○加藤敏幸 民主党・新緑風会、加藤が大臣所信に関しまして質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
1.小泉改革と国土交通政策
○加藤敏幸 まず最初に、北側大臣は平成16年9月に国土交通大臣に就任されて、一年半にわたり小泉内閣の中で要職を務められておりました。そこで、その小泉内閣の旗印である改革が国土交通省の行政の中でどのように実現されてきたのか、お伺いしたいと思います。
大臣所信では、社会資本整備の効率化、公団の民営化や独立行政法人の推進などを改革として並べておられますけれども、小さな政府あるいは聖域なき構造改革、こういった視点から国土交通省としての改革の実績あるいは目標、目的とは一体何なのか、まずここを大臣よりお話をいただきたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 まず、改革が国土交通行政の中でどのように進められているのかというご質問でございます。
幾つか申し上げますと、公共事業の改革を進めさせていただいているところでございます。今、公共企業が全体として抑制をせざるを得ない、そういう中でやはり一つはコスト縮減をしっかりやっていこう、また事業評価、終わってからの事業評価を厳格に実施をしよう、さらには既存ストックを有効活用するなりソフト施策との連携を進めるなど、財政資金が限られる中でより社会資本整備を効果的、重点的に推進していこうということで取組みをさせていただいているところでございます。
また、公共投資の水準につきましても、これは景気対策のために大幅な追加が行われておりました平成の初めのころの水準を目標に抑制をしていくという目標があったわけですが、これもほぼ達成できたと考えているところでございます。
次に、官から民への改革ですが、これにつきましては道路関係四公団の民営化の問題、民営化を昨年10月1日に実現をいたしました。また、住宅金融公庫につきましても直接融資からは撤退する、原則撤退する、また都市再生機構についてもニュータウン事業からの原則撤退等、民間の活動領域というものを拡大を実施いたしました。
さらに、国から地方への改革という点では、まちづくり交付金だとか地域住宅交付金、さらには地域再生基盤強化交付金という形で制度の創設、拡充を行いまして、地方の自主性、自立性を高める補助金改革というのも行わしていただいたと考えているところでございます。
今、やはり財政を健全化していくというのは、これは容易な問題、簡単な問題ではないと思いますが、これはやはり至上命題だと思います。そういう意味で、財政の健全化を着実に進めていくためには、一方で予算規模自体は抑制せざるを得ない、しかし社会資本整備についてやらないけないところはたくさんある、そういう中でやはり事業を効率化し重点化し進めていくということが大切である、その中で、民間でできることは民間に、地方にできることは地方にというふうな改革も進めてきたと考えているところでございます。
○加藤敏幸 そこで、少し視点を変えさせていただきまして、私は、国土交通省における改革、こう言った場合に、今いろいろ申し述べられました、確かに多くのテーマに取り組まれたと思いますが、基本的には既得権益をどうなくしていくのか、既得権益との戦いが国土交通省における改革の私は本丸ではないかと思うわけであります。
確かに、一般会計の公共事業費は大幅に減ってきております。しかし、膨大な特別会計の問題ということは残されておりますし、あるいは分権化が進んでいない、あるいは事業別配分の硬直化といった問題についても余り解決されていない。まあ、改革を良しとせず既得権益を守るという力もなお働いているのではないかと思うわけであります。また、国全体としての政策の優先度や効率化といった視点が働いているのかと、こういう課題もある。
私は、大臣に内閣の旗印であるこの改革と、そして今申し述べました既得権益の関係についてどのように考えておられるのか、ここをお伺いしたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 先ほど申し上げましたように、我が国財政はもう余裕がない状況にあるわけです。やはり、優先順位を明確にして、また重点化をしっかり進めていかないといけない。一方で、必要性、社会資本整備の必要性というのは、よく無駄な事業、公共事業と言われますが、私はそうじゃないと思っているんです。必要性は、もうどの事業だって必要性はあるわけですね。むしろそういう必要性があるものの中で優先順位というものをやはり明確にしていくということが、もう限られた予算しかないわけでございますので、そこの優先順位、プライオリティーというのを明確にしていくということは非常に大事だというふうに思っております。
そのためには従来国でやっていたものをむしろ地方でやっていただいた方がより効率的に実施できるじゃないか、また民間でやってもらうものはどんどん民間にやってもらって、民間で公益的なサービスや事業をやってもらおうじゃないかと、こういう流れ自体は正しい方向で、やっぱりその道しかないというふうに私も思っているんです。
今、公共事業については、今、委員もおっしゃっていただいたように、平成10年度に比べましても、これ補正後の金額と比較しますと、もう5割以上削減をいたしました。また、特別会計につきましても、道路整備特別会計につきましても、これは平成13年度予算と比べましても28%縮減をしておりますし、治水特別会計に至っては40%の縮減、港湾特会についても37%の縮減ということで、特別会計についても大幅な縮減を一般会計同様進めさしていただいて、重点的、効率的な執行というものに努めているところでございます。
道路関係の四公団につきましては、これは当たり前の話といえば当たり前の話なんですが、道路特会からの出資につきましては、平成13年度には約5000億円の出資しておったんですが、今年の予算ではもう979億円と81%減ということでございますし、空港特会についても、成田会社も民営化されました。平成13年度は106億の出資があったわけでございますけども、平成15年度以降はもう出資を取り止めていると、こうした改革に取り組んでいるところでございます。
○加藤敏幸 私は大臣の考え方あるいは実績について異をはさむということではないんです。ただ、今やっぱり優先度をどう考えるかというのが政治そのものだとこう言われたわけで、その優先度を考える中に、今国会では国民の安全、安心と、これがやっぱり優先度の中で基軸としてしっかり確立されるべきだ、これが私どもの主張であり、やっぱりポイントです。このことは私はそんなに差はないのではないかということを思いつつ、次の質問に入っていきます。
2.自賠責保険・任意保険のあり方-被害者の救済
○加藤敏幸 改革、改革と大上段に私どももそういう言葉は使っております。しかし、大きな改革だけが改革ではないのではないか。つまり、国民の安全だとか安心だとかという視点に立ったときに、小さな改革も私は大切な改革ではないかと、こういう視点が今残されておるんじゃないかということで、自賠責保険、被害者の救済という点で質問をしていきたいと思います。
まず、交通事故被害者という言わば被害者の弱者救済という立場に立って質問するわけですけれども、交通事故は平成16年度で死者数は7,358人、これは傾向としては減少傾向にある、これは良いことです。ただ、負傷者の方は118万人台で、これはだいたい大台が続いている。つまり、日本人の百人に一人は交通事故に遭遇し負傷しているという、こういうことであります。
当然ここには自分の責任ではなく被害を受けて苦しんでおられる方々、家族も含めて自ら体の傷、心の傷か、そういうようなものを受けておるわけでありますけれども、ここから立ち直るためにも最低限被害者への適正な補償がなされる必要がある。しかし、現実は、すべてのケースではありませんけれども、幾つかの割合で最低限の適正な補償が行われていないために更に心の傷を負っている、つまり被害者というのは場合によっては二回事故に遭って苦しまなければならない、こういう状況がやっぱりあるわけです。
今日、公的な補償制度の枠組みがあったとしましても、このことの制度に血の通った改善、改革をやっぱりやっていくことが大切ではないのか。そのために制度整備、これは行政レベルでいっても政治にとっても重大な私は政策課題だと考えているわけであります。
まず、公的な補償制度である自動車賠償責任保険の制度的な目的、理念についてのご説明をお願いしたいと思います。
○宿利正史・自動車交通局長 いわゆる自賠責保険についてのお尋ねでございますが、自賠責保険は、自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合において、その損害賠償を保障する制度を確立をして被害者の保護を図る、こういう目的でございます。この被害者保護の実効性を担保するために、この法律の中で、自動車は自賠責保険の契約が締結されているものでなければ運行の用に供してはならないということで、保険の契約を強制をしております。
あわせまして、車検の折に自賠責保険が締結されているかどうかを確認することによりまして、無保険者をまず排除するということ。それから二つ目は、加害者側に免責立証責任を課すことによりまして事実上の無過失責任主義が明確化されているということ。それから三点目は、被害者が保険会社に直接保険金の支払を請求できるということにしておりまして、これらもろもろの被害者保護の実効性を担保するための制度が設けられているということでございます。
○加藤敏幸 つまり、被害者保護がこの制度の最大唯一、目的であると、こういうことです。そこで私は、この自賠責責任において、問題は任意保険に入っていない、自賠責保険だけに入っているケースということで少し考えていただきたいのですが、被害者が悲惨な状況に追い込まれる制度的な問題の一つが、傷害の場合の給付金において後遺症のない場合の限度額が120万円になっている点だと考えておりますし、私の支援者からもそういう声を現実の問題として受けております。
この傷害給付金は、治療費に加え、休業補償、慰謝料も入っており、重傷の場合やむち打ち症など、長期の治療が必要な場合は治療費が足りなくなるという状況が発生するということであります。
そこで、まずデータとして、自賠責において支払われる傷害の給付金の平均的な金額、また限度額の120万円でカバーされている率がどのぐらいか、またこの限度額を超えるケースではどのような実態となっているのか、ご説明いただきたいと思います。
○宿利正史・自動車交通局長 お尋ねの点でございますが、傷害に対する自賠責保険の支払額を平成12年度以降の5年間について見てみますと、平均の支払額が403,000円となっております。このうち、損害額が限度額の120万円以下のケース、その件数は、支払件数全体に占める割合、いわゆるカバー率で見てみまして、同じく平成12年度以降の5年間で平均85%であります。逆に、損害額が限度額120万円を超えた事例、これは5年間の平均、約18万件、15%を占めているという実態になっております。
○加藤敏幸 つまり、15%ぐらいが120万円で収まっていないと、こういうことですね。収まっていない場合はどうなるか、被害者保護がそこの15%の人たちについてどういう形で貫徹されているのかということが本日の私のこの質問の趣旨でございまして、つまり、限度額が120万円ということで、やっぱり被害者が大変な目に遭っているという私は事態があるんだと。
そこで皆さん、現在、病院、病院というのはいろいろありますけれども、多くの場合、交通事故は自由診療対応としている。で、加害者が任意保険に加入していないことなどが途中で判明してくると、支払能力がないのではないかと、そういう予断に立って、病院側が長期療養や長期入院を拒否するというケースも見られているということであります。
また、厚生労働省の指導を無視して、交通事故の場合は社会保険が使えないと強弁して被害者が引き下がらざるを得ないケースもあったり、あるいは健康保険に切り替えても被害者側は自己負担分の3割を払わなければいけない、自分に責任がないのになぜ3割払わないけないのかということもあるわけで、そういうやりきれない立場に追いやられるケースもあります。
これらのトラブルは、自賠責におけるこの傷害に関する支払限度額を、やはり大幅に引き上げることによって幾つかのケースで救済される、解決できるのではないかと、このように私は考えるわけですが、国土交通省として、この限度額の引上げについてどのような、検討する意思があるのかないのかということも含めてお伺いしたいと思います。
○宿利正史・自動車交通局長 まず一般的に申し上げますけれども、自賠責保険の支払限度額につきましては、賃金、物価水準、あるいは社会保障制度における給付水準など、社会経済状況を総合的に勘案をして自賠責審議会において検討した上で政令で決まっております。
先生ご指摘のとおり、傷害につきましては現在120万円となっております。この120万円につきましては、昭和53年以降、支払額がおおむね現行の120万円の範囲内にあるということで引上げがされておりませんで、平成12年の6月にこの自賠責審議会の答申がなされました折にも、現行水準が適当であるという判断がされております。
先ほど申し上げましたように、傷害のカバー率は、平成12年度、今申し上げました答申が出されましたときに84.5%でございました。平成16年度の実績が85.2%ということで、基本的にこのカバー率に関しては大きな変化がないということでございますが、いずれにしましても、この限度額の引上げに関しましては、任意保険の普及状況や、あるいは加害者が任意保険未加入の場合でも、自賠責保険によって基本補償を確保するという観点を踏まえて判断していかなければならないと、このように考えております。
○加藤敏幸 その任意保険の普及率は71.1%、平成16年3月。これは自動車共済を含めて80%弱であるというふうに認識をしております。いろいろと制度の改正が行われて、ひき逃げ無保険者による事故の被害補償など、いろいろ充実されてきたことも事実でありますけれども。
しかし、今の答弁を聞く限り、カバー、保護されないケースがやっぱり発生しているということですし、そういうことを審議会でどういう審議をされているのか分かりませんけれども、やっぱりそれを残していくということじゃないんですか。私は、改革の中に血の通った、温かみのある、弱い立場の人を救っていくという、その小さな改革だって大事にしてくれなきゃ、大きな改革ばっかり言ったって、本当に国民の目から見て、生きているのかと、そういうふうな政治を求めておるんじゃないですかという視点からこの問題についてお伺いをしている。すべては審議会にゆだねるということだけでは私は駄目ではないかと思います。
同時に、やはりこの保険をめぐる制度の中で一番大きな問題は、ほとんどの自賠責も任意保険も、大手の保険会社がやっておるわけです、現実。この人たちは、優秀な弁護士を雇って、トータルとしての経営の、まあある種の目的を背負ってやってくるわけですけれども、被害者は個々に分断されておるわけですよ。被害者というのは自分で選んでやっておるわけじゃないということを含めて、この双方の力関係から見て、本当に被害者保護という観点に立ったこの保険制度の実態になっているのか。
なっているケースもあるでしょうけれども、なってない、残されたケースにやっぱり光を当てていくことを含めて、言わば最近は弁護士会や司法書士、行政書士の皆さん方の努力で補償交渉に関するルール化も進んでいるということは聞き及んでおるわけですけれども、こういうふうな被害者に対する支援施策も含めて、国土交通省のお考えをお聞きしたいと思います。
○宿利正史・自動車交通局長 加藤先生ご指摘のような適正な自賠責保険の支払ということは極めて重要なことだと思っておりまして、国土交通省の行政の中でも重要な部分だと思っております。
そのような適正な自賠責保険の支払を確保するという観点から、現在、日弁連の交通事故相談センターが無料の交通事故相談を行っておりますのに対しまして補助をやっておりますし、一方、政府としては、平成13年度までの政府再保険制度がありました折には、再保険金の支払審査の過程で、本当に適正な支払であるかどうかをチェックしておりました。
平成14年度からこの政府の再保険制度が廃止をされたわけでありますが、この際に、適正な保険の支払を確保するという観点で新しい仕組みが導入されております。一つは、支払について保険会社から被害者へきちっと情報を提供をするということ。それから二つ目は、死亡や重度後遺障害、あるいは支払をしない場合については保険会社から国にきちっと届出をしてもらうこと。それから、国は届出内容をチェックして、支払基準に該当しないような保険会社の支払については、必要な指示、公表、命令といった措置を講ずることによりまして保険金の支払の適正化を図っております。また、紛争処理機関といったものを設置して、事後チェック体制を現在整えております。
いずれにしましても、この被害者救済対策の充実、あるいは適正な運営につきましては不断に検討していく必要があるものと考えております。
○加藤敏幸 是非、苦しんでいる皆さん方に光を当てるような、こういう小さな改革も大臣には取り組んでいただきたいと申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
3.モーダルシフトの推進
○加藤敏幸 次は、モーダルシフトの推進ということでございます。
鉄道、海運のモーダルシフトの推進が言われて久しいということでございまして、大臣所信においても、道路交通の円滑化、海運、鉄道の活用や物流総合効率化法の活用等のグリーン物流の推進ということも述べられておられましたけれども、大体このモーダルシフトは何のために、どのような目的意識を持って推進されるべきなのか、北側大臣の所信を是非お伺いしたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 地球温暖化対策というのは、本当に急がれる大事な対策であると考えております。
運輸部門はCO2の排出は全体の約二割でございまして、その中でも自動車からのCO2の排出が多いわけでございますが、そういう意味で、この運輸部門におけるCO2の排出をいかに小さくしていくかということは、これは喫緊の課題だというふうに認識をしております。
それぞれのモードごとに、例えば自動車であれば低公害車を開発普及するだとか、鉄道、海運の利便性を向上するだとか、こうした対策を取ってきているわけでございますが、さらにモード横断的に、今おっしゃっているモーダルシフトだとか積載率を向上するだとか、物流全体の効率化を進めていくこともCO2の排出を抑制していく大きな手段だと考えているところでございます。
自動車と、まあトラックとですね、トラックと鉄道を比べてみますと、トンキロ当たりのCO2の排出量は鉄道はトラックの8分の1と。内航海運、船と比べてみますと、船とトラックでは船が四分の一でございまして、やはりこういう自動車交通のトラックから鉄道へ、できたら船へというふうにシフトをしていくというのは、環境対策、省エネ対策として極めて有効であるというふうに考えているところでございます。
モーダルシフト化率というのがございまして、確かに鉄道や海運も輸送量は増加してきているのですが、物流の量全体の伸びがもっと大きく、その中でトラックによる輸送量というのが飛躍的に伸びておりまして、全体としてのモーダルシフト化率というのはむしろ低下傾向にあるというのが今の現状でございます。
企業の方々に、荷主の方々に、また物流業者の方々に、トラックから鉄道へ、そして船へというふうにシフトをしていくためには、それだけのインセンティブといいますか、そういうものをしっかり持たせる必要があると思いますし、また業界の方々、荷主側の方々も含めてご理解、協力が不可欠だ思っているところでございます。
今、昨年の四月から経産省とも連携を取らしていただきまして、グリーン物流パートナーシップ会議というのを設置いたしまして、荷主企業と物流事業者の連携、様々な課題への対応を図らしていただいているところでございます。
いずれにしましても、荷主企業、物流事業者、そして私ども、しっかり環境負荷の小さい物流体系を構築していくべく積極的に推進をさしていただきたいと考えております。
○加藤敏幸 モーダルシフトの宣伝とは言いませんけれど、大臣に適切な発言をしていただいたと思います。私は、モーダルシフトというのは、環境の視点だけではなくて、国土交通体系を俯瞰(ふかん)したときのベストミックスという視点があると思いますが、この点はまた別の機会に時間を掛けてやっぱり議論すべきだと思います。
今日は、環境を前面に置いて議論を行います。今言われました、いわゆる鉄道モーダルシフトを推進していくということを考えていけば、何といっても私はJR貨物の経営を、健全化と言うと大変申し訳ないですけれども、経営をきちっとしていくための環境整備、ある意味で「てこ入れ」が不可欠であると考えています。
貨物車両の更新、貨物駅の整備、さらには幹線における貨物専用線の建設など、言ってみるとJR貨物に投資されたここ十何年間の私は更新投資とかいうのは余り十分ではなかったのではないかと、このことを踏まえまして、とにもかくにも鉄道モーダルシフトについては、コスト面、あるいは納期にかかわるスピード面、この両面において競争力を付ける必要がある、そうしなければ荷主の方々が顔を向けてくれない、単なるモーダルシフト、環境だけを言っても振り向いてくれないと思います。モーダルシフト推進の戦略的な政策の実行が必要であると思われるので、ここら辺についての答弁をいただきたいということと、大臣がグリーン物流パートナーシップ会議、またそのモデル事業ということに触れていただきましたので、あえて言えば、今、補助金等いろいろやってますけれども、更に強力にやっていかないと、荷主の方も商売でやっているということですので、強力にこのモーダルシフトの方に振り向かすためには、更なる国土交通省としての工夫が要るのではないかということを踏まえて、ご答弁をいただきたいと思います。
○梅田春実・鉄道局長 先生ご指摘のJR貨物でございますが、私どももその経営の基盤の強化は大変重要だと考えております。
最近のJR貨物の経営状況ですが、増収に向けました営業努力などによりまして、平成13年度以降は4期連続で経常黒字を達成しておりまして、ようやく黒字の基調が定着しつつあるという状況です。
しかし、物流市場におきましては、トラック等も含めまして非常に厳しい競争関係にございます。運賃が下落する傾向にもございますし、また近年の災害の続発によりましてネットワークの寸断が起こるというような不安定な要因もあります。そういう意味で、JR貨物の経営環境はなかなか厳しいと認識しているところです。ご指摘のように、モーダルシフトの担い手として重要な役割を果たすわけですが、この基盤強化に資するためには、インフラの整備や老朽化した機関車、貨車の更新などが大変重要でして、そういう観点から政策的な支援を行っているところでございます。具体的には、財政上の支援といたしまして、現在、山陽線の鉄道の貨物輸送力、これを増強する工事をやっております。これにつきまして、私どもも国庫の方から、10分の3ですが、補助をしておるところでございます。
また、税制上の支援措置といたしましては、高性能の機関車あるいは貨車に掛かります固定資産税の軽減、あるいは旧国鉄からの承継資産、たくさんありますけれども、こういうものについて特例の措置を講じているところです。
また、モーダルシフトの推進におきましては、消費者あるいは荷主などの意識の向上も重要な要素です。昨年度からですが、鉄道貨物輸送に積極的に取り組む商品や企業を認定するエコレールマーク制度というものを取り組みまして、今年度からこのマークの制度を発足させたところです。これまでに5商品、21企業に認定を行っております。これは、レールをたくさん使って運んでいただく企業とかあるいは商品につきましてマークを付けまして、できるだけ消費者にそういうマークの付いたものを買っていただきたいという制度でございます。
今後とも、こういうハード、ソフトの両面からの施策を展開しまして、経営基盤の強化を図ってまいりたいと思っております。鉄道貨物輸送としてのモーダルシフトの役割を十分に果たせるように取り組んでまいりたいと考えております。
○杉山篤史・政策統括官 グリーン物流パートナーシップ会議の補助事業の件でお答えをさせていただきます。
本年度はグリーン物流パートナーシップ会議におきまして、モデル事業といたしまして33件の推進決定をいたしました。このうち15件が鉄道、海運へのモーダルシフトに関するものでして、この33件のうち21件の事業につきまして国土交通省あるいは経済産業省から補助金の交付決定をしたうちの8件がモーダルシフトに関する事業でございました。
この補助事業につきましては、本年度8億円、平成18年度には40億円と、大幅に拡充をする予定です。この取組に当たりましては、今までモデル事業ということで、先進的な取組だけを対象にしていましたが、普及型の事業も補助対象にし、すそ野の拡大に努力をしていく考えです。
さらには、本省、中央だけではなく、地方版のグリーン物流パートナーシップ会議なども設置して、地方での事業の掘り起こしにも努めてまいりたいと思っている次第でございます。
○加藤敏幸 是非しっかりとした取組をお願いをしたいと思います。
4.特定建築物の耐震改修の促進
○加藤敏幸 次に、耐震構造計算偽造問題にも関連して、特定建築物の耐震改修の促進等について質問をしていきたいと思います。
まず第一に、こういう質問は余りないと思いますけれども、阪神・淡路大震災において倒壊したり、あるいは傾いたマンション等の、原因分析がきちんとされたのかどうかお伺いをしたいと思います。耐震構造に問題があったのか、あるいは手抜きがあったのか、施工不良があったのか、そういうことについて調査が行われているのかどうか。ここはどうでしょうか。
○山本繁太郎・住宅局長 阪神・淡路大震災の被害建築物の検査は行っております。建設省が委員会を設置しまして調査を行いました。その調査に取り組んだ一番の問題意識は、56年の耐震基準は妥当なのかと、これを見直す必要はないのかという問題意識で調査を行いました。
旧耐震で建築されました建築物と新耐震基準で建築された建築物の被害状況の比較を行っております。そのほかに、建築物の設計面での問題はなかったか、あるいは施工面での不良はなかったかということも併せて調査をしております。
その結果ですけれども、昭和56年以降の建築物につきましては大きな被害は少なかったわけですが、それでも例えば一部に、鉄筋コンクリート造の建築物における適切な耐震設計が行われなかったために生じたと考えられる被害、これはピロティーの被害でございます、広々一階を使うために壁を設けないというためにそこが破壊されたといったような被害ですとか、鉄骨造建築物の溶接不良、これは施工不良でございます。それから、木造の建築物における耐力壁が足りないといったような問題、あるいは接合部の施工不良といったような状態が見られたという報告を受けております。
なお、この調査の結果、56年基準は妥当であると、これを維持すべきであるという結論を得ているところでございます。
○加藤敏幸 その点は私としても評価しておるわけであります。
ただこれは、自分の経験の中で感じたことでありますけれども、結局、耐震偽造問題で、小嶋社長が発言をした中で私が一番引っ掛かったのは、「この偽装問題は今公表せずに、実際の地震が来たときに明らかにするということにしてほしい」と、これをばあっと報道されたわけですよ。そのとき私は感じたのは、ああそうなんだ、地震が来ない限り、強度不足であっても、発覚しない。そういう要素を持っているのが建築物の耐震性能の問題ではないかと。
ある意味で、阪神・淡路大震災のときは、個々の建物の責任追及ということも実は住民の間では随分声があったんです。私もその(被害住民の)一人としていろいろ言った。だけども、復旧優先、一年以内に取り壊さないと公的援助を受けられませんから、解体費用を含めて。そういう面で、やはり結局、多少手を抜いても分からなければいいのではないか、いや、分かったときは世の中大騒動なんだから、小さな手抜きだとか、責任なんか追及されることはなかったという、悪い意味での学習効果もあったのではないか。つまり、ある種のモラルハザード的な状況が起こっているのではないか。
だから、手抜きをしたとか強度不足の設計をしたとか、そういう問題状況についてはしっかりとした責任を追及する、そういう体制を組み込まなければ、「分からなければ逃げおおせるんだ」という状況をつくってはいかんなと。私も50を過ぎて借金をして再建した、だから今、耐震偽造でマンションで困っている人たちの苦衷は本当によく分かります。そういうことを含めて、どうお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 今回の耐震偽装事件で違法な偽装をした設計士、また違法な行為を行ったその他の人たちに対しても、厳正に厳しく行政処分をしていかねばならないと考えておりますし、今後とも、事実関係が解明され次第、しっかりと厳正な対応をと考えているところです。
今回のこの耐震偽装事件については、設計の段階で構造計算書が偽装をされたものです。先ほど来のご質問にもありましたとおり、姉歯元建築士のかかわったところだけではなくて、札幌や福岡でもそうした偽装の案件が出てきておるわけでございまして、国民の皆様の不安が高まっているのは、これは当然の話で、その不安を解消していくために全力で取組をさしていただきたい。
今、様々サンプル調査もしておりますが、元々、昨年の衆議院選挙終わりまして特別国会開かれたときにこれ全会一致で耐震改修促進法の改正をいただきました。その国の基本方針は1月に定め、各地方においても、地方団体においても年内に基本計画、耐震改修計画が策定をされます。そこで具体的に各地域ごとの目標とかその目標を達成するための計画について策定をしていくことになるわけですが。
住宅建築物の耐震改修事業、この補助事業につきましては補正予算でも30億円を付け、そして本予算でも大きく予算を拡充させていただきました。また、税制改正についても今ご議論をいただいているところですが、こうした様々な取組を総合的に活用してこの耐震化、住宅建築物の耐震化を強力に進めていきたいと考えているところでございます。
○加藤敏幸 ありがとうございます。
この偽装問題と、昨年の秋の国会で通した耐震改修促進法との関係でいくと、前門の虎ならぬ「前門の耐震偽装問題」、「後門の既存不適格」と挟み打ちに遭っているという気がするわけです。言ってみると、1981年の建築基準法改正前に建てられた多くのビルの倒壊の危険性が潜在的にはらんでいるということであります。先ほど局長の方から答弁がありました。
結局、この1981年の基準というのは、人命という視点からいって有効だということの確証を阪神・淡路大震災のときにはある程度持ったんだということになれば、逆に言えば、81年の基準に不適格なものについてのリスクは逆に確認されていると言えるわけであります。
実は、昨年、先ほどのでた耐震改修促進法の改正は、10月27日の参議院のこの委員会で審議が行われて、私、質問しておったんですよね、その前日とその日にイーホームズの藤田社長が国土交通省の担当係長に偽装の発覚のメールを送って、翌日、28日は藤田社長と担当係長が面談をしている。そういう情勢の中で、私どもは耐震改修促進法の改正の審議をこれ真剣にやっておったということでございます。
そこで、まあ「前門の耐震偽装、後門の既存不適格」と、こういう二つの問題を抱えておるわけですけれど、このいわゆる「既存不適格」という表現がいいのかどうか、81年の基準に達していない建物が現実今どのぐらいデータとしてあるのか、お話をいただきたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 「前門の耐震偽装、後門の既存不適格」というご指摘でございました。胸にぐさりと来たところでございます。きわまっているわけでございますけれども。
今の実態、ご説明する前に、一言だけご説明さでていただきたいと思うんですけれども、昭和56年に導入しました新耐震基準は、実は二階建ての構造になっております。一階、第一次の基準は、中規模程度の地震、震度五強程度ですが、に対してほとんど損傷しないと、経済的価値が損なわれない。私たちの普通の言葉で言えばびくともしないと。中規模程度の地震が来てもびくともしないという基準でございます。
それに対して、二階、第二次の基準は、ほとんどまれにしか発生しないと、大概発生しないと、だけど、いざ来たときに命に危害を及ぼしてはいかぬと、これは震度6強とか7程度の地震が来たときにばたんと倒れたりぺしゃんと崩壊したりして人命に危害を及ぼすことがないようにするという基準がありまして、それぞれ力を前提に、この建築物はそういう力を持っているということを確認して進んでいくという基準です。
既存不適格はこの二つの基準を満たしているかどうかを、主として56年より前の建築物について検証するわけでございますが、実は56年以前に持っておりました旧耐震基準は、ほぼ、今、二階建て構造の一階部分の基準とほぼ考え方は同じです。昔の人たちは、鉄筋コンクリートで建物を造って、中規模の地震が来てもびくともしないというものを造っていたわけでございます。それじゃ、でっかい、著しい地震が来たときは平気だったかといいますとそうじゃなくて、中規模程度でびくともしない建物を建てておけば、著しいものが来て人の命にかかわるようなことはないだろうと推定していたわけです。しかし、実際には宮城県の地震で崩壊して人の命が失われたケースがあったということで第二の、二階の基準を設けたわけです。
したがいまして、耐震診断では、56年より前に建てられたもののうち、新耐震の基準、特に二階部分の基準をクリアしているかどうかということが主眼ですけれども、調査してまして、各県が耐震診断やっているアンケート調査を二年前に私ども整理したものがあるんですが、用途によって古い建物で新耐震をクリアしていない率が違うんですが、全体込み込みでやりますと、総数ベースで44%ぐらいが古い建物であっても新耐震基準をクリアしているという結果が出ています。
そういったようなことを整理しますと、私たち今一番関心があるのは、大勢の方がご利用になる建築物、特定建築物の場合、今ストックが36万棟あると推計しておりますけれども、このうちの、今の用途別とか全部推計してやっているんですが、おおよそ25%の9万棟は新耐震基準を満たしてないと推計しております。それが事実でございます。
○加藤敏幸 という状況にある中で、私どもの方は建物の安全と国民生活の安全をどうするかということで、建物の安全という視点に立って今国会もいろいろ議論をしておるわけですけれども、是非ともここのところはしっかりとした対策をとることが重要であると思いますので、再度、大臣の決意表明といいますか、しっかり国民に安心感を与えていただきたいと、思います。
○北側一雄・国土交通大臣 私、一年半前に大臣に就任して直後に中越地震があったわけでございます。その後も福岡県の西方沖地震等もございました。
我が国は地震多発国、世界じゅうで起こっているマグニチュード6.0以上の地震のうち2割は日本で起こっている。この地震に対する備えというものをしっかりしていかないといけない。建物、住宅の耐震化をしっかり進めること、これが減災対策のかなめであるというふうな観点から、昨年、耐震改修促進法について大きく改正を全会一致でお認めをいただいたわけです。
そして、先ほど申し上げましたように、これから、今75%の耐震化率でございますけれども、目標もきっちり決め、この10年のうちにこれを少なくとも90%以上に持っていくということを目標に、国の基本方針も定めました。そして、地方において、それぞれその地域の特性に応じて計画をこれから作っていただきます。また予算についても、耐震診断、耐震改修についての予算も大幅に拡充をし、今、予算案についてご審議もいただいているところでございますし、税制についても、これは本当に一昨年からまとめていたんですけれども、当然耐震改修すれば費用が掛かります。その費用について所得税から控除ができる、さらには、地方税においては固定資産税も軽減できるというふうな仕組みも取り入れていただきました。
そういう意味では、私は、制度としては、相当この耐震化に向けての制度はメニューとしてそろってきたと思っていたやさきに、今回のこの耐震偽装の事件があったわけなんですが、そういう意味じゃ、制度のこうした耐震化を進めていくための見直しだけではやっぱり不十分だということが今回よく分かった。
もう一つはプレーヤーの問題です。建築に携わるプレーヤーがやっぱりしっかりしないといけないわけですね。いくら制度を立派にしても、その設計士であれ施工者であれ、この建築に携わる方々、また建築確認をする行政の側、ここのプレーヤーがしっかりと機能をしないと、それはもう耐震化なんて本当に進めるかどうかこれは分からない、このことを痛感しておりまして、しっかり建築基準法や建築士法も含めまして今回見直しを考えているところでございます。
もう一点、私は、この制度と、プレーヤーの問題と、もう一つ国民の皆様の意識ということがやはり耐震化を進めていくためには非常に大事だと思っておりまして、私は今回の耐震偽装事件を受けまして、これは本当に被害者の方々には大変なご苦労、心労を掛けているわけでございますが、国民の皆様の建物に対する、安全性に対する意識というのは物すごく今高まっておると思います。非常に逆説的な言い方ですが、この建物や住宅の建築物の安全性を増していくために耐震性を強化していく、それを進めていくための国民の皆様の意識も非常に強くなってきているのではないかと思っておりまして、是非私は今年は、しっかりと日本の建築物の安全性を増していく、また耐震性を増していく、そういう大きな転換点になる年にしていきたいという思いで一杯でございます。
○加藤敏幸 命と生活を守る重要政策として、緊急事態、こういう思いで取り組んでいただきたい、ここは我が党も更に加速した対策を取るべきだと、このように思っています。
5.港湾問題 スーパー中枢港湾の推進
○加藤敏幸 次にスーパー中枢港湾についてお伺いをいたします。
なかなか港湾について国会で議論されることはないわけですけれども、我が国の港湾の競争力が著しく低下をしておる、シンガポールだとか上海とかには負けていると。そういうふうな港個々の競争力の視点がひとつ。
もう一つは「ものづくり日本」という、製造業が日本の外貨の90何%を稼いでこの国のなりわい、基礎をつくっている状況の中で、国際競争力を支える、「ものづくり日本」を支える競争力のある港湾、効率的な港湾、これをどうするか、こういう視点で私は大きな議論が残っているし、そういうところでスーパー中枢港湾がどう機能していくのかという点。
そして3つ目は、コストについては3割ダウン、今3日掛かっている荷揚げの日数については1日に短縮したいということを具体的に目標にされていますけれども、それは一体いつまでにやるのか、そして今スーパー中枢港湾というのは広域の港になっていますから、それぞれ埠頭会社あるいは港湾管理者間の有効な連携をどうしていくのか。そういった点で大きな課題が一杯ございます。
この3つを一括して一度に質問をいたしましたので、適切に順次お答えをいただきたいとお願いします。
○鬼頭平三・港湾局長 お尋ねのありましたスーパー中枢港湾プロジェクトについてですが、このプロジェクトについては今年度より取組を本格化をさせていただいております。
進捗状況について申し上げますと、昨年の五月に改正をいたしました港湾法の施行を受けまして、昨年の7月4日に、京浜港、これは東京と横浜を合わせた港ですが、名古屋港、四日市港、大阪港、神戸港の五港を「スーパー中枢港湾」と言いますか、法律上は「指定特定重要港湾」と言っておりますが、それに指定をしまして、それ以降順次各港において特定国際コンテナ埠頭、これも法律名、法律の用語ですが、いわゆる次世代の高規格コンテナターミナル、これを運営する事業者の認定を行い、それぞれ事業が開始をされております。
これに関連しまして、ハードの施設整備を含めて私ども最大限の今支援を行ってございますし、さらに、こういったそれぞれの港の取組に加えまして、内航船によるフィーダー輸送に関する社会実験によって、スーパー中枢港湾とそのほかの地方の港との連携による効率性の向上にも努めております。
さらに、1つの湾に2つの港がございます。そういった港が連携して機能をしっかり果たしてもらうために、経済界が中心になった例えば国際物流戦略チームなどによりまして、官民併せて取組を一生懸命しておるということでございます。
今お尋ねのありました具体的な目標達成年度ということですが、これは各港の事情や荷主あるいは船社の考え方等によって港ごとに異なってきますが、私どもの腹づもりとしましては、取りあえず現時点におきましては最も早い港で早ければ19年度に、遅い港も含めて全体で22年度ごろにはこの目標が達成できるように関係者共々精一杯頑張っていきたいと考えてございます。
○加藤敏幸 これもまた大事な日本の拠点で、私やっぱり物流というのは、特に製造業、物づくり日本にとってやっぱり大切なことでありますので、これは前、決算委員会で大臣とも大分やり取りしましたけれども、民間の製造業は皆会社の中で必死になってコスト削減やっておる、これで日本を支えているんだと。外の周り、工場の塀の外のコスト削減、物流から始まりまして行政コストも含めて、それは周りの私たちが頑張らなきゃいかぬのではないかという視点で更にご努力をいただきたいというふうに思います。
そしてまた、スーパー中枢港湾というのは全部太平洋に向かっているんですよね。やっぱりアジアの、日本海側、対ロシア・対中国貿易を含めたところも是非視野に置いて、大きな港でなくても、効率的な港をきっちり整備するということもお忘れないようにということを少し申し上げておきたいと思います。
6.空港の整備と航空行政のあり方
○加藤敏幸 次に、空港整備の問題でございますけれども、今日は北九州空港が開港で、2月16日、私の誕生日には神戸空港が開港したということでございました。ただ、これはテレビ含めていろいろ議論があります。97も要るのか要らないのかとか、せっかく造ったけれどもあんまり飛んでないとか、地元に赤字ばっかりばらまいておるんではないかとか、何か中央では特別会計に赤字がたまって、いろいろある中でこういうふうに地方空港が開港されたということを国土交通大臣としてどう評価され、あるいはどう感想を持っておられるのか。これは松村大臣の方で少しいただきたいと思います。
○松村龍二・国土交通副大臣 神戸空港につきましては、先ほど先生の誕生日、2月16日に開港したわけですが、幸い1日当たり7路線27往復の国内線が就航しておりまして、開港からほぼ1か月が経過しましたが、設置管理者である神戸市が取りまとめた利用状況の速報値によれば、開港から3月12日までの間の1日当たりの平均利用者数は8,196人、平均搭乗率、これはロードファクターと言いますが、これは73.7%、特に羽田路線の平均搭乗率は84.3%と高い水準を示しております。ご参考までに申し上げますと、平均搭乗率の全国平均は62.96%でございます。現時点においては神戸空港は順調に利用されているものと評価しております。
地方空港の問題につきましては様々な議論がございますが、空港の配置的側面からの整備は全国的におおよそ概成したということから、我が国の空港整備は現在旺盛な航空需要に対して空港容量が不足している大都市圏拠点空港の整備に投資を重点化しておりまして、一般空港については離島を除き新設を抑制するとともに、従来の量的拡大からハード・ソフトの組み合わせや、既存空港の十分な活用を中心とする質的充実に重点を移しているところでございます。
○加藤敏幸 言ってみると、もうそろそろサチュレートというんですか、飽和状態になり、ただそれらの空港の効率化を図り、目的とした地域振興であるとか交通の効率化だとかそういうことを考えていくと、やっぱり首都圏空港の整備というのはいつまでたっても残っておりますなと。ここをしっかりやらなきゃせっかくたくさん造った地方空港の値打ちも上がらないということははっきりしておるわけですので、この辺り首都圏空港の整備についてお話をいただきたいと思います。
○岩崎貞二・航空局長 先生ご指摘のとおり、国際競争力を強化する、あるいは物流面についても頑張っていく、国際交流を促進していく、こうしたことで大都市圏拠点空港の整備は非常に重要だと思っております。特に首都圏につきましてもその課題は大きいものと思っております。
現在、一つは羽田空港ですけれども、今3本の滑走路で運用しておりますけれども、もう1本の滑走路を造って空港の容量を、年間今大体30万回ぐらいを40万回強に増やしていきたいと思っているところです。今、漁業補償等の手続をやっておりますけれども、速やかに終えまして、2009年までには何とか完成したいと努力をしておるところでございます。
この羽田空港ですけれども、現在は国内の旅客線だけに使っておりますが、この4本目の滑走路ができましたら、近距離の国際線でありますとか、深夜、国際の貨物便、こんなものも飛ばしていきたいと思っております。
成田空港ですけれども、これも2本滑走路ございますが、1本は2,180メートルと少し中途半端な形になっておりますので、是非このもう1本の滑走路を2,500メートルに延ばしたいということでございます。2009年度には何とかこれもやっていきたいと思っておりまして、今努力をしている状況でございます。
○加藤敏幸 膨大なお金を投下しているという状況にある、関空の二期工事を含めて、さてどう算段をするのか、という大きな課題があるわけですけれども、私、決算委員でもございますので、これはまた決算委員会でしっかりと、参議院は決算をしっかりやるということですので、どうぞ準備の方もしておいていただきたいということで、割愛をしたいと思います。
7.公共事業のあり方
○加藤敏幸 最後に、公共事業の問題ですけれども、国土交通省、治水治山、日本列島は歴史的に祖先がすばらしい治水治山をやってきた。国民の命と財産を守るためにいろいろやってこられたわけですけれど、私は公共事業をどういう視点でやるのか、最初も少し議論がありましたけれども、やっぱり安全、人の命、生活、これを守るのが国土交通省の職分であって、単に改革をして銭を減らしていったら点数が上がるんだと、私はそんなことで国土交通省が国民から期待されているその任務を果たし得るのか。
建物の耐震の問題、それから子供の通学路、歩道のないところを子供が列を作って歩いていていつ車にはねられるか分からない。バイクだって危ない。環境のそういうことを一つずつ、小さなことでもしっかり大臣がすくい上げて、そこに命を吹き込んでいく、そういう行政でなければなりませんよ。大きな掛け声で格好いいこと言ったって国民生活のニーズに間に合わないんだと。
そういう意味で、いろいろ過去問題も指摘されて、やや萎縮された部分もあるけれども、私はしっかり命と安全、子供、それを守っていく国土交通行政、国土交通省の公共事業なんだと、そういう決意と哲学と理念を、一杯言いましたけれども、持っていただくことを最後大臣、やっぱり言ってほしい。改革だらけで国民生活が幸せになれるわけじゃないんだと、これ、別に反小泉を言えとかそういうことじゃないんですけれども、是非ともよろしくお願いいたします。
○北側一雄・国土交通大臣 激励ありがとうございます。国土交通省はもう今委員のおっしゃっていただいたとおり、一番大きな役割は国土の、社会の安全と安心を確保する、これが国土交通省の最大の使命であり役割だと思います。大きな話だけではなくて、国土の様々な分野におけるそうした安全、安心確保のために全力を挙げて取組をさせていただきたいと考えております。
○加藤敏幸 以上で質問を終わります。
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