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report──国会質問 会議録
参議院本会議での代表質問
 「中小企業経営革新支援法改正案 」に関して
2005年3月30日
[目次と質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)
■中川経済産業大臣趣旨説明
■加藤敏幸 代表質問
(1)景気の現況と中小企業の役割
(2)中小企業の現状を把握する基準と手法
(3)中小企業への支援政策の評価
(4)既存の中小企業支援3法の政策評価
(5)事業者による連携支援のあり方
■答弁
(1)中川経済産業大臣
(2)北側国土交通大臣
(3)尾辻厚生労働大臣

■中川経済産業大臣趣旨説明
○扇 参議院議長 これより会議を開きます。
  中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○扇 参議院議長 御異議ないと認めます。中川経済産業大臣。

○中川経済産業大臣 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
  我が国経済を取り巻く状況は、緩やかな回復が見られるものの、中小企業や地域経済を取り巻く状況は甚だ厳しい状況であります。中小企業は我が国経済の基盤であり、その創業や経営革新への取組を従来から支援してまいりましたが、施策体系を利用者にとって分かりやすくするとともに、必要な拡充を行い、中小企業の新たな事業活動への取組を強力に支援する必要があります。
  さらに、経済のグローバル化が進展し、大企業のみならず、中小企業におきましても世界規模の競争が不可避となりつつある中、中小企業においてはむしろそれを好機ととらえ、自身の機動性、柔軟性を生かし、それぞれの強みを持ち寄って事業展開を図るという新しい形の連携が見られます。このような中小企業の新たな連携への取組に対し、積極的な支援を行っていく必要があります。
  こうした状況を踏まえ、今般、本法律案を提案した次第であります。
  次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
  本法律案は、中小企業経営革新支援法を柱として、新事業創出促進法、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に規定する支援措置を発展的に整理統合するとともに、中小企業の新たな連携による新事業分野の開拓を支援する制度を創設することにより、中小企業の新たな事業活動を総合的に促進するものであります。そのため、中小企業経営革新支援法の題名を中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に改めるとともに、経営革新に対する支援に加え、以下の措置を講ずることとしております。
  第一に、経済活力の源泉である創業を幅広く支援いたします。具体的には創業及び創業間もない事業者について、中小企業信用保険法の特例等により資金調達を支援いたします。
  第二に、異分野の事業者と連携することにより新事業分野の開拓を図る中小企業者に対し、中小企業信用保険法の特例、設備投資減税等の支援措置を講ずることとしております。
  以上が本法律案の趣旨でございます。

■加藤敏幸 代表質問
○扇 参議院議長 ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。加藤敏幸君。〔加藤敏幸登壇、拍手〕

○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸です。
  ただいま提案されました中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表して質問を行います。

(1)景気の現況と中小企業の役割
  初めに、景気の現況について質問いたします。
  去る3月14日に、内閣府は、昨年10月から12月までの四半期GDPの改定値を発表いたしました。これによると、この四半期のGDPは3四半期ぶりにプラス成長に転じ、年率換算で実質0.5%増になるとしています。これをもって政府部内では景気は再浮揚するとの見方が強まっていますが、果たして景気が確実に浮揚していくのかどうか、私は予断は許されないと思います。
  その理由は、昨年来、我が国の経済を支えているのは、主として中国への輸出を始めとする外需の伸び、次に各企業でのリストラ効果、そしてデジタル家電の好調にあると指摘されていますが、しかしリストラ効果には当然限界があり、またデジタル家電も昨年末以来息切れ状態にあります。加えて、本年春の労働条件交渉では、賃金本体の改善に着手する労使は少なく、業績反映は一時金に集中する中で、中長期的な収入の安定感を生み出す状況には至っておりません。また、社会保険を始め公租公課の負担増が待ち受けており、勤労国民の可処分所得は伸び悩み状態にあります。
  特に、中小企業の労働条件は大企業に比べ相当低く、また労働組合推定組織率が20%を下回っている状況では交渉の波及は限定的であり、このことから経済成長の六割を占める個人消費の回復あるいは増大については大いに危惧するものであります。
  一方、今3月末決算において一部上場企業の相当数が大幅増益を予定し、また2004年中の企業の余剰金は年間16.2兆円、累積で82兆円と言われており、今や金余りに悩んでいるそうでありますが、多くの中小企業の実態からは縁遠い話であります。企業部門には外需で稼いだ金が滞留し、労働分配が機能不全を起こし、個人消費を支えるサラリーマンの可処分所得は土砂降り状態、これでは持続可能な経済成長と言っても空論ではありませんか。
  そこで、中川経済産業大臣には、景気の現状と見通し、中小企業を取り巻く景況及び日本経済における中小企業の果たす役割や重要性についてお伺いいたします。
  同様、建設、運輸部門における中小企業の置かれた状況にも特に厳しいものがありますが、北側国土交通大臣にも、建設産業、運輸産業における中小企業の景況及び経済全体における位置付け、あるいは果たす役割や重要性についてお伺いいたします。
  また、中小企業に働く労働者の労働条件の実態を踏まえ、雇用労働政策としてこの中小企業問題にどのように対応されるのか、尾辻厚生労働大臣にお伺いいたします。

(2)中小企業の現状を把握する基準と手法
  次に、中小企業の現況をいかなる方法をもって測定し判断するのかという点について質問いたします。
  中小企業の経営状況については、政府や日銀、さらには公的金融機関などから様々な統計データが出されています。さらに、企業倒産に関する民間調査もあります。しかし、それらのデータが本当に中小企業の実態を正しく表しているのか、現場からの生の声との対比において疑問に思うことが多く、行政にとっても状況を正確に把握することが極めて重要であると考えます。
  中小企業と一口に言っても、実態は様々です。世界的にオンリーワンの技術を持った、優れた企業もありますし、一方で家族労働に支えられた小さな町工場もあります。大手・中堅企業の下請、孫請で、発注元に大きく依存している企業も多数あります。
  また、地域、産業、業種間のばらつきも想像以上に大きいものがあり、にもかかわらず、中小企業を大きくまとまった一固まりとしてとらえ、その平均値で政策を展開するのでは、政策の実効性に問題が発生します。
  また、多くの中小企業は補助金を申請するほどの製品開発力がない、あるいは他企業と連携しようにもどこに連携相手がいるのか分からない、あるいは申請のための事務処理能力もないという実態にあります。すなわち、中小企業政策をめぐって提供側と受け手の間にある種のアンマッチが生じており、せっかくの政策や制度がうまく活用されていないという問題があります。
  そこで、そうならないためには、これまで以上に中小企業の経営の実態を把握する手法なり基準というものをしっかり確立しなければならないと考えますし、また的を絞った政策の実施ということが重要だと考えますが、中川経済産業大臣の見解を伺います。

(3)中小企業への支援政策の評価
  次に、中小企業支援政策を論じる場合、その前提として、中小企業が置かれている厳しい現状がいかにしてもたらされたかという経過を認識する必要があります。
  今日、中小企業が置かれた厳しい現状は、1980年代の後半から始まった経済のグローバル化と90年代のバブル経済の崩壊及び10年以上にわたるデフレ不況というトリプルパンチによって引き起こされたものです。
  売上高の大幅減少と収益の極度の悪化という事態の中で、中小企業は徹底したリストラと経営の抜本的改革を迫られ、その結果、多くは新製品開発や新規事業分野への進出あるいは海外生産などに活路を求めました。しかし、いずれの道にも様々な障害や落とし穴があったわけで、実際に成功に結び付くことができた企業はごくわずかでしかありません。
  問題は、資金力や技術力の不足に加え、市場調査力や商品企画力の不足から、売れる商品やサービスが開発できなかったこと、そして売上増につながる販売力がなかったということです。単独でマーケットに出ていくには、市場調査からアフターサービスまで首尾一貫した総合力が必要でありますが、残念ながら総合的競争力がなかったということであります。
  すなわち、提案理由にある中小企業の経営上の問題点は、実は何年も前から分かっていたことであります。この間、政府の中小企業対策は、なるほど、運転資金への公的融資や信用保証制度の拡充、さらには新技術開発への支援など、きめ細かい対策が講じられてきました。しかし、環境変化が余りにも急激過ぎたこともありますが、総じて政府の中小企業対策は事後処理的、戦術論的対応に終始したと言わざるを得ません。
  特に、ここ4年間のマクロ経済政策は、金融部門の不良債権処理に拘泥する余り、結果として、貸し渋り、貸しはがしを通じ、多くの中小企業を死地に追いやったと言えます。経済産業省が地道に中小企業対策に日夜精を出してみても、マクロ経済では地響きが起こるほど大なたが振るわれて、死人、けが人続出と言っても大げさでない状況であったと言えます。それでも、一部の中小企業は政策や制度を活用し、活路を見いだすことができたわけですが、多くの中小企業が不況の波間に消えていったことを忘れてはなりません。波間に消えた中小企業の皆さん方への鎮魂歌はだれがささげるのでしょうか。
  さて、そこで、こういった経過を踏まえ、この10数年にわたる中小企業政策は全体としてどのように機能したのか、またマクロ経済政策と中小企業政策との間に矛盾はなかったのか、その総括について中川経済産業大臣より見解を伺いたいと思います。

(4)既存の中小企業支援3法の政策評価
  次に、政府は、法案提出に当たり、利用者にとって分かりやすい施策体系を実現するとして、中小企業支援三法を整理統合し、中小企業が柔軟な連携を通じて行う新たな事業活動を支援することを目指しています。従来の法体系、制度を見直すということでありますが、この際、従来制度固有の問題や環境変化に追随できなかった制度の硬直性などがあったと思われます。
  そこで、私は、制度改定に際して、ルールにのっとった政策評価がきちんと行われるべきであると考えます。どこがうまく機能しなかったのか、その原因や問題点についてそれぞれの支援策あるいは補助金ごとに的確に精査する必要があります。
  今回、中小企業庁の資料では、それぞれの支援策の達成状況が示されています。それには成果についての具体的記述もありますが、元々、事業計画を承認する段階で経営革新の内容について厳しい事前チェックがなされ、成果が期待できない企業は事前にふるい落とされているわけですから、結果としていい数字が出てくるのは当たり前の話であります。
  この中小企業庁の調査では、直接、経営者から反省点あるいは問題点なども細かく聞き取りをされています。これらの反省点や問題点を率直に分析し、新制度に生かしていくこと、すなわち失敗に学ぶことが大切ではないかと考えます。この点に関し、経済産業大臣の見解を伺いたいと思います。
  あわせて、この新しい支援政策が本当に強い競争力を持った中小企業を育成することに寄与できるかどうか、目標とされる政策効果について具体的かつ定量的に示していただきたいと考えます。
  予算では、16年度の三つの補助金の予算合計66億円に対し、来年度は一本化した制度で96億円を計上されていますが、中小企業支援施策が国民あるいは利用者にとって使いやすく分かりやすい体系にするという目標と併せ、どの程度の企業を対象にどれだけの経営的前進を実現するのか、あるいはマクロ的にはどのような効果を生み出すのか、中川経済産業大臣から目標や目標値を示していただきたいと思います

(5)事業者による連携支援のあり方
  今回の法案の目玉の一つが事業者間の連携措置です。これまで、産業振興や構造的な経営改革に対して、切り札の一つとして事業連携が打ち出されてきました。繊維産業の構造改革支援においては生産者とデザイナーなどとの連携が、また地域新生コンソーシアム研究開発事業への支援策も産学連携が基本となっています。これらの経験から、事業連携が成功するか否かは、それぞれ違った事業分野で蓄積されたノウハウや技術を結び付ける調整役、いわゆるプロジェクトマネジャーの働きに懸かっていると考えます。
  経済産業省では、マーケティングや技術の専門家あるいは政府系金融機関や民間金融機関などで構成する新連携支援地域戦略会議を全国九か所に設け、ここで申請前からプロジェクトに磨きを掛けて、地域の総力を結集して支援する方針を打ち出されております。
  このアイデアは評価いたしますが、私は、金融機関が入ることで斬新的なプロジェクトあるいはリスクを伴うプロジェクトに対してこの戦略会議が後ろ向きの評価を出していくのではないかという懸念を持っていますし、全国九ブロックごとの戦略会議では広域過ぎて地域の事業ニーズをうまく吸い取れないのではないかという心配もしています。もちろん金融関係の専門家も必要とは思いますが、私は、むしろ多くの企業が保有している技術、ノウハウを中小企業に横展開することが大切であって、それらに精通し、しかも地域の企業情報を持った人材の参加が必要不可欠であると考えます。
  その視点に立ち、2007年問題と言われていますように、間もなく団塊の世代が定年を迎え大量に第一線から離れていきますが、私は、これらの定年退職者を組織し、長年にわたって蓄積された生産現場や営業現場での職務能力をこういった事業連携に活用していくことが政策効果につながるものと考えます。
  そこで、この連携を支援する方策の在り方について中川経済産業大臣の見解を伺いたいと思います。
  我が国の中小企業は、財やサービスの生産高において、また雇用量において大きな部分を占めております。それだけに、中小企業が抱えている問題は同時に我が国の経済の根幹にかかわる課題であり、中小企業政策を一歩誤ると経済全体に強烈なダメージを与えると同時に、大きな社会問題を引き起こすことにもなります。
  中小企業政策を市場原理主義にゆだねることは、更に多くの中小企業の死を招くもので、再生不能な事態を惹起いたします。政府の規制を極力排除し、完全競争市場の実現によってこそ最良の経済的成果を生むとの説は空想的仮説にすぎません。
  どうか、中小企業の経営環境を整備し、将来にわたって我が国の中小企業が安定的な発展ができると同時に、そこに働く者の、そして家族も含め、将来に安心、安定を得られるよう、政府及び関係者の最大限の努力を要請し、私の質問を終わります。
  ありがとうございました。(拍手)

■答弁
(1)中川経済産業大臣答弁
○中川経済産業大臣 加藤議員にお答え申し上げます。
  まず、中小企業を取り巻く景気状況と中小企業の果たす役割についてのお尋ねでございますけれども、現在、日本経済全体の景気回復が緩やかになる中、中小企業の景況には弱い動きが見られ、小規模企業を中心に厳しい状況にあると考えております。
  今般の景気回復局面は、輸出や設備投資が牽引役となっておりまして、一部製造業の景況は比較的良好であります。しかし、昨今の景気の調整局面を反映し、中小製造業の景況感にも弱い動きが見られます。また、小売業等の非製造業の業況は、個人消費が横ばいに推移していること等を反映し、厳しい状況にあると認識をしております。さらに、中小企業の景況は地域によってばらつきがあり、大都市圏と比較して、北海道、東北、中国、四国といった地域の景況は十分に回復していない状況でございます。
  中小企業は我が国企業数の99.7%、雇用数の約七割を占めており、新たな産業の創出や就業機会の増大等を通じて、我が国経済の活力の維持及び強化に重要な役割を果たしております。また、地域のコミュニティーを維持形成し、地域の文化や伝統をはぐくむ等、地域社会にとって重要な役割も担っております。
  このように、経済的にも社会的にも重要な存在である中小企業が厳しい状況にありながらも、その活力を遺憾なく発揮できますよう、しっかりと支援してまいる所存でございます。
  今般御審議いただいております中小企業新事業活動促進法案につきましても、異業種の事業者と連携して新事業に挑戦する中小企業を支援し、中小企業の競争力強化に努めてまいります。
  次に、中小企業の実態把握についてのお尋ねでございますけれども、多種多様な中小企業の実態を的確に把握するため、中小企業に関する統計調査ごとの特性を踏まえる必要があります。
  例えば、同じ景況に関する調査で比較いたしますと、日銀短観では資本金2000万円未満の比較的規模の小さい企業は調査対象外となっていますのに対して、中小企業基盤整備機構の実施する中小企業景況調査では従業員20人以下の小規模企業が調査対象の約八割を占めるなど、調査ごとに特性に違いが見られ、こうした特性を踏まえて、きめ細やかに中小企業の実態を把握することが重要と考えております。
  こうした中小企業の実態把握を踏まえ、小規模企業に対しては商工会、商工会議所を通じた相談事業を行う一方、異分野の事業者と連携して新事業に挑戦する中小企業を支援するなど、今後とも的確な施策を充実してまいる所存でございます。
  中小企業政策の総括についてのお尋ねでございますが、この十数年にわたり、我が国経済の基盤である中小企業がそのやる気と能力を発揮できるように、創業や経営革新への支援、資金調達の円滑化、中小企業への再生支援等様々な施策を講じてまいりました。
  政策の効果について具体例を申し上げますと、中小企業の経営革新の支援は、やる気と能力のある中小企業がその潜在力を発揮して新製品の開発や販路の開拓等、着実に成果を上げることにつながっていると認識しております。
  また、中小企業の事業再生のため、中小企業再生支援協議会をすべての都道府県に設置し、きめ細かに中小企業の再生を支援しております。この結果、約26,000名の雇用が確保されるなど、着実に成果が上がっております。
  また、マクロ経済環境の悪化により、やる気と能力のある中小企業の事業継続が困難になることがないように、デフレ下における不況対策、マクロ経済政策とも整合性を図り、中小企業政策を展開しております。
  具体的に、平成十年には金融システムに対する不安が劇的に高まり、中小企業をめぐる資金調達環境が著しく悪化したことに対応し、緊急・臨時の措置として中小企業金融安定化特別保証制度を創設いたしました。これにより、平成10年10月から平成13年3月までの間に172万件、28兆9000億円の保証承諾実績を上げており、厳しい貸し渋りの状況下において中小企業の倒産の急増を回避することに成果があったと認識しております。
  また、セーフティーネット保証・貸付けにつきましては、平成12年10月から平成17年1月までの間に86万件、約15兆1000億円の実績を上げており、中小企業金融の円滑化に寄与していると認識しております。
  以上のように、中小企業政策については総体として相当の効果があったものと考えておりますが、今後とも、業種、規模、地域の実情を踏まえ、きめ細かく柔軟に事業者の経営課題やニーズを把握していきますが、施策に対する御批判は真摯に受け止め、より効果的な中小企業政策を積極的に展開してまいる所存でございます。
  次に、既存三法の評価と新制度の効果、目的についてのお尋ねでございますけれども、既存三法につきましてはそれぞれ相応の実績を上げてまいりましたが、一方で、利用者の方々からは、支援対象や支援策が重複しており分かりにくい、あるいは計画が承認されても支援措置が受けられない場合があるといった指摘があります。このため、既存三法を一本の法律に整理統合して、国民にとって分かりやすく、かつ骨太な施策体系とし、中小企業の前向きな取組を全面的に支援してまいる所存であります。
  特に、具体的な支援体制として、地元の有力企業や金融機関、大学の学識経験者など、地域経済に影響力のあるメンバーで構成する新連携支援地域戦略会議を設置し、有望な事業に対して補助金や制度融資、販路開拓に対するアドバイスなど、様々な支援策を適切なタイミングで措置し、地域を挙げて盛り上げることにより事業を成功へと導いてまいります。こうした施策を通じて、中小企業のそれぞれの強みを生かし、新たな事業活動への取組が促され、ひいては我が国経済の活性化や地域再生が図られるものと考えております。
  御指摘につきましては、本新法を始め、中小企業政策の総合的な成果をきっちりと評価していきたいと考えております。
  最後に、新連携支援戦略会議についてのお尋ねでございますけれども、新連携支援地域戦略会議は、地元の有力者や金融機関、大学の学識経験者など、地域経済に影響力のあるメンバーで構成し、中小企業による有望な連携事業への取組を地域の総力を挙げて盛り上げ、成功へと導くことを目的に設置する組織であります。各ブロックごとに設け、地域の事業ニーズにもきめ細かく対応してまいる所存でございます。
  同会議の事務局には、金融機関の出身者のみならず、起業経験者や商社、メーカー出身者など、ビジネス実務に精通した者や技術に関する目利き能力を持った者を配置し、事業計画の策定段階から研究開発、販路開拓等の様々なステージにおいて必要な支援を行ってまいります。
  御指摘にありました技術やノウハウに精通した企業OBにつきましても、間もなく団塊の世代の退職が始まる中、その有効活用が極めて重要であると認識しております。必要に応じて、戦略会議事務局における専門家としてOB人材を活用してまいります。
  また、専門人材を求める中小企業に技術、営業等の専門知識を有する企業OBを紹介する、企業等OB人材マッチング事業を通じてその積極的な活用を図ってまいります。


(2) 北側国土交通大臣答弁
○北側国土交通大臣 加藤議員から、建設、運輸部門における中小企業の景況及び経済全体の中で果たすべき役割等についてお尋ねがございました。
  我が国の建設産業の99%を占めますのは中小建設業者でございます。しかしながら、政府また民間投資を合わせましても、建設投資は、ピーク時、これは平成四年でございますけれども、それに比べまして約四割減少をしているという状況でございます。一方で、建設業者の数はほぼ横ばい、変わっておりません。また、そこにお勤めの就業者の方々も若干減っておりますが、それでも五百八十四万人の、全就業者数の一割近くがこの建設分野で働かれているわけでございます。
  こうした変化の中で、受注の減少、利益率の低下により大変厳しい経営環境に直面をしているというのが今の現状であるというふうに認識をしております。
  また、運輸産業におきましても、トラック、タクシー、内航海運におきましては、中小企業の割合が同様に99%を超えております。中小企業が大多数を占める中で、物流部門におきましては景気の低迷や厳しい運賃競争、旅客部門におきましても少子高齢化による需要の減少等により同様に厳しい経営環境にございます。
  しかしながら、建設産業は地域の基幹産業として我が国の経済や雇用を支える重要な役割を果たしており、中小建設業者に対して効果的な支援を行うことは我が国の経済全体を活性化する上で極めて重要であると認識をしております。
  また、運輸産業も、物流、人流の両分野において我が国経済社会の維持発展や地域経済の活性化にとって極めて重要な役割を果たしており、安全で信頼できる輸送サービスが提供されるよう引き続き支援していく必要があると認識をしております。

(3) 尾辻厚生労働大臣答弁
○尾辻厚生労働大臣 雇用労働政策についてのお尋ねがございました。
  中小企業は、日本経済の担い手としてはもとより、新たな雇用機会の創出の担い手としても大いに期待されるところでありますが、一方で、大企業に比して構造的に労働条件や雇用管理改善の面で後れが見られる状況にあります。
  このため、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって中小企業における退職金制度を確立するための退職金共済制度の実施、経営環境の変化に応じた賃金制度の整備、改善が困難な中小企業に対して、それらに関する情報提供や助言等の実施、独力では勤労者の福利厚生の充実が困難な中小企業が共同して行う福利厚生事業への支援、中小企業に対するきめ細かな相談の実施、中小企業の安定した経営の担い手となる基盤人材の雇入れ支援や中小企業労働者の能力開発に対する支援などの取組を推進しているところであります。
  今後とも、これらの取組を積極的に推進し、中小企業において魅力ある良質な雇用機会がつくり出されるよう最大限努力をしてまいりたいと考えております。

○扇 参議院議長 これにて質疑は終了いたしました。

以上

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