| 3、ものづくりと人材育成−人材の多様化
景気が回復する中で、雇用情勢の若干の改善が見られますが、製造業・ものづくりの現場という観点からで見た場合、依然として製造業への新規学卒入職者数は低レベルにあります。
今日、製造現場では高齢化がすすみ、さらに団塊の世代の大量退職を迎える中で、今後のものづくりを担う人材をいかに育てていくかは、我が国の産業の行く末を左右する大きな課題になっています。とくに、2007年問題への対応は焦眉の課題となっていますが、幸いにして各企業における技術・技能継承のための取り組みも本格化してきており、『ものづくり白書』も幾つかの成功事例を紹介しております。
しかしながら、製造業においては雇用の不足感が過剰感を上回り、深刻な状況を呈しつつあります。我が国のものづくり産業の強みとなっているのは、高度の熟練技能を基盤とする「現場力」ですが、このままでは、この「現場力」を支える人材が明らかに不足していきます。いまこそ官民あげて、「ものづくり力」を維持・向上させるための総合的な人材育成プログラムを実行していかなければならないと考えます。
そこで、今回の『ものづくり白書』を見てみますと、製造業における人材不足への対応策として、「人材の多様化」を打ち出しています。これは、若年フリーターを積極的に活用していくという若年雇用対策の視点のみならず、ものづくりにおける女性人材と非正規雇用人材の活用を挙げています。具体的には、@女性人材の積極的採用と登用に関してのポジティブ・アクションの推進、A育児支援など、仕事と家庭生活とのバランスをとることができる職場環境の整備、B非正社員に対する能力開発の推進やパート労働者の雇用管理の改善、C「派遣」や「請負」など外部労働者に対する能力開発・キャリア形成の取り組み――などが提言されています。
この非正社員や外部労働者の活用は、グローバル化が進む中で、労働コスト面で一段の効率化をめざすことと、一方で付加価値の源泉となる製造現場でのものづくり技能者を確保・育成するという二つの目標が同時に達成をもくろんでいるわけですが、労働条件や継続雇用という面で処遇の改善がないと、労働者の技能向上や改善提案へのインセンティブは高まらないと考えます。この点について、個々の企業(労使)の努力で改善していくという方法は、これらの労働者が置かれた現状を見れば限界があると言わざるをえず、労働法制の改正により全産業・全企業における非正社員・外部労働者の雇用条件の改善を図るべきだと考えます。労働基準法、パート労働法、男女雇用均等法などのさらなる法整備が求められておりますが、私としても、連合の要求実現にむけて努力していきたいと思います。
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