国会質問

第189回通常国会 経済産業委員会(2015年6月11日)

電力・ガスシステム改革後の具体的な運用など細部事項について確認

  6月11日、経済産業委員会において、「電気事業法等の一部を改正する等の法律案」に対する審議が行われ、40分にわたり宮沢経済産業大臣、田中原子力規制委員長および政府関係者に質問しました。

  質問では、法律案が政省令に委ねた事項の内容、電力取引監視等委員会の構成や中立性を保つための方策、原子力発電所の再稼働に関する安全基準などついて説明・見解を求めました。

  質問では、原子力発電所の再稼働に関する安全基準、法律案が政省令に委ねた事項の内容、電力取引監視等委員会の構成や中立性を保つための方策などについて説明・見解を求めました。

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○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。

  いよいよ会期末が近づいてきまして、本日も理事会の方では会期末に向けてのいろいろな意見交換がございましたので、委員の先生方、また政府、大臣を始め皆さん方をお待たせし大変申し訳なく思っておりますけれども、御理解をいただきたいと思います。

  さて、電気事業法等改正案等の法律案についての質疑でございます。今日は、エネルギーミックスの問題を含め、電力の安定供給を支える背景として、電源構成比をどのように確実に担保していくかという非常に重要な議論であると受け止めております。

  特に原子力発電の位置付けなり扱いということについては、各会派それぞれお考えがあり、方針がある中で、そう簡単に直ちに白黒ということで話がまとまるとかそういうことではないと思います。しかし、原子力発電の展開といいましょうか、この位置付けが明らかになっていかないと次の議論が、なかなか緻密な議論ができないということもこれは事実であると考えております。

  そのことについては各委員の方より、すでにいろいろと御意見が出されてきましたので、今日は、少し明快にというか、明らかにしていきたいと思っている項目、いわゆる世界最高水準の規制基準という言葉が、どういう経過でこの言葉が出てきたかということについて、原子力規制委員長にも御出席いただいておりますので、御説明をいただきたいと思います。申し上げたいのは、普通にこの話を聞けば、世界最高水準の規制基準、これをクリアするとか、基準があるということは、普通の国民の皆さん方は、ああ、これで世界最高水準の安全性が確保されたと、普通にこう単純に御理解されるし、メディア等含めて、ある場合簡単にそう理解されるのではないかと思います。

  そこで、ここのところは、安全という言葉も、いわゆる専門的に安全ということを、例えばリスクの概念を背景にそのことを議論するというステージと、安全にやれよとか安全第一ねと、安全を優先するという、そういうふうなニュアンスとして使い分けをしていく必要性も出てきていると思います。

  そういうことで、原子力規制委員会の方でこの世界最高水準のいわゆる規制基準ということについて、そのことと、普通に言われている安全ということとの関連性等については更に丁寧な御説明をしていただきたい。何をもって世界最高水準というふうにお考えになられたのか、各国際機関の安全基準であるとか、あるいは先進諸国と言われている国々の原子力発電所の各種基準の問題だとか、そういうようなことも含めまして解説方々お答えをいただければと思います。

  付け加えまして、我が国は、地震、津波、火山噴火、洪水、台風、非常に自然災害については頻発するというか厳しい環境であると。言ってみると、原子力発電所の立地条件は非常に厳しいわけです。こんな厳しいところに原発建ててどうするのという意見は意見としてあったわけです。私自身もいろいろ考えてきて、思うところが多々あるわけでありますけれども。

  しかし、国民生活を支え、産業を支える電力、このことの重要性も論をまたないし、また、そのことの安全性を、そして安定的に価格もある程度リーズナブルにと、こういうようなところも非常に重要な事態である。また、環境に対する規制をクリアするための条件としてもこれも大事だと。

  この辺のところは非常に悩んできたところでございますし、我が党の云々ということは今日はさておきまして、以上の内容を踏まえてお話をいただければと思います。

○田中俊一政府特別補佐人原子力規制委員会委員長 お答え申し上げます。

  原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の教訓、この最大は、地震、津波あるいは火山といった外的要因による共通故障が起こるということに対する備えが十分でなかったということが最大の教訓でございます。そういったもの。それから、IAEAとか諸外国、米国とかフランスとか、そういった規制基準も確認しながら新規制基準の策定に取り組んでまいりました。結果的に見てみますと、私は世界で最も厳しいレベルの規制になっているというふうに理解しております。

  例えば、世界との比較という御質問ですが、非常電源について申し上げますと、一定期間の外部電源喪失や全交流電源喪失に耐えられる備えを求めるという考え方は米国とかフランスとも共通でございますが、米国、フランスの場合は3日間ぐらいもてばいいということでございますが、我が国は一週間、7日間もつようにということ。

  それから、今回の福島の事故の経験から、各号機ごとに様々な、多種多様ないわゆる移動式も含めた電源車の配置とか、そういったものも求めております。

  それから、格納容器ベント。格納容器、最終的に放射能を外に出さないという一つのバリアになるわけですけれども、これが今回の事故では大きく破損したという問題があります。これを破損させないということが最も最終的には大事になってきます。ここにベントラインを設けるということです。今回はうまくベントが働かなかったということですが、もう一つ、ベントするについても放射能をできるだけ低減させるという意味でフィルターを付けるという考え方がございます。米国ではフィルターの導入がまだ検討中でございます。我が国ではこのフィルターの導入は義務付けておりますので、その点においても同等以上の水準であるというふうに思っています。

  地震や津波、これについても想定される最大の自然現象に対して施設の安全が損なわれないことを求めるという、そういう意味では米国もフランスも共通でございます。先生御指摘のように、我が国は地震国でありますので、地震、津波といった厳しい自然環境がございます。それに十分耐えられるようにという意味で相当厳しい要求を求めております。

  それから、バックフィット制度というのがあります。これは、新しい知見が得られた場合、安全上特にそうですが、それを古い施設にもフィットさせるということを求めるものです。これは、米国では費用対効果というのを見てそれを適用しております。欧州の場合、フランスも含めまして、十年ごとに合理的な範囲で適用するということが一般的に行われています。日本ではそういうことを抜きにして全てに適用するというようなことも求めています。

  それから、そういったことを、世界最高水準という言い方をすれば、世界一安全というふうに取られるではないかということでございます。これは、安全というものについての考え方、やっぱり一般的な考え方と技術的な安全というのを分けるべきであるという御指摘です。私もそう思います。一般的なところはちょっと今日は御説明できませんけれども、これは技術的には、ただいま申し上げましたように、相当高いレベルを求めているという意味では相当安全のレベルは高いと。稼働に際して、そういった安全を担保できるようなレベルを求めているということは申し上げることができると思います。

  ただ、世界との比較において、これは炉型とかその場所の立地環境とかいろんなことが違いますので、これは単純にこちらが安全であるとかということは申し上げることはできないということが、これが私どもの考えでございます。

○加藤敏幸 なかなか実は議論が難しい、そしてそれは国民の皆さん方を含めた議論が難しいという局面だと思うんですよね。今委員長、いみじくも安全ということについて、何をもって安全とするのかも定かではないし、私なりに解釈をすれば、生活上におけるリスクといいましょうか、生活におけるリスクマネジメントという学科もありますので。この生活上のリスクというのを、例えば一人の国民が最終的にどういう形でお亡くなりになるのかという要因分析の中で、三分の一ががんで亡くなるとかいろいろ要素があるわけでして、交通事故で亡くなるということも多いですし、あるいは労働災害だとか、あるいは家の前で転んでとか、いろんなリスクはそれなりにあるんです。その発生確率については大体十万分の一ぐらいのこれを指標にいろいろ比較をされています。

  ただ、その数字が低ければいいんだという議論になると、原発の例えば事故が発生したとして、直接的な死者が発生するとかしないとか、そういうふうなことに置き換わるとまた議論が少しセンシティブな内容を持ってくるので、そこを単純にそういうことを出すのがいいのか悪いのかということは、検討すべきところはあると思うんです。

  しかし、やっぱり最後は、技術的にこの安全の問題を考えるといったときには、確率という問題と、その発生する確率と起こった損失、影響の度合いとの積で普通はリスクを表すということになっていますので、そういうことを考えたときに、ここの仕組みを国民の皆さん方にどう理解していただくのか。

  特にアメリカの場合は費用対効果を考えてやるといったのは、まさに経済性ということについて非常に高いウエートがあって、またそのことも大事なことですよね。経済性抜きに安全だけを考えてみても意味がないという部分もあるわけですから。

  だから、ある種安全神話の反作用的に、いや、絶対安全とかいう議論をしてみても政策的にはなかなか前に進みにくいという難しい状況もあるので、最終的にはこのリスクという問題について広く国民の皆さん方の理解を進めていくということが非常に大事だし、その上で政府の決断も当然できるし政策の前進も図れるという意味で、これは私の考え方ですけれども、もしコメントがあれば、委員長お願いします。

○田中俊一政府特別補佐人原子力規制委員会委員長 先生御指摘のように、リスクとか安全というものを理解していただくのは大変難しいところでございます。

  私どもも、今回の規制の中では、絶対安全ということは申し上げられないと。ただし、事故が起こっても、セシウム137で100テラベクレルというような、最大でですが、これは福島の事故の大体百分の一以下になります、そういったところを目標に、規制の大きな目標を立ててやってまいりました。実際には、川内とかああいうところでは大体5テラベクレルぐらい、最大想定事故で、そういうふうにはなっておりますけれども、かといって、それを超えないかということは100%担保するわけにはまいりません。

  そういったことも含めて、国民の皆様に御理解いただくというのは大変難しいことですが、今後、私どもも含めまして、丁寧に我々の取り組んでいることについて御理解いただくよう努力してまいりたいと思います。

○加藤敏幸 ありがとうございました。

  規制委員長におかれましては、以上で質問を終わりますので、御退席の方は、御配慮いただきたいと思います。

○吉川沙織委員長 田中原子力規制委員会委員長は御退席いただいて結構でございます。

○加藤敏幸 次に、政省令等の確認ということでございますけれども、今回の法律案も例によって政省令に委ねるという項目が多々あります。

  それで、政省令の内容が明らかでないということについて、野党の立場で法案に賛成するということについてはやや危惧がある、心配があるということも、これはこれで事実であります。そこで、できる限り確認を国会の場でやるべきだと思っておりますので、従来は総論が多くて大変お答えする方は楽だったと思いますが、本日は6点について、法案要綱に基づいてお聞きをしたいと思います。

  まず、電力・ガス取引監視等委員会に関してでございますが、電事法の第百十四条第二項と第五項に、経済産業大臣は、政令で定めるところにより、監査の権限並びに報告の徴収及び立入検査の権限を委員会に委任する、また、政令で定めるところにより、委任された権限の一部を経済産業局長に委任することができるということがありますけれども、その政令の概要について御説明いただけますか。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 お答えを申し上げます。

  先生今お尋ねの電気事業法の百十四条でございますが、政令の内容を御説明する前に、ちょっと全体の構造を簡単に御説明したいと思います。

  百十四条の規定は、経済産業大臣、それから今度新しくつくられます監視等委員会、そして地方にございます経済産業局長、この三者の権限委任関係を定めたものでございます。

  第一項のところで、まず電力の適正な取引の確保、この監視委員会の大きな役割でございますが、この適正な取引の確保に必要な報告徴収、立入検査権限につきましては、これは経済産業大臣から委員会に委任するということを定めております。

  これに対しまして、今御質問のございました第二項でございますが、第一項で委任する権限のほかの権限でございまして、委員会が取引監視等の実務の中で有するノウハウ、これを活用して執行していただくことが合理的だと、このように考えられるものを経済産業大臣の方から委員会に対しまして、これは言わば追加的に委任することができると、こういうことを定めたものでございます。

  そしてもう一点、第五項でございますが、これは地方の経済産業局長に委任するものでございますが、これは東京で地方の取引を全て監視するということは非常に難しいわけでございまして、地方における取引にもしっかりと監視の目が行き届く、こういったことを確保する仕組みとしたいと、こういうことから、委員会に大臣の方から委任された権限を、これを地方の経済産業局長の方に委任することができると、このように定めている、こういう枠組みでございます。その中で、それぞれ対象となります委任する権限の内容を今お尋ねの政令で定めようというものでございます。

  順に申し上げますと、まず第二項の政令の内容でございますが、こちらにつきましては、例えば電気の使用制限、これは震災後に使用制限させていただきましたが、このような事項、これは適正な取引の確保とは直接関係のないものと思われます。そのような電気の供給行為に関するもの、あるいは保安面、保安の確保、これも適正な取引の確保とは関係がないと、このように考えまして、そのようなものを除きます報告徴収、立入検査等の権限をこの政令の中に定めることによりまして大臣から委員会に委任すると、このように考えております。

  それから、その中で委員会から地方の経済産業局長に委任する、これを定めるのが第五項でございますが、こちらにつきましては、委員会が電気事業者に対して行う報告徴収、立入検査等の権限を想定をしております。基本的には電気事業者に対しての報告徴収、立入検査となりますけれども、一部、広域機関に対する報告徴収、立入検査もございます。こちらにつきましては、地方に委任することなく委員会が直接やっていくと、このようなことを想定しているわけでございます。

  最後に、第六項を置いた趣旨でございますけれども、これは、今るる申し上げましたような枠組みでございますので、第五項に基づきまして地方局長の方は委員会から権限を委任されるわけでございますが、その執行に当たりましては経済産業大臣ではなく委員会に指揮監督を受けると、こういう指揮命令系統を明確化するためにこの第六項を置かせていただいている、このように御理解いただければと思います。

○加藤敏幸 委員会の運営等につきましては、次の質問で対応したいと思います。

  取りあえず次の項目ですけれども、電事法第五十五条における電気工作物のうち、屋外に設置される機械、器具その他の設備であって主務省令で定めるものとありますけれども、この内容を御説明いただきたい。

○寺澤達也経済産業大臣官房商務流通保安審議官 御質問の省令につきましては、風力発電設備を規定することを想定しております。

  この背景としては、最近、風力発電絡みの事故が増加しているということがございます。特に風車が落下するとか羽根が飛散するといった大きな事故がこの3年間で17件発生しております。この事故原因を見ますと、メンテナンスが不適切だったために事故に至っているもの、これが増えております。したがいまして、定期的な検査の義務付けが必要だと考えており、そのために、御質問あった省令において風力発電設備を規定するということを想定しております。

○加藤敏幸 次に、電事法第二十三条第二項で、特定関係事業者その他一般送配電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係にある者と取引を行ってはならないとされ、また、ガス事業法第五十四条の五において、特別一般ガス導管事業者は、適正な競争関係を阻害するおそれのある条件で特定関係事業者その他特別一般ガス導管事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者と取引を行ってはならないとされていますけれども、この特殊の関係について政省令の中身の考え方を御説明いただきたい。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 お答え申し上げます。

  今の点につきましても、中身をお答えする前にちょっと構造を簡単に御紹介させていただきたいと思います。

  今引いていただきました二十三条の第二項、これはいわゆる法的分離に伴いまして中立性確保のために設けております行為規制の一部を定めております。具体的には、ここでは一般送配電事業者が通常の取引条件、これに伴って取引をしなければいけない、それ以外の条件では取引をしてはいけないと、こういうふうなものを定める規定でございます。

  その対象につきまして、今先生引用していただきました、私ども、特定関係事業者その他一般送配電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者と、このように規定しております。簡単に申し上げれば、特定関係事業者プラスアルファと、こう書いているわけでございます。

  ここを御説明する際に、まず特定関係事業者が何であるかを御説明しなければいけないかと思いますが、特定関係事業者は、簡単に申し上げますと、一般送配電事業者のグループ会社に属します小売電気事業者、それから発電事業者、あるいはいわゆるホールディングになります親会社、こういったものを特定関係事業者と定めております。この特定関係事業者という概念は、いわゆる役職員の兼職規制の対象となる範囲を定めております。

  したがいまして、今回のこの取引規制の対象は、兼職規制の対象となる特定関係事業者だけではなく、そこにプラスアルファがあるというのがこの規定の趣旨でございます。

  私ども、そのようなプラスアルファを定めなければいけないと考えておりますのは、いわゆる例えば資金融通ということを考えますと、迂回取引ということが十分に考えられます。グループ会社の特定の会社だけを定めますと、中間的な違う会社を通じてそこに利益を移転すると、このようなことをやることについてはあらかじめ手を打っておかなければならないと、このように考えた次第でございます。

  したがいまして、今申し上げました経済産業省令で何を定めるかという点につきましては、グループ会社の中でも特定関係事業者になりますのは、発電事業者、小売事業者、そしてホールディングと、こういうものに限られます。グループ会社には、実はほかにもたくさんあります。例えば、特定のファイナンスだけをやる会社等々あります。そのようなグループ会社の中で特定関係事業者にはならない事業者といったようなものを主に念頭に置きまして迂回取引を回避するための措置を講じたいと、こういうことでございます。

○加藤敏幸 次に、ガス事業法第十四条第二項の、小売供給に係る料金その他の供給条件であって経済産業省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならないとされていますけれども、この内容について説明されたいと思います。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 この第十四条第二項、ガス小売事業者等が料金その他の供給条件を需要家に説明する場合におけます書面交付義務に関する規定でございます。その書面交付義務が掛かる、どのような事項を書面に記載すべきか、これを省令で定めるものでございます。

  私ども、この経済産業省令の中では、ガスの小売事業者等から需要家に対して説明されるべき重要な供給条件、これを規定する予定でございまして、私ども今、現時点で想定しておりますのは、もちろんガス小売事業者が行います小売料金に係る料金そのもの、これはもちろんでございますが、料金等を期間限定で割引をする、その割引する場合の割引の内容について書いてください。それから、契約の変更あるいは解除、こういったものもあり得ますけれども、その場合に違約金等を求める場合にはその内容を記載してくださいといったようなこと。さらに、料金そのものではございませんけれども、配管工事など工事に伴います費用の負担、こういったことも書いていただこうと思っております。

  さらに、これはお金の話ではございませんけれども、もちろん、ガスの供給に当たりまして、供給の圧力でありますとか熱量がどうであるか、こういった供給条件についても記載が必要であろうと、このようなことを考えておりまして、そのような内容を省令で定める予定にしております。

○加藤敏幸 では次に、ガス事業法五十三条第一項で、一般ガス導管事業者は、それ以外の事業を営む場合は、経済産業省令で定めるところにより、業務に関する会計を整理しなければならない、この会計処理に関する省令の内容を御説明いただきたいと思います。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 お答え申し上げます。

  五十三条の一項でございます。この規定は、引き続き総括原価方式によりまして投資回収等が保証される形となります一般ガス導管事業者、こちらにつきまして、製造部門あるいは小売事業、これらを含めまして、他の事業と会計を分けて整理するいわゆる会計分離、これを全ての事業者に対して、一般ガス導管事業者に対して義務付けると、こういう規定でございます。規定の趣旨といたしましては、一般ガス導管事業者の導管部門で生じた利益が他の部門で使われていないか、これを会計面から監視して認可料金の適切性などを確保するためのものでございます。

  では、この省令の中で何を定めるかということでございますけれども、一般ガス導管事業関連業務に係る収支の計算の方法でございますとか、作成すべき書面の様式など、具体的な会計整理の手法を定めることを想定しております。現在も、一般ガス事業者につきましては託送供給関連業務につきまして会計整理をしておりまして、そうした例も参考にしてまいりたいと思います。

  それから、大変恐縮でございますが、先ほど二つ前の御質問で、特定関係事業者、その他の特殊の関係のある者ということで、電気の御質問とそれからガス事業法の第五十四条の五第一項についてもお尋ねがありました。私ども、同じような考え方でそちらについても措置することを考えております。

  以上、補足させていただきます。

○加藤敏幸 次に、ガス事業法第八十五条第一項で、一般ガス導管事業者及び特定ガス導管事業者は、他のガス導管事業者が維持し運用する導管との接続、ガス事業の健全な発展を図るため、経済産業省令で定める措置を講ずるよう努めなければならないとありますが、この省令の説明をお願いします。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 お答え申し上げます。

  この八十五条でございますが、これはいわゆる導管の相互接続に関する事業者に対する努力義務を定める規定でございます。これまでも議論ありますように、ガス事業の場合、我が国においての導管網の整備、国土の6%弱ということでございまして、これを何とか相互接続を図っていかなければいけない、こういった考えに基づいて規定を設けております。

  お尋ねの省令の部分でございますが、ガス導管の接続を例示としておりますけれども、そのほかにも、ガスの利用者の利益を増進し、ガス事業の健全な発達を図るということに役立つものと、かつ一人ではできなくて他の事業者と協力が必要なもの、こういったものでございます。

  具体的に私ども一番大きく念頭に置いておりますのはガス導管の相互接続でございますけれども、そのほか、例えば、近接するガス導管事業者との間でガスの成分でございますとか熱量といったことについて異なっていて、それが導管を相互接続する、導管接続をすることの妨げとなっている場合があります。そうした状況を踏まえまして、ガスの成分や熱量についてそろえるといったことをこの努力義務の対象として定めることを想定をしております。

  なお、この点につきましては、同じ第八十五条の第二項以下で、協議の義務でありますとかそれから国によります命令、裁定といった一連の規定がございますけれども、そこの対象はあくまで導管の接続に限っておりまして、今のガスの成分や熱量についてそろえるというのはあくまで第一項の努力義務の対象ということにしております。

○加藤敏幸 以上の政省令の内容についての概要をお伺いいたしましたけれども、これ最終的に国会との関係を含めてどのように内容についての御説明をいただけるのかということと、時期的なものがある程度あれば教えていただきたいんですけれども。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 お答え申し上げます。

  まず、政令、省令につきましては、基本的に審議会等で議論を重ねた上でパブリックコメントを行って定めていくという手順を踏みたいと思っております。今回の御提案させていただいている法案、施行時期がそれぞれ段階を踏んでおりますので、その段階の時点に応じまして、それに間に合うよう十分な時間的な余裕を持って定めていくと、このようなプロセスを考えているところでございます。

○加藤敏幸 私どもに対する報告のタイミングと方法について何かありますか。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 私どもの政令、省令につきましてこの委員会の場で御議論いただく機会があるかどうかにつきましては、これは私どもの方から何か申し上げることではないのではないかと拝察をいたします。

○加藤敏幸 委員会の場ということではなくて、また機会を、それぞれ各会派とも、重要事項、関心も高いし、これは関係者の皆さん方も非常に関心が高いし、いろいろ話が出てくると思いますので、その辺のところはしっかりとやっていただきたいと思いますので、ここは大臣の方でもよろしくお願いしたいと思います。

○宮沢洋一経済産業大臣 法律が通ってしまえば全てが内閣が決めていいというわけではないと思っておりまして、与党を含めまして政省令の内容につきましてしっかり事前に御説明をして、また御意見をいただく機会をつくっていきたいと考えております。

○加藤敏幸 よろしくお願いいたします。

  では次に、電力・ガス取引監視等委員会につきまして御質問をいたします。

  これも法案要綱に基づいて少し内容を見ましたが、およそ十項目の業務が挙げられております。事業者間の取引などで協議が調わない場合あっせんをする、事業者間の契約締結等で協議が調わない場合仲裁する、以下、委員会は検査、監査の権限、報告の徴収、立入検査の権限の一部を、これは先ほど省令で御質問した内容がここに記載されております。

  そこで、前々回、佐々木委員からも詳細な質疑がございましたけれども、多少重複する部分もありますけれども、事務局の在り方と独立性、中立性の確保ということの2点について質問したいと思います。

  これは八条委員会ということで、実は三条委員会にしたらどうかという議論も内々いろいろありました。そういうようなことで、この委員会の性格をめぐって、政府との関係でいけばより距離が遠い、つまり独立性をより高めるべきなのかどうか。もう一つは、そうはいっても、独立委員会としたら、これだけ広範な専門的な視点からの監視も含めて業務が多様にわたるということになると、それだけの人材、陣容を抱えることができるのかというのも、これも、実は行政改革の視点からいっても余りそこにコストを掛ける必要性はないのではないかと。そうすると、既存の経済産業省の人的パワーをどう使っていくかと。したがって、委任をすることができるとか地方の経済産業局長にやらせるとか、そういうふうな非常に入れ子構造の指揮命令系統の組織構造をこれは提起されていると。そうすると、ややもすると、まあ早い話、経済産業省のお役人がやっておるのかと。委員が5名と、それも非常勤でということで、一体そのときの独立性という視点はどうなるのということと今言った内容と、この2つをどのように整理をするのかということだと思います。

  また、あっせん、仲裁という言わば一つの仲裁法に基づく機能も、それに類似した行動を行うということでありますので、当然専門家の起用が必要だということでありますし、あっせん、仲裁等について職員がその任に当たるという部分もございますので、この辺のところ、スタッフの身分保障も含めてどのようにお考えか、これをお伺いしたいと思います。

○多田明弘資源エネルギー庁電力・ガス事業部長 電力・ガス取引監視等委員会についてのお尋ねでございます。

  まず、スタッフの規模等について御説明申し上げます。

  私ども政府部内での機構定員要求というものの結果、この監視等委員会の発足の時点では、委員会の事務局に東京で50名の定員、そして先ほどございました委員会から委任を受け業務を執行する地方の経済産業局に18名の定員を措置することになった次第でございます。もちろん、行政の肥大化、行政改革という視点は大事でございまして、この機構定員要求の中では、経済産業省全体の定員の中からこれを工面する、捻出すると、こういった形で手当てをさせていただいた次第でございます。

  その際、事務局職員が経済産業省の職員だけで構成されるということではございませんで、私ども委員会事務局への職員の異動はもちろん念頭にはございますけれども、それだけではなく、法務、会計あるいは金融の知見を有します弁護士の方々あるいは公認会計士の方々など外部の人材というものを積極的に採用するということによりまして多様な人材を確保し独立性と専門性の高い組織にしていきたいと、このように考えている次第でございます。

  また、あっせん、仲裁につきましてもお尋ねがございましたけれども、この委員会の事務局の職員、こちらにつきましては、電力あるいはガスの行政にこれまで知見を有しております資源エネルギー庁の職員なども含めまして委員会の事務局の方に異動いたしますけれども、今申し上げましたように、外部の人材、積極的に採用していきたいと思っております。

  その中で、委員会によるあっせん、仲裁につきましては、多くの紛争事案を同時並行して処理しなければならないといったようなことが十分想定されますものですから、あっせん委員あるいは仲裁の委員というものは、5名である委員会の委員に限定することなく、その他の職員の中からも指名することができるように措置をしているところでございます。

  詳細につきましては今後検討していかなければならないと、このように考えておりますけれども、この委員以外の外部の専門家にあっせん、仲裁というものを行っていただくことを私どもとして想定をしているわけでございます。その際に身分保障というものが非常に重要になるわけでございますが、このあっせん、仲裁を担う、元は外部の専門家であった方も、身分上は一般職の国家公務員となることになります。したがいまして、身分保障につきましては、国家公務員法の規定が適用されまして、しっかりと措置がされるということになるわけでございます。

  このような体制の中で、先生御指摘の八条委員会、経済産業大臣の下に置かれる八条委員会ではありながら、独立性と専門性の高い組織として取引の監視に努めていくと、このように考えているところでございます。

○加藤敏幸 またいろいろと御意見を申し上げたい、機会があろうかと思います。

  最後になりますけれども、中立性、独立性の確保について政務の方からありましたらお願いします。

○宮沢洋一経済産業大臣 この委員会につきましては、当然のことながら、独立性、中立性を確保することは非常に大事でございます。そのため、例えば委員について言えば、その職務について公正かつ中立的な判断をすることができる者であることを任命要件として法律に明記をしているほか、委員は独立してその職権を行う旨を法律に規定し、個々の職務遂行について独立して判断を行うことを明らかにしております。

  また、地方の産業局に一部事務を委任しておりますけれども、地方の体制につきましては、経済産業局が地方支分部局として経産省の所掌事務を分掌して経産省の様々な業務を行っておりますが、一方、委員会として行うべき監視などの業務の独立性、中立性に配慮をいたしまして、委員会から委任を受けて監視などの業務を行う部署とその他の部署を明確に分けるということにしております。

  そして、委員会から委任を受けて行う業務につきましては、委員会からのみ指揮監督を受けるということで、指揮命令系統を区分して明らかにすることで独立性、中立性を確保される仕組みとしておりまして、これは証券等監視委員会で行われておりまして、証券等監視委員会につきましてもやはり独立性、中立性がしっかり担保されて行われている方式を踏まえて措置をいたしました。

○加藤敏幸 質問は終わります。準備された皆様方にはまた別の機会があればと思いますので、お願いします。

ありがとうございました。