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report──国会質問 会議録


加藤の質問に答弁する中川大臣

 

□委員会で加藤からの配布資料

 IMD「国際競争力調査」我が国の国際競争力の対比表(PDF)

経済産業委員会・一般質問議事録
                           2005年6月30日


[質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)

1.省内不祥事の調査の徹底

2.国際競争力の低下の問題

3.国際競争力調査に見る政策的視点

4.人的パワーという「行政インフラ」

5.「ものづくり白書」と戦略的視点

6.「2007年問題」への対応と技術継承

7.製造業の日本回帰の促進策

8.中小信用補完制度の改革

1.省内不祥事の調査の徹底

○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸です。本日は、物づくり政策全般の一般質問を予定しておりますけれども、冒頭、大臣の方からお話がございましたので、研究剰余金の私的流用問題について少し御意見も申し上げたいと思います。
 経済産業省としては、続いての不祥事ということですが、今回は外部専門家による調査委員会によって更なる調査を厳正に続けられるということでありますので、今日時点においては、先ほどの加納議員の質問、御意見に私も同感でございますので、重なるところは省略していきたいというふうに思います。当面は、省内において、これ以上、不正行為や公務員倫理規程に関して疑わしい行為がないよう綱紀粛正に励んでほしいと、このように思います。私は、この問題は、今日は終わりではない、今日は正に始まりであると、このように考えております。
  そういうようなことで、調査において是非とも明らかにしてほしい点、四点についてここで申し上げておきたいというふうに思いますし、報告の際には後日その内容について確認をさせていただきたいと、このように思います。

 国民の目線に立って、私は四つほど質問があります。
  その一つは、経済産業省の所管する特殊法人日本自転車振興会が、競輪の収益金の中から、これも経済産業省の外郭団体である財団法人産業研究所に補助事業として寄附を行い、次に、この産業研究所が外部の学識者に研究委託を行い、そして、本来ならば受託した研究者グループやシンクタンクなどが管理すべき研究管理を、お金のことを含めまして、わざわざ本省の大臣官房が行うという、この複雑な仕組みと金の流れは一体何を意味しているのか、ここのところをまず明らかにしていただきたいというのが第一点です。
  二点目は、今回、諭旨免職された元企画室長のどの行為がどの法令あるいは公務員倫理規程に触れるのか、ここは先ほど御質問があった点でありますが、あるいはグレーゾーンとなっているのか、何ゆえ諭旨免職であったのか。このことについて、調査の結果によって、振り返ってこの判断がどうであったのかということが二点目の質問であります。
  三点目は、元企画室長の株取引はインサイダー取引の疑いもあったわけでありますけれども、この取引は本人の個人的意思に基づくものなのか。また、銘柄指定についての情報に関し、省内の管理はどうなっていたのか。ここも大変、私は、国民の目から見て、経済産業省の担当される職務、業務との関係においても厳しく解明されるべきではないかと思います。
  四点目は、プール金が引き継がれてきたということは、これは使用目的が継続し実際の支出があったと、このように推察されます。その点について、特に最近の支出の状況と、またその支出の判断はだれがしていたのか、このことについてやはり明らかにされるべきだと、このように思います。
  これは今後の調査を待つべき内容でありまして、この質問に関するお答えについては後日ということになりますけれども、調査に当たる姿勢等を含めまして、本日時点での決意等ございましたら、明らかにしていただきたいと思います。

○中川昭一・経済産業大臣 改めて御指摘いただくまでもなく、本当に、四点、あるいはもっと問題点が出てくるのかもしれません、分かりませんけれども、私自身、極めて不可解な一連の出来事であったと思っております。願わくば、徹底究明すると同時に、これ以外にこういうことが起こらないということを、私はすがるような気持ちで今調査をお願いしているわけでございます。
 外部調査委員会の三人の法律の専門家の皆さん、私自身が、先ほど申し上げましたように省内を徹底的に調査しなければいけない。それから、もちろん、当委員会はじめ、立法の、国権の最高機関としての権能を大いに発揮をしていただいて、真相究明にもできれば御貢献いただくと言うとちょっとうまい表現じゃないかもしれませんけれども、国会の権能を発揮していただきたい。あるいはまた、マスコミの方も、それなりの調査というものも民主主義国家においては必要になってくるんだろうと思っております。
  そういう幾つかのルートで徹底的にやっていく。二度とこういうことを起こしてはならない、ほかにはこういうことがないんだと。あればあるで、いち早くまた公表しなければならないんだということを、我々としては、まあ願いはしませんけれども、あればきちっと報告しなければいけないというふうに思っております。
  具体的には、幾つか、四点、加藤先生から御指摘がありました。率直に言って、私、もう分からない部分があるんです。昭和63年から平成5年、あるいはまたそれがずっとお金が続いて、2900万円というのは取りあえず前企画室長が預かっていたお金でございますけれども、ひょっとしたらその間に出入りがあったのか無かったのか、ということも含めて、これは徹底的に調べていただかないと、この金額が必ずしも確定であるかどうか。できればできるだけ少ないお金であってほしかったと思うわけでありますけれども。
  ただ、御質問の趣旨に一つだけお答えさせていただくとするならば、決意を述べよということでございますから、徹底調査と同時に、できるだけ早く、そして速やかに公にさせていただきたいということだけは、昨日も三人の法律家の先生方に、作業の御迷惑をお掛けしない範囲で、しかしできればできるだけ早く真相を究明していただきたいということをお願いし、もちろんその時点では国会等に御報告をしなければいけないというふうに思っております。以下、細かい四点につきましては事務当局の方から答えさせたいと思います。

○鈴木隆史・経済産業省官房長 お答え申し上げます。今、大臣の方から御報告ございましたように、今後、外部委員会で徹底的に調査をするということで、私どもも協力をさせていただきたいと思っております。

2.国際競争力の低下の問題

○加藤敏幸 まあ大臣にこういう思いをさせることはあってはならないと、こういうことだと思います。大臣の決意を多として、本日はここで私は質問を終えたいというふうに思いますので、徹底究明をよろしくお願いをしたいと思います。
 さて、今日の私の質問の趣旨は、我が国の製造業の再生と、こういうテーマでございまして、昨年の11月2日も縷々やらせていただきました。引き続き、特に今回は国際競争力、このテーマで議論をしていきたいと思います。
  幾つかの国際的な調査に見られますように、バブル経済崩壊後、我が国の国際競争力が低下し続けてきたと、こういうふうに報告されています。最近では、子供たちの学力の低下も国際調査で指摘され、我が国の将来に悲観的ムードを漂わせている昨今であります。このような事態の中で、例えば、製造現場で物づくりに精を出している皆さん方は、ある意味で寂しいことだと、自分たちの努力がどうなっているんだと、そういうふうな感じを持っている、そういう気持ちが漂っているという状況であります。
  そこで、私として、国として国際競争力を維持向上させていくということはどんな意味があるのか、ここのところを少しはっきりさせていく必要があるのではないかと思います。
  改めて説明することではございませんけれども、私個人としては、第1に、製品輸出などを通じ経済的な利益を得ていくこと。正に経済的行為としての第一の点。二は、生産力を高め、そのことが国民経済を支える。これが二つ目。三点目は、社会経済の将来性を確保する。国際競争力を維持確保するということは明日のためになる。四点目は、国の独立と、軍事力に頼らない我が国の安全保障を確保する。五点目は、国民の誇りを高めること。このような大きな意義のあることであって、単なる産業中心主義だとか企業活動の延長線上としての国際競争力という論点にとどまらないと、このように考えております。
  そういうような意味で、長い物づくりの歴史、伝統、そして文化を持つ我が国に、そしてまた、働くことは人生の喜びであるという、世界においても貴重な、精神的といいましょうか、文化的土壌を持った我が国のこの物づくり、働く喜びのアイデンティティーを確立し、将来への明るい展望を切り開くという意味で、我が国産業の国際競争力を高めていくことはある意味で国としての目的そのものではないかと、こういうふうにも考えるものであります。
  一般的に国際競争力を強化するという場合は、一、生産コストのパフォーマンスを高めること、二、的確な為替政策を取ること、三、技術進歩を図ること、このようにされておりますけれども、今いろいろ申し上げましたけれども、政府としてもかかる視点からの積極的な政策の推進あるいは位置付けというふうなことを明確にされる必要があるのではなかろうか。
  そういうような意味で、大臣は昨年5月に、正に一年間議論をしております産業の国際競争力の向上を目指す「新産業創造戦略」を発表されましたが、このレポートに載せられた思いを含めまして、国際競争力強化に対する所見をお伺いしたいと思います。

○山本明彦・経済産業大臣政務官 お答えをさせていただきたいと思います。今、加藤委員御指摘のとおり、我が国にとりましては、製造業というのは、やはり一番物づくりのメッカは日本だという誇りを持っておるわけでありまして、製造業は我が国の雇用だとか、それからGDPは二割を占めておりまして、研究開発だとか輸出につきましては九割を占めております。正にそういった意味で、我が国にとりまして製造業というのは大変中心的な役割を果たしておる、そのように感じておるところでありますし、最近の状況を見てみますと、製造業も国内回帰現象が出てきておりまして、今まではやはり安い方の中国等に行っておったわけでありますけれども、やはりそれだけでは駄目だと。やはり製造現場があって初めて開発がある、こんな趣旨もありまして、国内の方に回帰をしてきております。
 我が省におきましても、今御指摘ございましたように、新産業創造戦略の中で、本年五月に、「二〇〇五」を制定いたしまして、重点的にこれからはそうした製造現場も含めまして、これからも整備をし、そして援助していきたい、こんなふうに考えておるところであります。

3.国際競争力調査に見る政策的視点

○加藤敏幸 そこで、お手元に資料を配らせていただきました。これは、国際競争力に関しましてはスイスのビジネススクールのIMD、経営開発国際研究所の国際比較の調査からのものです。少し有名でありまして、この調査は産業や企業の競争力というよりも国としての競争力、あるいは日本列島あるいは工場立地上の競争力と、こう言った方が適切だと思いますけれども、60の国や地域について比較、分析したものであります。
 今年の5月の初めに発表されました「国際競争力ランキング2005年版」によりますと、我が国の国際競争力は60か国中21位になっておりまして、昨年は23位でしたから2ランク上がってよかったなと、こういうことでございますけれども、この調査が始まった1989年から93年までは5年連続で一位、トップチャートにおったわけであります。あっという間に20何位、30何位に落ちてしまったということで、随分国民の多くは残念だなと、こう思っておるわけであります。
  そこで、今お手元の資料の中で、大体どういうふうなことに着目をして勝手にランキングをしているのかと、こういうふうに見てみますと、気に入らぬところもございまして、競争力を強めている項目ベスト5、それから競争力を弱めている項目、これはワースト5ということになりましょうか、これは我が国日本についてのこのレポートのガイダンスであります。経済情勢だとか政府の効率性、経済の効率性、経済インフラの整備と、こういった四つのジャンルについて五つずつ指摘の点をここに記載さしていただきました。
  例えば、政府の効率性の問題点といえば法人税率の高さ、分かりやすいなと思うんですけれども、外国人労働者の雇用を阻害する法規制でありますとか、これは移民政策の問題ですが、あるいは社会的不利をもたらす差別、人種、男女差別だとか、こういうふうな問題等含めていろいろな視点から指摘されております。なるほどなと思う視点もあれば、どういうことかなと思うような視点もあり、個々に見ていくと、それぞれ私は意見が出てくるのではないかと、このように思っております。
  そういうふうな意味で、経済産業省におかれましても当然このレポート等については非常に精細なチェックもされているのではないかというふうに思います。こういうふうな勝手にやられた成績表を見て一喜一憂するという必要もないわけでありますけれども、私はそういう視点ではなくて、ただ競争力を弱めている項目の中にはなるほどなという項目もあるのではないかと。例えば、産業の競争力に直接影響する法人税の問題でありますとか、補助金を含めた産業政策の在り方などについては十分これは検討すべき対象でありますし、また企業経営者の起業家精神、起業精神が弱いことなども、なるほどそういうふうな社会的な風土もあるなということで読み取れるわけであります。
  そういうことを含めまして、これをより活用するという視点から幾つかの政策的な今後の実行策のヒントが得られるのではないかと、こういうふうなことを思います。このレポートについては経済産業省の所管にかかわる部分が大変多いと思いますので、この分析をどのように見ておられるのか、またこれを踏まえて更に日本の競争力を維持、強化、発展さすために何かお考えがあるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

○中川昭一・経済産業大臣 このIMDですか、権威がある調査報告だというふうに承知しておりますけれども、正に物づくり、製造業が日本の暮らしや産業を支えてきた、またこれからもそれをやっていかなければ日本としては平和に発展をしていくことができないという加藤先生の御指摘は全くそのとおりだろうと思っております。
 そういう中で、当委員会でも御議論いただきました80年代のヤング・レポートでありますとか、昨年末のイノベーションレポートでありますとか、そういうものも含めて、大いにこのIMDも含めまして、やっぱり情報は一杯取るにこしたことはないわけですから、情報をきちっと取って分析をして、そして日本の良さ、あるいは日本の欠点をカバーをしていくということが必要なんだろうと思います。
  おかげさまで、去年、新産業創造戦略、物づくりということでいろんなところで広報活動も通じましてやっていただきまして、そういう中で一時期の物づくり離れから、ある程度物づくり、あるいはまた今先生もおっしゃいましたように、物づくりに対する敬意、尊敬という風潮が少しずつ戻ってきているのかなというふうに思っております。
  卑近な例ですと、たまたま私、去年の年末にある日本の日本橋のデパートで現代の名工展というのを見てまいりましたし、これがまた7月の初めにまた同じデパートで職人の何か見本市みたいなことをやるということで、私も楽しみにしております。
  それから、御承知のように、「日本ものづくり大賞」というものの今決勝戦を選んでいただいているということでございまして、そういう一つのお手本が一つの励みになっていくと、特にお子さん方あるいはまたOBの方々の誇りという観点からもプラスになるようにしていくということが、これはもう行政あるいはまた国会あるいはまた教育現場、そして産業界、一致協力してやっていくことが、やっぱり物づくりで日本は生きていかなければいけないし、生きていけるんだということを盛り上げていく、大変いい先生からの御指摘だと思っておりますので、重く受け止めさせていただき、何としてもその目的達成のために実現させていただきたいというふうに思っております。

4.人的パワーという「行政インフラ」

○加藤敏幸 そこで、国際競争力を上げるための行政の力と、こういうようなことで私はあえて行政インフラとこういうふうに言わしていただきますけれども、この行政の力をいかにして強化していくかと、ここが非常にポイントであると思います。
 先ほどのIMDの調査でも、政府部門の効率性という分析ファクターがございました。ここは私、一番申し上げたいんですけれども、この効率性、政府部門の効率性というと、頭数を減らせとか、予算を減らせとか、ややそういうふうなところに話がいくのですが、私はむしろそういうふうな視点だけで本当に行政インフラ力が付くのかと、私はちょっと違うのではないかと思います。ややもすると、人の数を減らせば経営が良くなる、そうしたら社長以下全部辞めさせたらどうだと、こういうことになるわけですから、人がいなけりゃトヨタだってやっていけないと、もうはっきりしているわけなんです。
  そういうことで、このデフレ時代にやや話しが縮小均衡的に展開し過ぎた。私は、この国際競争力を支える行政インフラの質をいかに高めていくかということは、これは取りも直さずマンパワーを強化すると、これに尽きると思います。公共サービスとしてのこの産業強化の行政インフラをいかに高めるかというのは、最終的には、やっぱり立派な経験の深い、そしてアクティビティーのある人たちをどんどん参加させていくと、こういうことになるのではないかと思います。
  そこで、4月の当委員会における「中小企業経営革新支援法改正案」、この審議におきましてもいろいろ議論をさせていただきましたけれども、産業連携、企業連携に対して、あるいは起業、業を起こすということでありますけれども、起業に対する直接的な指導においても、人的パワー、これが一番の焦点になってきているのではないかと思います。
  そういうようなことで、例えば四国の経済産業局で、御用聞きということで、現場のニーズを聞き取る、あるいは支援施策の出前をやると、こういうことが成果を上げているということを、指摘させていただきました。また、大阪市の事例でありますけれども、大企業出身の経験豊かなコーディネーター50名をお集めになって、それで優れた企業、技術を持っている中小企業を訪問して、そこの固有技術でありますとかノウハウをしっかり把握をして、それを50人の会議で報告をする。そうすると他のメンバーが、そんな技術があるのなら、例えば、「曲面に印刷するような技術があるんやったら、実は某大電機メーカーさんが新しいデザインで曲面印刷で困っとるんや。その中小企業の技術をその大企業に紹介してあげたらいいやないか」という話がとんとんとんと進んでいって、両方が助かると。そういうふうな、言わば販路拡大についてアドバイスをするビジネスチャンス倍増プロジェクトということで役割を担っているわけであります。
  大阪市は、例によっていろいろと問題が指摘されていますけれども、現実、こういう地道な活動について言えば、私は、なかなかしっかりした活動をやっていると思っています。これもやはり経験豊かなコーディネーターという人たちの人的なマンパワーが私は大きな力を発揮していると、こういうふうなことではないかと思います。補助金だとか税制優遇というのは、状況によっては大変な政策効果を発揮するということはよく分かっております。しかし、状況が変化すると、これが既得権益化したり新しい政策展開の邪魔をしたりしてマイナスの効果を持つことになることも、これも分かっているわけであります。そういうふうな意味で、すべてをお金で政策展開するということではなくて、正にマンパワーの強化、これを私は更に強化をしていく必要があるんではないかと思います。人を基軸とする行政インフラ整備と、この必要性を今日は強く主張したいと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。

○望月晴文・中小企業庁長官 先生おっしゃるとおりでございまして、中小企業政策は歴史的にも、これちょっと言葉が古うございますけれども、経営指導員などを通じた指導ということが初歩から大事にされているわけでございます。それがだんだん進化してまいりまして、例えば一例を挙げますれば、先般の当委員会で御審議いただきました中小企業の新事業創出、新事業促進法におきましても、新連携を推進するに当たって大事なことは、こういう新しい芽を官民の総力を挙げて支援する体制をどうやって作るかということでございました。今、各地に地域の戦略会議というものを作っておりますけれども、これの下に官民の専門家を集めて支援チームを作ってこれを実現していくというような体制を作りましたのも、御指摘のような点からでございます。
 私どもとしては、中小企業というのは何か足りない部分を持っている有能な人たちがたくさんおられるわけで、それを、例えば販路であったり、例えば人脈であったりすることもあるわけでございますので、そういった点を含めて支援するということが基本であろうかと思っておりますので、御指摘のありますことは誠にごもっともだというふうに思っておるところでございます。

5.「ものづくり白書」と戦略的視点

○加藤敏幸 考え方に差はないということでございますけれども、やはり継続は力なりということでございまして、私もいつも同じこと言っとるなと、こう言われても私は言い続けたいと、こういうことでございます。
 そこで、先ほどもお話に出ていましたものづくりですが、6月1日に2004年版「ものづくり白書」が閣議決定されました。今回の白書は、「攻めに転ずる我が国製造業の新たな挑戦と製造基盤の強化」が副題、サブタイトルとして掲げられております。これはまあ、私どもにとっても大変頼もしいレポートを出していただいたと、このように考えております。
  そこで、白書に関して指摘したい点は、ものづくり基盤技術の振興施策といいながら、その内実は、高度で付加価値の高い製品開発への支援から例えば旋盤とか溶接とか生産現場の基本的な技能の継承にかかわる施策に至るまで非常に多岐にわたり幅広く、それゆえ行政対応も縦割り的なものを感じる、こういう点でございます。例えば、子供の体験学習や高等教育機関における技術、技能教育は文部科学省、再就職のための職業訓練、技能訓練は厚生労働省、研究開発の支援や中小企業への支援は経済産業省という形で、言わばそれぞれが日常的に推進されている政策がものづくりというキーワードで、わっーと寄せ木のように寄せ集められたという感じがします。
  私は、各省庁が推進されている個々の施策は重要であるし意義があると、このように思っていますし、また関係省庁の連携の下にこういった白書が作成されていると思います。しかし、基本的には、国の戦略的なグランドデザインが柱にあって、それを年次的に各省庁別、各局別にブレークダウンをしていくことによって、このものづくり戦略というのが本当に機能するのではないかと思っておるわけであります。「ものづくり白書」を10年、20年積み重ねても、それはもうスタックした、積み上げたということだけであって、やはり戦略にするためには、やっぱり演繹的に国の目的、目標を定めて、そこから何をしていくのかという、こういうふうな発想も必要ではないかと思います。そして、それは各省庁の縦割りから統合された機能をやはり内閣が組織をしていくという、こういう本来の国の行政のシステムになっていくのではないかと、このように思います。
  重点施策の実行と関連予算の確保に向け、これから関係省庁がどのようにこの「ものづくり白書」の実現に向けて連携し努力されるのか、御見解をお伺いしたいと思います。

○石毛博行・製造産業局長 ただいまの御指摘、本当に私どもも全く同感といいますか、異存のないことでございます。
 御案内のとおり、「ものづくり白書」は平成13年6月に第1回を制定を、報告をさせていただきまして、今回5回目ということで、これも回を重ねてものづくりの重要性を訴えるということで、徐々に定着をしてきたのかなというふうに思っております。
  今年のものづくり白書でございますけれども、課題といたしましては、我が国製造業の特徴分析だとかグローバル展開の状況だとか、そういうものを私ども経済産業省が中心になって執筆をし、それからものづくり人材の育成というのを厚生労働省が、それから研究開発、学習の振興といったような点については文部科学省が中心に執筆するということで、執筆はもちろん分担をしてやっておりますけれども、委員御指摘のとおり、これらの課題については相互に連携のあるものでございますから、私ども、しょっちゅう担当課長のベースあるいは局長のベースで打合せをしながら、十分その課題についての取組、分析がもう意味のあるようにするということと併せまして、政策にどうつなげていくかというのを議論してきたところでございます。
  そういう観点から、こういった白書の分析も踏まえまして、先ほど来、ここで議論されていますように、新産業創造戦略ということで、私どもの省でこういうものづくり政策を推進するような政策の提示をしているわけであります。言わばこの政策こそが、ものづくり白書を各省が分析してそして提示をした、その内容を踏まえた結果になっているというふうに私ども考えております。
  もうここで何度も内容については触れられましたので省略をさせていただきますけれども、この戦略につきましては、今度の骨太の方針二〇〇五というものの中でも明確に盛り込まれておりまして、政府全体としてこういうものについて推進をしていくということでございます。そういうことによって、委員御指摘のとおり、産業が隆々とすることによって国民生活も大いに向上する、質の高い雇用も日本列島の中で供給できるということではないかというふうに思っております

6.「2007年問題」への対応と技術継承

○加藤敏幸 是非、そのものづくり戦略については内閣の重要戦略として是非ともよろしくお願いをしたいと、このように思います。そこで、この「ものづくり白書」においては、1940年代後半に生まれた団塊の世代の労働者が一斉に定年退職する「2007年問題」についてもかなり詳しく今回言及をしていただいております。私もその団塊の世代の一員として、この部屋にもたくさんおられますけれども、いろいろ感じておるわけでありますけれども、物づくりのための人的基盤の整備というふうなことで、これから5年、10年の間、非常に大切な政策であると思います。
  そこで、一つは、退職する技術者を再雇用したり、技術、技能指導者として積極的な起用を図ることでありますけれども、ただ、この人たちが後輩に上手に教えることができるのか、人を指導する技能はどうなっているんだと、こういう問題があります。私の同期は、仕事はよくできるんだけれども人付き合いが下手だとか、そういう人も結構いますが、そういう人にどううまく後輩指導ができるのか。こういう点について、東京大学は、大手メーカーのベテラン技術者を「教えるプロ」として再教育し、その企業の現役労働者や中小企業の若手指導に当たってもらう「ものづくり先生」の養成に乗り出すと、こういうニュースもありました。こういうことが日本国中いろんなところで是非起こってほしいな、とこういう気持ちでおります。
  もう一つは、子供たちへの物づくり教育ということです。私、先ほど言ったように、我が国は、「手仕事にっぽん」という番組がございます。こんな番組は、余り世界でも類を見ない。あの「手仕事にっぽん」を見ると心が洗われる、日本人として誇りに感じると。私は、それは非常に大切な文化であり、我が国の背骨であると、こういうふうに考えるわけでありますけれども、そういう意味で、先ほど大臣も言われた、子供たちにこの物づくりの喜びと、そしてこれはすばらしいことなんだという価値形成をしっかり図る必要があると考えます。そういう意味で、教育の場における物づくり、これを扱っていくということが大切だというふうなことでございます。
  ただ、今の子供たちは、ディスプレー、テレビゲームとかそういうことには大変強い状況にあるけれども、自分の手を使って工作をするということについてはなじみが低いし、関心も低いという現状があります。それで物づくり教育といってもそんなに簡単な話ではないというふうなことではございますが、今後、本当に技術継承を行い、子供たちへの継承をやっていくという視点から、御見解があればお願いをしたいと思います。

○山本明彦・経済産業大臣政務官 今、加藤委員の方から団塊の世代の一員だというお話がございました。私もそうでありまして、私は22年生まれでありますから、私から始まりまして、団塊の世代は24年までだそうですから、加藤委員のところでおしまいと、こういったことだそうでありますけれども、一番その間に人が多いわけであります。おかげさまで私どもは、加藤先生もそうですけれども、国会議員になりましたので定年はないわけですが、残念なことは、加藤委員も技術屋であります、私も技術屋なんですけれども、その技術を後世代に伝承する、そういった機会がないという点はちょっと残念だなと思いながら質問に答えさせていただきたいというふうに思います。
  我が省としても、日本は、先ほども申し上げましたけれども、物づくりの日本でありますから、これを後世代に伝承していくということは大変大切であります。特に、今委員御指摘のように、子供にしっかりと教えていくということは大変大切なことでありまして、総理大臣賞を出しまして、「ものづくり大賞」というものを設営、今審査中でありますけれども、子供たちが先輩の我々の技術に対して尊敬を持ちながら、我々も、子供たちが我々も後を引き継いでいきたい、そんなことの一助になるように「ものづくり大賞」というものも築かせていただきました。
  そして、新しい事業でありますけれども、キャリア教育の推進事業、これ新規事業でありますが、これは地域の企業だとかNPO法人、いわゆる技術を持った、いろんな技術や知識を持った先輩たちが小中高校へ出向きまして子供たちにそうした技術を教えていく、こうしたことも新規事業として始めさせていただきましたし、製造現場の中核人材の育成事業というものも新規でありますし、人材投資減税、こういったものも新規で始めさせていただきまして、我が省といたしましては、技術の伝承についてしっかりとこれからも力を入れていきたいと、このように考えております。

7.製造業の日本回帰の促進策

○加藤敏幸 同じ団塊の世代として与野党を超えて努力をしていきたいと、このように思います。そこで、この「ものづくり白書」は、製造業の海外進出が進む一方で、この5年間の間に、国内に生産工場を設置、増設した企業が34%に上っていることも指摘されております。国内生産によって、消費者のニーズを反映した製品づくりがしやすくなるなどの利点を挙げて、国内製造業の空洞化は起こっていないと力強く結論を付けていただいておりますけれども、この国内回帰の流れを更に確かなものにし、拡大するためには、先ほどの一連の国際競争力に関するいわゆる強化、各部門の努力が必要であると、このように感じておるわけでございます。昨年秋の臨時国会でも、中国と日本の生産コスト、この要因比較を少し議論させていただきましたけれども、半年たって日本回帰の流れがより強くなりつつあるということにつきましては、私としても大変うれしく思いますし、私の支持者の皆さん方も非常に喜んでおると、このように思っております。
  政府としての、この流れを止めないあるいは更にその流れを大きくするという視点から、今後様々な施策を講じてほしいと、このように考えますけれども、今日時点での見解並びに決意等、お願いをしたいと思います。

○山本明彦・経済産業大臣政務官 今、国内回帰のお話がございました。製造業におきまして、御指摘いただきましたように、店頭公開・上場企業のうちの34%は国内に設備投資をしておるというデータがあるわけであります。ただし、今でもやはり海外生産比率というのはまだ少し伸びておるということでありますから、これはやはり役割分担かなと、そんな感じもいたします。正に高度な技術、材料、そして人的技術、こうしたものについては、高度なものについてはやはり国内回帰して集積を図る、単純な組立て等については国外へ行く、こういった意味で二極化しておるのではないかと、こんなふうに考えております。そして、我々としては、こうした国内回帰もこれからの国内産業の発展について大変大事であると、このように考えておるところであります。
  そして、今、経済産業省といたしましては、産業クラスターに力を入れておりまして、先ほど委員も御指摘ございましたけれども、私も経験がありますが、地元の、新しい技術を開発した中小企業があります。これがやはりどこへ行っていいか分からないというときにこの産業クラスターを紹介いたしまして、そしてそこへ行きまして見合いをした結果、大変いいところを紹介していただいて、自分の技術が発揮する場所が見付かったという話があります。そういった意味で、我が省が産業クラスターに大分力を入れさせていただきまして、全国どんなところでも中小企業でも技術が生かす場所が提供できる、こういったことに私どもとしてはしっかり力を入れさせていただきたいというふうに、そのように考えております。

○加藤敏幸 私は何も、中国に出ていった、あるいはベトナムに出ていった工場を全部日本に取り返すことが一番正しいとは申していないわけでございます。これは加納議員の方も御指摘があったと思いますけれども、中国における中間製品のプロセスが伸びているという、やっぱりそこは日中間の最も合理的な役割分担という非常に冷静な合理的な判断の下で、日本列島自身のあり様を十分考えていくという、ある意味で複合的な政策判断というふうなことが必要であると考えます。やや何でもかんでも海外に行くことがいいんだというよく分からない風潮の中で、中小企業の経営者が、「じゃー、うちも行こうか」ということで失敗をしているというようなことは、政府の正しい情報提供によって、各経営者に冷静な合理的な判断を求めていく、そういうふうなステージに入ってきたのではないかと思います。またこの問題については引き続き、私としてはライフワークですから、続けさせていただきます。

8.中小信用補完制度の改革

○加藤敏幸 最後に、中小企業信用保証制度の見直し問題を質問します。これは本年4月18日の決算委員会でも質問させていただきましたけれども、中小企業庁は、先日、信用保証制度の見直しの方針を固められました。特に、代位弁済が増え、政府からの補助金で制度を何とか運用していますけれども、一方で過大な国民負担が生じていることも事実であります。審査の体制を強化するために、特に民間金融機関にも責任の一端を担ってもらうのは当然の対策だと考え、私もその趣旨の御指摘、お願いをいたしました。
  そこで、この問題を検討している中小企業政策審議会の部会では、民間金融機関については、損失の一割から二割の負担をしてもらうというような議論がされているようでございますけれども、これが妥当な水準であるかどうか、なかなか分かりづらいということもございます。民間金融機関の負担を増やせば貸し渋りが広がるという側面が出てくる可能性もあり、一方、民間の負担が小さい、少ないままだと現状のように貸倒れリスクが大きくなり、代位弁済が増えていくということになる。この辺のバランスが難しいと思いますけれども、審議会での論議経過を併せまして、この民間負担の水準の在り方についての御見解をお願いしたいと思います。

○望月晴文・中小企業庁長官 お答えいたします。先生御指摘のように、保証協会を利用している中小企業者に対する制度につきましては、原則100%保証の現行制度下では金融機関がリスクを負っていないため、通常の融資の際に行われるような経営支援などが十分に行われないというような点を私どもはむしろ大きく懸念をしているところでございます。
  こういった懸念につきましては、今月20日に実は取りまとめが行われております中小企業政策審議会の基本政策部会の提言においても取り上げられておりまして、金融機関と保証協会とが適切な責任共有を図る制度を広く導入すべきだと。そういうことによりまして、両者が連携をして中小企業者に対するきめ細かい支援を行うことができるようになるんだというような指摘がなされております。
  私どもといたしましては、この提言を踏まえまして、金融機関と保証協会が適切な責任共有を図る制度について、金融機関の負担割合を含む詳細な設計についてこれから早急に検討をいたしまして実現をしていく必要があるというふうに考えております。
  おっしゃいますように、一方で、金融機関に負担を負わせるということになりますと、貸し渋りを懸念する声もこの審議会の議論の過程ではございました。しかしながら、今、金融機関はある意味では、中小企業向け貸出しを積極的にすべしという金融庁の指導もございますし、リレバン(注:リレーションシップ・バンキング=地域密着型金融機能)の精神もございますので、その過程において、八割あるいは九割の保証をしていけるこの制度、つまり、一割とか二割とかいうことを議論されておりますけれども、そういう小さな負担で相対的にリスクの高い中小企業金融ができるということは金融機関にとっても大変大きなメリットでございますので、私は金融機関がこれによっていたずらな貸し渋りが起こるというようなことは余り想定はいたしておりません。しかしながら、この制度の導入に当たりましてはそういった懸念も存在することから、この部会の答申におかれましても、詳細制度設計においては、制度の詳細の部分において円滑な中小企業金融が阻害されることのないように柔軟かつ弾力的な導入を行うべきという注文も付いておりますので、この辺を併せまして、私どもよくにらみながら具体的な検討を省全体として行っていくように考えております。

○加藤敏幸 中小企業への効果的な支援がこれはもうメインであるということを大切にしていただきたいと思います。以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

 


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民主党参議院比例区第3総支部