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report──国会質問 会議録


 高齢者の住み替えについての調査資料を配布し、討論を行いました。資料をご覧いただく場合は、下記をクリックしてください。(PDFファイル)

住生活基本法案に対して質疑 住宅のストック量が充実しているという政府の認識は再検証が必要だ

(国土交通委員会)
2006年5月30

 今国会に提出された「住生活基本法案」について質疑を行いました。
  この法案は、国民の住生活の安定と向上に関する基本理念、国の責務などを定める法律で、「量から質へ」住宅政策の転換をめざすとしています。まず、この「量から質へ」の転換というコンセプトに関し、都市圏などでは住宅の量の問題は依然、解決していないこと、低所得者は質的に劣る住宅を選ばざるを得ない実態を指摘し、住宅のストック量は充足しているという政府の認識にはさらなる検証が必要であることを指摘しました。
  また、今後の高齢化を見越した住宅政策、具体的には高齢化に伴う「住み替え」への対応などについて議論しました。NPO団体の調査では、介護が必要になる前に住み替える必要があると考える高齢者が4割近くおられます。このような調査を国としてもしっかり行い、高齢者の暮らしの安心のために、省庁の垣根を越えて総合的に対策を行う必要性を訴えました。

[質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)


1、戦後の住宅政策(持ち家政策)の評価について

2、住宅政策にいて「量」の問題は解決されたのか

3、住宅に関する技術開発への支援策について

4、国・自治体・事業者の責務とは

5、高齢化と住み替え問題

6、住宅の安全性の確保について


○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
  午前中の佐藤先輩議員に引き続きまして、住生活基本法案について、住宅問題全般にわたる課題等具体的な質問を含めながら、本法案の持つ問題点、課題などについて順次触れていきたいと思います。

1、戦後の住宅政策(持ち家政策)の評価について
○加藤敏幸 まず最初に、今回、住宅建設5か年計画から、豊かな住生活の実現を目的とする住生活基本法に切り替えようとする一種の政策の大転換と受け止めておりますけれども、第一に、なぜ転換しなければならないのか、その動機は何なんだ、ここが一つ大切なポイントではないかと思います。
  私がとらえている問題の背景を少し述べさせていただきますと、戦後我が国は一貫して持家政策を展開をしてきたと理解をしております。各国の住宅政策を見てみますと、公的住宅に主軸を置いた政策を取っている国も多々ございますけれども、我が国は、勤労者中心にそれぞれ持家を持つんだと、国全体の雰囲気も含めましてこういう政策が行われた思います。私は、サラリーマンの立場、また団塊の世代、そういう立場に立って、この持家政策というものが企業内福利厚生の重要な柱でもあったわけですけれども、うまくいったのかどうかということも一度考えてみたいということでございます。
  多くの勤労者は、黙々と頭金を貯蓄し、融資制度を活用し、長期のローンを組み、膨大な金利を払いながら、家、マンションを取得してきました。この政策により、勤労者は財産形成を行うことができたし、当面の住生活を充足することができた。そして、マクロ経済的には国内に、多くの方が家を買うわけですから、借金をして買うということから、膨大な需要が創出され、それに向けて言わば経済全体が回ってきたと、これも戦後日本経済の発展の大きなエンジンであったのではないかと、このように思っています。
  しかし、一方で、経済が右肩の状況のときは、買ったときよりも多いときは2倍、3倍に不動産価格が上がっていく、おれもサラリーマンなのに資産も少しできたなと、借金して早いうちに買って良かった、苦労が報いられたと、そういう時代もあったわけですけれども、今日、土地の値段はどちらかというと下がる傾向もあったり、バブル崩壊の後、状況が大きく変わってきた。勤労者が払った労力、コストとこれによって得た住宅ストックの資産価値というのは最終的にバランスをしてこなくなったんじゃないかと。特に財産形成と思っていたのが、土地の値段はそれなりに残るけれども、上物については中古市場に出すと物があるだけ安くなる、そんな中古の建物はもう除去、除却するのに金が掛かるから150万円安く見積もらしていただきますというような話も含めて私は新たなる状況に入ったのではないかと、このように思っております。
  また、昭和30年代、私がやってきた労働組合の活動の中で、所有の価値を取るのか使用の価値を取るのか、いろんな場面で大論争をしてきました。家を持つという所有というところに軸足を置いて自分の生活設計、経済的な犠牲を強いながらやっていくのか、それとも、いいじゃないか、自分のものでなくても、人様のものでも十分使用できたらそれで幸せな生活を構築できればいいのではないかと、こういうふうな議論もあったわけです。最終的には、財産形成という魅力に引かれながら、やっぱり所有の価値、持家政策というふうなところに流れていったと、こういうことであります。しかし、ここ十年来、賃貸が得か持家が得か考えてみようと、こういう時代になってきたということであります。
  私は、戦後の持家政策を中心に展開された住宅政策は結果的にいろいろな課題も残したのではないかと思います。この点に関しまして国土交通省の見解をお伺いをしたい。加えて北側大臣には、政治家としてこれまでの我が国の勤労者に対する住宅政策をどのように見てこられたのか、あるいは本法律によって政策の方向転換はどのような方向に向かって展開されようとしておられるのか、こんな辺りについて、まず序章としてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

○山本繁太郎・住宅局長 まず、我が国の住宅政策でございますけれども、戦後の深刻な住宅不足を背景にいたしまして、住宅金融公庫、公営住宅、それから日本住宅公団等による住宅及び住宅資金の直接供給の手法を柱としまして展開してまいりました。
  住宅金融公庫は、もちろん個人の戸建て持家融資に加えて、土地を担保とする賃貸住宅にも資金を直接供給しておりました。公営住宅は、地方公共団体と国が協力して低所得者のための低廉な賃貸住宅を供給するという制度でございます。日本住宅公団は、大都市の勤労者のために新しい市街地を開発して、賃貸住宅、それから分譲住宅、供給してまいりました。
  そういう意味では、戦後の我が国の住宅政策自体は、持家、借家を問わず住宅と住宅資金の直接供給を努力してきたということであろうと思います。特に昭和41年からは住宅建設計画法で、5か年計画の下でこの住宅の新規供給の支援を基本として展開してきたということでございます。
  しかしながら、その後の経済社会の変化に伴いまして住宅政策を抜本的に展開する必要があるということで、今回、第8期の住宅建設5か年計画が昨年度末で終了したことに伴いまして制度を抜本的に見直しまして、住生活基本法の制定をお願いしているところでございます。

○北側一雄・国土交通大臣 委員のおっしゃっていますとおり、90年ころまでは土地はもう上がるのは当然だというふうな中で、やはり住宅を持った方が得だと、資産としても得だというふうな観念が普通であったというふうに思います。そういう中でやはり持家志向というのが強かったと思います。
  90年代になってバブルが崩壊して以降はどうかというと、これまた、景気が長く低迷する中で、非常に先行き不透明の中で、自分自身の生活の安心ということを考えたときに、やはり持家を持った方がいいねというふうな志向が強かったのかなというふうに私は思います。我が国においては、そういう意味では、国民の方々がやはり一貫して持家志向が強いということがあるというふうに思っております。
  今、住宅局長が述べましたように、これまでの住宅政策というのは、住宅の新規の供給に対する支援、これは持家、賃貸問わず行ってきたわけでございますが、私は、加藤委員がおっしゃるとおり、これからはやはり既存のストックを有効に活用していくという観点からも、中古住宅、この中古住宅の市場をしっかりと育てていくことが大変重要であるというふうに思っております。ヨーロッパ等では中古の住宅の方が高いところもあるんですね。中古でも値段は全然安くならない。それは適切に維持管理がなされているからでございますけれども、私はこれからのやはり住宅政策の一つの柱として、そうした中古住宅においても適切に維持管理がなされて、そのことがきちんと履歴として残っておって中古住宅が流通をしていく、そういう市場というものをしっかりと育成をしていく必要があるというふうに思っております。
  また、これからはそれぞれのライフスタイル、またライフステージの中で、あるときは、やっぱり家族が多いときはそれなりの広さのある、高齢になって夫婦2人になったらむしろ便利で少々狭くてもいい、それぞれ多様なニーズがあると思います。そうしたニーズに対してきちんと選択できる、それが持家であろうと賃貸であろうと、選択ができるような住宅政策をしっかりと展開をしていかねばならないというふうに考えております。

2、住宅政策において「量」の問題は解決されたのか
○加藤敏幸 大臣のお話の中で、「もう持家政策よりも賃貸がいいんだ」と、そういう推奨をこれは政府がそう軽々にはなかなかできないと思いますよ。しかしながら、ライフスタイルとか、やっぱり合理的な住宅の問題、これはこの後でもいろいろ質問させていただきますけれども、総合的に考えた場合に、質の高い賃貸住宅というものを国全体としてどのように造っていくかということも、戦後60年間、一生懸命やってきた政策はあるんですけれども、結果として非常に質の高い賃貸住宅のマーケットもなかなか無い。それを新しく政策のターゲットにしていきたいんだという思いは、私はそれはそれとして是とすべき内容ではないか。ただ、そのことについて各論がいかにどう支えていけるのかということを含めて、順次、議論を展開をしていきたいと、このように思います。
  さて、住宅政策において「量から質」へと、これがキーワードということになっておりますし、本日も各同僚議員のご質問の中にもそういう趣旨がございました。しかし、私はあえてここで、じゃ果たして「量の問題は解決されているのであろうか」と、もう住宅について量の問題はとっくに終わってしまったのかと、こういうふうな問い掛けをしていきたいと思います。
  これは皆さん考えていただければ、首都圏、関西圏では依然として量的供給が十分でなく、そのため所得の低い世帯や個人あるいは若い単身者などは必然的に質的に劣る住宅を選ばざるを得ない。選択権といっても、入るところがないし、本人の経済状況から選択しているのではないか、こういう状況があるということであります。
  そこで、量の問題を論ずる際に出てくる住宅ストックという概念、これについてお伺いをしたい。
  資料によると、平成15年度で我が国の総世帯数は約4700万世帯、これに対して住宅ストックは約5400万戸で、14%も多く、充足されていると。入る人の数が少ないんだと、世帯の方が少ないんだと、こういう状態であります。つまり、ストックは十分で、あとは質だという議論の展開になってくるわけでありますけれども、しかし、ここで言われている住宅ストックのストックという言葉、概念は果たして正確なんだろうか。私はこのストックも中身の点検が必要だと思います。5400万戸、この中身について、住宅の質、性能、耐用年数といったものが考慮されるべきでありますし、過疎地の空き家をカウントしても、利用需要がなければそれはストックの対象とすべきではないんではないか。あるいは耐震性能、安全性ということも含めたストックという考え方が必要ではないか。ということで、住宅ストックとは何なのかと、このことについてお伺いをしたいと思います。

○山本繁太郎・住宅局長 ご指摘のとおり、私どもが、きちんと質を高めていって、その価値を住生活の充実のために生かし切るという観点から住宅ストックを見ますと、単に数だけではなくて、どういうところに立地しているのか、どういう性能を持った住宅なのかというのを的確に掌握しながら、その最大限の活用を図っていくという政策態度が必要だと思います。
  そういう観点から、一番直近の平成15年の住宅・土地統計調査で、ストックが5400万戸、世帯数が4700万戸なんで、居住者のいない住宅が700万戸あるんですが、その内訳を見ますと、居住者のいない住宅703万戸のうち、一時使用に使う住宅とか、建築中、仕上げ工事中のものを除きますと、いわゆる空き家は660万戸です。そのうち、流通在庫といいますか、賃貸とか売却用で流通在庫としてあるのが398万戸、これがほとんどですね。そのほか、二次的住宅、別荘などで今人が住んでいないというのが50万戸。それから、長期不在でもうこれから取り壊す予定だというのが212万戸あります。
  それで、この点で特に過去の住宅統計調査の関係を見てみますと、30年前の昭和55年調査ですと、空き家のうち狭小な住宅ストックというのを整理してるんですが、16uに満たない狭い住宅というのが37.3%ありました。それから、29uですね、30uに満たないのがそれに加えて3割あると。だから、30u、10坪よりもっと小さい住宅が7割近くあったというのが55年です。これは、高度成長期にとにかく大都市の勤労者が足りないんで狭いアパートを一杯造ったのがずっとこう来ているんですが、これが急激に減ってきてまして、平成17年に調査しました空き家の実態調査ですと、16u未満が8.7%、29u未満が11.3%まで落ちてきています。
  ということは、先ほど、今住調の数字を見ていただきましたけれども、圧倒的に住宅が、住まい手が入れ替わる賃貸であれ、住宅の売却用であれ、入れ替わるための流通在庫が増えてきていると。これは、ストックを質に着目してきちんと維持管理して、その価値を使い切っていくという観点から非常に大事な項目ですので、これからもストックの議論をする際には注目して、データ整備していきたいと考えております。
○加藤敏幸 局長の答弁によれば、それでも29u以下のものが2割ぐらいあるのでしょ。30u以下というものだけではなくて、誘導基準だとかそういうことを考えて、もう少しレベルの高いストックの議論もしていきたいというふうに思います。
  住宅ストックとして昭和50年のときの比較をされたわけですけれども、増えている、質を含めてやや良くなっているということでございます。しかし、賃貸住宅が大量に供給されても、実際は家賃という本人の経済条件との関係があるということで、住宅困窮者にとって朗報となるようなレベルにまで私は供給が改善されているとは思っておりません。依然多くの人々が、適正な価格あるいは適正な家賃で、ある程度の質が確保された住宅を求めているけれども、なかなか手に入らない状況というのは変わっていない。
  先日の新聞報道では、都営住宅の申込みは倍率で30倍から40倍、東京都も入居の必要度の高い人たちを配慮するために居住権利の世襲を認めないという方針を決めるという記事が5月23日、産経新聞に掲載されていました。やはり、首都圏など大都市圏では依然として住宅が足りない状況にあると思うわけであります。
  今回の法案でも、第15条第2項の5において、「東京都、大阪府その他の住宅に対する需要が著しく多い都道府県として政令で定める都道府県における住宅の供給等及び住宅地の供給の促進に関する事項」という記載がございますけれども、そこで、住宅供給の量的拡大ということに関しまして、政府として、これから更なる住宅供給が必要とされる都道府県にどのような役割、機能を期待して、国としてどのような姿勢、措置をとられようとしているのか、簡潔にお答えをお願いをしたいというふうに思います。

○山本繁太郎・住宅局長 住生活基本法の条文のうちご指摘いただきました部分は、戦後人口が大都市圏に集中する中で、住宅問題が最も大都市圏において深刻に現れてきておったわけでございます。昭和30年に日本住宅公団が設立されたのもこの問題に対処するためでございます。
  そういうことで、昭和30年代、40年代、50年代を通じて、大都市圏においては、新市街地に新しい住宅供給を図ると、宅地と住宅供給を図るという観点からいろんな施策が講じられたわけですが、その観点から、大都市地域の住宅、住宅地の供給を促進するために大都市法が昭和50年に制定されました。これは、要するに、大都市圏の勤労者は主として都心で働くわけですけれども、新市街地は郊外にこれを求めざるを得ないんですが、郊外の公共団体が団地お断り、というのは関連公共施設の整備、大変な財政負担を伴いますんで、そのための調整をする枠組みでございます。
  今回の住宅建設計画法の廃止と住生活基本法の制定に際しまして、この大都市法を廃止しまして、その計画の枠組みをこの基本法の中に入れると。で、全国計画と都道府県計画できちんと受け止めていくという形にしました。これ、従来は大都市法に基づいて国が方針を定めて、都道府県においてその重点供給地域を決めて、そこで区画整理をやったりということでやってきていたんです。実は、直近の10年前、平成7年、大都市においても都心居住が必要だということで、この重点供給地域を都心にも設定する、それからそのための事業手法も整理するということをやりました。
  今回の法律改正、そのことも踏まえておりまして、今ご指摘いただきました15条の第2項第5号で、全国計画で大都市地域において住宅供給、それから住宅地の供給についての考え方を設定をいたします。それを受ける形で、都道府県計画で住宅の供給、住宅地の供給を重点的に図るべきいわゆる重点供給地域を決めていただきます。その際に、従来から進めております新市街地の開発は引き続きやっていただきます。しかし、これからは重点的にやるのは、主として町の真ん中に近い工場跡地とか、大事な土地を将来にわたって使える居住地域として整備するための重点地域として設定していただいて、具体的な事業としては都心共同住宅供給事業とか、あるいは都市再生機構が民間の賃貸住宅経営を応援するための民間供給支援型の賃貸住宅事業といったようなこともやっておりますので、こういったものを位置付けて具体的に進めていくと考えているわけでございます。

○加藤敏幸 そういうことを考えるならば、やはり公的機関の役割というのは結構大きいと思います。官から民へ、官から民へと、こういう政策の展開ですが、しかし住宅という私たちの基本的なインフラについては、10年、20年、30年、50年、あるいは100年後の国土利用計画という視野で責任を持って継続をしていく立場でないと。まあ長くて30年までの利益計画で、じゃ工場の跡地が空いたから、こっちにたくさんお金があるから再開発をして、まあ利回りで8%取れたらええだとか、そういうそろばん勘定だけでこの住宅ストックを供給するというのは私はこれちょっと耐えていけない、何でもかんでも官から民へという考え方ではないと思うわけでありまして、そこで、先ほど言われた、公的な都市再生機構だとか公社などの役割というのはやっぱり大きい。このことについては、私はしっかりと押さえておく必要があるのではないかと、このように思います。

3、住宅に関する技術開発への支援策について
○加藤敏幸  また、住宅等の質という問題に関しまして。私は、この住宅というものがやっぱり高い。なぜ高いのかと、こういいますと、例えば私どもやっていた電気製品などはもう毎年毎年値段が下がっていく、しかし性能は下がらない。むしろよくなっていくと。値段は半値8掛け2割引きと。計算すると32%になりますから、皆さん、3分の一ですよ。もう働いている方がたまらなくなるぐらい値段が下がっていく。しかし、住宅の中も換気扇だとかそういうものは下がっていくわけですけれども、躯体を含めた、あるいは工法を含めたハードウエア、ハードについてはなかなか下がり切らないんです。そこを含めて、私はより質の高い住宅を提供するという視点からいえば、いい意味でのコストダウンがさらにしっかりとできていくということももう非常に大きな要素ではないか。こういう視点で何か取組、政府として考えておられるのか、あればお話をしていただきたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 ご指摘のとおりだと思います。住宅の質の向上を図る上で技術開発を進めると、技術革新によって質の高い住宅を低廉に供給できるようにすることは極めて重大な課題であります。この観点から、住生活基本法案におきましても、まず国の責務といたしまして、住宅の品質又は性能の維持及び向上に資する技術に関する研究開発を促進するため、これらの技術に関する情報の収集、提供その他必要な措置を講ずるというふうに位置付けております。
  従来からも国土技術政策総合研究所とか、あるいは独立行政法人建築研究所におきまして、民間企業と連携をいたしまして、例えば新耐震設計法の開発、これは昭和47年から51年度まで、それから建築物の耐久性を向上させるための技術開発、これは昭和55年から59年度まで、それからシックハウス対策の技術開発、平成13年度から平成15年度までといったような形で技術領域を定めまして、技術開発に努めてまいりまして、しかもその成果については建築基準に位置付けるといったような具体的な施策に反映させてきております。
  また、住宅の質の向上を図るために、民間事業者などが行う先導的な技術の開発、それからその実用化とか低廉化を後押しすると。できるだけ早く市場に新しい技術が導入される、普及されるということが大事でございます。
  この観点から、昨年度から、エネルギーの効率的利用とかあるいは省資源などの環境問題、これは耐久性のある住宅を造るという意味でございますけれども、それから耐震性の向上といった政策課題につきまして、民間事業者等による先導的な技術開発に対して国が補助を行う住宅・建築関連先導技術開発助成事業を創設しました。平成17年度は5億4000万円の予算をいただきまして、23の課題について補助をしました。平成18年度におきましては10億円の予算を確保しております。
  こういった形で、住宅の質の向上のための技術開発を進めるとともに、技術開発を行う事業者等に対する支援に努めてまいります。

○加藤敏幸 住宅局長に宣伝の場を与えたような質問になってしまったんですけれども、そういう技術開発というものがやっぱり質を支えるという意味で非常に大きい役割だと、このようにも思っております。

4、国・自治体・事業者の責務とは
○加藤敏幸 次に、住宅供給において国、自治体、事業者の責務というところが今回大きなポイントになっておるわけであります。先ほど申し上げましたように、住宅供給公社であるとか県、市、外郭団体や第3セクターを設置して、恐らくある意味で量的な充足を図るという意味で公的住宅の供給活動が過去行われてきまして、特に昭和30年代、40年代においては、民間よりは低廉で良質の住宅を供給するという、そういう意味では歴史的な役割を担ってきたことはもう間違いないというふうに思います。
  しかしながら、幾つかの自治体におきましては、開発用に取得した土地が不良資産化をしたり、賃貸住宅の部門では老築化対策を含めた管理コストが増大するなど、言ってみれば経営赤字が拡大し、財政負担となってきていると、そういう問題も発生しているということであります。歴史的に役割を果たしたことは認めますけれども、住宅の量的拡大政策の一つのツケがこういう形で回ってきているという現状もございますし、バブルの直撃を受けた後遺症がまだいえていないということもあります。
  こういった自治体が運営する住宅供給事業は、大きなウエートを占めているわけではございませんけれども、今後の住宅政策を展開する上でこれらの自治体の事業の現状についてはしっかりと把握をしておく必要があると、このように考えます。
  賃貸部門、分譲部門を含めて、全国の公的な住宅供給事業の実情、特に経営状況等について、概括的に説明をしていただきたいと思います。

○山本繁太郎・住宅局長 地方住宅供給公社は、地域の住宅事情に対応した分譲住宅、賃貸住宅の供給などを通じて、地方公共団体の住宅政策の一翼を担ってまいりました。平成16年度までに、累計で分譲住宅56万戸、賃貸住宅17万戸を供給してまいりましたほか、公営住宅約97万戸を含む121万戸の賃貸住宅の管理の仕事をしております。
  一方、近年の地価の下落、バブル経済の崩壊に伴って、社会経済状況は大きく変化しました。この不動産開発事業につきましても非常に困難な状況になったわけでございます。債務超過、あるいは特定調停に至った公社もございます。
  平成15年6月には、外部監査の導入、それから公社の経営状況等の透明性の確保に最大限留意するということを各設立団体にも要請したところでございますが、平成17年度決算から公社会計において減損会計の導入を図ることにしました。こういう形で、公社の業務運営の透明性を一層高めることとしております。国としましても、設立団体である公共団体が公社の経営状況等の的確な把握、それから適切な指導監督を行うよう要請に努めております。
  公社の状況、概略申し上げますと、3公社で特定調停を申し立てておりまして、北海道住宅供給公社、長崎県住宅供給公社、千葉県住宅供給公社でございます。
  それから、昨年の法律改正で、住宅供給公社について、設立団体の判断で自主的にこれを解散することができるという規定を整備していただきましたけれども、今現在、設立団体で公社を解散したいという意思決定しているのが3公社ございます。青森県、岩手県、福島県。この三公社とも再来年、平成20年度に解散することを予定しております。そのほか、時期は未定ですけれども、解散を検討しているのが何社かございます。
  今後の地方住宅供給公社の在り方でございますが、社会情勢の変化、各地域の実情に応じて設立団体がいろいろ考えていただくわけでございますけれども、新市街地を大胆に開発するというような事業はこれからの公社の事業ではないとは思いますけれども、それでも地域の住宅政策上の課題がございます。
  具体的には、中心市街地の活性化のために町中居住を進める、あるいは密集市街地を改善する。これは小さな規模の都市でもございます。それから、高齢者とかファミリー向けの住宅の供給を町中で努力をするという、そういう地方における住宅政策の具体的な仕事を担う機関として引き続き重要な役割があると考えておりまして、住生活基本法案の中でも、公社は、住宅供給等に当たり、住生活基本計画の目標達成に資するよう努めなければならないという規定を設けているところでございます。

○加藤敏幸 なかなか経営的に厳しい状況にあるということでありますし、その後始末は地方自治体、国民全体が背負っていくということではないかと思っています。
  少し視点を変えて、官と民との役割ということを、ある意味でそういった過去の失敗の中から学んでいくということだと思います。
  第7条では、国と地方公共団体の責務、8条には住宅関連事業者の責務が述べられ、9条には関係相互の連携及び協力をうたっています。しかし、その前の第5条では、住生活の安定確保、向上促進に関する施策は、民間事業の能力の活用及び既存の住宅の有効利用を図りつつ、居住のために住宅を購入する人、及び住宅の供給等に係るサービスの提供を受ける者の利益の擁護及び増進が図られることを旨とし行われなければならないと、こうしておるわけでありまして、法律の文面上の関係というのは丁寧に関係が把握されていると、それはそのように思うわけであります。
  しかし、今回の基本法を、住宅の供給、再利用に関して民間セクターに非常に大きな期待を掛けているというふうに受け止められる、ニュアンスとして。なかなかこれは言いにくいんですけれども、我が国の住宅政策は、国としては一歩身を引くというんでしょうか、ポジションを引いていくんではないかと、こういう懸念が出てくる。
  逆に言うと、民間に任せられるものも民間にとは、まあこれは現下の政策の流れでありますけれども、市場原理への過度な傾斜というふうなことは、住宅の安全性の面とか、あるいは独り暮らしの老人世帯や障害者世帯など公的にフォローしなければならない人々への施策において、やっぱり何らかの問題が出てくるのではないかと、このように思います。
  耐震偽装問題も現在、原因、責任の究明中でございますけれども、例えば民間事業者については、法案第8条の住宅の安全性と品質、性能の確保の責務とともに、事業遂行にかかわるコンプライアンス、まあ法令遵守以上のものを求めるということだと思いますけれども、コンプライアンスをきちんとしなさい、あるいは住宅の持つ社会性を意識した公共性の追求をしなさいといった事項について責任と義務を負わせていく私は必要があるのではないかと。そういうふうな仕組みにしないと、やはり民間業者というのは利益があって何ぼのものだと、平たく言えば。そういう原理で動いていくし、利益が上げられない社長は3年後には交代をしていくと、そういうふうな仕組みで動いているものと、先ほど言った公的住宅が担うべきものというものは、私は世界がやっぱり違う面があると。そこを一緒にして民間活力の利用といったときに、本当にそれが達成できるのか。
  これは基本法ですから、大きな住生活に対する考え方をここで示すんだといったときに、やっぱりそのことをしっかり議論をして検証しておかないと、私は、法案間の言葉遣いはしっかり関連取れているけれども、じゃ一体中身はどうなんだと。こういったときに、10年後に反省しますということになっちゃいかぬから言っておるわけでございますので、そこの辺、どうなんですか。

○山本繁太郎・住宅局長 今ご指摘いただきました本法案の第5条でございますけれども、理念の3番目に掲げられておりますけれども、先ほど委員のお話の中に、私どもが持家を取得しようとする問題意識が、まあ持家が価値が下がらない、価値が向上していく、なかんずく土地については価値が、資産価値がずっと上がっていくということが、住宅公団がエンジンになったというご指摘をいただきましたけれども、実は住生活の向上を図るための力は、住宅市場がきちんと機能するかどうかにまず第一に懸かっているという考え方を整理をしたのが第5条でございます。
  自分、あるいは自分の家族の住生活を高めるために各家計が精一杯の努力をする、その努力をしたことが現実に報われる、市場の力を使って効果として結果が出ると、そういうふうにする必要があるというのが第5条の精神でございます。その際に、消費者主権がきちんと確立できるように市場の制度について万全を期すようにという問題意識が整理されているわけでございます。
  実は、ご指摘いただきました、市場ではきちんと的確な水準の居住を確保できない世帯に対して公がきちんと出番があると、その役割を忘れちゃいかぬという部分がその次の6条でございまして、そういう意味じゃ理念の5条と6条は表裏の関係にあるというふうに認識しております。同じコインの裏表でございます。ですから、これはどっちが先に突出しても問題があると、国民の住生活を豊かにするためには両方がきちんと並進しなきゃいかぬという認識でおります。
  さらに、第8条において、その第5条の理念を受ける形で市場関係者の、特に供給側の事業者の責務ということをうたっておりますけれども、住宅の品質、性能の確保についても考え方を整理しておりますが、個別具体の行動規範を法律で定めるということになりますと、これはやはり個別法で規定していくことになります。
  基本法の5条、それから今の8条の考え方を踏まえて、各個別法の改正に当たってはきちんと取り組んでいく必要があると考えているところでございます。

○加藤敏幸 そういう局長の答弁を受け止めて、そういう意味で、マーケット、市場を適正化していくということのためには何が要るんですかということを、これ実は私、今からここでお話することは20年も前から実は論議していたんです。連合、中央組織にいた時に、経団連、日経連と一緒に勤労者のための住宅政策をどうするかということで。やはり安かろう悪かろうという住宅供給ということも状況によってやっぱり発生し得る。そのときに、公的な機関が、ある一定の質の高い、こういうものが見本としてあるんですよと、21世紀の日本で住むとすれば、最低このぐらいな住宅、住生活、モデルとは言いませんし、最低基準とも言いませんけれども、そういうものを提示をし、そのことが場合によっては質の悪い住宅供給を駆逐する、そういう仕組みというものを私はマーケットの入口につくらなければ、なかなか市場競争を理屈だけでいってもそうはならない。民間でやってきた私にしてみたら「そんな甘いものじゃないぜ」と言いたくなる。
公的賃貸住宅の供給体制というものなり、そしてその住宅の質をいろんな形で保証して、あるいは新しい工法だとか設備を提示をしていく、これを使ったらいいじゃないかと。ディスプレールームとは言いませんけれども、そういう役割がこれからの公的機関に私は求められてくるし、またそれが国がやっていける大きな仕事ではないかと。こういう議論、久しぶりに、20年前と同じことをしゃべっているわけですけれども、申し上げておきたいという思います。ご感想があれば。

○山本繁太郎・住宅局長 せっかく発言するようにということだったんで申し上げますと、住宅公団が戦後の都市居住の在り方としていろいろなひな形を提供してきたことは事実だと思います。特に共同住宅についてですね、都市の勤労者の共同住宅についていろいろなひな形を提示して、勤労者の一つの大都市で生活する場合の夢を提供してきたことは事実だと思います。
  ただ、11年の住宅・都市整備公団から都市基盤整備公団への改革、それから16年の都市再生機構への独立行政法人への改革を通じて、民間事業者の力が非常に伸びてきてレベルも高くなっているから、具体的な住宅の供給については民間事業者の力を活用しようと。しかし、大都市の大事な土地をきちんと使うという観点から、基盤を整備したり敷地をまとめたり、お手伝いをする仕事はあるので、都市再生の観点からその部分に特化しようということで集中してきていますんで。
  実は、住宅公団以来、都市再生機構で働いている職員が、自分たちが供給する宅地、そこで出る住宅について、これからをリードする居住のモデルをつくりたいという気持ちはあると思います。だけど、私どもがお願いをして、法律制度で、そこは抑制するようにという整理をしたばかりでございますんで、そこはそういう気持ちを持ちながらも、抑制的に振る舞うことをお願いするということなのかなと思っているところなんです。

○加藤敏幸 ここはこの程度で収めまして、実は私も、「居住権、居住は基本的人権か」というテーマで用意をしておったんですけれども、これは午前中にいろいろと論争をされたということでございます。勇気を持って割愛をさせていただきたいと。

5、高齢化と住み替え問題
○加藤敏幸  そこで、高齢化と住み替え問題ということで、この住生活というテーマを考えるときに、我が国は当然のことながら高齢化という大変大きな課題とこれはセットで考えるべきだというふうに思っております。
  ご承知のとおり、2015年には高齢化率が25%になるということが予測されておりまして、高齢化が一段と進む中で、住宅問題の大部分は高齢化に絡む問題であると、こういうことも言えるのではないでしょうかと。
  国土交通省も、平成3年度からの第6期住宅建設5か年計画以降、高齢者向け住宅政策に本格的に取組を始められまして、さらに平成13年には高齢者の居住の安定確保に関する法律が制定され、高齢者円滑入居賃貸住宅制度や高齢者向け優良賃貸住宅の制度などが創設されましてそれなりの施策が講じられてきたということであります。
  これらのことにつきましては一定の評価をしたいということでございますけれども、高齢者の住宅問題というのはますます深刻化していくと考えられます。政府としてまだ何とか間に合う時期に、今が大切な時期だということで、十分な対策を取っていかなければならないと考えます。
  世帯主の高齢化問題、老人だけの2人世帯あるいは独り暮らしの世帯が異常なスピードで増大していくと予測されているし、持家の広い一軒家に独りで住むという、これも問題が大きい。防犯、防災上の問題、あるいはバリアの問題を含め、非常にストレスの高い生活スタイルが強いられているという問題があります。
  もう一つが、賃貸住宅に住み続ける高齢者が今後経済的な側面や介護を必要とするという状況になったとき、そういう窮地に追いやられていく可能性も非常に高いということでございました。
  そこで、ちょっとお手元に資料を用意させていただきました。高齢者の住み替えに関するアンケート調査ということで、社団法人国際経済労働研究所と生活文化研究所が共同で行いました。大阪千里ニュータウン、湘南地域、吹田市、豊中市、鎌倉市、藤沢市対象に行ったアンケートでございます。469世帯から回答いただきましたけれども、ポイントは、これからの暮らしについて心配なこと、これはもうこのとおりでございまして、あるいは加齢を考慮した現在の住宅、生活環境についての不満も大体予測されるような形で、当然身体機能との関係でありますとか、あるいは住宅維持費と税金負担と、こういう課題もあるということであります。また、要介護になる前に早めに安心できる住まいへ住み替える必要性については、約4割近い方々が必要と思うと、そのように答えておられますし、持家で終生居住したいと答えた人でも、どういう住宅対策を取りたいかというと、健康づくりやリハビリ訓練のスペースをつくるとかいう形で、まあそれぞれ自分の将来を心配されている。
  そこで、住んでいる町の駅・周辺に立地する介護付き住宅への関心ということで、これが大いに関心がある、多少関心があるというのがおおよそ50%を超えているということでございまして、やはりこういうところが少し予想よりも多いのではないか。また、グループリビングへの関心も、これも予想よりも高いのではないかと、こういうふうに考えておるということであります。
  そこで、先ほどお話がございましたけれども、我が国では中古市場がなかなかうまく機能していない。アメリカのように家は天下の回りもの、自分のライフスタイルに変えて住み替えていくんだと、ヤドカリさんのように住み替えていくんだと、こういうふうな国もございますけれども、しかし我が国は残念ながらそういうふうな状況にはなっていない。なってはいないけれども、仕事と住宅、どこで仕事を見付けるか、今のように雇用情勢が厳しいときには家を連れて仕事場に行くことはできない。そうすると、どうしても職場に近い住宅、あるいは子供の数に合わせて住宅を替えたい、こういうふうなニーズもたくさん出てくるというふうに思います。
  そこで、我が国としてこの高齢世帯の住み替え問題について、ある意味で国民のライフスタイルの意識を変えていくような施策も必要があるのではないかと、このようにも思いますけれども、国土交通省としての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

○山本繁太郎・住宅局長 本格的な高齢化社会を迎えると、今のうちにできることはすべて十分な対策を講ずるべきだというご指摘でございます。ご指摘のとおりだと考えております。
  人口はピークを打ってしまいましたけれども、これからまだ10年間、世帯数は伸びてまいります。5000万世帯を超えるところまで今の4700万世帯から10年間伸びてまいります。これは団塊の世代が完全に高齢者になるわけでございます、10年たつと。そうしますと、単身の高齢者あるいはカップルの高齢者の世帯が増えていくわけでございまして、10年後には世帯数の4割が高齢者を含む世帯になると。5000万であれば2000万世帯はそういう世帯になるということが見込まれるわけでして、時間的な余裕はないわけでございます。
  今の現状でございますけれども、高齢者が居住する住宅の中でいろいろなバリアフリーなどの措置が講じられているのは非常にまだ一部にとどまっております。それから、民間賃貸住宅についても、ご指摘いただきましたように高齢者の入居を拒否するといったような事例も見られます。これを何とか改善をしていくということで、13年に制定していただきました高齢者の居住の安定確保に関する法律を駆使していろいろな施策を講じております。
  基本的には、例えば高齢者の円滑な入居を促進するために、「高齢者を拒否しません」ということを宣言した住宅をきちんと登録をしてご利用に供するとか、さらに、高齢者が郊外の広い持家に住んでおられて、子供たちが巣立って、その資産を賃貸住宅として活用して、上がる賃料をもって自分は介護の付いた、サービスの付いた住宅にカップルで移るというようなニーズが非常に高いわけでございます。そういうふうな住宅の、それは、だから結局、若者、子育ての世帯がそこに住めば住宅施策としては両方とも目的にかなうわけでございますので、そういった住宅の流通を進めるような試みも今年度から開始をしております。そういうふうな施策を通じまして、是非、これから急速にそういうニーズが高まるんで何をやっても足りないわけですけれども、努力したいと思います。
  それから、介護サービスとの関係につきましては、特に高齢者の専用の賃貸住宅を供給していただいて、これをきちんと位置付けることによって介護サービス、介護保険法の対象とするという取扱い、厚生労働省の方でも整理していただきましたんで、この部分についても、まだ数限られておりますけれども、これから民間事業者と協力して積極的に進めてまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 今回、住生活、住宅ではなくて住生活というところをタイトルにされて、よく分からないなと言いつつ、しかし生活に着目をするんだということでいけば高齢者生活に着目をしたいわゆる住宅政策と、これが私は今回のロジックだと、そういう意味ではそれはそれでなかなか立派な視点だなと、こう思うわけであります。
  じゃ、本当に高齢者生活をサポートできるような政策を国土交通省として、じゃ、どこまでどれだけやっていけるのかということだというふうに思うわけであります。このアンケートは、これはもう民間がほぼボランティアに近いような状況で一生懸命やってきたと。この答えとしては、やはり高齢者住宅問題を、持家を持っている立場の人たちの場合にスムーズに合理的に、より高齢者の不安をなくする高齢者住生活を実現するためには何をやったらいいのかという政策をまあサーチ、リサーチをしているということだと思うんですね。だから、逆に言えば、国土交通省におかれましてもこういうふうな視点に立って、本当に、持家の4LDK、5LDKを持っている老夫婦2人住まいが本当にすばらしい人生最後を送ることができるようなやはり住生活のありよう、また、そのリフォームということだけじゃなくて、家の転換と、買換えと、あるいは買換え先が場合によってはグループホーム的なものであってもいいわけですから、そういうふうな政策のこのビジョンというんですか、ありようを私は国民の皆さん方に提起をしていくと、そういうふうな既に時代になっているんじゃないかなと。
  そういう意味で、我が日本国の内閣の制度というのは、省が違えば国が違うと、局が違えば会社が違うと、縦割りと、やっぱりそういうふうなことが、十年前ですよ、言われました、今はどうなっているか分かりませんけれども。そういうふうなことから、私は高齢者介護はどこそこの省、建物はどこそこの省ということだけじゃなくて、横断的にプロジェクト的に、住んでいる高齢者にとって一番最適な政策の解をつくるというところに主眼を置いた政策の展開をやっぱりやっていくべきじゃないかな。
  私は、まあ民主党の議論は大体そうなっていきつつあるんですけれども、そういうことを是非とも頭に置いていただきたいというふうに思いますし、高齢者問題というところが今後この住生活の中で大きなポイントではないかということでございまして、大臣が今うなずいていただきましたんで、質問通告はしていませんけれども、このタイミングで一言お願いしたいと思います。

○北側一雄・国土交通大臣 後の住宅政策の非常に大きな視点、課題についておっしゃっていただいたと思います。
  高齢者の方々、これから本格的な高齢社会が到来するわけでございまして、高齢者の方々が本当に安心して住生活を営んでいただけるかどうか、そこのニーズをしっかりと見極めて政策立案をしていく必要があるというふうに考えております。
  この住生活基本法案でも、第9条のところで関係者相互の連携と協力をうたっているわけでございますが、その中に、地域において保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者その他の関係者との連携協力をうたっているわけですね。やっぱり高齢者の方々の一番のご心配は、やはり介護の問題であったり医療の問題であったりだと思います。そういう意味で、しっかりと今後の住生活における政策を立案また遂行していくに当たりまして、厚生労働省とやはり緊密な連携を図っていかにゃならないと私も考えているところでございまして、そういう趣旨もあってこの9条の規定も入れさせていただいているところでございます。

○加藤敏幸 是非ともすばらしい連携関係を築いていただいて、有機的な私は働きをお願いをしたいというふうに思います。
  ところで、先ほど局長の答弁の中で、高齢者に対して賃貸住宅が、民間賃貸住宅が入居拒否というようなお話がありましたけれども、実は居住権という権利はどう規定するのかという議論の中で、少しちょっと補足しますけれども、やはり「子供連れはご遠慮ください」という賃貸住宅、ペットの場合はこれは議論があると思います。ペットがいなければ私は人生成立しませんと主張される方と、ペットはお断りということとの調整の問題もこれはあると思いますけれども、やはり民間活力をと言ったときのコンプライアンスと私が申し上げた中に、そういうふうなやはり賃貸住宅という事業を行う以上は公平に公正にやっぱりやっていくという、そういうところを民間業者にやっぱり求めていかないと、私は本当の意味で憲法第25条の健康にして文化的な生活をという条項を支えていくということにはならないというふうに考えておるわけであります。

 
6、住宅の安全性の確保について
○加藤敏幸 さて、最後に、住宅の安全の確保について一言ご質問をさせていただきたいと思います。
  常に住宅政策を運営していく上で、やはりこの安全確保ということは忘れてはならないということだと思います。
  昨年の秋の臨時国会で耐震改修促進法案を審議した際にも取り上げさせていただきました。住生活基本法という我が国の住宅政策の基本を指し示す法律の議論をしているわけでございます。その場に当たっても、既に昨年申し上げました違法・既存不適格建築物と。私、たしかヒューザーの問題、偽装耐震設計を含めて「前門の虎、後門の狼」と、そういう言葉を使わせていただきましたけれども、そういう状況の中で、私は、ここでやっぱりこの違法あるいは既存不適格建築物に対する基本的な政府の考え方なり現状認識を私はしっかりと説明をしていただきたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 ご指摘いただきました問題意識の中で、やっぱり既存不適格の中で一番のしかも最大の課題は耐震安全性の問題です。旧耐震の基準でできました昭和56年より前の建築物について新耐震基準に適合するようにどういうふうに改修していくかというのが一番大きな課題でございます。
  住宅に限ってご説明しますと、人が住んでいる4700万戸の住宅のうち1150万戸、四分の一が新しい耐震基準に適合していないというふうに推計をしておりまして、大規模地震に対して人命の被害を半減するという観点から10年間のうちに、平成17年度までにこれを9割を上回る水準まで持っていきたいという目標を掲げております。
  これを実現するためには、何といいましても所有者の方々が問題意識を持って取り組んでいただくということが非常に大事でございますので、地震防災マップを公共団体に提示していただきながらまず耐震診断をすると。問題がある住宅については耐震改修をしようという気になっていただいて、これを国と公共団体が耐震改修を応援をするということで進めていきたいと考えているわけです。
  耐震改修促進法に基づきまして公共団体に改修促進計画を作っていただきます。公共団体ごとの目標を定めて、それから公共団体が国の制度を活用して耐震改修に対する支援制度、助成制度を定めていただいて、それで計画的に進めようということでございます。国としても、そういう公共団体の努力をきちんと支えることができますように18年度の予算で130億の予算も用意しておりますし、税制も、耐震改修促進税制も創設していただきました。こういうような形でしっかり前に進んでいきたいと考えているところでございます。
○加藤敏幸 質問は一応終わりましたけれども、私は電気器具を作っておったんですけれども、電気製品は不良品を出したらずっと追跡をして、その回収あるいは置き換えをやります。自動車にしてもそうです。食品についてもガラスのかけらが入っていると全部回収する。これが通常の製造物に対する責任なんです。
  ところが、建築物については、残念ながら、耐震偽装あり欠陥住宅あり悪質リフォームあり、賃貸の退去時、更新時のトラブルなど、私は日本人がつくり上げた商慣習というこのすばらしいレベルからいっても随分問題があるんじゃないかと。物づくり日本、職人日本のレベルからいって、相当私は課題の多い分野だと。それが私は、働く私たちあるいは国民全体が被害に遭うと、その被害は回復できないぐらい大変なことになるという状況の中で、国土交通省の役割も非常に大きなものがある。そのことも含めて努力をお願い申し上げまして、質問を終わります。
  ありがとうございました。

以上

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民主党参議院比例区第3総支部