  
『ものづくり白書』が国会に提出される
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| 2005.06.15 |
政府は6月1日に、『2004年版ものづくり白書』を閣議決定し、国会に提出しました。『ものづくり白書』は、「ものづくり基盤技術振興基本法」に基づき、ものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書として、経済産業省、厚生労働省及び文部科学省の3省が連携して作成するもので、今回で4回目となります。
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副題には、『攻めに転ずる我が国製造業の新たな挑戦と製造基盤の強化』が掲げられ、(1)グローバル展開と国内基盤の強化に取り組む我が国製造業、(2)明日のものづくりを支える人材の育成、(3)「ものづくりの基盤を支える研究開発・学習の振興」の概要、の3部構成で分析と提言を行っています。
『白書』では、まず昨年度の製造業は過去最高益を記録するなど好調であったこと、特に主要製造企業の11.5%が中国に研究所を設置するなど、製造業の中国進出が依然として続いている現状を紹介しています。
しかし、一方で、デジタル家電の急激な単価下落や、これまで伸びてきた対中国輸出の鈍化などを指摘して先行きへの懸念も示しています。また、団塊の世代が定年退職を迎える“2007年問題”も取り上げており、退職者の再雇用や指導者としての起用など、具体的な企業の取り組みケースを紹介するとともに、スムーズな技能伝承や人材育成策などが必要であると強調しています。
一方、製品開発や生産技術など他の企業との差別化が企業の生き残りにとってますます重要になる中で、63%の企業が人材の引き抜きに脅威を感じているとの調査結果も示されました。 |
【コア人材の引き抜きに脅威を感じている企業の割合】

【コア人材の引き抜き防止策を講じている企業の割合】

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また関連して、海外進出の際には人材や技術の流出防止に向けた対策が重要になると提唱しています。丁度、今国会で「不正競争防止法」の一部改正が行われ、営業秘密の不正取得・不正開示への罰則規定が、海外への持ち出しや退職者にも適用拡大されました。この法案については私自身が委員会での質問に立ちましたが、立法上の意義と今後の課題について突っ込んだ質疑を行いましたので、「国会質疑・記事録」のコーナーを参照して下さい。
また、『白書』は、製造業の海外進出が進む一方で、この5年間の間に国内に生産工場を設置・増設した企業が34%に上ったことも指摘しています。国内生産によって消費者のニーズを反映した製品づくりがしやすくなるなどの利点を上げ、「国内製造業の空洞化は起こっていない」と結論づけています。しかし、この国内回帰の流れを大きくするためには、『白書』では言及していませんが、国内での生産コストを引き上げている社会インフラの未整備の問題、税制の問題、さらにはエネルギー価格引き下げの問題にまで掘り下げて議論すべきであったと考えます。 |
【国内立地した理由(一貫生産工場)】

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また、『白書』は、1940年代後半に生まれた団塊の世代の労働者が一斉に定年退職する「2007年問題」についても言及しています。とくにこの世代が保持してきた製造に関する技能・技術の伝承が滞るのではないか、という心配が高まっています。そこで、製造業の基盤技術を担う若年層の確保と育成に向けて、官民での取り組みを加速する必要があると提言していますが、若年人口が減少していること、「ディスプレイ」文化になじんだ若者や子供が「ものづくり」への関心を低下させている現状が指摘されています。『白書』は、小・中・高校を通じ、理科や科学など、「ものづくり」の基礎となる教育を推進するほか、夜間大学院などで社会人教育も進める必要があると指摘していますが、この「ものづくり」のための人的基盤の整備は、これから5年から10年の間、我が国産業政策の最大のテーマになりそうです。
なお、『2004年度ものづくり白書』は経済産業省のホームページに概要が掲載されていますのでご参照下さい。
http://www.meti.go.jp/press/20050603001/monodukuri-hakusho-set.pdf
ちなみに白書の構成は次のようになっています。 |
【参考 ものづくり白書の構成】
□第1部 我が国のものづくり基盤技術の現状と課題
第1章 我が国製造業の特徴の分析とグローバルな展開
第2章 将来のものづくり基盤技術を担う人材の育成
(1)ものづくり労働者の雇用・労働の現状
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・製造業の雇用は、新規求人は伸びが鈍化、就業者数は減少。
・製造業における2003年の新規学卒入職者は、入職者数、割合ともに過去最低。
・製造業の就業者に占める55歳以上の割合は24.5%と全産業25.6%に接近しており、高齢化が進展。
・ものづくり基盤技術に従事する労働者(ものづくり労働者)は約200万人(初めて推計)。 |
| (2)ものづくり労働者の技能継承の取組と課題
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・「2007年問題」に対する取組としては、
@「必要な者を雇用延長、指導者として活用」、
A「中途採用や新規若年者の採用の増加」が多いのが特徴。
・団塊の世代退職に伴い、円滑な技能継承を進めていくことが課題となる。
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| (3)ものづくり技能継承と若者の確保・育成に向けた取組
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・ものづくり基盤技術を将来的に担う若年者の確保・育成を官民挙げて積極的に取り組むことが必要。
・企業ニーズに応じた若者の能力開発を推進し、「若者自立・挑戦プラン」や「ものづくり立国」事業により、早い段階からの人材育成を促進する取組が行われている。 |
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第3章 ものづくりの基盤を支える研究開発・学習の振興
□第2部 平成16年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策
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