況により防火安全性能が損なわれないことが確保されれば、管轄する消防署長などの判断によりまして特例が適用できるという仕組みになってございます。

このことから、現在も、各自治体におきましては、このような判断の下で弾力的な運用が行われているということが実態であるというふうに考えております。

 

○加藤敏幸 日本語としてすばらしいのですが、ちょっと意味がよく分からないところもありましたけれども、最終的にこれは地方自治体が現場で仕事をされるので、そこでしっかりと、別にその規則を緩めるとかいうことではなく、現場が持っている判断の中で対応していけば、恐らくそういうことについても十分お客さんである国民あるいは皆さん方の需要、満足していただけることもあるのではないかということでいいんですかね。

 

○武田俊彦消防庁審議官 大変失礼いたしました。

消防法上は、例えば誘導灯でございますとか消火器、自動火災報知設備などの義務付けが掛かりますけれども、実際には消防署長の判断で総合的な判断ができることになっておりますので、こういった施設の場合につきましては、まず現地所管の消防署とよく相談をしていただきまして、場合によっては柔軟な取扱いが可能でございますので、そういったことを進めていきたいというふうに思っております。

 

○加藤敏幸 ありがとうございます。

ということで、実は、この問題を取り上げたのは、このところの今言われたコミュニケーションが日常的にうまく円滑にいくという状況をつくることが大事ですねということなんですよ。別に規制緩和で大仕事をしなくても、現場の消防署長の既にある権限の中でやっていけるんですと。実は、こういうことを質問通告のときに受けていました。

問題は、困った困ったと言う人と、いや、それは現場で消防署長の判断でびしっと見てこうやった、専門家が見て確保したと言えばそれでいけるということの、このギャップを誰がどうやって、あるいはどういう仕組みでこれを埋めていくのかということをうまくつくり上げれば、先ほど優秀だけど生産性が低いと申し上げたのは、そういうことによって、これは心情的な評価ですけれども、うまく回っていると国民、関係する人が思えば生産性、つまり評点は上がるということで、新たに何かすごい武器を持ち、行政上の武器を持ってやるということでなくても、今言ったような、コミュニケーションだとか仕事のやり方の着眼点だとかそういうところを、地方自治体と、地方政府と中央政府がこの総務省の行政監視・評価の方とうまくリンクできれば一点でも二点でも点数は上がっていくということについて、頑張っていただきたいということで申し上げたのです。

この監視委員会の仕事の中にも苦情処理というアイテムがございますけれども、そういうことを含めて、最後、総務省上川副大臣、何かあれば一言。

 

○上川陽子総務副大臣 行政評価あるいは監視という不断の工夫をしながら、現場の実情に合わせて、より効率性の高いところで国民の皆さんが信頼していただくことができるように役割を果たしていきたいと思っております。

ありがとうございます。

 

○加藤敏幸 頑張ってください。終わります。