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report──国会質問 会議録

野党修正案を提案する
民主党 山下八洲夫参議院議員

 
バリアフリー化を推進する法案について引き続き議論
  法案をより良きものに!大臣に民主党修正案への理解を迫る(国土交通委員会)

2006年4月27

 バリアフリー推進法案について、国土交通委員会で3日目の審議が行われ、質問を担当しました。今回の政府案には不十分な点もあり、民主党として最後まで法案の修正に努力してきました。
  今日の委員会では、法の目的に「移動の権利、社会参加の機会」を保障するという理念を加えることや、高齢者や障がい者の意見反映を行う仕組みづくりなどを盛り込んだ修正案を提出しました。修正案は与党の反対で否決されましたが、質疑の中で修正案の内容には大臣も理解を示した事柄も多く、有意義な論議になったと思います。

 

[質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)

1.民主党の修正案の提案と質疑
2.官製談合と天下りの関係について
3.ハンドル型電動式車いすの車両乗り入れに関して
4.技術開発の支援について
5.学校のバリアフリー化について
6.当事者の参加システムを機能させるために
7.苦情処理策を確かなものに
8.鉄道駅ホームの安全管理について


○羽田雄一郎・国土交通委員長 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案」を議題といたします。本案の修正について、山下八洲夫君(民主党)から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山下八洲夫君。

1.民主党の修正案の提案と質疑
○山下八洲夫・参議院議員 私は、民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合を代表して、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。その趣旨についてご説明申し上げます。
  ハートビル法の制定に加え、平成12年に交通バリアフリー法が成立したことにより、公共交通機関ではエレベーターやエスカレーターが設置され、ノンステップバスも普及し始めるなど、バリアフリー化が進展しております。しかし、以下指摘する諸点については、課題解決の進展が見られません。
  まず、施設等についてバリアフリー化がなされているにもかかわらず、その利用を拒否され、あるいは利用に際して不快な思いを強いられるケースが後を絶たないことが挙げられます。移動が保障され、移動を拒むことができないという規定が欠けているからであると考えます。
  次に、施設等が高齢者、障害者にとって真に使いやすいものとなるためには、当事者の参加が不可欠です。特に、事業実施の段階できめ細かな配慮がなされることで施設の利用しやすさに格段の差が出ることがあります。
  また、利用上の支障が生じた場合、報告とそれに基づく改善が行われる仕組みが重要です。現在、利用拒否や高齢者、障害者の事故に関する情報が把握されているとは言えません。したがって、いかなる対策が必要でかつ重要であるかの判断も十分にできない状況となっております。
  以下、修正案に沿ってその内容を説明させていただきます。
  第一に、目的に「高齢者、障害者等が移動の権利を有すること及び社会活動に参加する機会を与えられるべきこと」を明記することとしております。
  第二に、知的障害者などへの対応も必要であることから、定義において、高齢者、障害者等の範囲を「心身の機能上の制限を受ける者」に拡大しております。さらに、特別特定建築物に「災害が発生した場合に公衆の避難の用に供される特定建築物」を追加し、建築物特定施設に「ホテルの客室」を追加することとしております。
  第三に、地域内の統一的、計画的なバリアフリー化を進めるために地方公共団体の責務として「総合的かつ計画的な移動等円滑化の実施」を規定しております。
  第四に、高齢者、障害者等の意見を反映させた施設の設置を進めるため、公共交通事業者等が講ずべき措置として高齢者、障害者等の意見反映のための措置を講ずるとともに、転落の防止等の安全性の確保のための適切な支援を提供するよう努力することとしております。
  第五に、特定事業の実施に関して高齢者、障害者等の意見の反映について規定し、利用者が利用しやすい施設の整備を進めることとしております。
  第六に、移動等円滑化に係る措置が講じられた施設の利用については、公共交通事業者等や特定建築物の所有者等は車いすの利用を拒むことができないこと、拒む場合にはその理由を示さなければならないこととしております。
  第七に、国が事故の情報を把握し公表するとともに、それに基づき必要な措置を講ずることとしております。
  第八に、国は、移動等円滑化に関する進展の状況に関する調査を行い、その結果を公表することとしております。
  以上が修正案の趣旨であります。
  何とぞ委員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

○羽田雄一郎・委員長 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案及び山下八洲夫君提出の修正案について質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。

○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
  ただいま民主党・新緑風会、日本共産党並びに社会民主党・護憲連合により提案されました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案の修正動議に関し、同じ会派に属する者ですが、修正案の内容に関して一つ質問させていただきたいと思います。
  提案されております修正内容の全般につきましては、それぞれこの委員会の場において、法案審議あるいは参考人意見聴取の場でも取り上げられたテーマに関連しており、その中には、与党の委員の先生の方々を含め、恐らく共通した問題意識も幾つかあると、このように思っております。
  その一つでございますが、高齢者や障害者が旅客施設や特定建築物を利用する際にこれを拒否された場合の対応の問題があると思います。
  これは修正案の52条と53条にかかわるところですが、内容的には条文の新設というものです。修正案は、車いす及び歩行補助車、これはハンドル式電動いすも入っているものと理解いたしますが、正当な理由なくこれらの方々の使用を拒んではならないと規定してあります。今日、バリアフリー化が進んでいても、場所や対応者によっては実際に乗車拒否や入場拒否が行われていることが多いことはこの委員会審議でも頻繁に紹介されてきましたが、やはり法律としてこのような禁止規定が必要だと私も考えます。
  問題は、この禁止規定に関して法の実効性がどのように担保されるのか、この点が最も重要だと考えますが、提案者よりご見解をお伺いしたいと思います。

○山下八洲夫・参議院議員 ただいま加藤先生から質問ございました修正案のポイントについてご答弁をさせていただきたいと思います。
  この修正案と同様の法体系を持っていますのが、平成14年10月から施行された身体障害者補助犬法だと思います。この法律は、盲導犬、聴導犬、介護犬を公共交通機関や飲食店で拒否してはならないことを法文上明記しているわけです。
  そこで、この禁止規定を、どのように実効あるものにするかという質問ですが、一つは、修正案の要綱第6の1と2に提案していますように、公共交通事業者等あるいは特定建築物の所有者等が車いすの利用を拒む場合はその理由を明らかにさせるということ、そして拒んだ件数やその状況を主務大臣等に報告をさせる、そして主務大臣等はその報告をまとめて概要としてこれを公表させるという一連の手続をもって一定の実効性が担保できるのではないか、そのように考えています。報告、公表ということで事業者や所有者の意識改革と一定のインセンティブ効果をねらうということです。
  なお、先ほどお話ございました修正案の車いす及び歩行補助車につきましては、ハンドル式自動車いすも含んでいると理解していただいて結構でございます。
  もう一つは、身体障害者補助犬法にありますように、国民の理解を深めるための措置を講ずるということです。同法の第23条は、国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動を通じて、身体障害者の自立及び社会参加の促進のために身体障害者補助犬が果たす役割の重要性について国民の理解を深めるよう努めなくてはならないとしています。やはり、国民の理解に向けた広報活動で周知徹底することが何よりも一番大切だと考えております。
  例えば千葉県では、障害者の補助犬同伴の受入れについて県民だよりや新聞、テレビによる広報を行うとともに、飲食店やあるいは旅館、ホテルなどの事業者団体や商工会議所にポスターを配付をいたしております。これは、平成16年度に4千部配付されたということであります。また、補助犬の同伴を断られた場合は障害者福祉や健康福祉センターなど県の機関で相談を受け、断った施設に対して法の趣旨をしっかりと説明をし、適切な対応を求める措置を講じておられるということでもあります。
  また、注目すべきところでございますが、補助犬の同伴を断ることは障害者の人権を侵している疑いもあるということで、国の機関であります法務局に対して人権救済の申出を行うことに協力する姿勢を打ち出し、県としても障害者差別をなくすための条例の制定を検討中だということも伺っております。
  こういったことも先進的な自治体の取組として参考にしていただければ幸いだと存じます。
  なお、バリアフリー法案では、第4条2項で「国は、教育活動、広報活動等を通じて、移動等円滑化の促進に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。」と規定しておりますので、先ほど申しました車いすの利用を拒むことを禁止する修正案の規定につきましては、この条文によって具体的な広報活動が展開されるものと考えております。以上でございます。

○加藤敏幸 ありがとうございました。
  私、二回目の連続質問ということになります。既に委員会で参考人の皆様方の意見聴取を行いましたし、これもまた先ほど報告のありました大阪、神戸の交通バリアフリー状況視察と、そういうふうな内容も踏まえまして、あるいはまたただいまご提案のありました修正案も念頭に置きながら、以下幾つかの前回から残された課題について引き続き質問をさせていただきたいと思います。

2.官製談合と天下りの関係について
○加藤敏幸  さて、冒頭、少し本題から離れますけれども、前回に引き続き、国土交通省の官製談合と天下りの関係について再度触れさせていただきたいと思います。
  最初に、国土交通省発注の水門工事に関する官製談合問題ですが、前回、北側大臣は、国土交通省内部としても鋭意調査を進め、その結果を公表したいと、このように言われまして、その決意を多といたしますものですが、この調査の進捗状況なり公表の時期の見通しと、この辺のところを含めて、まずお伺いをしたいと思います。

○北側一雄・国土交通大臣 この水門工事につきまして、過去の同種工事に係る入札契約の状況についてしっかり調査をするようにということで私の方から指示を出しまして、これにつきましては、4月24日、今週の月曜日に個々の入札の予定価格、それから落札金額、契約方式などを公表をいたしました。引き続き更なる詳細な入札契約の状況につきまして調査、整理を進めまして、来月中にも取りまとめを行いたいと考えているところでございます。
  あと、前回の委員会でも申し上げましたが、今は公取が調査に入っております。私どもといたしましては、公取の調査に全面的に協力をするように省内に申しておるところでございまして、公取の調査をしっかりと協力するとともに、見守っていきたいと考えております。

○加藤敏幸 しっかりと調査をされるということを要望いたしますし、是非とも北側大臣の手で私はきちっと明らかに始末を付けていただきたいと、これが要望でございます。
  さて、前回、国土交通省の天下りの実態につきましてもお伺いをいたしました。国家公務員法において規制されております離職後二年間、その離職前五年間に在籍していた国の機関、特定独立行政法人又は日本郵政公社と密接な関係にある営利企業への就職について、人事院の承認を得て就職したものに限定して数字を私、使わせていただきました。離職後2年後の民間企業への再就職や離職前のポジションと関係しない企業への再就職の実態、あるいは国土交通省が所管する独立行政法人や公益法人への天下りについて、これについては前回、数字あえて追及をしておりません。
  これにつきまして、大臣は、人事院並びに大臣承認の大半は地方の出先機関や外局のノンキャリア官僚であることを強調され、こういった天下りの実態と官製談合とは言ってみれば余り関連性はない、あるいは薄いと、そのような表現をされたように私は受け止めておりますけれども、説明するまでもなく、国土交通省、また旧道路公団の入札に係る談合事件のこれまでの経過を見ても、明らかに天下りと談合事件というものは非常に深い関係にあり、だれが、あるいはどんなポジションの人間が民間企業に再就職しているかという区分けの是非の問題ではなく、発注側の人間が退職後に受注側の人間になると、それが現実どういうふうな問題を起こすのかということであると、このように思います。すなわち、現在の再就職のシステム、このような状況の中で疑惑が持たれているということであります。
  公務員制度の改革問題は別の機会に議論を譲るといたします。昨日の行政改革推進法の特別委員会の中でも非常に議論が行われましたけれども、やはり官製談合事件がここまで来ますと、公務員制度全体として議論をする、そういう必要性、そういう場面と、国土交通省独自に議論すべき場面、この二つがあるのではないかと私は考えます。
  国土交通省としては、前回申し上げましたけれども、全体の職員数が多い、あるいは公共事業を中心的に抱えている、そういう状況の中で、幾ら職業選択の自由があるとはいえ、私は、国土交通省として特別の配慮をしなければならない、あるいはしていただきたいと、このように考えますし、それだけの重みのある省庁であると思います。
  既に国土交通省が関係する公益法人に対して随意契約で事業の発注や委託が行われている問題が、そういう指摘をされておりますが、国土交通省におかれましては、再度、旧来からある一家意識に根差したそういう体質の改善あるいは思い切った人事施策の変更とか、そういった省内の改革を是非断行をしていただきたいと。小泉内閣が改革の総仕上げをやろうとされている、その中心に公務員制度の改革やあるいは効率的な行政支出と、これがテーマになっていることでございますので、是非ご努力をしていただきたい。
  野党は余りこういうことを言わずに政府のミスを待った方がいいのではないかと、こういうこともありますけれども、しかし、与野党の立場にかかわらず、国民が期待している国土交通行政が本当に信頼あるものに、私は、与野党が協力して今日からなされていくということが大切ではないかと、そう思っているということでございます。あえて意見を申し述べさせていただきましたけれども、大臣の方で何かあればお聞かせいただきたいと思います。

○北側一雄・国土交通大臣 昨年、橋梁談合の事件がございました。これは、旧日本道路公団の発注するものだけではなくて、直轄の橋梁工事についても談合事件があったわけでございます。特に、旧日本道路公団の方では官製談合があったということで、今まさしく公判になっているところでございます。
  この橋梁談合事件を受けまして、国土交通省といたしまして、前回も申し上げましたけれども、指定職以上の幹部につきましては、退職後5年間は、これはもう橋梁の受注業者、受注企業というだけではなくて、そもそも直轄工事の受注企業への再就職をしないということで取決めをさせていただき、また全職員についても、この橋梁談合で重大な法令違反を犯しました47社の再就職につきましては、当面の間、すべての退職者を対象として退職後の期間を問わずに再就職をしないというふうに決めさせていただいております。
  また、これらに加えまして、国土交通省の発注の公共工事の受注実績のある企業におきましては、退職後5年間が経過していないすべての国土交通省退職者について新たに営業担当部署へは就任をさせないよう要請も行ったところでございます。
  こうした取組を橋梁談合事件の後に私ども決めさせていただいて、今実施をさせていただいているところでございます。
  先般も申し上げましたが、民間企業への再就職、天下りの問題につきましては、実態というのは、前回申し上げましたように、地方の職員の方々、そしてキャリアではなくてノンキャリの一般の職員の方々の再就職の問題が実を言うと実態としては大宗を占めているんだということを申し上げました。
  私がそう申し上げた趣旨は、決して談合との関係で申し上げているわけではなくて、やはり公務員の方々というのは、できるだけ意欲を持って仕事をしていただくためにもできるだけ長い間、定年まで、できましたら定年まで公務の世界できちんと働いていただけるように、そうした制度をつくっていかないといけないと思うんですが、実態としては先ほど申し上げたような実態になっておると。これを変えていくということは、単にキャリア公務員についての再就職についてどうするこうするという話ではなくて、本当に国土交通省のノンキャリの方々、一般職員の方々も含めて、また地方の出先の職員の方々も含めて、全体としてどうしていくのかということを考えていかないと、実質的にはなかなかこの再就職の問題というのは解決付かない問題であるという意味で私は申し上げておるところでございまして、なかなか一気にはこれを、じゃもう天下りは禁止だという形でできるかというとなかなか難しい問題であるということをご理解いただきたいという意味で申し上げたところでございます。
  問題はやはり早期退職慣行にあるわけでございまして、この早期退職慣行については是正をしなければならないということでこれまでも取組をしております。本省についてはよく総理がおっしゃっておりますけれども、平成15年から19年度まで段階的に引き上げて、平成20年度までに3歳以上引き上げると。引き上げてこれを55.4歳、まだ55.4歳なんですけれども、ただ、これだけではなくて、我が省独自の取組といたしまして、地方整備局、地方の職員の方々についての早期退職慣行についても、これもやっぱり見直しをしなきゃいけないということで、おおむね5年間で段階的に平均勧奨退職年齢を56歳から58歳に引き上げるということで今取組をさせていただいているところでございます。
  こうした早期退職慣行を是正していくということとともに、私は、公務員制度についての基本的な在り方そのものもやっぱり考えていかないといけないんじゃないか、年功序列、またピラミッド型の人事構成、これをやっぱり変えていかないといけないんじゃないかと思うんですね。そういう意味では、スタッフ職をしっかり整備充実をしていくだとか、それから幅広い民間との人事交流、これは必要だと思います。
  こうした人事交流をしっかり進めていくだとか、さらには、私は給与体系の問題もあると思うんですね。給与体系についても、何か年齢ごとにどんどんどんどん増えていくというのではなくて、あるところではもう頭打ちにしていくようなことだっていいと思うんです。そうした給与体系のありようにもさかのぼって複線型の人事管理をしていくということによって、全体としての公務員の制度改革をしていかないといけないのではないか。そうしたことを推し進めることによって、できるだけ公務の世界で働いていただけるような、そうした制度をこれはしっかりとつくっていかなならないと考えているところでございます。
  先ほど早期退職慣行についての是正について取り組んでいるというふうに申し上げましたが、その成果は少し出てきておりまして、2年前に比べますと、営利企業への再就職につきましては、これは2割程度もう既に減少をしてきております。さらには、公共事業の発注環境を担う地方整備局におきましては、2年前に比べると3割近く再就職の承認件数が減っているというふうな状況にもなっておりまして、こうした取組をしっかりと着実に進めさせていただきたいと思っております。

○加藤敏幸 「頑張ってください」ということを申し上げますし、こういうことを言う野党は世界の、一杯野党ありますけど、一番親切な野党じゃないかなと、こんなふうに思います。

3.ハンドル型電動式車いすの車両乗り入れに関して
○加藤敏幸 さて、前回の質問に引き続きまして、ハンドル式電動車いすに関して改めましてお伺いをしたいというふうに思います。電動車いすのJR特急や新幹線への乗り入れ問題でございます。
  前回質問いたしましたように、このハンドル式電動車いすのメーカー側の改良努力が必要であるということと同時に、鉄道事業のサイドも車両の改造を図るなどの努力が必要ではないかと考えます。
  JR各社は、現在、通路がある新幹線や特急の車内では、重量が重く回転半径が大きい、移動が困難で他の乗客に危険として、このハンドル式電動車いすの受入れを認めていないという状況にあります。しかし、前回、鉄道局長も少し紹介をされましたけれども、JR東海、JR西日本では、来年春に導入の新幹線N700系の新型車両で障害者の皆さんなどが利用する多目的室のスペースを現行より25%広げて2.78平方メートルとし、ハンドル式電動車いすの受入れを検討されていると、こういうお話でありました。
  私、ややJRの皆さんに関しては熱心さが足りないと、こんな印象を持っていましたけれども、ようやく少しその動きが見られてきたかなと、こういう気がいたします。他のJR各社にもこういった取組をするように、国土交通省の立場で車両の改善について一定程度指導していくべきではないかと考えますけれども、ご見解をお願いします。

○梅田春実・鉄道局長 先生ご指摘のハンドル型電動車いすでございますが、回転の半径が大きいとかあるいは重いということで、かつては鉄道では使っていただくのは困るということでございました。しかし、平成15年の3月に私どもを始めとする関係行政機関あるいは身体障害者の団体の方々、あるいは公共交通事業の方々で調査研究会を設けまして、その利用要件を取りまとめてその周知徹底を図ってきているところでございます。
  こういうことでございますので、前回も申しましたけれども、ハンドル型の電動車いすを使用する必要がある、また操作をすることができる方につきましては、乗降口あるいは車両内のスペースが広くて段差のない車両において利用ができる、また利用の可能な駅もエレベーター等の整備に伴いまして逐次増加しております。平成16年6月の調査に比べまして、平成17年7月の調査では180駅増加しているところでございます。
  しかしながら、ご指摘のように、現在供用されております新幹線等のデッキ付きの車両につきましては、乗降口あるいは車両内の通路が狭い、あるいは置き場所もないというようなことでございまして、このハンドル型の電動車いすの利用というのがなかなか困難でございます。
  しかしながら、ご指摘のように、JR東海では、来年春に導入いたしますN700系におきまして多目的室のスペースを拡大すると。これに伴いまして、乗降口やあるいはデッキ部、それからホーム、それから通路、こういうところにおきましても安全かつスムーズに移動が可能なのか、あるいはダイヤが混乱したときにどうするのか、新型車両の運行が取りやめになったときにこの電動車いすの方をどうするのかという、いろんな取扱いの問題もございますので、現在検討をしているところでございます。
  私どもといたしましては、このような取組につきましては、やはり鉄道事業者、これから新たに車両を造るというような場合には、当然こういうことを念頭に置いて車両の開発に努める必要があるというふうに考えておりますので、そのように指導してまいりたいと思っておりますが、前回も申しましたように、そもそもこの電動車いすというのは回転の半径が大きい、あるいは重いと。元々、鉄道利用に適さない、余り考えてないような設計になっております。
  私ども、車両側でもできるだけ使えるように努力してまいりたいと思っておりますけれども、このハンドル型の電動車いすのメーカー、こういう方々においても、できるだけ鉄道においても使えるような、そういう設計にしていただきたいというふうに、機器の開発に努めていただきたいというふうに思っておりまして、既にこういうメーカーに対しましても、鉄道利用に適した機器の開発を進めるよう働き掛けをしているところでございます。


○加藤敏幸 法律上、いろいろ整備をしていくということと同時に、やっぱり一つの技術的な工夫といいますか、展開が高齢者、障害者の皆さん方の移動能力を飛躍的に高めていくという要素もあると、そういうところからも前回に続き質問申し上げました。

4.技術開発の支援について
○加藤敏幸 火曜日の視察では、短時間ではございましたけれども、自律移動支援プロジェクト神戸実証実験というものも少し見させていただいたということであります。高齢者、障害者の移動の自由化、そして特に、より安全に移動するという視点から科学技術の支援も大切になっていると思います。
  そこで、この実証実験の目指すところとかそういう内容について、予算を含めて簡潔にご説明をいただきたいと思います。

○内村広志・政策統括官 お答えいたします。
  国土交通省では、ユニバーサル社会の実現に向けた取組の一環といたしまして、我が国最先端の情報通信技術を活用いたしました、いつでもどこでもだれでもがよりスムーズに移動できる環境づくりを目指します、先生今ご指摘の自律移動支援プロジェクトを平成16年度より神戸等におきまして推進しているところでございます。平成16年、17年度におきましては、神戸あるいは愛知万博等におきまして障害者の方々にも実際にモニターになっていただき、体験をしていただきながら実証実験を行ったところでございます。
  本プロジェクトの推進に当たりましては、東京大学大学院の坂村教授を委員長といたしました自律移動支援プロジェクト推進委員会、これは平成16年3月24日に設置いたしたものでございますが、この下に本分野に造詣の深い学識経験者の方々、関係省庁、それから地方公共団体、民間企業等のほかに、実際利用者となられます障害者の方も加えました方々が一同に参画いたしました検討会におきまして検討を進めながら進めているところでございます。
  今後とも、これらの実証実験を踏まえまして、各方面の関係者や主体的な取組意欲のある地方公共団体との連携を踏まえまして実用化に向けた取組を推進してまいりたいと、かように考えております。

○加藤敏幸 予算はどのぐらいですか。

○内村広志・政策統括官 失礼いたしました。
  予算につきましては、平成16年度4億8000万、17年度4億9000万、18年度で7億1800万の予算を付けていただいているところでございます。

○加藤敏幸 このお話を聞きましたし、見させていただきまして、いいことやっておるなと、こういうことをどんどんどんどんやっていくことは大事だと、こう思いましたけれども、やっぱり予算が少ない。随分いろいろなところにお金を使っているんですけれども、もう少し「どんと」使わないかんのじゃないかと、こう申し上げたい。
  それから、昨日のテレビでも報道されておりましたし、新聞にも載っています、一人で乗れる二足歩行ロボット、早稲田とテムザックという北九州の会社が共同で開発したと。私、これまでも言ってきたんですよ。いわゆるこういうふうなガンダムタイプで、障害者の皆さん、高齢者の皆さんの気持ちが反映されて、二足歩行で、これで階段上り下りするということをやっていけば、新幹線の方だってもっと簡単に受け入れることができるということが、世の中が科学技術が発展をして、それが民生に寄与すると、そういうふうな視点で私はやっぱり努力すべきじゃないか。こういうネタは我が国には一杯あると。
  ただ、これを本当に実用化するためには、一番大事なのは、これを開発するメーカーは安全基準なんです。この機械を提供したために起こるやっぱり問題、危険、このことをこの開発メーカーが全部、無限責任を負うわけにいかない。それはやはり世の中がきちっと、国が安全基準ということを定めた上で、それをきちっと守る以上においてやっぱりどうか出してくださいと。この安全基準というのは個別企業ではできないんです。だから、そこを社会化していくというプロセスで是非国土交通の皆さん方が知恵を出し、やっぱり大きく貢献する場面があるのではないかと、こういうふうなことも考えますし、経済産業省を含めましたやっぱり総合的な、省庁の壁を越えて、高齢者、障害者等の皆さん方のためにという気持ちがあるなら私は大きくこういうふうな政策を展開していただきたいと、このように思います。
  これを言い始めるともう30分ぐらいすぐたちますので、この程度で終わらしていただきますけれども、ご意見があれば発言をしていただきたいと思います。


○北側一雄・国土交通大臣 今のその二足歩行のロボットですとか、先ほどの自律移動支援プロジェクト、私も現場に何度も行かしていただいておりまして、状況を見さしていただいております。
  今、加藤委員のおっしゃったように、日本の持っているこの技術というものを活用いたしまして、障害者の皆さんや高齢者の方々が自律移動をより円滑化できるというふうなことというのは非常に大事なことであると思っております。しっかりと、今委員のおっしゃった安全基準の問題も含めまして、政府全体でこうした技術開発がしっかりと進んでいくように、予算面も含めましてしっかり取組をさしていただきたいと考えております。

5.学校のバリアフリー化について
○加藤敏幸 それでは次に、特別特定建築物に学校を加えるということで、これも私が本会議で質問した項目の一つでありますけれども、学校自体のバリアフリー化について、国としてこれは急ぐべき重要な課題であると考えております。
  文部省からもいろいろとご答弁をいただきました。確かに、障害児教育の在り方の問題、あるいは建物改修に関しては、耐震改修の問題もあって、総合的な校舎建て替え施策というものを追求しなければならないとも思います。特に学校に関しましては、数が多いだけに、財政の問題もあると。
  しかし、阪神・淡路大震災や一昨年来の大規模な水害のことを考えれば、やはり避難所として活用されるのは、公民館などもありますけれども、学校が圧倒的に多いということで、そこには多くの高齢者、障害者の皆さん方が駆け付けるというわけで、最低でも段差解消などのバリアフリー化はやっていかなければならないと考えます。
  そこで、私は、特別特定建築物については学校を入れるのに依然として抵抗があると、それが現実だということなら、最低でも災害時に住民の避難場所となる施設というものを政省令で規定し、それは学校の体育館とか附属するトイレなど、このようなものを示唆すると、そういうやり方があると思います。
  本会議で北側大臣はこの問題に関して、地方公共団体の判断により条例で義務化できると答弁されておりますけれども、私は避難場所という枠組みで解決できるのではないかと、このようにも思いますので、再度、国土交通省としての見解をお伺いしたいと思います。

○山本繁太郎・住宅局長 地震などの非常災害時に地域の子供たちからお年寄りに至るまであらゆる方々が避難されるわけですので、避難場所となります建築物のバリアフリー化を進めるということは非常に大事な課題だとまず認識しております。
  そのことを前提に聞いていただきたいんですが、避難場所となりますこの避難地は、具体的には災害が想定される現場の実態に即して公共団体が地域防災計画で指定をされます。したがいまして、今回、このハートビル法以来の法律でアプローチしておりますその新築の特別特定建築物について基準を定めて義務化するというこの枠組みは、あらかじめその新築時にすべてが想定されるわけではないので、なかなか一般的にはなじみにくいとまず考えております。
  具体的な話でございますが、公民館などは不特定の方、地域の方ではありますけど、不特定の方がご利用になりますので、これは特別特定建築物になります。それで、義務化してこれはやっていきます。
  学校ですけれども、これまでの答弁でお話ししておりますけれども、必ずしも学校一般は高齢者の方とか障害者の方の利用頻度が高いわけではないので、特別特定建築物にすることはなかなか難しいのですが、大臣の答弁にもありましたように、条例で位置付けは可能です。それはまずやります。やることが可能です。
  それから、建築物のバリアフリー化についての事業を法律でお願いしておりますけれども、建築物特定事業ですね、位置付けておりますので、公共団体が地域の実情を踏まえまして基本構想に位置付けていただければ、既存の建築物の改修も含めましてバリアフリー化を応援することは可能な制度となっております。
  ご指摘いただきました学校のバリアフリー化についての支援につきましては、文部科学省の助成措置ございますけれども、基本構想に位置付ければ建築物特定事業となりますんで、そういうふうな形で公共団体が取り組まれる場合には国土交通省の補助制度も活用可能でございます。関係行政機関と連携してしっかりこの問題、取り組んでまいります。

6.当事者の参加システムを機能させるために
○加藤敏幸 次に、当事者の参加ということですが、基本構想の作成に対する住民提案あるいは協議会の設置が、この法律の中に規定されているということですが、形式に終わってはいけないということを本会議でも主張させていただきました。この当事者の参加システムを機能させる方法として、大臣より、提案採否については市町村は公表し、提案を採用しない場合はその理由を明らかにしなければならないことと、まあこれは法律にも書いてありますことですが、また、これらの制度が有効に活用されるよう、その趣旨や運用の在り方について、基本方針等においても明確に示していくと、このように答弁されましたけれども、ちょっと抽象的ではないかと思います。
  この参加システムが本当に有効に機能していくためには、もう一工夫していく必要があるのではないかと考えます。特に協議会については、当該地域の様々な利害がぶつかるということも容易に予想されますので、基本的には基本構想作成にかかわる協議での重要な段階ではその議事録を公開するとか、あるいはこの協議会は単に基本構想を作成するときのみではなく、バリアフリー化事業の各段階で、事業のチェック、監視、評価を行えるような機能を持たせることなどを考えるべきではないかと思います。このことは、国土交通省も言われているいわゆるスパイラルアップに資するためのいわゆる大変生きた意見を吸い上げるということにも役に立つと、このように考えますけれども、再度ご見解をお伺いしたいと思います。

○竹歳 誠・総合政策局長 ご指摘のとおり、今回このバリアフリー、参加型のシステムというものをつくりまして、それをきちっと機能していく必要があるということでございます。
  今具体的にご提案がございました、例えば議事録の話でございますけれども、この法律におきましては、「協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。」ということが26条6項に書いてございます。この協議会自体、高齢者、障害者等の方々、様々な方が、当事者が参加しておられる協議会でございますから、基本的に元々オープンな組織であると思います。したがって、その議事録の公開について大きな問題はないと思いますが、いずれにせよ、何をどのタイミングで公開するかとか、そういうことは協議会の判断により法律に基づいて行うことが可能であると思います。
  それから、構想を作る段階だけではなくて、その後の事業のチェック、監視、評価というお話でございますが、正にこの協議会は、構想作成段階のみならず、構想の実施に係る連絡調整も行うということで、十分フォローアップをしていくようにしてまいりたいと思います。


○加藤敏幸 ここを生きた協議会にさせていく、現実そういうものをつくっていくということが本当に一番のポイントだというふうに思います。議事録等については、公開することができるという精神じゃなくて、都合の悪いことがあればそれは協議会の中で相談をして決めていただくけれども、できれば広く公開した方がいいんだと、こういう精神ではないかと、このように思います。

7.苦情処理策を確かなものに
○加藤敏幸 さて、それに関連いたしまして、もう一つ重要なポイントが残っております。今回の法改正は全体としてバリアフリー化を大きく促進していくものと判断はできますけれども、不十分な点として幾つかあると。その一つは、苦情処理策が確かでないということであります。前回の委員会でも山本議員が国土交通省のホットラインステーションのことに触れられましたけれども、総合政策局長がその運用について説明をしていただきました。簡単に言えば、これは個々の苦情を個々のセクションが対応して、情報提供者に個別にこの結果をお返しするという個別対応の苦情処理策であったというふうに思います。
  やはり重要なことは、高齢者、障害者等の皆さん方が、差別事例や不満に思ったところを個人的に電話をしたりインターネットに書き込むのではなくて、正式な苦情処理機関に持ち込んで、そこで組織的に対応していく、こういうことではないのかと思います。様々な問題点が生じた場合、例えば九州や北海道の人が一々東京の国土交通省に電話をしたりはしないんじゃないかなと。あるいは、その電話をして、たらい回しにされたという、過去そういうふうな事例もあったということであります。
  そこで、この苦情処理機関の問題でありますけれども、これは前回議論した法の目的と密接にかかわる課題であります。いわゆる憲法に根差した権利という私は大臣が発言をされたと。しかし、法の目的の中には、公共の福祉に資すると、こういうふうに書かれてあります。これは行政学的な論争、議論になるわけでありますけれども、この苦情処理を公的に対応する場合には、やはりそれは侵してはならない権利というものがあって初めてこの苦情処理がしっかりと公的な場面で処理されると、こういうふうな権利関係があるというふうに思います。
  現在、差別的取扱いに対する、すなわち権利侵害に対する救済措置というふうなことでは行政的救済がやっぱり一番機能しているというふうに思いますし、実例で言えば、男女雇用機会均等法というものがあり、例えて言えば、行政的救済として、募集、採用、解雇にかかわる女性差別の紛争において都道府県労働局長による紛争解決援助策とか機会均等調停委員会による調停、それからセクシュアルハラスメントでは企業内における苦情処理制度の整備義務付けと、このようにいわゆる権利侵害等に対する苦情処理については各面いろいろ努力をされているし、今日的状況でいえば、司法救済のみではなく行政救済を含めた広くいろんなレベルで救済をしていくということが必要だと思います。
  権利を侵害されたと受け止めている高齢者、障害者等の皆さん方が直ちに損害賠償請求という行動に出るということではなくて、そこは、自分たちに対して特別な配慮だとか恩恵ということじゃなくて、ある基本的な権利に根差した主張に対してはしっかりとした社会的な対応を当然のこととしてしていただくと。そこには堂々とした対等の関係というふうなものがなければ本当の意味での苦情処理ということにはならないし、この法律が目指している、高齢者の皆さん方、障害等をお持ちの皆さん方にはやはり社会全体としてその移動をできる限り保障していくという、これが近代国家日本としての国の正に到達した私は品格のある社会の実現なんだと、こういう理想に基づいて、私はしっかりとこの苦情処理というものを受け止めていただきたいと、このように思います。
  これから高齢者がだんだん増えてまいります。私の両親ともに足が悪くて移動が困難だと。ここにおいでの健康な議員先生方もいずれはそういう高齢者として立派なお仲間になっていくし、日本は世界で一番高齢化が進むし、お隣の中国は更に、一人っ子政策ですから、日本の倍速で高齢化していくと。そういうふうな状況を見たときに、正にこのバリアフリー化というのは日本が先鞭を着けたやはり世界に誇れる制度なんだという思いを込めて、私はこの苦情処理を含めたシステムというふうなものもしっかりつくっておいていただきたいと。
  やや発言が大げさになったような思いもありますけれども、これが私は思いであり、またそういう精神で冒頭修正案の提案もされたんではないかと、このように思っております。
  移動の権利ということについて、大臣は否定をされているわけじゃなくて、やはり気持ちとしてはそうなんだと、こういうふうなことも言っておられますので、苦情処理機関の考え方あるいはその課題について是非とも前向きなご検討をいただきたいということと同時に、ご見解をお伺いしたいと思います。

○竹歳 誠・総合政策局長 ご指摘のございましたように、乗車拒否や差別的取扱いに関する苦情につきまして、現在、国土交通省ではホットラインステーションということで、当事者からのお申出に基づきまして対応しているということでございます。このバリアフリーに限って申し上げますと、17年度で約50件近いこういうお申出がございまして、個別に事業者に対してそれをお伝えし、事業者の方で、自分の方が悪かったということで謝罪に行かれたり、その後の解決策について個別に話し合われているというような事例も多々あるわけでございます。
  そこで、今先生の方からご指摘のあったのは、そういう個別対応ではなくて、もう少しきちっとした組織的な対応をすべきではないかというようなことではなかったかと思います。
  この問題には大きく二つあると思いますけれども、まず組織の面から申し上げますと、今、国土交通省の担当部局がやっているわけでございますが、これと別途に組織を新たにつくると。例えば、カナダではそういう局のようなものを設けて年間40件程度の調停も行っているようでございますが、組織を新たにつくるということになりますと、こういう行革の時代でございまして、もちろん必要なものはやっていかなくちゃいけないと思いますが、そこはなかなか大きな問題があると思います。当面、私どもとしては今の組織をより活用すると。手続についても、もう少しマニュアル化するとかワンストップ化というお話もございましたので、そういう今の組織を活用しながらもう少しきちっと組織的に対応できるようにしたいと思います。また、たらい回しというようなお話もございましたが、私どもとしては、実は交通消費者行政という立場から、地方運輸局とも緊密な連携を取りながら、苦情の処理等についても適切に対応をしていきたいと考えております。
  いずれにしろ、今先生からもお話ございましたように、そういうお申出をされる方は、損害賠償をしたいとかいうことよりも、むしろ非常につらい思いをしたと、せっかくノンステップバスとかそういうハードが整備されているのに乗車拒否をされてしまったとかいうお話でございますので、私たちとしてはそういう、公共交通事業者との関係ではいろいろなパイプもあるわけでございまして、また法律上も、不当な乗車拒否については、これは是正命令という仕組みもございますので、そういう手段も活用して組織的な取組を更に進めてまいりたいと思います。

8.鉄道駅ホームの安全管理について
○加藤敏幸  視点を変えまして、鉄道駅のホーム管理について、この委員会を傍聴しておられました方から感想が述べられました。最近、駅によってはホームに売店やら立ち食いやら、新大阪駅には一杯飲み屋さんまで、いろんなものがどんどんどんどんできてきて、ホームが本当に狭くなっておって、障害者でなくても危なっかしいんだと、そういう視点で商売優先じゃないのか。それから、いろんな、売店だって、新聞だとか納品だとか、売店の面積の周辺にいろいろ物を置いたり、買物する人たちが列をつくったり、お金払うのに気が取られて周囲に対する注意が散漫になったりというふうなことで、不安全な状況をつくっている一つの要素にそういうものがあるのではないかという意見をいただいたわけでありますけれども、この点について、国土交通省として鉄道管理者等に何らかの指導はできないのかを含めまして、ご見解を賜りたいと思います。

○梅田春実・鉄道局長 プラットホームの幅並びにプラットホームに柱や売店などの壁を設置する場合のプラットホームの端との間の距離ですね、こういうものにつきましては、鉄道に関する技術上の基準を定める省令というのがございまして、そこで「旅客の安全かつ円滑な流動に支障を及ぼすおそれのないものであること。」というふうに決めているところでございます。具体的に申しますと、売店等をホーム上に設置する場合には、その壁とそれからプラットホームの端ですね、これとの距離は少なくとも1.5メーターは確保するということにしております。しかも、その際、旅客の流動に支障がないように配置を考えるということにしております。
  先生ご指摘のホームの監視要員の配置につきましては、ホーム上の旅客の安全確保に一定の効果があるというふうには考えておりますけれども、ホームといいましてもこれ様々な形状もございます。それから、混雑状況は場所によって全く違います。したがいまして、個々の駅の実情を踏まえまして鉄道事業者が適切にそれぞれのホームにつきまして対策を講ずるべきものと認識しているところでございます。
  私どもといたしましては、先ほど申しましたような基準に従いまして、旅客の乗降時の安全に支障を及ぼすことがないよう、引き続き鉄道事業者を指導してまいりたいというふうに考えております。

○加藤敏幸 国土交通省として国会における答弁としてはそれが一つのぎりぎり、限界だとは分かりますけれども、しかし広く国民の皆さん方が感じている危険に対してどう対応していくのか。それは国土交通省が強権的に鉄道管理者を、もう鼻面を引きずり回すというようなことはこれはできませんけれども、しかしこの法律が目指すものは何なんですか、そしてなぜ権利という言葉がこの法案の骨格に据えられないんですかということを議論したときに、それは国土交通省の皆さん方が、大臣を始め、いろいろ事情があるんだと、しかし一歩ずつでも、ちょっとずつでも頑張って良くしていっているんだよと、そういう行政的努力で状況を改善するということを私は主張されていると思うんです。これも日本の歴史の中で方法論としてあると思いますし、そのことを否定しませんし、それなりに成果があったことも私は認めます。
  しかし同時に、やっぱり世の中に一つのことをなそうとしたときには、その目的なり、やっぱりその由来、原理原則をしっかりととらえた上でその法律の施行をやっぱり考えていくと。施行論が、法律施行上の問題が先にあって本体がああだこうだという論理の展開では私は本末ひっくり返っておるんではないかと。
  そういう意味で、国土交通省の皆さん方が本件に対して一生懸命努力をされるということについては十分お伺いをしましたけれども、しかしそれで国会での議論が十分かと言えば、私はそうではない。法律を作る国会の立場で言えば、法律そのものの中身をしっかりと、耐震設計を、法律自身のやっぱり耐震構造を確立すると、そういうふうなことも必要ではないのかということを最後にご意見を申し上げますし、それは逆に言えば、本日、山下大先輩が冒頭提案されました修正案の持つ意味ではないのかということで、そのことも与党の先生の皆さん方にも真摯にご検討いただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

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民主党参議院比例区第3総支部