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加藤としゆき
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recipe──チューボー加藤ですよ!
四国風おでん─05


「牛脂と醤油の香りによみがえる年少時代」

 新しい献立を掲載します。新しいといってもそこは「おでん」ですから地方や家庭によってさまざまな流儀や味付けがあり、ポピュラーな料理だけにご意見も多いと思います。
 今回ご紹介のおでんは勝手に「四国風」と名づけさせていただきました。どこが四国風なのかと聞かれると困りますが、いってみれば私のふるさとでの流儀ということです。


 おでんにはいくつかの系統があります。特に味付けの基本である煮汁つまりスープを何にするかでありますが、大きくかつお系、昆布系、トリガラ系および牛スジ系に分かれると思います。
 ここでの四国風は牛スジ系です。もちろん四国のおでんがすべて牛スジ系ではありません。またこれは重要な情報ですが、私の実家では牛スジは使いません。
 私が牛スジにこだわる由縁、それは屋台です。屋台といってもこれは昼間出没します。自転車に3尺4尺ほどの屋台をサイドカー風に取り付け、少し重たそうですが、昭和20年代から30年代においては相当機動力のある仕掛けでした。この自転車屋台が家並みの一角に陣取り子供相手の商売をやるのです。メインはカルメラ焼きで、水あめと砂糖を手鍋で沸かし油を引いた銅板に流し、ひょうたんや軍配の形をした抜き型で証明写真大のあめ板を何枚も作っていきます。このひょうたんや軍配形をしたあめ板を一枚5円で買い、うまい具合に割って中のひょうたんあるいは軍配を傷つけず取り出せば景品としてあめ細工がもらえる仕組みで、学校が退けてからの子供の楽しみの一つでありました。
 この自転車屋台のサイドビジネスが「おでん」なのです。長い竹串の端が赤いのが10円で無印が5円でした。鍋のふちには膠がこびりついて牛脂の甘い匂いと醤油の香りが辺り一面に広がりなんともいえない風情でした。
 この自転車屋台にも縄張りがあって近隣では二台微妙な距離感で営業をしていました。子供相手の商売で一家を養っていけるのか、と気にかけていましたがいつしか姿を見ることも無くなり、その後いろいろなうわさを聞いたりしました。紙芝居と同じテキヤ商売ですから、昭和30年代にはテレビなど子供娯楽の革新の波に押し流されていったのでしょう。「あの自転車屋台のおじさん達はどこにいったのか」おでんにまつわる思い出です。
材料と下ごしらえ
1) 牛スジは最近手に入りにくくなりました。BSEの影響があるようです。500グラム以上買いましょう。グラム1円が相場です。
2) おでんネタは好みです。また地方独自のネタもあります。おでん屋さんの工夫で今ではいろいろなネタが楽しめるようになりました。ご家庭でも工夫されてはいかがでしょうか。
手順






おでん料理の最も大切な点は「煮すぎない」「沸かさない」ことです。味をしみ込ませるにはグツグツと煮込まなければと思われるかも知れませんが、中温(中火ではなく50度前後)で静かにおくほうがいいのです。
 沸かすのは殺菌のためと思ってください。ほとんどのネタは下ごしらえをしますから煮汁での加熱は原則不要です。
でははじめましょう。
1) 牛スジ500グラム前後を用意し、沸かし湯で軽く洗います。表面の脂や血は取り除きます。表面の色が変わる程度で結構です。
2) 料理バサミで4、5センチ角に切りそろえます。固ければ煮込んでからにしてください。水2リットルに入れ強火で煮込み、アクを取り除きます。後は中火あるいはやや弱火で一時間ほど煮込みます。牛スジは約一時間で軟らかくなりますが、軟らかさにも程度がありますから、好みで煮込み時間を加減してください。時間をかけると牛スジの膠質(コラーゲンというのでしょうか)がどんどん溶け出し、肉質部分がぼろぼろになります。
3) 煮汁(スープ)から牛スジを取り出します。牛スジは竹串に刺し整えます。
4) 煮汁は一晩置き表面にできた白い脂層を捨てます。これは買ったときの牛スジの状態によるもので、ほとんど脂の出ないものから1センチ近く出るものまでいろいろあります。牛脂は独特の臭みがあります。この点豚脂は中華炒め物に使えます。
5) 煮汁を再び沸かし酒100ccと薄口しょうゆ100cc(最大)を加え煮汁を2リットル程度に戻します。(足らなければ湯を加えてください。またしょうゆはまず50ccを加え残りは味見をしながら加えます。塩分を含む調味料は後から引き算できないので指定量の半分からはじめます。全量使わないほうがいいと思います。)味はやや薄味にしてください。
6) 大根は厚さ3センチの輪切りにし、皮をむき面取りをし、隠し包丁を入れます。隠し包丁とは大げさですが、大根の表面に5ミリ程度の幾本かの切れ目をいれ、味のしみ込みをよくします。十分ほど茹でておきます。
 こんにゃくは三角形に切り、これも表面に隠し包丁を入れ、二、三分茹でます。
 厚揚げ、ごぼ天など揚げ物はお湯で油分を取り除いておきます。
7) その他お気に入りのネタを煮汁に入れ、一度沸騰させその後は弱火で中温(50〜60度)から高温(80〜90度)に保ちます。卵は70度前後で凝固しますので、高温に長くつけるとどんどん固くなります。
追加説明
1) おでんは簡単ですし、日持ちがする、人数に対応できるという利点がありますが、手入れが大切です。特に温度管理と、ネタくずを丁寧に取り除くことがポイントです。
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民主党参議員比例区第3総支部