国会質問

第189回通常国会 経済産業委員会(2015年4月23日)

中小企業への支援策や地域振興のあり方について質問

  4月23日、経済産業委員会において、「官公需の中小企業者の受注確保に関する法改正案」に対する2回目の審議が行われ、70分にわたり宮沢経済産業大臣や政府関係者に質問しました。

 宮沢大臣に対しては、地域振興策のあり方やILO条約に基づいた公契約法制定の必要性などついて、また、中小企業庁に対しては、改正案成立後の「官公需適格組合制度」の位置づけや官公需ポータルサイトの運営改善経過と今後の対策などついて質問しました。
  
  なお、改正案は質疑の終了後可決され、あわせて附帯決議が採択されました。
  
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○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

  前回、4月16日の委員会において、中小企業への賃上げの波及ということについていろいろとお話をお伺いし、意見を申し述べました。ちょうどその日、甘利大臣が日商会頭と中小企業への賃上げについて要請をされたということでございまして、私の質問が契機になったとは思っていませんけれども、引き続き、5月にかけてもなお賃金の引上げのゾーンがありますので、御努力の方お願いをしたいと思います。

  今日は、引き続き、中小企業を取り巻くいわゆる経済的な各種環境の問題について、特に円安との関係について御質問をしたいと思います。

  お手元に資料をお配りしておりますけれども、日銀のいわゆる短観、業況判断でございます。これは4月1日発表の内容でございます。製造業、緑の枠になっていますが、最近についての業況判断は、大企業がプラス12、対して中小企業、右の方にありますけれども、プラス1ということで、昨年12月調査に比べるとこれは3ポイント下がっていると。また、中小企業基盤整備機構が実施しております、資料はございませんが、中小企業景況調査によりますと、今年1-3月期の全産業の業況判断DIはマイナス17.8、そのうち製造業はマイナス14.1、いずれも前期比でマイナス幅は縮小している。これは改善されているということでございますが、依然、状況としてこれも厳しい内容があると思います。

  その中小企業が抱えておられる厳しさの要因の一つに、円安による原材料仕入価格の上昇の影響、これが強いのではと、このように思っております。このことは、中小企業景況調査の、ご用意しました資料2ページ目をご覧ください。赤い折れ線グラフを見ていただきますと、原油価格が大幅に下落しているにもかかわらず今期の原材料・商品仕入単価DIが上昇したという企業のパーセンテージから低下したという企業のパーセンテージを引いたもので、39.7、前期の45.3に比べれば改善していると、このように思いますが、しかしDIが40.0近くあるというのは結構高い水準であると、これはそのとおりではないかと。

  このような状況に対しまして経産省におかれましては、発注する親企業に対して原材料のコスト増を取引価格に適正に転嫁するような御指導をしていただいておりますし、業界団体への要請や大手企業200社への立入調査と、こういうこともされております。また、補正予算でも、エネルギーコスト高などの影響を受ける事業者の資金繰りの支援策も織り込まれたということでございます。

  これまでの取組の経過とその成果等、また今後の意気込みを含めて御説明をいただきたいと思います。

○北川慎介中小企業庁長官中小企業庁事業環境部長 お答えいたします。

  中小企業の業況、これは御指摘の短観などによりましても、やはり消費税率引上げ後の2014年4-6以降弱さが見られるという状況でございます。仕入れ単価につきまして事業者の認識としては依然として高い水準にあることも事実でございますし、収益の圧迫についても注視が必要な状況であると認識をしております。

  政府といたしましては、生まれ始めた経済の好循環を継続的なものとするために、大企業等における収益の拡大、これを適正な下請取引という形で中小企業へと移転していく取組、これを推進することが重要だと考えております。

  このため、経済産業省におきましては、適正な価格転嫁が行われるよう、昨年10月と本年1月に転嫁対策パッケージを取りまとめております。具体的には、一つ目は、下請代金法に基づきまして、昨年10月以降本年3月末までに合計約500の大企業に対しまして集中的な立入検査を実施しております。また、資金繰りにつきまして、公的金融機関におきまして、昨年10月以降本年2月末までに約25万2千件、3兆6千億円の返済条件変更を行っています。これに加えまして、平成26年度補正予算によりまして、日本政策金融公庫及び商工中金に原材料・エネルギーコスト高対策パッケージ融資をつくりまして、3月末までに2万2千件、5千億円の貸付けを実施しております。

  また、毎年度、公正取引委員会と合わせて約8万の親事業者、約40万の下請事業者に対しまして下請代金法に基づく調査を実施しております。下請代金の減額や買いたたきなど、違反行為を行っていると見られる事業者に対しては厳正に取締りを行っておりまして、平成26年度におきましては、1,108件の立入検査、998件の改善指導を実施しております。

  さらに、最近の動きでございます。4月2日の政労使会議におきまして転嫁対策パッケージ第三弾の実施を発表いたしました。このパッケージでは、まず下請取引ガイドラインを改訂しまして、望ましい取引慣行を追記したところでございますので、今後はこのガイドラインに沿った取引が行われるよう、産業界に対して徹底的に要請してまいりたいと考えております。また、今年度上半期に追加的に約500社の大企業への集中的な立入検査を実施すると、こういうことを盛り込んでおります。

  今後、下請事業者の方が下請取引ガイドラインに沿った取引を要請したにもかかわりませず、親事業者が協議に応じず一方的に取引価格を据え置く、こういった行為があれば厳正に対処していきたいと考えております。

  このような取組によりまして、引き続き下請取引の適正化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 従来になく熱心に取り組んでいただいていると認識をしております。これはきめ細かくそして根気強く対応していくことが非常に重要ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

  次に、法案に対する提案理由の点でございますけれども、地域振興策を挙げておられるわけですけれども、法案の提案理由といたしまして、「我が国経済の持続的な成長を実現するためには、成長戦略を確実に実行して経済の好循環を確かなものとし、景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けることが必要不可欠であります。」と、「このため、地域の経済と雇用を支える重要な存在である中小企業・小規模事業者の活力を最大限に発揮させるために、」と、これが言わばその動機というのでしょうか、一つの説明となっています。

  地域経済が停滞しているという認識の中で、中小企業また小規模事業者、官公需に頼っていくということは一つの経営戦略ということになるとは思います。ただ、景気回復の実感を地方に届けるとか、こういう表現にはちょっと違和感があります。政策目標というのはあくまで景気回復であるとか、地方経済の活性化とか、実体経済のその中で数量的にきちっと改善幅が、改善の効果が出てくる、あるいはそれを目標にするということだと思います。このやや情緒的な、実感とか、何かお届け物のように、中央から地方に、津々浦々とか、何となく配送業みたいな感じの表現があって、雰囲気づくりということではなく、これはリアルに政策として効果的なことをやっていくということだと思うし、大臣御自身もそのようにお考えだと思います。

  創業間もない中小企業の官公需への参入促進策が具体的にどのような、いわゆる地域経済、実体経済に波及効果を持ってくるのかということで、先ほどの津々浦々が実現するということの、いわゆる波及プロセス、期待される具体的効果などについての御説明をいただきたいと思います。

○宮沢洋一経済産業大臣 御質問にお答えする前に、月曜日でございますか、私も日本商工会議所、また商工会、さらに中小企業団体連合会、さらに商店街の代表の方にお目にかかりまして、賃上げ及びそれなりの規模のある中小企業については下請業者、納入業者に対する配慮をしていただきたいということを直接お願いをしてまいりました。

  今の御質問でございますけれども、まず、成長戦略というものは、私自身は、この場でも何度か申し上げておりますけれども、やはり薄利多売型の経済から高付加価値、少量生産型の経済に変えていくということだと思っておりまして、そうした意味では、まさに中小企業にかなりの部分を担っていただかなければいけないと思っております。そして、恐らく今までのようなコンビナートに大きな工場が建つということではなくて、それぞれの地方でそれぞれ特色のある企業が出てくるということが一番望ましいと思っております。

  そうした観点から、なかなか中小企業の方は自分たちが主役という意識がまだないものですから、この見える化を図っていこうということで今作業をさせておりまして、例えば、もちろん成功例というのはよくあるんですけれども、成功例だけではなくて失敗例とか、そういうものをかなり分かりやすく出した上で、例えば一つのターゲットであるアジアのある意味では富裕層がこういうものを欲しがっているというような情報もお示しをした上で、その気になっていただいた中小企業、また創業していただく方に対する応援体制を、資金の面もあるし、コンサルタントもあるし、また試験研究開発をつなぐような制度も必要だと思いますけれども、そういうものを6月ぐらいをめどにお示しをして、しっかりと御説明をしていかなければいけないと思っております。

  そういうことでいろいろ聞いておりますけれども、例えば、ホームページに載っけた、パンフレットを作ったということだけではなかなか中小企業の方はお分かりにならなくて、それをもう少し易しい言葉で説明する方が必要だみたいなアドバイスを受けておりますので、実際にしっかりとしたものを作っていきたいというふうに思っております。

  その上で、今御質問がありましたように、この法案だけではもちろん効果としては正直言って微々たるものだろうと思っております。ただ、例えば創業間もないまさに十年未満の企業に対していろんな力添えをしようということを入れさせていただいておりますけれども、創業間もない若い企業というのはやはり雇用が大変増える企業、事業者でありまして、そこを応援していくということは大変大事であると思っております。特に官公需のところで少し実績を付けていただいて、それが民間の部門で評価できるという体制は、かなりこれは効果があるんだろうというふうに思っております。

  また一方で、産業競争力強化法に基づきまして、これは総務省と共同で行っておりますけれども、市区町村単位で創業支援体制の整備を図っておりまして、これまでのところ300を超える市区町村の創業支援事業計画を認定したところでありまして、こういうものも是非使っていただいて効果を上げていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、先ほども答弁いたしましたけれども、昨年11月には経済産業省と47都道府県それぞれとの間で新規中小企業者調達推進協議会というものを立ち上げまして、この協議会については今後継続的に開催をいたしまして、新規中小企業者からの調達の推進方策などについて協議をしていきたいと思っておりまして、ともかく全国津々浦々に感じていただく。

  地域といっても、例えば私の地元の広島県の東部、福山辺りはかなり実は元気になっておりますが、やはり遅れた地域、特に強力にそういうものを届けるような努力をしていきたいと思っております。

○加藤敏幸 大臣自らいろいろと各団体に働きかけをしていただいているということで、そのことにつきましては努力を多としたいと思います。

  この法案だけでということは誰しも思っていますから、先ほど大臣が言われたいわゆる6月までに、宮沢大臣のある種考え方とか方法論とか、そういう問題意識に基づいて新しくそういう政策が提起される、またそのことをこの場で皆さん方と一緒に議論をしていく日をお待ちしていますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

  次に、官公需適格組合制度との関係ということで、これは参考人からお話を聞いたときにこのことについても御意見がございました。むしろこの官公需適格組合を大切にしてほしいと、そういう御要望であったというふうにお伺いをいたしました。これは、中小・小規模企業が集まって、官公需の受注のために共同して品質確保などの努力をされてきたと。この官公需適格組合は官公需の受注に対し意欲的であり、かつ受注した案件は十分に責任を持って納入できる経営基盤が整備されている組合として中小企業庁が大事に育ててこられたものだと、このように認識しています。

  そこで、創業十年以内という新しい企業の皆さん方を箔付けというとおかしいのですが、受注機会がその地域の発展、その企業の発展に寄与するということに着目をされているということでございます。逆に言うと、今まで受注をしてきた老舗の企業にとっては新しい競争相手を受け入れるということの制度ですから、ある種これは競争状況を強化して、思い切りおまえら頑張れよと、競争して活性化せよと、そういう意図もあろうかと思います。と同時に、官公需適格組合というのは、余り無駄なたたき合いをして、お互いに営業利益を失って明日への成長の糧をなくすとか、そういうことはやめて、いい意味での健全な競争状況を育てていこうという意図もあって、やや見方によると二律背反的な要素もあるような気がいたします。

  そこで、今回の法改正に当たって、官公需適格組合をどのように位置付けされ、今後どのように御指導されるのかという辺り明確にお考えをお伺いしたいと思います。

○北川慎介中小企業庁長官中小企業庁事業環境部長 今回の官公需法改正の趣旨、これは、創業間もない中小企業にビジネスチャンスの機会をということで考えているわけでございます。もちろん創業促進も重要でございます。また、当然、中小企業全体の受注機会を上げていく、その中でまた官公需適格組合を活用していただくというのも大変重要だと思っております。そのような考え方の下、これまで契約率も徐々に上がってきているという状況にございます。

  御指摘の官公需適格組合制度につきまして、これは委員御案内のとおり、組合の中でも共同受注体制が整っているなどの一定の要件を満たす場合には経済産業省が官公需適格組合として証明するものでございまして、これによりまして受注機会の増大を図ろうということでございます。

  これは、また一方で、委員から二律背反ではないかという御指摘もございましたけれども、新規中小企業者の受注機会の増大という観点からも活用できないかと考えておりまして、新規中小企業者は何かこれ下位の入札資格しか得られないという状況、これを、単体では規模の大きい案件の入札には参加できない、あるいは契約履行体制に単体では不安を抱えている、こういったことから入札に参加できない企業もあろうかと存じますので、このような新規中小企業者につきましては、既存の官公需適格組合に加入する、あるいは新たに他の中小企業者の方と官公需適格組合を創設するということで受注機会の増大を図ることにならないかというふうに考えております。

  実際、いろいろ事例を調べてみますと、既存の官公需適格組合の中にも創業十年未満の中小企業者の方が加入しておられたり、そしてまた共同受注の実績を有しているという組合が存在しているということでございます。官公需適格組合の共同受注の促進、これは新規中小企業者の受注機会の増大を図る上でも活用できる可能性があると考えております。

  私どもといたしましても、新規中小企業者を含む中小企業に対しまして、官公需適格組合の活用について周知徹底していきたいと思います。

○加藤敏幸 そういうことで、引き続き御指導をされるということで受け止めたいと思います。

  次に、公契約、これは前回の質疑のときにもいろいろな御意見、御質問が出されたと思います。特に、官公需の役務というところに着目をして、労務単価の問題、いわゆる労賃ダンピングという問題を、なぜ質問するかという意図ですが、結局、地方の労賃が下がるということは極めてマイナスなことですよね。一方で賃上げを波及させようということで一生懸命努力をしているのに、ある仕組みの中で労賃が下がっていくという、この構造自体はやっぱり問題がある。

  かつて、地方公務員の皆さんの給与水準を引き下げるという議論があったときに、そういう政策は、それはデフレ政策ですよと、だから賃金政策としてはどうなんですかと。当時党の政調をまとめておられた方が、そうだ、そのとおりだということで、賃金を触るときの、いわゆる岩盤ではないかというそういう議論ではなくて、地方の賃金水準を下げるということの要素については非常に大きい問題があるということなんです。

  地方の賃金の基準の一つは、そこの公務員さんの賃金水準が基準になって決まっていくという要素もあるということも含めて、労賃のダンピングが行われると非常に悪い影響が随分出てくるということであります。

  中小企業は官公需の入札あるいは随意契約の見積りにおいて、とにかく受注したいがために労働者の賃金も下がらざるを得ないという、そういう見積額、それを下げていくという状況で、これは問題が大きいということであります。さらにその中小・小規模企業、まあ小規模の場合はありませんけれども、中小においては下請や二次下請といって、官公需の仕事を請け負ったとしても、次からそのタイミングで人件費が捻出できないような内容になることもあるということでございます。また、前回も歩切りという、こういう問題も報告をされておりまして、これも極めて大きな問題だということでありました。

  ただ、こういうことについて行政の方もただ放置しているということではなくて、幾つかの自治体で公契約条例が制定されておりまして、全国で初めて制定されたのは千葉県野田市で2009年9月でありました。

  今日どういう状況になっているか、お手元に資料を用意いたしました。これはいろいろな資料をまとめたものですが、条例型、賃金条項ありというのが、野田市の公契約条例から、17番目、高知市公共調達基本条例、こういうことが15年10月から施行されるということでございまして、あとは要綱型、それから賃金条項なしの理念型と、こういうふうな形でいろいろございます。

  公契約条例は、国や地方自治体の事業を受託した業者に、その下請まで含め雇用される労働者に対し、その地方自治体が指定した賃金の支払を確保されることを規定しています。指定される賃金というのは、国の最低賃金法に基づいて規定される最低賃金より高く設定され、ワーキングプアを生み出さないことに大きな効果を上げていると言われております。特に建設業では、若い技能労働者を確保するための施策の一つとして非常に重要ではないかと、このような認識がされています。

  また、ILOは1949年に公契約における労働条項に関する条約の採択をしておりまして、60ヵ国が批准をしております。それらの国々では公契約規制が実施されているということで、日本も一日も早く条約を批准し、当然、国として公契約法を制定するということとセットになりますけれどもそれが必要であると考えております。昨年6月27日、中小企業者に関する国等の契約の方針において、ダンピングに関する考え方や対策をきちんと打ち出されておりますけれども、やっぱり国レベルで公契約法を考えるべきではないかと、このように思っております。

  経済産業省として労賃のダンピングの防止という視点をより強く打ち出されるべきだと思いますけれども、法制化の課題と併せ、これらに対する見解をお願いしたいと思います。

○岩井茂樹経済産業大臣政務官 お答えをいたします。

  委員御指摘のように、現在、幾つかの自治体におきまして、最低賃金以上の支払を義務付ける公契約条例というのが制定をされているのは承知をしております。ただ、一方で、我が国において賃金等の労働条件というのは、最低賃金法等の関係法令に反しない限りにおいて労使が自主的に決定をすることとされておりまして、また同時に、予算の効率的な執行や契約の適正化を図ることも必要なことから、公契約法の制定に関しては慎重な対応というか検討が要すると考えております。

  ただし、委員御指摘のように、労賃ダンピングの防止策というお話もありましたが、特に役務提供や工事など一定期間労働者の確保が必要な契約については、適正な労賃を含む価格で入札が行われるように取り組むことが大変重要だと考えております。このため、今般の改正官公需法に基づきまして閣議決定をいたします国等の契約の基本方針において、まず一つ目といたしまして、発注者側は適切な人件費等を含んだ予定価格を作成をすること、そして、事業者に人件費等を適切に見積もるように求めること、そして三つ目に、内容に応じて総合評価落札方式の適正な活用に努め、価格以外の要素、これを適正に評価をすることと盛り込んでいるところであります。

  さらに国交省では、昨年の6月、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律を改正をいたしまして、本年の4月1日より、公共工事の入札の際に人件費を確認するための入札金額の内訳の提出を義務付けているところであります。

  このように、官公需においては、法制化によりまして一律に規制を掛けるのではなくて、こうした取組を通じて発注者による適切な人件費の確保を図ってまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 言葉尻を取るわけではありませんが、この場合の御答弁は、賃金は労使が主体的、自主的に決めますよということで、政府としてはちょっと手が届かないと、こういうふうなところにおいて、しかし別の場面では政労使会議でやれよと。まあまあ、それは別に両方あって当たり前だと思いますが、やはり底辺により注目をし、そこに政策の意図を、そこを強力に展開するということが重要であって、ほっておいても上がる部分は大企業にはあるんです。賃金決定メカニズムというのは何十年の歴史の中でやっていますし、交渉する人たちもそれなりに努力をして作戦練ってやっていますから。

  しかし、なかなか交渉力を持っていない、その人たちにどうやって賃金を維持向上する機会を場面場面で支えていくかということが政府並びに行政の役割なんだということで、ああだこうだということではなくて、その精神を日常的に具現化することに、是非、宮沢経産大臣中心に御努力をお願いしたいし、他の省庁に対してもいろいろ御意見を言ってスクラムを組んでいただきたい。そのことが津々浦々の皆さん方の御家庭が息を吹き返してそれが消費を支えていくという、好循環をつくり上げるという源泉ですから、そのことを強くお願いをしたいと思います。

  次に、官公需ポータルサイトの改善ということで御質問申し上げます。

  これは中小企業庁が民間のシンクタンクに調査依頼をされた、官公需における中小企業・小規模事業者の受注機会の増大に関する調査報告書です。この報告書はアンケート方式ということなので、受注する側、発注する側のそれぞれの問題、課題が生の声として反映されており、中身によってはややこれはどうかなということもあるかも分かりませんけれども、生の声ということを前提として制度の改善に一つのヒントになるのではないかと。

  その中で特徴的な意見として、中小企業庁が運営される官公需情報ポータルサイトの利便性に関するものが多く出されております。これをうまく活用しているという経営者がおられる一方で、使い勝手が悪いとかポータルサイトの存在自体を知らなかったという意見も多く見られます。

  そういうような意味で、情報なくして受注はないのだから、経済、経営活動の基本は情報が大事だと思います。その一つの接点として、ITが嫌いだという経営者もおられますけれども、やはり手段としてITは能率のいい、効果性があるわけですので、このポータルサイトの運営改善について今後の方針をお聞きしたいと思います。

○佐藤悦緒中小企業庁事業環境部長 お答え申し上げます。

  まさに委員が御指摘いただきましたように、昨年3月、私どもが調査をしたもので、官公需ポータルサイトについて使い勝手が悪い、存在を知らないといった指摘がございました。こうした指摘を踏まえまして、昨年8月に官公需ポータルサイトを刷新したところでございます。

  まず、使い勝手の面で具体的にどのように変えたかということでございますが、まず、入札参加等級や公募期間など検索時の絞り込みメニューの追加をいたしました。また、過去の入札情報を検索できる機能を追加いたしました。さらに、利用者があらかじめ設定した条件に合致する新着情報がある場合、メールでお知らせする機能を追加をいたしました。また、サイト上で利用者の要望等を受け付けられるような改修も実施したところでございます。

  次に、広く事業者に知れ渡っていないのではないかという御指摘を踏まえまして、幾つか改修を行いました。まず一つ目に、中小企業・小規模事業者の支援策を網羅したサイトであるミラサポへのリンクの掲載、次に、中小企業庁や全国中小企業団体中央会から事業者へのメールマガジンの配信、さらに、商工会、商工会議所の経営指導員から事業者への官公需ポータルサイトの紹介をさせていただきました。

  このような取組を通じまして、新システムの運用前、昨年7月はポータルサイトへのアクセスの件数は3,100件だったんですが、最新の今年3月の数字ではこの3,100件が約17万件へと大幅に改善したところでございます。

  今後とも、不断に官公需ポータルサイトの改善等に努め、官公需に関する情報を広く中小企業・小規模事業者にお届けをしてまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 更なる御努力をお願いしたいと思います。

  次に、地域産業資源活用事業等についてお伺いいたします。

  今回の法改正では、地域産業資源活用事業について、地域産業資源である農林水産物、鉱工業品の生産活動の体験その他の活動をその特徴とする役務の開発、提供、需要の開拓を追加されるということになっています。しかし、体験とか役務の開発など言われてもぴんとこないという部分もございまして、いわゆるイメージが湧かないという面がありますので、この支援スキームについてどのような具体的事例を考えられておられるのか、御説明いただきたいと思います。

○佐藤悦緒中小企業庁事業環境部長 御指摘のように、地域活用事業において観光資源は非常に重要でございますが、活用した事業計画の認定が99件と、全体の約7%になっております。こうしたこともございまして、今回の改正案におきましては、これまで対象としていませんでした農林水産品や鉱工業品を活用した観光サービスも新しく支援対象に追加したところでございます。

  それで、具体的にどういうものという御指摘でございますが、まず、リンゴ狩り等の農業体験、これは梨狩りでもイチゴ狩りでもあると思いますが、実際に農業を体験していただくということ、またあと、ろくろ回しといった鉱工業品の製造体験、ガラス作りとかそういったこともあるところございますが、こういった体験型の観光サービス等を支援の対象としようと考えております。

  このような法改正によりまして、様々な地域産業資源を組み合わせた新たな観光プログラムの開発や販売開拓等を支援することで地域振興効果が大きい着地型観光の推進を図り、地域での消費向上、売上げの向上を図っていきたいというふうに考えております。

○加藤敏幸 私にもアイデアがあるんですけど今日はおいておきまして、次の質問に行きたいと思います。

  中小企業庁は、最近では、本年2月2日に全国で合計55件の地域産業資源活用事業計画を認定されました。それらの計画は、農産物やその加工に関する事業が多く、商品開発とそのブランド化、そして販路開拓を目指しておられます。

  それぞれの地域の特性を生かして個人や企業、事業主が商品開発に努力をされようと、こういうことですけれども、ぱっとそれをお伺いした限りにおいては、それって個々の事業者が日常的に行っている普通の一般にやっている商品開発でないの、当たり前のことではないのという思いもするわけであります。他方で、市町村や金融機関の支援がなくても、独自のアイデアを打ち出しインターネットを活用して、勝手にというんでしょうか、自分で堂々と販売を拡大するなど一定の成功を収めている事例も多くあるわけであります。しかし、多くの事業者が資金の面、商品開発能力、販路の確保で十分な知識、情報を持っているというわけでもないということで、ハンズオン支援というのは重要であると、こう思っております。

  ここのところは、先ほど来お話があり、前回もありました人材の育成を含め、コーディネーター的な役割を果たしていく人たちが非常に重要だということになっているわけでありますので、是非、中小企業庁に頑張っていただきたい。

  さはさりとて、認定された事業が全てうまく成功するとは限らないわけでございます。参考人のお話を聞きましても、今治タオルの事例でいっても、あんなビッグな成功事例においても随分と御苦労があったということですし、ちょっと間違っていればあそこまで行かなかったのではないかというような感想も持ちました。そんなことでいえば、アドバイザーをしていただいた方に恵まれたということでしょう。

  そこで、これらの支援制度がどれだけ事業の成功に寄与したのかというある程度客観的な評価というものを、きちっと整理をする必要があると。そのことが、PDCA、この制度のPDCAですね、これを日々ブラッシュアップしていくという意味で重要であるし、個々の支援する事業についてもPDCAを回していくということの指導も必要であるということだと思いますので、その辺の、制度そのものをどのように育てていくかという視点も含めて、お考えをお伺いしたいと思います。

○岩井茂樹経済産業大臣政務官 PDCAの重要性、そしてしっかり回しているのかという御質問だと思います。

  これまでの地域産業資源活用事業におきましては、全認定事業のうち、開発した商品等を販売した事業者の割合を目標値として80%以上ということとしておりました。平成26年12月末時点でございますが、その目標値を超えまして83.9%の達成となっております。一方で、個別の認定事業者を対象といたしました調査においては、地域資源を活用した商品等の売上げは1,000万円未満が5割以上を占めておりまして、これ販路開拓という意味では大変大きな課題になっているのも事実でございます。

  こうした課題を踏まえまして、本改正案においては、市区町村が地域ぐるみで地域産業資源を活用したふるさと名物を応援することを促進をすることで、今治タオルのように産地としてのブランド力を高め、個々の商品の販売力の強化につなげてまいりたいと考えております。

  また、地域産品の生産者と小売事業者等をつなぐ一般社団法人そしてNPO法人等の取組を支援することで、消費者嗜好を捉えた商品、サービスの開発を促しまして、中小企業者単独では難しい販路開拓の可能性につなげてまいりたいと考えております。

  以上のほか、今治タオルなどの成功事例の分析から、プロデューサーといった中核的な人材の存在、これ大変重要だと認識をしております。そのため、平成26年度補正予算において、地域産品のブランド化に向けた地域の取組の中心的な担い手となる、ふるさとプロデューサー人材の育成事業も措置しているところであります。こうした人材を多く育成していくことによりまして、地域産業の資源の強みを生かして新たな需要を開拓し、そのような地域の取組を後押ししてまいりたいと考えております。

  このように、これまでもそれぞれの事業ごとにPDCAを実施し必要な見直しを行ってきたところであります。法改正後についても、引き続きしっかりとPDCAを回させていただいて、必要となる改善を図ってまいりたいと考えております。地域産業資源を活用した中小企業・小規模事業者の取組に対し、引き続き効果的な支援を行ってまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 政務官の御活躍を期待いたします。

  次に、私は「ものづくり」政策で10年やってきました。今日は、中小企業のものづくり政策について少しお伺いしたいと思います。

  ものづくりとは、研究開発からリサイクルまで、この全プロセスをしっかり視野に置いて対応するということで、日本国内にものづくり工場をきちっと確保し増やしていくことが、実は国富の増大あるいは国民の福利厚生、生活の安定等に非常に重要な政策であると、10年間ずっと旗を振ってきたわけであります。

  最近、アメリカも含めて各国がものづくり産業の重要性ということを非常に着目し、いろいろな政策を打ってきていることも事実であります。大企業については、今議論は相当あり、自身の自立した考えもいろいろあると思うのですが、我が国にとって中小企業というのはある種の強みであるし、数も多いということも含めて、中小企業におけるものづくりということを少しお伺いしたい。

  今日、商品開発、製造工程のIT化、あるいは産学協同、技術集積、こういうことが重要になってきているし、地域経済、地場産業においての中小企業がある種ネットワークを持ちながら連携をしていくということも重要であります。そういうようなことで、例えば技術開発に関しては、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律に基づいて戦略的基盤技術高度化支援事業が展開されているということであり、また直近では補正予算で、ものづくり・商業・サービス革新補助金も打ち出されております。

  まず、ものづくり基盤技術にIT化とか技術集積といった観点をどういうふうに捉えておられるのか、この辺りの取組等をお聞かせいただきたいと思います。

○北川慎介中小企業庁長官中小企業庁事業環境部長 お答えいたします。

  中小企業のものづくり支援におきましてどのように考えておるかということでございます。

  具体的には、生産ラインへのネットワークの導入、あるいは情報化によるデザイン、設計でございますが、から生産までの一貫管理、こういったところにおきまして情報化による生産性向上ということを重要だと考えております。

  政策的な取扱いでございます。中小企業のものづくりの基本的政策といたしましては、中小ものづくり高度化法、これを中心にやっておるわけでございますけれども、まず昨年、中小ものづくり高度化法の指針に測定計測技術、これを追加いたしております。さらに、今年はデザイン開発技術、これを追加いたしまして、いわゆる委員御指摘のサポイン事業での対応にこれらが入ってくるということでございます。このサポイン事業は、平成27年度予算におきましては129億円を計上いたしまして、現在公募を行っております。

 また、一方、補正予算のものづくり補助金、これでは革新的な新製品の試作開発、これがよく念頭にあるんですけれども、情報ネットワーク化による生産プロセス改善、これも対象としておりまして、こちらも現在幅広く公募を行っているところでございます。

  このような施策によりまして、中小企業の情報化、そしてまた情報ネットワーク化による生産性向上を促進していきたいと考えております。

○加藤敏幸 製造業に限らず、小売、卸売を含めた流通の企業あるいはサービス業、飲食も含めて、ブレークスルーをするときに、例えばものづくり、物理的な発想、特許だとかそういうことだけでなく、ソフトウエア、ソフトにおけるブレークスルー、これは、一つは物の考え方だとか発想だとか、そういうことが非常に大事だと考えております。

  特に日本の場合は非製造業の生産性をどのように上げていくかというのは、これもう何十年来の、私が就職したときから同じような問題がずっと続いているわけです。製造業の方は、これはいろんなロボットだとか労働装備率を上げていくとか、結構一人当たりの生産高あるいは粗利も含めて指標は上がっています。しかし、サービス業においてはまだまだということで、例えば先進国の中での比較をしたときに、いわゆるサービス業における生産性をどうキープするかというのは日本経済にとって極めて大事だと、こういうふうな状況だと思うんです。

  そこで、中小企業の場合、時々社長さんは、自分で設計図描いたり旋盤回したり、そんなこともやって頑張っておられますが、実は、例えば知的財産、知財あるいは特許、これをどう考えるとか、それから営業に関する、例えば新しい地域への出店とか、あるいはそれのマーケティングをどう捉えるかとか、あるいは経理の問題だとか人事だとか、結構いろいろな、経営としてはサブシステムに対して対応していかなければならないという状況なんです。そういう中で、例えば従業員20人の企業は、そんなことやってられるかと、そんなことは大企業のことでしょうとか、それはもう俺一人で何もできないよということを含めて、そういう間接的なスタッフ機能をどう調達していくかというのが一段更に成長するためのポイントだということを、この十年間、経済産業委員会を中心に議論してきているんですよね。

  ネットワークはしたいとか、そういう間接部門の機能についてはアウトソーシングをする。そして、そこが一つのネットワークで、例えば20の中小企業のサービスをして経営の効率化を図っていくと、こういうふうな議論もあったわけでありました。そういう意味で、こういういうことを本気で考えていく必要があるし、この委員会の各委員の中でも当然そういう問題提起は多々されてきたと思っております。

  そこで、そういういろんな要素をネットワーキングしていくというこの方法論に、IoT(Internet of Things)と呼ばれるものの製造業版として技術的なテクニックが随分出てきたと思っております。とくに、ドイツでは、これは企業の壁を越えてお互いに情報をある程度共有化することによって全体としての生産量の管理だとか、あるいは効率化を図っていくということにチャレンジしています。日本も、企業の中ではやっていて、eファクトリーという言い方をしている企業さんもありますが。そういう考え方はあるわけですが、それを中小企業レベルも含めた大きな図面をこれから描いていく必要性があると思っております。

  必ずしもコンピューターだとかそういうインターネットに頼らなくても、手作業でもアイデアとしてお互いに共同して事業を拡大していくということは必要です。そのためにはプラットホームとして、例えば市町村、そういう地方自治体だとかの支援体制が重要となります。飯田市の場合にはきちっとしたサービス機構ということで、大学だとか専門学校だとか、あるいはいろいろな機関、工業試験所だとか、そういうところがその機能をある程度うまくネットワーキングする中で、支援事業者として、あるいは支援組織として機能しているという、そういう話も聞かせていただきました。やはりネットワークの時代に入っていると思いますし、そのことで生産性の向上を更に図ることができるのではないでしょうか。

  前回申し上げましたように、生産労働人口が年々少しずつ減っていくということで、ある種、人手不足、人手というよりもスキルを持った人が不足していくという問題があります。この状況にそれぞれの企業はどう対応していくのか。まして中小企業が、人材を確保していくということを、従来以上に真剣に考えて措置、対応していくような時代になってきたときに、どうするのか。経営業態として、従来どおりおやじさんがいて、ベテランの人がいてという、何となく家内経営的プラスアルファというイメージ、これも日本的でいいのですが、経営の在り方論としてきちっと大きく、新たなる挑戦をしていくことが必要だと。

  いろいろなことを考えたときに、ものづくりということを子供たちに、孫子の世代にこれは資産として、資源として残していくということが非常に重要だということを言ってきたわけでありますけれども、ちょっとこれは通告していませんが、是非大臣にお考えを伺いたい。大臣の前に、局長にもお願いします。

○黒田篤郎経済産業省製造産業局長 お答えいたします。

  今議員御指摘のとおり、ドイツのインダストリー4.0に代表されるように、全てのものがインターネットでつながる、インターネット・オブ・シングス、IoTの時代が到来をいたしております。それによって製造業、これ、大企業、中小企業を含めて大きく変化をし始めていると認識をしております。

  幾つか事例を申し上げたいと思いますけれども、例えば、一部の建設機械メーカーや工作機械メーカーが自社製の機械に付けたセンサーから取得した情報を活用して、その機械のメンテナンスとかアフターサービスの高度化を実現をしてございます。これはサービスに関することでございます。これは、製品自体よりも、製品が生み出すサービス、そしてデータの収集、解析が付加価値の源泉になっているということだと思います。

  また、一部の繊維メーカーあるいは金型部品メーカーがユーザーの声と製造現場とを直接結び付けることによって、従来は多品種少量生産の時代と言っておりましたけど、今は変種変量生産になっております。変種変量生産を実現をしております。これは技術力よりもむしろ市場ニーズの把握力が競争力の源泉に変わっている、そういう時代になりつつあるのかなと考えております。

  このように、あらゆるもののデータを取得して、それを解析、処理することが競争力の源泉になる時代がやってまいりましたが、我が国企業の取組はまだまだ道半ばと思っております。大企業もそうですし、中小企業はなおさらだと考えております。

  このため私どもとしては、産業競争力会議あるいはロボット革命実現会議等において、このIoT時代のものづくりの変革を見据えてどのような支援ができるのかと、対応ができるのかということを一生懸命取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。以上でございます。

○加藤敏幸 大臣にお話をいただく前に、もう一つ。例えば準天頂衛星という、特定の地域にとどまる非対称8の字軌道をとる人口衛星、この衛星を日本列島に対して赤道に直角に4個以上飛ばせば、それぞれ時間交代で日本列島上空にとどまるんですよ。それで、準天頂衛星の何がいいのかというと、いわゆるCSとかなんとかというのは、角度によってビル陰ができたりして、受信障害が出ることもあるのですが、これは、天頂が開けていれば、衛星からの信号を受信できるんです。真上からいろいろ電波を出したりリモートセンシングができるということで、安定して高い情報が得られる。これはいろいろ見通しがあるんですけれども、10cm以内とか、GPSの更に精度のいい機能を持つことができる。日本国の独自のいわゆる位置情報を管理することができる。

  こういうようなことで、トラクターの自動運転とか、結構いろんなことの応用が利いているし、自動車の自動走行とか自動運転なども、正確な位置情報が取れればスピードの問題を管理するということの可能性が開けますので、そういうことを含めて、ブレークスルーしていく手段は結構あるんですよ。

  それから、「ひまわり」というのがまた解像度を上げて7月から運用されてくると、そういういわゆる気象情報が更にビッグデータとして出てくる。気象情報自身が今ビジネスに十分なっているし、そのことがいろんな経済活動、あるいは私たちの生活に非常に大きな影響を与えるし、ある程度分かれば非常に高い経済的効果が発生する。簡単にIoTといっても、そういうようなことを含めていろんな条件が開かれつつあると思うんです。

  もう私のような年寄りがとやかく言うことではなくて、もっともっと若い人たちが、それが当たり前だということで、これからの社会、生活、これを発想してやっていくという時代がもう来ているし、そのことに我が国は先鞭を、そこはやっぱり一番で行ってほしいというのは期待であるしということだと思うんです。

  そういうことは、やっぱり経済産業省が一番先頭に立って、アイデアも出すし、切り開いていくというようなことが非常に必要ではないかということで、是非そのことも含めて、大臣の御感想をお伺いしたいと思います。

○宮沢洋一経済産業大臣 委員がおっしゃるように、今大変時代が大きく変わろうとしているということは確かだろうと思っております。インターネットが発達したことに加えて、クラウド等々でビッグデータというものが収集できるようになってきた。これをいろんなものに活用していくということがアメリカでもヨーロッパでも考えられておりますし、我が国においても、インターネットとロボットをどうつなげるかというようなことで、昨年来少し作業を始めていると、こんな状況であります。

  その中でやはり一番怖いのは、ビッグデータのほとんどがいわゆるアマゾンとグーグルに握られてしまうという問題をどう対応していくかということはやはりしっかりやっていかなければいけない話だろうと思います。したがって、それはヨーロッパも同じ立場でありますので、そこは、この間もドイツの経済界の方たちともお話をしましたけれども、やはりグーグルやアマゾンのデータに中小企業も含めていろいろアクセスできるようなことを我々としてはしっかりとやっていかなければいけない。

  中小企業に話を戻しますと、やはり中小企業もまたそういうものをしっかり使いこなしていただくということが、まさにおっしゃるように、今後労働力人口が減っていく中で大事なことでありますし、最初に申し上げた少量生産、高付加価値の企業体制に変わっていくためにも、そういう情報というのは大変大事だろうと思っております。

  一方で、そういうかなり進んだ分野だけではなくて、例えば傾きかけた旅館が、従業員が皆さんタブレット端末を持って、今日泊まっておられる方の情報を共有することによって非常に人気が出てきたというような話も随分ございますので、そういうところもやはり我々としては応援をしていかなければいけないのかなと、こういうふうに思っております。

○加藤敏幸 本件については与野党の壁はありませんので、是非頑張っていきましょうというのが結論だと思います。

  さて、最後になりますが、地域金融について少しお伺いをしたいと思います。

  今の状況は、随分お金がちまたにあふれているはずだと、こういうふうに思うわけでありますし、やや少し変なたまり方をしているんじゃないかなという声も聞かれます。

  地域地場産業、中小・小規模、この皆さん方、非常に円安について、円安差益を得られるポジションの企業は少ない。むしろ、どちらかというと円安で損をするというポジションの企業も多いということで、なかなかこれは個々の企業によって違っていると思います。

  その中で、新規事業だとかを含めて立ち上げていくということと、それから日々の経営を持続させていくこと、それで、7割以上が赤字の企業が多いということは、運転資金が大変ですよね。黒字であればキャッシュフローは良くなりますけれども、しかし、これはマイナスになるわけですから、常に運転資金、いわゆる資金問題、ファイナンスという問題を抱えるということでございます。

  これだけだぶついているのだから、きっとそんなことは問題にもならないのではないかと、そういう感想を持つわけですけれども、ここにおられる議員の先生方も地元の秘書さんなどから、いろいろ相談があって聞いたらそれぞれの企業の資金繰りが難しくなったと、金融がうまく機能していない、そういうことになってくるわけであります。申し上げたいのは、やっぱり地場における金融機能、このことも少し考えてもらいたいなと。

  考えてもらいたいというのは、率直に言って、地域金融機関と言われている皆さん方、本当にいい仕事をしているんですかと、この一言なんですよ。いい仕事って何かといったら、やっぱり一つ一つの企業の、きめ細かく、本当の問題はこうなんだと、そういう今言われているような目利き力を持って、それをバンカーとして企業を育てていくということ。そして、将来自分たちの利益を確保するという本来の役割に戻っていくということをやらないと駄目であるし、逆に言えば、金融機関で皆さん方だって明日は大変なことになりますよということも申し上げたいと。

  これは金融庁に言えばいいことですけれども、そういうようなことも含めて、中小企業の重要な課題ですから、中小企業庁としてその辺りをどのように考えておられるのかということです。

○北川慎介中小企業庁長官中小企業庁事業環境部長 金融面につきましての御質問でございます。

  総じて見ますれば金融環境は改善しているというふうに考えておりますけれども、私ども問題は二つあると思っております。一つは、なかなか厳しい状況にある中小企業の経営改善、そこに伴う資金繰りの問題、もう一つは、何か新しいことをやろうとする方の成長資金の問題と、この二つでございます。

  まず、経営改善の方で申しますと、やはり返済条件の変更の申込件数、これは半年で50万件を超えておりまして、経営改善がうまく進まないまま返済条件の変更を繰り返している方が少なからずいらっしゃいます。

  こうした状況の中でどうするかということでございますが、やはり金融機関の理解を得ていくためにも、経営改善計画の策定、これが必要だと考えておりまして、私ども中小企業庁といたしましては、地域におきまして地方銀行あるいは信用金庫、こういった金融機関、そしてまた税理士さん、そういった専門家と一緒になって経営改善計画を策定し、それで資金調達の円滑化を図るということを考えております。このための費用を補助するという事業を実施しております。

  この事業の実績でございますが、平成25年3月から始めまして、この3月末までの2年間に21,928件の相談を受け付けました。そしてまた、7,524件の利用申請がございます。地域金融機関の中には、この事業を活用しながら、地元の中小企業支援機関と連携いたしまして経営改善を支援する取組というものも増加しております。引き続き、こうした面を支援していきたいと思います。

  また、次の論点の成長資金ということでございます。

  これからの活動の後押しということで、新たな事業展開、投資を促進するための成長資金、これが円滑に供給される環境が不可欠だと考えておりますけれども、リスクという点がございますので、それをどうやって判断して貸していくかということでございます。

  政府系金融機関におきまして、リスクの高い資金の供給にも取り組んでおります。その際、民間金融機関と協調融資という格好を取ることによりまして、まず呼び水効果を発揮していきたい、それとともに民間金融機関におけるノウハウの蓄積にも役立てていただきたいというふうに考えております。

  いずれにいたしましても、こうした取組、効果をしっかりと確認しながら、金融庁を始め関係機関とも連携し、地域の経済と雇用を担う中小企業・小規模事業者の資金調達の円滑化に万全を期していきたいと考えております。

○加藤敏幸 やっぱりファイナンスは非常に極めて重要だということで、こういうことについてはきめ細かな対応を是非お願い申し上げたいと思います。 質問通告していないことまで答えていただきましたので、私としてはもう十分に議論は尽くしたということですので、終わりたいと思います。ありがとうございました。