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report──国会質問 会議録
参議院経済産業委員会での会議録
関西電力・美浜原子力発電所第3号機事故に関して

2004年10月6日

[目次]
1.二次系事故の重大性と課題
2.補助給水システムの点検を
3.労働災害としての発電所事故
4.重大労働災害事故の防止に向けて
5.労災事故は企業内外の大きな損失


加藤敏幸──民主党・新緑風会の加藤でございます。
 質問に当たり、冒頭、8月9日に発生いたしました美浜発電所第三号機の事故で亡くなられました5名の方の御冥福を心からお祈り申しますとともに、併せて、重軽傷を負われました方々の一日も早い回復を心よりお祈りいたしたいと思います。
 さて、今回の美浜発電所三号機の配管破損事故は、原子力発電所内で起きた事故といたしましては11名の死傷者を出すという極めて深刻なものでした。もちろん二次系配管の破損ということで、放射線漏れなどの重大事故には至りませんでしたが、この事故は単なる配管破損による労働災害という次元にとどまらず、今後の原子力発電安全対策上多くの課題を投げ掛け、国民も原子力発電に対して改めて不安を感じたのではないか、と思います。
 したがいまして、今後、再発防止に向けた適切な対応がされない限り、原子力発電そのものに対する国民の信頼が損なわれる可能性も出てくる。それだけ重大な事故となったわけでありますが、事故原因の究明と再発防止、また労働災害から労働者の命と健康を守っていくという視点を含めながら、順次、御質問をしていきたいと思います。
 まず、中間報告を受けての大臣並びに関西電力藤社長の所見をお伺いしたいと思っておりましたけれども、冒頭に御発言がございましたので、このことは省略させていただきたいと思います。

 

1.二次系事故の重大性と課題
加藤敏幸──まず、二次系で起きたこの事故の課題ということです。
 今回の事故では専ら二次系の事故であると、そのようなことから、いわゆる放射線漏れということに関連しての事故の重大性は小さいという、こういう見方も少しあったのではないかと思います。
 今回の事故で最も懸念されたことは、スリーマイル島の原発事故のように、二次系のトラブルが一次系に波及する危険性があったのかどうか、またそのことがきちんとシステムとして防止されたのか、うまくいったのかいかなかったか、こういうふうなことがポイントであったと思います。
 関西電力は事故直後、蒸気噴出から原子炉のクールダウンに至るまでの時系列の経過を発表されています。今回の中間報告取りまとめにもこのプロセスが確認されております。これを見る限り問題点はなかったと、このように思われますが、このプロセスについて保安院としてどのように厳密に分析をし、評価しておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。

松永和夫・原子力安全保安院長──お答え申し上げます。
 今回の事故におきましては、8月9日の15時23分に火災報知器動作警報等が発信をいたしました後、15時25分、運転員がタービン建屋3階で蒸気が充満していることを確認いたしまして、15時28分にトリップ警報が発信し原子炉が自動停止しております。
 その後でございますけれども、原子炉は自動停止後、電動補助給水ポンプ及びタービン動補助給水ポンプが自動起動いたしまして、蒸気発生器への給水が行われ高温停止状態に至った後、余熱除去系等によりまして、8月10日、翌日でございますけれども、23時45分、安全に低温停止操作を完了いたしました。
 今回の事故は、復水系配管の破損により二次系の冷却水が系外に流出したものでございました。原子炉に与える影響といたしましては、蒸気発生器への給水の一部が停止をし、原子炉に対する除熱能力が低下することとなり得るものでございますので、原子力の安全審査におきまして安全評価解析を行っております、いわゆる主給水管破断事故に相当するものでございます。
 しかし、今申し上げましたとおり、今回の事故におきましては、原子炉の安全に係る系統は正常に作動していることを原子力保安検査官が現場確認しております。また、事故調査委員会におきましても、原子炉の圧力、一次冷却材の温度といったような主要なパラメーターは、今申し上げました安全審査時に行いました安全評価解析で想定した結果を上回る影響を示していないというふうに評価しておりまして、まとめて申し上げますと、今回の原子炉のクールダウンに至りますプロセスに問題はなかったというふうに判断をしております。
2.補助給水システムの点検を
加藤敏幸──今回の一連の事故初期で明らかになり、その中で気になったということで申し上げますと、タービン動補助給水が再び待機状態にしようとしたとき待機除外の状態になったことです。関西電力の調査報告によりますと、今回は補助給水ポンプが作動したが、タービン動補助給水ポンプは停止後、待機状態に入ろうとして出口流量調整弁の開放に失敗していると、こう記されております。
 蒸気発生器における空だき状態を防ぐための補助給水という重大な安全システムにおいて、ポンプ系の不良はある意味で致命的な事故を招くおそれがあるのではないか。そういうふうな意味で、関西電力の報告では補助給水ポンプの開放失敗の原因を究明していくと、こうされておりますけれども、その後の報告はまだ聞いておりません。この点について保安院の御見解をお聞きしたい。

松永和夫・原子力安全保安院長──ただいま申し上げましたとおり、事故発生直後、1台のタービン動補助給水ポンプと、それから2台の電動補助給水ポンプは設計どおり自動的に起動いたしまして、蒸気発生器への給水を開始いたしました。その後、蒸気発生器の水位が安定いたしましたことから、所定の手順に従いましてこのタービン動補助給水ポンプを停止いたしました。そのポンプを直ちに起動できる待機状態にするために、ポンプの下流部にあります流量制御弁を開こうとしたところ、今御指摘のとおりその三台のうち二台が開かない事象が発生いたしましたことは事実でございます。
 この流量制御弁につきましては、事故直後にタービン動補助給水ポンプとともに正常に機能していたために、弁の不具合はプラントを安全に停止させることに影響を及ぼすものではなく、不具合の状態といたしましては比較的軽微なものと考えております。ただ、このような軽微な不具合につきましても、原子力安全・保安院といたしましては従前より原因究明、再発防止対策を講じるよう事業者に指導してきておりまして、その結果をでき次第公表することといたしております。
 したがいまして、今回も事業者による原因調査の状況を聴取いたしまして、原因究明をきちんと進めてまいりたいというふうに考えております。
3.労働災害としての発電所事故
加藤敏幸──軽微なミスであってもしっかりと情報公開をして、正にそのことが原子力発電、原子力に対する国民の信頼を醸成していくと、こういう意味で大切であると思いますので、速やかによろしくお願いしたいと思います。
 さて、労働災害の防止の観点から厚生労働省安全衛生部長にお伺いをしたいと思います。
 今回の美浜の事故は正に重大な労災事故であり、厚生労働省も労働安全衛生法の違反があったのかどうか、そういうふうなことで現在も調査を続けておられますが、今回の事故について安全衛生行政を司る厚生労働省としてどのような問題意識を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。

小田清一・厚生労働省安全衛生部長──今回の関西電力美浜発電所におきます蒸気漏れによりまして、5名が死亡、6名が負傷するという重大な災害が発生したことは、労働災害防止を所管する立場から誠に遺憾であるというふうに考えております。不幸にしてお亡くなりになられました方々には、御冥福をお祈り申し上げたいと考えております。
 本災害の原因になった配管は、電気事業法の適用を受ける電気工作物でありまして、経済産業省の所管ですが、厚生労働省といたしましては、労働災害防止の観点から本災害の原因を究明し、再発防止の徹底を図る必要があるため、災害が発生いたしました8月9日に現地の福井労働局に災害対策本部を設置いたしまして、福井労働局及び所轄の敦賀労働基準監督署によります災害調査を実施しているところです。
 現在、関西電力美浜発電所を始め今回の災害に関連のある事業所におきまして、労働安全衛生法によります事業者に義務付けている安全性管理体制、安全性教育等の措置が適切に実施されていたか否かなどについて調査を行っているところです。
 また、厚生労働省におきましては、昨年、大規模製造事業所での重大災害の続発がございました。これを踏まえて、昨年の11月に全国の大規模製造事業所約二千を対象にしまして安全管理に係る自主点検を実施しました。その結果を踏まえて、重大災害の発生防止を目的として、本年3月16日に大規模製造業における安全管理の強化に係る緊急対策要綱、これを策定したところでございます。この要綱におきましては、年月が経過した設備あるいは機器を継続使用する場合には設備の適切な維持管理の確保といったことが重点項目の一つとして位置付けられておりまして、今回のような事故が二度と起こらないように本要綱に基づく指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。

加藤敏幸──ただいま部長のお話の中にありました大規模製造業における安全管理の強化に係る緊急対策要綱というのはお手元にお配りをさせていただいております。これは厚生労働省の文書です。
 厚生労働省の統計によりますと、ここ十年、労働災害による死傷者数は減少傾向にある、しかし特に爆発などによって多数の人が死傷する重大労災事故が昨年から急激に増えているということでございます。記憶に新しいものといたしましては、昨年9月だけでも、出光興産北海道製油所火災、ブリヂストン黒磯工場火災、そして新日鉄名古屋製鉄所火災事故と三つの大きな事故が発生をしたということです。
 特にこの新日鉄名古屋製鉄所火災事故の内容と申しますのは、いわゆるコークスガスをタンクの中に貯めているわけでありますが、そのタンクの中にピストンというものがある。ガスの一番接している上ぶた、そこのところに、ガスの中から発生する水蒸気が結露をしてその水蒸気による腐食が発生をした。そして、そのピストンを下に押さえるおもりを付けている吊りサポートが、これが大体10分の1にまで腐食をして、耐えられずに落ちて、何トンものおもりがどんと内壁に衝突をして火花が発火をしたと。こういうふうなことが原因だと言われておりますけれども、これも実は腐食でありました。
 検査の結果、このピストンという上ぶた、こちら側というのが水蒸気に半分面している。これが大体四割減肉をしていた。中にあるサポートは全面を暴露していますから、恐らくそうすると8割、つまり10分の1近くまで減肉するのではないかと。事前にそこの調査までは行ったのですけれども、中にある吊りサポートが問題だということまでには至らなかったと言われています。
 そういうふうなことを含めまして、この状況の中で大規模事業所を対象とした自主点検、先ほどの御説明のとおり、この緊急対策要綱が出たわけでありまして、私はこの2ページ目にある事業所のトップによる安全衛生方針の表明、安全委員会の活性化、それから所属元の異なる労働者が混在している事業所における関係者相互の確実な連絡調整の確保、あるいは安全管理者に対する選任時の教育の充実。こういうことですが、最近、フリーターだとか派遣労働者だとか、あるいは保守点検をそのまま外注に移管をすると、こういう形態が現下の経済環境の中で、グローバリゼーション、国際競争の中でそういう状況が今随分職場、現場にはあるわけであります。
 そういうふうな状況の中で、このように従来とは違った視点で安全衛生に対する見方を変えていこう、そして最も大切なのは、経営トップが安全、労働災害防止のこの思いを持ち、そしてそれが経営の方針の中でしっかりと展開されていくことが私は極めて重要だし、この対策要綱というのはある意味で非常に時宜に適している、タイミングのいいものではないかと、私はこのように思うわけであります。  そういうことを踏まえまして、藤社長にお伺いをしたいと思います。
 今申し上げましたトップの意識改革、安全委員会の活性化、下請との情報共有、これらのことがしっかりとやられておけば防げたかも分からないと、こういう思いの中で、この緊急対策要綱に対して、今事故を振り返ってどのような感想を持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。

藤 洋作・関西電力社長──先生に、このような本当に重大な事故を起こしました私どもが今これ申し上げるのは本当におこがましいかも分からないのですけれども、この要綱が出まして以来の4月以降、火力発電所、原子力発電所所長会議というのがございました。それから、7月の1日には全事業所の所長を集めました安全大会というのをやりました。
 その二つの場におきまして、私は冒頭のあいさつで、この要綱が出る前の調査の結果、事業所のトップが安全、防災、そういうものに非常に大きな関心を持ってリードしてやっているところは実際の発生件数は少ないんだ、という結果が出ていたのを引用いたしまして、実は両方の場で、是非、職場などでコミュニケーション活動も含め、事業所のトップが現場の声を聞くということをしっかりやってもらいたい、ということを申し上げたわけでございます。しかし、結果的に、それがこの災害を防止するところまで現場に伝わってなかったということを、私も本当に今じくじたるものがございますが、今後私ども、この安全衛生委員会の活性化、その他教育の充実、下請との情報共有につきまして先ほども十分御説明いたしました。
 そういうことで、この要綱の精神を含めまして安全に何とか注力をして、二度とこのようなことが起こらないよう、先ほども実は本件につきましては全役員、全従業員が本当に反省していますと申し上げましたが、全社を挙げて災害防止、安全を守るということに、これからももう一層頑張っていきたいというふうに思う次第でございます。
4.重大労働災害事故の防止に向けて
加藤敏幸──正に安全というのは、社会全体そして労使が一丸となって対応していかなければならない。私も30年以上この仕事をしておりました、現場でそういう活動をしておりましたけれども、この要綱が真に生きた要綱として現場でしっかり実践される、そういうようなことが今必要であると、このように思うわけであります。
 そういうような意味で、この緊急対策要綱を厚生労働省として今後どのように徹底をしていくのかという視点から、正にこの要綱が要綱で終わってしまうのか、いい文書があるね、いいこと言ってるねということで終わるのか、それとも本当に現場でこれが生きた作用をするのか、この件について厚生労働省の今後の対応も含めてお伺いをしたいと思います。

小田清一・厚生労働省安全衛生部長──先ほど申し上げました調査の結果、経営トップが安全衛生に積極的に関与している事業所では災害、重大災害の発生が少ないということが明らかになっておりますので、緊急対策要綱に基づきまして本年の3月以降、全国で経営トップ等を対象として集団指導を行っておりまして、これはもうほぼ終了しております。約45回、2200事業所を対象として実施しております。さらに現在、災害発生率の高かった個別の事業所に対する重点的な指導を行っているところであります。これも今までに600事業所に対して指導を行っておりますが、現在まだ継続中でございます。
 特に、緊急対策要綱におきましては七つの重点事項を掲げておりますが、中でも、事業所トップによる安全衛生方針の表明、元請、下請間などによる関係者相互の確実な連絡調整の確保、あるいは職場の危険箇所の特定・評価及びそれに基づく対策の徹底、設備の適切な維持管理の確保と、この四点につきましては今回のような事故の再発を防止するためには特に有効であるというふうに考えられることから、本要綱に基づきまして今後とも一層積極的に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

加藤敏幸──今までの御努力には敬意を表したいと思いますけれども、やはり日本列島全体、素早くこれを展開するというためにも更なる御尽力を、また厚生労働省並びに経済産業省におかれましても品質管理の国際基準ISO9000sの手法を的確に活用されるなど、産業全般にわたる実態を調査分析をし、労働災害を未然に防ぐための指導をすべきだと、このように思いますし、安全確保に必要な設備更新などに対する優遇策も改めて施策としてこれから考えていく必要があると思いますが、この点について経済産業省の御見解をお伺いしたいと思います。

保坂三蔵・経済産業副大臣──御答弁申し上げる前に一言ごあいさつを申し上げますが、このたび副大臣拝命いたしました保坂三蔵でございます。委員長並びに委員の先生方のよろしく御指導のほどをお願いいたします。(拍手)副大臣には小此木、そして政務官には山本、平田、3名がおりますが、後日またごあいさつを申し上げますのでよろしくお願い申し上げます。
 ただいまの御質問につきまして御答弁申し上げます。
 大変貴重な御論議が展開されておりまして勉強になったところでございますが、企業活動におきましては安全と安心は最大限配慮されると、これは当然のことでございますが、とりわけ製造現場におきましては産業事故の発生は大変憂慮するところでございまして、私たちといたしましてはこの問題の解消に腐心しているところでございます。
 経済産業省といたしましては、お話しのとおり、昨年ございました重大事故、新日鉄さんあるいはブリヂストン、出光さん、あの事故などを一つの契機といたしまして発生要因を徹底的に調査をいたしました。そして、その結果を昨年の12月に公表いたしまして、主要業界の経営トップにお集まりいただきまして産業事故連絡会を開催いたしまして、業種を超えて情報共有を図るとともに、業界、産業界が一体となってこの産業事故の防止を、再発防止を図ることを強く要請してきたところでございます。
 ちなみに、具体的に申し上げますと、あくまでも先ほどもお話がありましたように経営トップが深く、かつ積極的に関与をした下で、例えば人的な要因の対策、ヒューマンエラーなどを防ぐためにマニュアルの改善やあるいはまた教育のリトレーニングなどの充実などを取り組んでいくことを提案いたしました。また、設備的な要因の対策といたしましては、設備の劣化状況、これらは非常にゆゆしき点などもございますので、把握をいたしまして取り扱うことにいたしました。
 本省といたしましては、産業事故防止に向けた取組をより一層促進するために、ただいま加藤議員からお話がありましたとおりの内容の御指摘などを踏まえながら、引き続き人材面、設備面の両面から安全確保に必要な対策を最大限努力してまいりたいと思っております。
 なお、新年度予算要求の中にも、ちなみに申し上げますと、産学連携製造中核人材育成事業、これは35億円要求しておりますが、これらの数々の新規事業の要求も中川大臣の方から出しているところでございます。
5.労災事故は企業内外の大きな損失
加藤敏幸──引き続きまして、この今回の事故というのは正に人的な大きな事故でございまして、その社会的損害はこれは測ることができない。と同時に、外に与えた経済面、あるいは風評被害とかいう声も出ておりますけれども、いろんな形での社会全体に対する損失を生んでおりますし、また従業員にとっても大きなマイナス面がある。と同時に、関西電力という企業体自身も大きな経済的損失をやっぱりこれは自ら被っているということも事実であります。被災者への補償、風評被害へどうするのか、あるいは検査・修繕費、あるいは停止をしている発電所のこれの損害、非常に大きな問題があるし、企業イメージのダウンであると、こういうことであります。
 そして、こういうふうな労災が発生したときに現場でいろんな意見が出てきて対処するのですが、最後の言葉は、予防コストの方が安かった、事後の処理コストよりも予防コストの方がやっぱり安いという、この現実があるわけでありまして、そういうふうな意味で、私は、そういう面からいけば、正に例えば株主の立場からいけば膨大な損害が発生をしているということについて一言二言申したいという気持ちもあるのではないかと。
 そういうようなことで、この関西電力株式会社が被られた正に経済的損失について現時点で藤社長としてどのように感じておられるのか、これをお伺いしたいと思います。

藤 洋作・関西電力社長──今先生から申されました、このような本当に重大な事故を起こしまして、私ども、設備を管理する者として本当に深く反省をしております。
 お話ございました、まずは遺族の方々、重傷を負われた方々、そしてその御家族の方々、それからお話ございました、もう本当に、社員が被害に遭われましたのは木内計測さんというお会社ですけれども、この皆様方に対しましては、誠意を持ってできる限りのことをさせていただきたいということで今やっております。
 それから、今、先生お話ございました風評といった面での地元の皆様方の御迷惑、御損害、あるいはその御心配、そういうものがいろいろあるわけでございますが、これも非常に難しい問題でございますが、地元の方々の御意見を今いろいろとお伺いして、そして皆様方の御意向に沿って誠実に対応させていただきたいというふうに思います。
 それから、やはり国民の皆さん方のその信頼を失ったという、この面については非常に大きな損失でございます。これにつきましては、やはりその再発防止に粘り強く取り組んでいるということで、何とか原子力に対する信頼を御回復していただけるように粘り強く取り組んでいきたいというふうに思っております。
 お言葉にございました会社にとっての経済的損失でございます。これは非常に大きなものがございまして、先生言われましたように、私も設備の安全につきましては、これは安全、安定というのが第一で、これが健全に動かせることが一番そういう意味でコスト的に、経済的に良いわけでございます。もうそのことは、いつもそういうことを言いながら、設備の安全運転第一に、安全第一にやってくれということを言ってまいりましたのですが、結果的にこういう事故を起こしてしまいました。
 この損害につきましては、これは株主の皆様に誠に申し訳ないことでございます。全役員、全従業員が効率化を進めて、もちろん修繕費の分につきましては皆様方から当然、私ども安全第一、その上でのということを申し上げております。修繕費以外の既存なもろもろの経費の効率化を図りまして、何とかこれでこの経済的損失を補っていきたいと、そういうことで株主様に少しでも御迷惑が掛からないようにやっていきたいというふうに考えております。どうかよろしくお願い申し上げます。

加藤敏幸──株主の損失も結局は社会全体の、国民全体の損失になるという視点でよろしくお願いを申し上げたいと思います。点検保全作業を行う作業者の立場からいろいろお話を聞きましたが、一言で言うと、もう少し余裕が欲しいなというのが正に本音でございました。このことも、これから皆様方、念頭に置かれて対応をされることをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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