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加藤としゆき
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policy──政策レポート
 
 
 
 
vol.01

有限責任事業組合(LLP)に関する法律が成立

「ものづくり日本」に大いに役立つことを期待します。

2005.05.12

有限責任事業組合(LLP)に関する法律が成立しました。
  「有限責任事業組合に関する法律案(LLP法案)」が、さる4月25日の参議院の経済産業委員会で審議・可決され、翌26日の本会議で可決・成立しました。

 「有限責任事業組合」はこれまで日本には無かった事業形態で、英語ではLimited Liability Partnershipと標記され、一般的にLLPと略されています。海外では、企業同士のジョイント・ベンチャーや専門人材の共同事業を振興するため、このLLPや「有限責任会社(LLC、Limited Liability Company)」という新たな事業体制度が整備されています。米国のLLCは最近10年間で80万社、英国のLLPは制度創設後、約3年間で1万社にのぼる利用が報告されています。
  日本でも、この新しい制度ができますと、新規創業の促進や中小企業同士の事業連携、あるいはITや金融の分野における専門人材による共同事業といったところで大きな効果が発揮されるものと思われます。
  有限責任会社(LLC)の方は「会社法」の改正でその創設が行われ、現在、国会で審議されています。今後は、この2つの新制度が活用され、事業連携や新規事業展開が活発化し、産業活動がより活性化するとともに、「ものづくり日本」の前進にとっても大いに役立つのではないかと期待しています。
  なお、これらの新しい事業体の特徴やメリットについて以下、3点にわたり説明いたします。

(1)出資者の有限責任
  LLPでは、株式会社のように、出資者が出資額までしか事業上の責任を負わずに済みます。現行では、映画製作委員会や建設共同事業体(ジョイント・ベンチャー)に見られますように、民法で定められた任意組合(民法組合)を利用して共同事業を行うことがよくありますが、この場合、出資額の多寡に拘らず利益の分配を自由に決めることができる反面、出資者は全員が無限責任を負うことになります。LLPはこの無限責任のリスクから免れるということになり、多くの分野で新規事業への積極的な出資が行われるのではないかと考えられます。

(2)内部自治原則による自由な利益分配
  LLPは、出資者が自ら経営を行うので、組織内部の取り決めは自由に決めることができます。従来通り、株式会社で事業を行う場合は、出資金額の多寡に応じた利益や権限の配分しかできません。アイデア・企画を持つ者や特殊な技術・技能をもつ者は、利益の創出にいくら貢献しても出資額が少なければ大きな利益配分を受けることはできません。しかし、LLPの場合、優れた技術があっても資本に乏しい技術者や中小企業が大企業などと共同して対等に仕事をすることができ、利益配分も出資比率に関係なく自由に決めることができるのです。例えば、ゲームソフトの開発において、プログラマーが大企業と共同で事業を立ち上げた場合、プログラマーの出資額が小さくても、利益配分はその働きに応じて多く受け取るというような対応が可能となるのです。

(3)構成員課税制度
  LLPは、組合自体の利益には課税されずに、その出資者に配分された利益に直接課税されます。我が国では、株式会社を活用して共同事業を行うことが通例ですが、この場合、二重課税の調整があるとはいえ、法人課税が課された上に出資者への配当にも課税されます。しかし、LLPでは出資者が個別に税金を支払うという1回の課税で済むことになります。この課税は、いわゆる自営業者の事業所得に課税されるものと同様です。一方、有限責任会社(LLC)の方は法人格を持っているため法人に課税されます。

  これらのことから、一般的に、LLPは一定期間のみ成果を挙げることを狙うR&D等に活用するのがよいと言われ、他方、LLCは初めから上場を目指しているベンチャー企業等が活用するのがよいと言われています。
  なお、この課税システムによって、例えば、大企業などがこの制度を使って新規事業を起こす場合などは収益への課税がかなり軽減されると考えられています。このため、今後はこの制度が単に税金対策として利用されることがないよう、適切な対応を検討していくべきでしょう。

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民主党参議院比例区第3総支部