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report──国会質問 会議録


3大臣に公務員の労使関係に関する問題を問いました


竹中総務大臣 


谷垣財務大臣 


中馬規制改革担当大臣

 
行政改革担当3大臣に質問
民間企業の労使協働の経験を行政改革にも活かすべきだ!

(行政改革に関する特別委員会)
2006年5月22

 行政改革を担当する中馬大臣、谷垣財務大臣、竹中総務大臣に対する質問を行いました。 日本の民間企業の労使は、難しい課題にも双方が責任を持って協議を重ね、その中でしっかりとした協働関係、世界に誇る信頼関係を築いてきました。そのことが日本の民間企業の強みでもあります。行政の労使関係についても、これから、ある意味では大変厳しく、難しい行政改革に取り組んでいくわけですから、実行者である行政の現場で働く人たちに、気概を持って取り組んでいただくためには労使のしっかりした信頼関係、協働関係の構築が不可欠です。労働基本権の回復の課題もふくめ、この事を視点に質問を行いました。

 

[質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)

1、行政改革における労使の協働的関係について

2、ILO条約の勧告問題について

3、公務員のキャリア制度について


○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
まず冒頭、この行政改革というテーマは、私のような労働界で仕事をしてきた人間にとっても長年の課題であったわけであります。土光臨調時代、既に1970年代から、私どもはこの行政改革あるいは行財政改革について、政府に対しても要望を続けてきました。
  また、私は、労働組合の労働戦線の統一という仕事に携わってきたわけですけれども、1987年民間連合、1989年現在の官民統一された連合をつくる、そういう時代からやっておったわけです。この労働戦線の統一も、言ってみれば労働界の行革だと、こういうことでございました。一方、世間ではパブリックセクター、官公部門に働く組合の皆さん方が、あたかも頑迷固陋(がんめいころう)にして、こういう動きにそっぽを向いておるのではないかと、こういう理解もあるようですけれども、しかし地方の公務員さんの職場の実態を見れば、既にコストとしての賃金、総人件費については相当削減されてきておるし、そのことについても苦しい思いの中から協力をしてきておるという実態もあるわけであります。そういう意味で、国民にとって評価されるような制度をいかにつくっていくかと、単にコスト論だけじゃなくて、内容を含めた議論を進めるべきだというのが私の基本的なスタンスだということで、以下、大きく言えば3つの項目について質問させていただきたいと思います。

1. 行政改革における労使の協働的関係について
○加藤敏幸 まず最初に、行政改革における労使の協働的関係について。この「協働」というのは共にじゃなくて協力の協と、こんなふうな字を私は使うわけでありますけれども、行革推進法の第63条第2項、労働基本権について幅広く検討を行うと明記をされていますけれども、私はこれは非常に評価できると思います。行政の効率化を図り、公共サービスを一段と高度化させるためには、実行当事者である労使の協働的関係の構築ということが私は成功への必要不可欠、必須事項だと、このように考えております。
  これは検討を行うだけじゃなくて具体的に実行することが重要であると思いますが、小泉内閣の改革路線の総仕上げと言われている今回の行政改革推進法案においても、大前提として、公務部門における生産的な労使関係、あるいは当事者責任に基づく労使関係が確立されなければならないと考えます。
  まず、小泉内閣は、この公務部門における労使関係の現状をどのようにとらえられ、また目指すべき労使関係像をどのように描いておられるのか、お伺いしたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 ご質問でございますが、公務員の労使関係はその地位の特殊性と職務の公共性からおのずと民間とは異なる点があります。その制約の中で安定的な関係を築いてきているのではないか、このように認識をいたしておりますが、現在、行政及び公務員に対する国民の目は大変厳しいものがあります。労使とも国民の期待にこたえられるような行政改革、しかも現代的な意味での新しい時代に即応した改革が必要であると考えております。
  私としましては、今後の労使関係の在り方については相互の意思疎通が重要と考えておりまして、公務の円滑な遂行や国民の理解と信頼の確保などの視点を踏まえまして、行政及び公務員を取り巻く状況につき共通の認識を形成し得るような幅広い意見の交換が必要だと、このように思っております。
  いずれにしましても、公務員のいわゆる雇用主、使用者といいますのは、これは納税者に当たる国民でありますことの視点、これを常に忘れることがあってはならないと、このように心掛けている次第でございます。

○加藤敏幸 まずはそういう御認識をスタートにいたしまして、先ほど雇用者である納税者の視点、こういうふうに言われましたけれども、私は、この労使関係において組合の在り方ということも非常に重要ですけれども、一方、使用者責任の所在、これも明確にしなければならない、また使用者責任を遂行する組織体制の整備を行わなければならない、このように考えております。
  そこで、仮に公務員に労働基本権を付与するとなると、具体的に使用者責任はだれにあるのか、責任をだれが取るのか、また労使協議の単位をどのように考えていくのか、あるいは労使協議における合意事項の正当性といわゆる適用範囲をどのようにするのか。この点について具体的にお話をいただきたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 公務員の中でも、特に非現業の国家公務員はこれは政府に任命されるものでございますけれども、実質的にはその使用者は国民全体でありまして、公務員の労務提供義務は国民全体に対して負っていると、このように、これは憲法の判断でもあるわけでございます。このために、民間企業における労使関係と同様に使用者責任を論ずることは適当でないと考えております。
  公務員につきましては、公務員の地位の特殊性と職務の公共性を考慮しつつ、労使の意思疎通、先ほど申しました、を進めまして、今後の労使関係の在り方につき共通の認識の形成に努めること、これが重要であると考えております。
  なお、本年の3月に政府と連合の間で行いました政労協議におきまして、こうした今後の問題としまして、そうしたことを討議する検討の場を設けることについて意見の一致が見られまして、この検討の場で公務と公務を担う公務員の範囲、在り方につきまして、総合的な検討を踏まえて基本権の在り方を論議することとしておりまして、この検討の場も活用しつつ、今後労働側との共通認識の醸成のために意見の交換を進めてまいりたい、このように考えております。

○加藤敏幸 現状における中馬大臣としてのご答弁はそういう内容になるだろうということも想定はしておりました。しかし、私も35年間、現場の労使関係からナショナルセンターの労使関係を含めていろんなレベルの仕事をしてきたわけでありますけれども、やはり本当に質の高い公共サービスを、少ない人員で簡素にして効率的な行政をやる、そういうときに、一つ一つの公共サービスを実行する公務員一人一人が、どういう意識を持ち、全体としてどういう組織持ち、そして使用者は国民と言ったって、具体的には指揮命令系統を明確にするわけですよ。民間だって、株主総会はありますけれども、やっぱり代表取締役社長が責任者としてきちっとした使用者の組織がつくられておるわけでありますから。そういう関係において、私は、政府はまだ経験されてないとは思いますけれども、民間の労使関係を前提にする。そこには大変厳しい、厳しいといってもめちゃくちゃ悪いということじゃなくて、いい意味で緊張感のある関係を含めまして、ここは戦後の労働運動、これは労使関係、特に使用者においても多大な知見も蓄積した上で今日の世界に誇る労使関係を築いてきた。そのことを私は十分踏まえて参考にしてほしい、まずそのことを申し上げたいと思います。
 今回の法案の中でも、人数の問題含めて相当厳しい内容を働く皆さん方に提案するわけですから、そのことを職場においてしっかりと説明をし、職場での納得、そういうことを形成していくという大変なプロセスがあるわけです。そういうときに、これ、今のご答弁、対話と認識、共通認識だけだったら、だれがそんなしんどい、5年間で何%の人を減らしていくと、定員を削減すると、こういう仕事に取り組むんですかと。
  そういうことを含めて、また今度は逆に、当事者責任を果たす労働組合のサイドに対しても、私は一定の役割なり機能が求められてくると、従来の労働組合とは違ってですよ、新しいこの行政改革を推進するというステージに立ったときに求められてくると思いますけれども、この点、政府としてどのような労働組合像を描いておられるのか。答えにくい面もあるかも分かりませんけれども。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 委員は民間労働組合の方でずっとご活躍でございまして、私も民間会社に勤めておった者といたしまして、今から4、50年前のあの労使の在り方と今とは相当違ってきていることはもう十分に国民一般も認識をし始めております。自分たちの生活を守らんがために、もちろん会社全体のこともでございますが、やはりそのことが前面に出ておった戦後の一時期と、現在のように両方協調して、自分たちが所属する企業を、事業をいかに展開し、そしてまた国民の信頼を得てサービスを提供していくか、これは、もうこれからは民間も公務員も一緒だと思っております。
  ただ、公務員の場合には、これは労働組合とは言わずに職員団体と、このように申しておりますが、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体でございます。そういうことから、今、民間の方もそこまで意識も変わってきております中で、公務員の方もそのように、自分たちの、何といいましょうか、労働条件を守るとか、あるいは何とか権利をかち取るということではなくて、やはり国民の幅広い、これからの大きな日本の次の時代に向かっていくわけでございます。かなり民が主体を持って、そして責任を持ってこの国を運営していく形の中の公務員でございますから、そういうことで、私も何回かお話をさしていただいておりますが、そういう認識にずっと、公務員労協の方々でも、少なくとも個人的に話しておりますともうそういう時代になったということを十分に認識されておりますので、そういう形で私どもは今後のこの労使の在り方、公務員制度改革につきましても取り組んでまいりたいと、このように思っている次第でございます。
  現在の厳しい財政状況に照らしまして、簡素で効率的な政府を実現することは喫緊の課題ではありますが、行政改革推進法案に盛り込んだ諸改革を着実に実施していく必要があります。
  これまで、1月と3月に政府との、連合との間で政労協議を開催するなど、組合側との意見の交換を努めてまいりまして、今後とも、先ほど申しました共通の認識に努めてまいると同時に、そして新しい労使関係と申しましょうか、まあ労という言葉を使いたくないんでございますが、この公務員の方々と政府との在り方、これで新しい時代を開いていきたい、このように認識いたしております。

○加藤敏幸 私の意見を簡単に言えば、組合にも当事者責任を果たしてもらいたい。この厳しい環境の中で、本当に信頼される公共サービスを担う公務員改革をやろうといったときに、基本的には労働基本権、この問題をなくして私はなかなか答えは出ないと思うんですよ。労働基本権の回復もなしに、しんどい仕事だけやってくださいとそう言われたときに、それを担っていく人なんて出ないですよ。
  そこを政府、全閣僚、やっぱりしっかりと認識していただかなければ。法案は通っても、本当の成果は現場がつくってくるんです。私は現場主義で民間でやってきましたから。そこがないと日本経済だってもたないんだということで、まあ、うなずいておられますから、しかしうなずくだけではちょっと物足りませんので。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 今申しましたような認識も、1月、3月に行われましたこの政労協議の場でかなり突っ込んだ認識を持ち、また両方の信頼関係を私は醸成できたものだと、このように思っております。
  そういうことで、これからの問題につきましても、今おっしゃったことを踏まえてしっかりと対応してまいりたいと思います。

○加藤敏幸 少し前進したかなと、こう思います。
  私は、政労協議という言葉を政府がお使いになったことについては非常に評価をしているんです。これ、私が連合にいたころは協議などという言葉はとんでもないと。政労会見という言葉を私たちで使っても、政府としては、会見ではない、それは通称だと。何だと言ったら、これはお願い、要請だと、こんなことだったわけであります。
  そこで、先ほど大臣も少しお触れになられましたし、半分ぐらいはもう既にお答えが出ておるわけでありますけれども、公務員制度改革等にかかわる政労協議が連合との間で行われているということでございます。
  18日の委員会で高嶋委員の方から既に質問をされておりますけれども、特にこの政労協議の中で何が論点となっているのか、あるいは、意味がなく集まっておるわけじゃないでしょうから、いわゆるこの協議において合意を探るとすればどっちを向いて議論が行われているのか、合意の方向性等について、まとめてご説明いただきたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 少し繰り返しになりますが、本年の1月に、政府と連合との正式な協議の場である政労協議を、平成16年5月以来1年半ぶりでございます、再開をいたしました。公務員制度の改革等に関する基本的事項についての意見交換を行ったところでございます。連合側が3人、政府側は厚労大臣、総務大臣、そして私、行革担当大臣でございました。
  これに加えまして、3月20日に政労協議を開催しましたときには、労働基本権についてニュートラルに検討する場を設ける、はっきりとその検討のまくら言葉に労働基本権についてニュートラルに検討するということが言っているわけですから、そのことの意はお酌みいただきたいと思います。この検討の場において、公務と公務を担う公務員の範囲、在り方について総合的な検討を踏まえて基本権の在り方を論議することと、このようなことで意見の一致を見たわけでございます。
  検討の場の在り方とか設置時期等につきましては、今後関係者と調整しまして、今のところ、すり合わせておりますが、今月末ぐらいには連合との政労協議の場で成案を得ることができると思っております。

○加藤敏幸 相手があってされていることですから、これ以上国会の場でその内容について言及する必要は今日はないと思いますので、いい成果を是非まとめていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

2、ILO条約の勧告問題について
○加藤敏幸 では次に、ILO条約に関しまして、川崎厚生労働大臣にご質問申し上げます。
  小泉内閣が国連常任理事国入りに非常に執念を燃やして頑張ってきたわけでありますけれども、それに比べて、国際機関であるILOに関しましてはなかなか芳しくないというふうに受け止めております。ILO軽視論、無用論というものがなぜかベースにあってみたり、場合によっては、ややこしいことを言うんだったらILOから脱退したらどうだと、まあこれは公式の場ではないとは思いますけれども、そういう声も出たりするというようなことも聞いておりますけれども、私は、ILO条約には労働基準の確保と労働者保護という非常に重要な側面とともに、国際的な公正競争条件をつくり出すと、こういうふうな内容があると思います。
  中国に国際経済の仕組みの中に入っていただくためには、やはり公正競争条件としての国際的な労働基準、このことを中国も遵守してもらわなければ駄目だというのは当然のことであり、むしろ私たち日本の立場でいうとILOの活動に積極的にかかわっていくべき、そういう国際的な立場にあるのではないかと、こういうふうに思っております。
  まず政府としてILO条約の批准、また条約の遵守に関して最大限の対応をすることが必要だと思いますけれども、まずその基本姿勢について政府の考え方をお示しいただきたいと思います。

○川崎二郎・厚生労働大臣 我が国は、ILOの趣旨、すなわち労働条件の改善について社会正義を基礎とする世界の恒久平和の確立に寄与すること、完全雇用、労使協調、社会保障等の推進を目的とすると、この趣旨に賛同し、ILOの創設、これ国連の中に入りましたのが1946年ですね、国連の専門機関となったと。その加盟国となり、諸活動に積極的に協力をしてまいりました。
  条約の批准については、それぞれの目的、内容、我が国にとっての意義等を検討の上、もちろん国内のコンセンサス、一方で国際世論を勘案し、批准することが適当と考えるものについては、特に国内法制との整合性を確保した上で批准をしてまいりました。そういった意味で、多少全体の流れとは、我が国は批准した以上は国内法制をきちっとしてそれを守っていくと、こういう立場を貫いてきたと思っております。
  確かに、フランスが109条約批准、イタリアが98、これがトップでしょうか、我が国は47。一方で、アメリカが14とかカナダが28とかいう数字がありますし、中国は21までなっているという話ですけれども、まあ国内法制の問題もあると思います。
  いずれにせよ、我が国は、先ほど申し上げましたように批准した条約については国内における適切な実施を確保してまいりたいと思いますし、ILOに、諸活動に積極的に協力していくということについては基本的な考え方であると考えております。

○加藤敏幸 そういう政府の基本的な姿勢を前提に、次に竹中総務大臣にお答えいただきたいんですけれども、ILOは2002年11月21日に公務労働者の労働基本権の付与、労使協議制の確立などに関して、日本政府がILO第87号条約、そして第98号条約に適合する国内法制の改革について勧告し、その後も2回、合わせて3度の勧告を行ってきたと、こういうことでございます。
  私は、政府がこの勧告をどのように受け止めてきたのか、あるいはこの勧告を踏まえ国際労働基準に則した労使関係制度を確立する意思があるのかどうかと、こういうようなことも内外から問われておるわけであります。まず、この点について大臣の見解をお尋ねいたします。

○竹中平蔵・総務大臣 委員ご指摘のように、過去3回にわたってILOの勧告、その中でいろんな指摘事項をいただいております。そうした中で、労働基本権の在り方等については、ILOと政府との間で見解の相違するところもあることはあるわけですが、基本的にこの勧告は公務員制度改革について、政府に対して組合を始め関係各方面と十分話し合うようにということを要請しているものというふうに認識をしております。
  こうしたことを踏まえて、我々も昨年12月の例の行革の重要方針において、先ほど中馬大臣からもありましたように、公務員の労働基本権等の公務員制度改革について、国民意識等を踏まえつつ、内閣官房を中心に幅広い観点から検討を行うということを明記したわけでございます。今般のこの行革推進法案にもこの旨の規定が盛り込まれているところでございます。その後、ILO、昨年12月の我々の閣議決定、本年1月の政労協議等を歓迎しているというふうに認識をしております。その意味で、現在の政府の努力を、まあ方向として評価しているものというふうに認識をしております。
  我々総務省としては公務員制度を所管する立場でございます。先般の決定に基づいて、またこの法案に示されているところにも基づいて、内閣官房とよく連携協力を図ってまいりたいと思っております。

○加藤敏幸 このILOの問題というのは結構奥も深くて、そう短時間に白黒という議論だけではないということは私も理解をしております。批准はするけれども適用はええ加減と、そういう国も現実あることはありますし、我が国は、特に国内法整備との関係については世界の中でも一番厳しいオペレーションをやっているということもあります。
  ただ、今大臣が答弁された、ILO理事会が公務員の労働者の皆さん方とお話をしなさい、促進をしなさいという点だけが勧告点ということではなくて、さらに、例えばこの結社の自由委員会の勧告以外にも、2001年8月30日の、国際人権規約あるいは社会権規約委員会で採択された総括所見の指摘の中にも、我が国に対して問題提起がある、そしてその問題提起が国際的に日本国というイメージをつくっているという部分があると思っています。その一つは、よく考えてみると日本は人権後進国家ではないのか、そういう基本的な労働基本権にまつわるこういう基本権についての対応が何となくないがしろにしていくと、そういう体質にあるのではないかというイメージもややILOの場ではある、このように聞いておるわけでありまして、国際的な信用の問題でもあるし、本当に常任理事国を目指すならば、そういうふうな面についても私はしっかりとした処置をする必要があるのではないかと思います。
  また、政府の担当部局内部において、こういったILO問題に対する、まあ矮小化とは言いませんけれども、やや軽い問題だと、そういうふうに受け止めているという意識があるのではないかと、こういう印象を私は持っておるわけであります。そんなもんだという認識なのか、それとも、この新しい世界にそれなりの役割を果たしていくという日本にとって、このILO問題、やっぱりしっかりとやっていかないかぬ、新しい時代なんだということなのか、この辺については竹中大臣、どうですか。

○竹中平蔵・総務大臣 今、加藤委員から二点ご指摘がございました。一つは、やっぱりこの問題、奥が深いので、そんなに簡単じゃないということはそれはそれで分かっているんだと。しかし一方で、国際、正に国際信用、そのイメージの問題等々で、やはりここをしっかりと日本としてももっと主体的に考えるべきであろうと、そのようなご指摘についてはそれぞれについて私も全くそのとおりであると思っております。決して、我々、政府の中でこの問題を軽く考えているような風潮は私は全くないというふうに思います。
  先ほどもご紹介させていただきましたように、ILO勧告では、昨年12月のこの我々の閣議決定、そして本年1月の政労協議等、これは歓迎してくれているというふうに理解をしています。このそうした政府の努力を評価いただいているわけですから、これをしっかりと続けていくこと、その中でしっかりとした答えを出すことが正に国際信用を構築していくことになるというふうに思っております。
  3月20日に政労協議を開催をしまして、労働基本権についてニュートラルに検討する場を設けた、設けることについて意見が一致した。細部について調整の上、政労協議の場で成案を得ることになっておりますので、この流れが大変大事であろうかというふうに思っております。
  この公務員の労働基本権の在り方については、国民意識も十分に踏まえまして、しっかりと検討がなされるべきものというふうに考えております。

○加藤敏幸 じゃ、今その論点になっているこの中間報告、ILO理事会は3月29日に結社の自由委員会中間報告を採択した、中馬大臣の方から、4月26日の本特別委員会において、この中間報告を政府に対して組合を始め関係方面との十分話合いをするような要請をしたものと理解をしていると、こういうふうな答弁をいただきました。
  全体の答弁の流れがありますから、ここの部分だけ切り取って云々をするというのは決して私はフェアではないと思いますが、しかし、この中間報告は連合と政府の協議の進展を歓迎するとは言っています。先ほど、竹中大臣も、それから中馬大臣もさきに言われました、歓迎はされているんです。しかし、さらに関係者に、公務員制度改革及び日本が批准した第87号条約及び第98号条約に具体化された結社の自由の原則に調和する法律改正について速やかに合意に達することを目的として現在継続中の努力を続けるよう強く促すと述べているわけです。
  自分で意訳したわけじゃないんですから、いろいろあるかも分かりませんけれども、つまり、協議のテーブルに着くということだけを評価するんじゃなくて、やっぱり合意をして法改正という実行に移す、そういう段階にあるのだと言っておるわけでありますし、多分、政労会見を精力的にやられていることの動機の中にも、私はこういうふうなILOが日本に突き付けている勧告のある種今日的な意味合いがあるんではないかと思っておるわけであります。
  中馬大臣に、あえてそういうふうな状況を踏まえて、お考えを伺いたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 今お話がありましたように、何と言いましょうか、政労協議等を始めておりますことにつきましては、これは歓迎しつつ、ウエルカムという言葉を使っているようでございますが、しつつ、勧告として関係者による対話、政労協議でございますが、これが構築されたことに興味を持って留意しつつ、関係者に公務員制度改革及び結社の自由の原則に調和する法律改正について速やかに合意することを目的として現在継続中の努力を続けるように強く促すと、このように書いているわけでございまして、それを踏まえまして、今後、お話がありました労働基本権についてのニュートラルに検討する場を設けることにつきまして意見が一致したところでございますから、今後とも関係者との意見交換を進めて、実りある成果を得たいと思っています。

○加藤敏幸 そういう文脈の中で、今月内ですか、連合と第3回目の政労協議を開かれるということに私は理解をし、是非ともすばらしい合意内容をつくり上げていただきたいということを再度申し上げておきます。
  それで、もう一つ、中馬大臣に確認をしたい点があります。既に政府の皆さん方は連合との協議の場で、労働基本権を付与する公務員の範囲について検討をすると、こういうふうに確認をされ、検討をされているということでございます。そこで、その検討の内容でございますけれども、労働基本権を付与する公務員の範囲なんだと、問題はここだと、こう言われておるわけでありますから、私は、もう少しそれを深堀りをいたしますと、ああそうだなと、公務員にはいろいろ種別があるな、例えば警察官のように、これはもう団結権だとか交渉権言ってられない、やっぱり公権力を行使していくという、そういう立場の種別もあれば、非現業の一般の公務員さんもある。つまり、公務員と一口で言っても、いろいろ役割だとか業務の内容、職務ということを具体的に個別に精査をしていって、それらの種類に対応して、例えばこれはまあ団結権まではいいよとか、争議権は、これはもう国民の皆さんは不安になるぜとか、そういうマトリックスというんですか、そういう形での議論を今後、先々のことを言って申し訳ないんですけれども、やっていかないといけない情勢ではないのですかと。
  奥歯に物が挟まったような言い方で申し訳ないんですけれども、よろしくご答弁お願いをしたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 いろいろな意見があることはご承知かと思います。公務員の、何といいましょうか、地位とか役割とかありますから、ここで予見を持ってその方向でということは申し上げません。ですから、労使の協調の場でもニュートラルにということでの検討の場ということは、まずはご理解ちょうだいいたしたいと思います。
  そこで、公務と公務を担う公務員の範囲、在り方、これについてのことでございますけれども、総合的な検討を踏まえて基本権の在り方を論議することで連合と意見の一致を見ているわけでございます。
  このように、公務員の労働基本権につきましては、その地位の特殊性と職務の公共性から一定の制約が出されておりまして、これに見合う代償措置として人事院勧告制度等が設けられているところでございます。これまでずっと続いてきました制度でありますから、これを変えることにはそれなりに国民への説明とか理解も必要であると、このように考えております。労働基本権の在り方等につきましては、この制度の必要性や経緯にかんがみまして、国民意識も十分に踏まえて厳粛な姿勢で検討していくことが必要であると考えております。
  また、公務員が行う業務と公務とが一致していた従来の公務員に関する見方が変化していることもこれまた事実でございます。かなりの公共サービスを民に任していくということでございますから、公共サービスの従事する者イコール公務員ではなくなってまいっております。今後の公務と公務員の在り方等に関する国民各層の意識も十分に踏まえつつ、予見を持つことなく幅広い観点から検討されるべきだと、このように考えております。

○加藤敏幸 ニュートラルという言葉が、やや関係者の間に、ちょっと分からなくなるな、相当に老獪な言葉だなとは思いますけれども、しかし、私が申し上げました、種別によっていろいろあるということについて否定はされなかったということでございますし、まあまあこれから先の議論なのでということで今日は理解をしたいと思います。
蛇足でありますけれども、人事院勧告制度というのは労働基本権を与えない代わりの代償措置と言われますけれども、ある意味で非常に優れた側面を持つ制度でもあるんです。一つ、楽だと。これ、いちいち交渉でやり始めますと、私たち民間のように、民間競争、国際競争を背景にそこでジャッジされるという尺度がある場合は最後決着は付きやすいんですけれども、公務労働の場合は、いわゆる競争力だとか、最終的に赤字だ黒字だというジャッジ、そういう物差しがない場合は交渉というのはなかなか難しい側面もあるということで、人事院勧告制度というのが持つプラス面もあるし、また公務の現実の働く皆さん方もそこはそれで理解をされている。
  だから、基本権がバラ色のものだとは、これは特に公務をやっている組合の皆さん方は思っていらっしゃらない。それはそれで、まあ地獄とは言いませんけれども、大変な煉獄ぐらいな感じにはなるなと。それはしかし、そういうことはあるけれども、労使交渉には「民族自決」という言葉もあって、属国よりも、経済的にしんどくなるかも分からない、侵略にも備えなければならない、しかし自分たちのことは自分たちの責任でやっぱり決めていこうということも、私は、公務労働者の間に大切なまあ共通の価値観だし気概だと、こういうふうに思うわけですから、そこのところも含めてご議論の方お願いをしたいということであります。

3、キャリア制度問題について
○加藤敏幸 続いて三番目のテーマでございますけれども、キャリア制度ということについて少しご質問したいと思います。
  この委員会の中でも随分キャリアという言葉が出てきました。ただ、分かったような気がするんですけれども、じゃうちの子供にキャリアって何なの?と説明をしてくれと言われたときに、これはよく分からないな、要するに公務員の中で偉い人の話だとか、そういうことしか言えないわけですね。だから私は、これは、いわゆるキャリア制度というのは何でしょうかねと。法的な規定、法的な根拠がなく、正に慣行的に運用されているというわけでありますけれども、太政官布告以来やってきたのかなと。慣行的にやる割には社会的に大変大きな影響を与えておるのではないかと、こう思います。
  ただ、すべての制度を全面否定するだけでは能がない。私は、キャリア制度のいい面も継続してきたという事実の中から、きっとあるんだろうな、しかし世間で言われているような悪い面、マイナス面もたくさんある、そこのところは一度私も議論の場にのせていく必要があるんじゃないかということで、本日は、お二方、川崎大臣と竹中大臣にこのキャリア制度のいい面、また悪い面についてご説明なりご感想をいただきたいと。と言いつつ、谷垣大臣もおられますから、質問通告せずにご無礼だとは思いますけれども。ただ、川崎大臣に、谷垣大臣の方から、何で川崎だけ指名するんだと、こう言われたら、これも理由がありまして、民間の製造業のサラリーマン経験をお持ちだと、業界は私と一緒でしたからやや近親感があるということも。それから、竹中大臣の場合は、元は学者、今も学者さんだということですけれども、政治家に華麗なる転身を図られて、きっとあのときは相当なキャリアとのカルチャーショックもあったんじゃないかと推察をする中で竹中大臣にもお伺いをしたいということで、よろしくお願いします。

○川崎二郎・厚生労働大臣 私が松下電器出身だということでのご質問でございますけれども、私が入りましたときは経営の神様と言われた松下幸之助さんが陣頭指揮を取っておられる時代でございました。経営の神様でございますから、お客様を大事にしてきた、技術を大事にしてきた、これを最も強く強調された経営者でございますけれども、裏から見ますと、やっぱり総務、人事といいますか、それから経理、この二つをやはり内部組織としてしっかり持っていたということは間違いないだろうと思っております。
  最近の動きを見ましても、総務畑の人間、経理畑の人間、それから大学院卒の技術者、中央研究所等、これについては、やはり養成過程、民間会社といっても少しキャリア制度と似たような人事養成をしているのかなと。ほか、営業とか製造現場に行きます者は正に一線に立たされて競争が始まる。そういう意味では、会社の中で中核を成す者については、本社人事をしながら会社全体を見回す立場をしっかりおまえらは持てと、こういう教育を受けるんだろうと思います。
  ただ、時代が違ってまいりましたのは、例えば幸之助さんの時代でも、自分の後継者、二十六段飛びで山下さんという人を製造現場から社長にぽおんと持ってきた。その後、営業出身が続きました。確かに、内部管理という面で総務、経理、こういう人間をしっかり育てることをしますけれども、なかなか今の時代、この人たちがトップに立って会社を経営する、そういう時代ではなくなってきているのかなと私は思います。それは、やっぱりお客様の気持ち、そして製造現場の気持ちということになると、それはやっぱり第一線で戦ってきた人から上がってきた人がなると、そういうように思っております。
  民間会社がやっているのと公務員のキャリア教育、実は公務員のキャリア教育も、海外にも行かせますし、大学も行かせますし、そういう意味ではかなりのものをやっているなと思っています。
  結論から申し上げると、その上に我々大臣、副大臣が立つようになっていますので、我々は正に民間登用型なんだろうと。さあ、我々が経理、人事の言うことばかり聞いて仕事をしていくか、民間的な要素が持っている我々が国民の声なり地域の声を聞きながらしっかり政治をリーダーシップ取れるかというところが運用の問題だろうと。逆に、我々問われているのは、キャリアという優秀な人間を我々は使いこなすほどの力を持っているのかというのが政治家の側面からいったら問われているなと、私はこう思います。
  それからもう一つは、うちでもそうなんですけれども、局長、今、医療制度改革やっております局長2人は途中入社の技官でございます。医療の関係者でございます。
  そういう意味では、やはり時代全体の変化の中のT種からの登用だけではなく、U種、V種からの登用というものも心掛ける。いや、地方で苦労して、あれ、いいぞという形で我々が声掛けて登用できるような時代を迎えると、かなりある意味では硬直した人事制度というのはもう少し変わっていけるかなと、こんな思いをいたしております。
  いずれにせよ、我々政治家はもうちょっと頑張らなきゃならぬなと、こんな思いを持っております。

○竹中平蔵・総務大臣 全般的な感想ということですので、そういうご説明をお許しいただきたいと思います。
  実は、私自身は30代の前半に5年程度、役所の中で仕事をしたことがございます。財務省の研究所に勤務したことがありまして、そういう意味では、キャリア制度、役人の制度そのものについては比較的親しみがあるつもりでございます。
  そういう中で、むしろ、5年前に閣内に入って感じましたのは、キャリア制度はやっぱり変わってきているということだと思います。当時、30代のころは、途中でキャリアの若い方がこんなに役所を辞めていくという状況はありませんでした。今、相当やっぱり当時に比べたら辞める方が増えています。そのことは非常に私は象徴的だと思うんです。
  これ、ある労務管理の専門家のご意見で、私も賛同するんでありますが、こういう制度がなぜ定着してきたんだろうか。ちょっと言葉が極端かもしれませんけど、こういう制度というのは言わば人材の促成栽培のシステムであると。近代化を求められて、近代国家としての体裁を整えなきゃいけなかった。しかし、社会の十分な教育機関がなくて、しかしそれを担う優秀な人材をつくっていかなきゃいけない。そのために将来性のある若者を採用して、その採用が公務員試験だったわけですけれども、そこである種特別の待遇を与えるわけです。
  典型的には、かつて大蔵省の方は20何歳で税務署長になると。自分の父親と同じぐらいの総務課長に支えられて、見習いながらもとにかく署長をして、それで一種の帝王学を学ぶ。そういう特別待遇、これは一方では天下りのような形で保障もされている。しかし、その見返りとして非常に高い志を持って、高い能力を培っていく。したがって、良い面としては高い志、高い能力、それは間違いなくあった。悪い面としては行き過ぎた待遇、そういうのがあったんだと思います。
  私が感じるのは、その両方とも低くなってきているということだと思います。待遇も以前に比べればやっぱり悪くなっていると思いますが、申し訳ないが志も能力も以前よりは低くなってきている。私は、これは一種社会の成熟の中での当然の現象だろうと思います。
  そういう意味では、やはりこの制度の良い面は残っていくでありましょうが、それだけに頼ることなく、キャリアパスを複線化して多様化していく、そういう方向を目指すのが現実的であろうかと。現実にスピードに対する評価はいろいろあろうかもしれませんが、その方向には行っているのではないかというふうに思っております。

○加藤敏幸 谷垣大臣、いかがですか。
○谷垣禎一・財務大臣 今、竹中大臣のお話聞いておりまして、後進国、発展途上国における人材養成の方法だというのは確かにそういう面があったんだろうと思います。
  どこの国とは申しませんが、私どものカウンターパートを見ておりますと、非常に優秀な閣僚がたくさんいらっしゃる。しかも、30歳ぐらいから閣僚になっていろんな重要なポジションをこなして、それでもう、何というんでしょうか、40歳ぐらいで国家全般の経営の、何というか、ノウハウを身に付けたような閣僚がたくさん海外にはいらっしゃるわけですね。ある意味では明治時代の日本もそうだったのかなと思います。いい面、悪い面があると思います。
  それからもう一つは、実は私の父は役人でございまして、私は弁護士でございますから、まだ当時私がおりましたころは5、6人の事務所は大きい方でございましたから、組織の経験は余りございません。ただ、父に言われましたのは、私は裁判所で修習をし、検察庁でも修習をしたわけですが、いいか、日本の役人組織はキャリアが優秀だということになっているが、実はその組織がきちっと動くのは、いわゆるノンキャリの人たちが優秀で責任感があるからもっているんだということを父に教わりまして、事実、そういう面が今までの日本の官僚社会にはあったんだろうと。これもいい面、悪い面、両方あると思いますが、そんなふうに感じております。

○加藤敏幸 お三方の大臣、多々ますます弁ずで、更に時間があればと思いますけれども、ありがとうございました。
  最後に谷垣大臣がいみじくもお触れになったノンキャリアという皆さん方ということでございまして、私は、キャリア制度を語るということはノンキャリア制度を語るということであり、また現実、地方公共団体においては学歴別採用基準のみで、キャリア、ノンキャリアという区別なく運用、登用しているというふうにも聞いておるわけであります。
  そこで竹中大臣に、先ほどの谷垣大臣のノンキャリアについてのお話も踏まえながら、私は、ノンキャリア制度について、今度は担当大臣としてやっぱり何かすべきことがあるのか、その辺のところをお話いただきたいし、私は、ノンキャリア制度がこれはある意味で能力登用阻害制度になっている、せっかく立派な能力のある人を埋もれさせてしまうようなマイナス面もあるのではないかと、そういうふうな感想を申し述べて、お伺いしたいと思います。

○竹中平蔵・総務大臣 先ほど谷垣大臣が非常に適切にご指摘されましたように、いわゆるノンキャリアと言われる方々がいかに献身的に地味だけれども本当に重要な仕事をされて日々の役所の仕事を支えておられるか、もうそのことはもうあらゆる機会に私自身も感じております。そういう方々の努力なくしてはこの大きな仕事をやっぱりやっていけない、そういう形に明らかになっております。
  そういう中で、幹部要員たり得る一定の能力と意欲を有する方々をやはり効率的に選抜、育成するということ、そして一方で、人事運用の硬直化を避けて、職員のモチベーションといいますか正にやる気の低下を招かないようにするということが人事管理上最大の重要なポイントだと思います。このために今我々行っているわけですけれども、年功的な人事管理をやはり改めていく、そしてこれは正に採用試験区分な問題でありますから、その採用試験区分に過度にとらわれることのない、意欲と能力、成果を引き出すような人事管理システム、これを能力実績主義というふうに呼んでいるわけですけれども、いろんな実験といいますかテストも始まっておりますので、この制度をやはり実りのあるものにしていくこと、これが重要であると思っております。

○加藤敏幸 ノンキャリアの皆さん方にねぎらいの言葉もあったと思いますけれども、言葉だけじゃなくて、私はそのことが、本当に流した汗が報われるようなやっぱり制度を、私はこれ運用でやっていると聞いたときはけしからぬなと。運用でやれるんだったら、ノンキャリア制度を含めた新しい公務員制度の運用はやれるはずだということを含めて、私は、ここが大きな課題があるし、やっぱりしっかりやるべきところではないかなと思います。
  私も20何年来、霞が関の皆さんといろんな意味でお付き合いをして見ておったんですけれども、総務課長というからね、民間の総務かと思ったら、違うんですね、国会対策課長。国会対策って何やっているんだって聞いたら、永田町あたりを一生懸命走って。だから、キャリアの皆さん方の能力って何なんだと。それは調整能力。調整能力というのは、これ人脈なんだと。こういうふうな、言ってみれば、ある狭い空間の事情通、その辺のところはよく分かっているということの方が職業能力の一つのベースになっている、こういうことではもったいないなと。
  やっぱり、会ってみて、やっぱり立派ですよ、皆さん方。お役人になったときに、「3つ、4つ天下りして退職金たくさんもらって」なんて思っている人は一人もいないはず。やっぱり一人一人は志もあるし、日本国民のために何とかせにゃいかぬという思いで日々やっていますけれども、結果としては、合成の誤謬とは言いませんけれども、調整で走った、与野党調整も含めまして、いろんな調整だけやっているということでは駄目だなと。
  だから、今度定員問題が出てきたときに、日経連、経団連の皆さん方にもお役人の中で優秀な人を引き取ってもらえないだろうかという話になったときに、いや、声を、言葉を濁して、何か答えが余りいい返事が出なかったというのも、私はある意味で、お役人の職業能力開発の、本当に専門能力とは何なんだというところが具体的にはよく見えない。そういうところを、単に調整能力がすごいんだということじゃなくて、いろんな意味での能力開発をどうするかということも含めた公務員制度の設計というところが必要ではないかと、こういうふうに思います。
  いろいろ、これは話し出すと終わりがないので、この行革、この関連法案の議論の中で、先ほど申し上げました公務員制度改革、ましてキャリアだとかノンキャリだという、こういう運用の問題も含めまして、今後の展開について十分な能力が発揮できる公務員制度を目指すということで中馬大臣、お願いします。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 いろいろと今後の公務員の在り方等も論議が出てまいりまして、この法案にもそうしたことを踏まえまして63条において今後の新しい公務員制度、これは労働基本権から、あるいは能力主義とかこういったことを踏まえた、総合的にこれを検討することにいたしております。
  先ほどもちょっと申しましたが、拙速を貴んで、これまでの大きな組織体系でございますが、これを変にいじることによって大変な混乱を起こしても困りますから、組合の方々とも協議を続けながらひとつ新しい国家公務員の在り方、これにつきましてキャリア制度、ノンキャリア制度のこともございました。こういった在り方も含めて、公務員制度改革、これの法律をまとめる努力をしてまいります。その方向で今進んでいるところでございます。

○加藤敏幸 竹中大臣、何か追加することはございますか。

○竹中平蔵・総務大臣 公務員制度を所管する大臣としましては、改革全体、今、中馬大臣ご答弁のとおりの方に進んでおります。中馬大臣とよく協力をして申し上げたような改革を進めてまいりたいと、こう思っております。

○加藤敏幸 時間が残り少なくなってきましたけれども、最後に、この公務員制度改革、今、るる皆さん方から、問題もある、いい面もある、しかし何とかしないとけない、こう言われたことが、現状を混乱させるということでは駄目だと。だから、そことの間合いを計っていくという中馬大臣のお言葉だったんですけれども、じゃ、その間合いを計りつつ、どのぐらいの時間軸で我々議論したらいいのか。また、現場の当該の組合の皆さん方も心の準備とかいうこともあると思うんですよ。おおむね、大体どんなものか、一番答えにくいかも分かりませんが、お願いしたいと思います。

○中馬弘毅・規制改革担当大臣 いつまでとは言いませんが、法案にもはっきり書いておりますように、できるだけ早くといいますか、早期にまとめることにいたしております。法案の中に書いておりますから、これに向けて、拙速は避けますけども、しかしできるだけ早くこれをまとめるようにしてまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 やはり今回のこの法案が、提案する側が「プログラム法的」だと言われるぐらいですから、なかなか、更に踏み込んで国民の皆さん方、有権者の皆さん方に具体的なイメージを持っていただき、理解をいただくことが非常に大きな私は仕事ではないかと思います。しかし、そこはなかなかかなわないということで、私どもも大変苦労しておるわけです。
  最後に一言だけ、中馬大臣、よろしくお願いしたいのは、労働基本権を「えさ」に公務員制度のコスト改革を図ると、そういうある種の矮小化されたそういう見方をする人おりますけれども、そういうものじゃなくて、天下百年の、国家百年の計に堪えられるだけの、大臣自身が気概を持って、志を持って、是非ともこれを成し遂げていただきたい。労働基本権の問題が、正に現場で働く皆さん方の気概を確立する、本当に国民に向かって責任を果たしていく、公務員魂をこれから支える大きな要素であるということを申し上げまして、大変僣越ではございましたけれども、私の質問を終わります。ありがとうございました。

以上

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民主党参議院比例区第3総支部