○ 羽田雄一郎・国土交通委員長 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。
1、国交省の贈収賄事件について
○加藤敏幸 おはようございます。民主党・新緑風会加藤敏幸が質問をいたします。
まず最初に、最近明るみになった国交省職員の贈収賄事件に関してお伺いをしたいと思います。
さきの水門工事をめぐる官製談合問題に続きまして、今月に入って二つの不祥事が明るみになりました。一つは首都圏中央連絡自動車道建設工事の測量業務をめぐる競売入札妨害事件、これは関東地方整備局がかかわった事件で、担当者が入札の予定価格を漏らし、その見返りを求めた事件であります。二つ目に中国地方整備局に起きた事件で、やはり業者に便宜を図り、その見返りとして物品を要求した贈収賄事件でございます。
事件の具体的内容は新聞で詳しく報道されていますので割愛いたしますが、今国会で、特に野党側より、行政改革特別委員会や決算委員会で官庁の随意契約問題とそれに関連する天下りの問題を厳しく追及、議論がされておる、歳出歳入一体改革と、そういうことの中で、国の予算の効率性、実効性を図るという大変緊張感のある議論が行われている昨今、私は、こういう政府の予算執行において不正行為が発生する、それも私ども委員会の所轄する国土交通省の組織の中で起こるということについては大変残念に思いますし、極めて問題が大きいと、このように感じております。
平成13年4月に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律が施行されまして、それに基づき国土交通省としては直轄工事の施工体制などについて一斉点検も実施されました。また、この法律の立法の背景には当時の扇大臣の強い思いもございまして、公共工事の入札契約手続はクリーン、クリアであるべきであり、さらに施工の段階においても適正かつ良質の工事が行われるようにしなければならない、そして談合や贈収賄の排除はもちろん、施工段階における丸投げや不良施工などの問題も徹底的に排除して国民の期待にこたえるようにしなければならないと、こういうことであったと思います。
こういう事件が起きたわけでありますけれども、国土交通省内部に、不正行為排除と、このようなものは徹底的になくすんだと、こういうふうな思いは私は依然十分徹底されていないのではないかと、このように疑わざるを得ないということであります。二度とこういった事件を起こしてはならないと思いますけれど、今後どのように防止をし、徹底していくのか、その対応策なり決意を大臣にお伺いしたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 国土交通省の元職員、また現職の職員が、一つは競売入札妨害、そしてもう一つは収賄ということで逮捕されました。極めて遺憾なことと言わざるを得ません。
捜査にはもちろんのこと全面的に協力をするように指示をしておりますし、厳正な対処をさせていただきたいと考えているところでございます。事件に関与した元職員、また現職の職員に対しましては、今後の捜査及び公判の進展に応じて退職手当の返納だとか処分だとか厳正に対処をしてまいる決意でございます。また、事案の解明と再発防止の徹底を指示をしているところでございます。発注者綱紀保持委員会というのが各地方整備局単位であるわけでございますが、外部の委員の意見を反映しながら再発防止に向けて法令遵守の徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
また、この国会で入札の透明性、公正確保、こういう観点から、随意契約の問題についても何度もご議論をちょうだいいたしましたが、今日はこの後、この随意契約につきましてはもう徹底して見直しをしようということで、公益法人等に対して行っている随意契約につきましては九割を、件数また金額とも国土交通省の所管でいいますと約9割、これをすべて一般競争入札等に変えるということで取りまとめをさせていただきまして、11時ぐらいから発表させていただく予定でございます。
今後とも、この入札をめぐってこうした事件がもう二度と起こらないよう、またさらに透明性、公正さというものを確保していけるようしっかり取組をさせていただきたいと思います。
○加藤敏幸 「随意契約」から本来あるべき「一般競争入札」に戻していくということで、ここ数か月の間に状況は相当改善されつつあると、こう認識しておりますけれども、一般競争入札をしたその中身に対してやっぱり不正がないということは大前提であると、こう思いますので、以降よろしく取組をお願いをしたいと思います。
2、エレベーター事故について
○加藤敏幸 さて次に、6月3日、東京港区の高層住宅のエレベーターで16歳の少年が挟まれて死亡するという痛ましい残念な事故が起こりました。本件については、この委員会でも過日、佐藤委員の方から質問をさせていただきましたし、少し意見交換なり今後の対処策も含めて問題の発掘をやってきたということだと思います。
さらに、その後、当該シンドラー社の方の記者会見等も行われまして、国民の立場でいえば、なぜそういうことが起こったのか、どこに問題があったのか、早急に事態を明らかにしてほしいと、これが多くの国民の期待であるし、またそのことに対して国なりあるいは地方自治体を含めて、そしてまた当該メーカー、保守点検会社、そして管理者、所有者と、それぞれの立場で全力を尽くしていくということが必要ではないかと、このように考えております。
極めて重大な事故でございますし、またやや報道の方も毎日毎日いろんな角度から報道されておりまして、見方によれば、国民の中に不必要な不安感も発生するという、そういう問題もある、こういう視点から、せっかくの委員会でございますし、基準法がかかわるエレベーターの問題でもございますので、二、三質問をさせていただきたいと思います。
元々は、このエレベーターというのは、扉が閉まり切るまでは動かない仕組みと、これは建築基準法施行令第129条10項でも、「かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じていなければ、かごを昇降させることができない装置」と、これがエレベーターのまず第一原則だと、こういうことであります。しかし、そうではなかったということで、私は、エレベーターの故障あるいは保守点検のミスということが原因であると、極めて高い確率で推測ができるのではないか、このように思います。
そこで、国土交通省としても、特定行政庁に指示を出してシンドラー社のエレベーターを使用しているビルの点検に入られたとお聞きしておりまして、現時点で今回の事故についてどの程度の認識、どのくらいの深刻さを持って臨まれようとしているのか、まずこのスタンスといいましょうか、姿勢、ここをお伺いをしたいと思います。
例えば、シンドラー社のエレベーターは過去に死亡事故があると報道されておりますけれども、このシンドラー社のエレベーターを徹底的に点検し、問題があれば自治体の判断でエレベーターを止めると、そのような措置をとることをするのか、あるいは偶発的、特異なものとして対応されるのか、あるいは全国的にエレベーターの点検を指示されるのか、国土交通省としての事故の認識度合いと対応策の基本についてお伺いしたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 今回事故のありましたシンドラー社製のエレベーターですが、以前から異音が発生しましたり、振動、ドアの開閉異常などの不具合があったという報告を東京都港区から受けております。報道におきましても、各地のほかのシンドラー社製のエレベーターでも同様の不具合などがあったという事例が多数カバーされておりまして、国民の皆様の間に不安感が広がっているという状況であると認識しております。
このために、国土交通省におきましては、まずシンドラーエレベータ株式会社に対しまして、日本国内に設置されている同社製のエレベーターのリストの提出を求めました。過日、6月9日にその提供を受けまして、設置台数は全国で8834台と。現在、これらのエレベーターの所在する特定行政庁を通じまして、緊急点検、それから過去の不具合等についての調査報告を求めております。今回の制御装置とか安全装置と全く同じものを使っているエレベーターにつきましては6月16日までに報告するようにと、それからその余のものにつきましても6月28日までに報告するようにということを特定行政庁にお願いしております。
それから、国の建築物あるいは鉄道事業者の建築物などに設置されましたエレベーターにつきましても、同様に緊急点検それから不具合を調査しておりまして、報告を取りまとめる考えでございます。
それから、今回のエレベーター事故を踏まえまして、6月15日に社会資本整備審議会の建築分科会に設置しております建築物等事故・災害対策部会を緊急に招集いたしまして、状況を報告するとともに、今後の対応についてご意見を伺う考えでございます。このような事故が二度と起きないよう、遺漏のない対応を図ってまいる所存でございます。
なお、今回の事故そのものの原因につきましては、警察当局が再現実験などを行うなど事実解明を進めておりまして、その結果を見守りたいと考えております。
○加藤敏幸 これは、私はメーカーに第一義的な責任があるということだと思います。そういう意味で、当該シンドラー社の対応、それから今後の努力、原因解明について全社を挙げて全力を尽くすと、そういうようなことが必要ではあると思っておりますけれども、一方、このメーカー一社をたたくことだけで問題が解決するのかといったときに、それでは私は少し不足だと、むしろもっと視点を変えた対応策ということを考える必要があると思います。
そこで、エレベーターというのは安全性、構造設計、基本的なシステムについての責務はメーカーにあるわけでありますけれども、そうはいっても、エレベーターいうのは、365日、24時間使用に耐える、点検以外は使用に耐えるという、いわばヘビーデューティーなる機械だ、そういう状況に置かれていると。また、使い方も人によって様々、あるいはネズミが入ったり昆虫が入ったり、あるいは多少のいたずらが行われたり、いろいろな条件下で使われる機械である、そういう意味で保守点検ということが非常に重要な要素になっていると、これがポイントだと思います。
また、ビルの管理・所有者というのも、単にエレベーターを置いて、あとは保守点検会社の責任で、あとは知らぬということではなくって、所有者、管理者の立場からも、やっぱり善意なる保全なり、できる限りの知恵を使って安全でかつ円滑なる運行、私はそこに意を注ぐべきだと、これが私は所有者、管理者のやっぱり責任だと思います。
つまり、メーカー、保守点検会社、そして所有者・管理者というこの三者ですね、三段階、三者がいかにそれぞれの責任を明確にし、シームレス、継ぎ目のない管理をやっぱりやっていくということでなければエレベーターの安全は私は保てないと。
そういうふうな視点から、このエレベーター業界においては、ご存じのようにメーカー系の保守点検会社がやる場合と独立系の会社がやる場合、その場合に、仕様は公開されますけれども、どの程度本当にやっていくのか、あるいは保守点検会社がやったことのやったというエビデンスは一体何なんだと、そういうようなことを含めていろいろな課題があることも事実であります。
また、最近、マンションなどの管理組合においては、管理コストを削減するというのは大きな住民からの要請であります。その中で保守点検費用、エレベーター昇降機の保守点検費用の占める割合というのは高いということから、競争入札をすることによって更に安い保守点検会社に切替えをしていくと。
今回の場合も、シンドラー直系の保守点検会社から第一、第二と、このように切り替わっていくときに、本当に大事な、ハインリッヒの法則(※注)ですけれども、ヒヤリとしたことが一つでもあれば、事故の可能性をあらかじめ予防していくという考え方に立てば、やっぱり不具合情報、ちょっとでもおかしい情報はしっかりと引き継がれると同時に、ちゃんとメーカーにもフィードバックされる、そして管理者、所有者にもそのデータがしっかりとフィードバックされる中で、本当にこのエレベーターは将来的に大丈夫なのかという総合的な視点でやっぱり管理をやっていく、そういうシステムづくりをしなければ本質的な解決にはならないのではないか。
さらに最近ではエレベーターの24時間監視体制というサービス体系もあります。これは集中的にすべての、契約したエレベーターを電話回線でつないで、その運行状態をモニターすることができて、問題起ったら即出動できるという、コストが掛かりますけれども。なぜそうするかというと、エレベーターというのは、よく小さい子供がいたずらされたり、あるいは不審者が入ったり、つまりそのビルなりマンションの防犯上も大切な場所だと、機械だと。そういう視点でやっぱり総合的な安全、安心、それを確保するためには、お金が掛かってもそういう高度な監視・管理体系に置くと、こういう選択もあるわけでありまして、私はこういうふうなことも考えなければ、安ければいいということだけではそこの住民、使用者の安全を守ることはできない、このようにも思うわけであります。
そういうようなことを含めて、私今いろいろ言いましたから、ちょっとたくさん項目を答えるのも大変でしょうけれども、ご見解をお願いをしたいと思います。
※ ハインリッヒの法則;1件の重大災害の裏には、29件の軽災害があり、その裏にはケガはないがひやっとした300件の体験(ヒヤリ・ハット)があるというもの。
○山本繁太郎・住宅局長 エレベーターの設置、保守管理には、ご指摘いただきましたように、製造メーカー、それから保守管理会社、それから所有者等が多数かかわっているわけでございまして、これらの間がきちんと連携を確保して24時間安全なエレベーター運行サービスを提供しなければならないという問題意識はご指摘のとおりだと受け止めております。
その観点から、先ほどご紹介しました建築物事故・災害対策部会ではしっかりご検討いただこうと思っておりますけれども、コスト削減を追求する余り、これら三者の間に断絶が生じたり、安全を犠牲にして経済性を追求するということはあってはならないことでございますので、その一番大事な部分をどういうふうに現場で確保するかということを念頭に検討してもらおうと考えております。
それで、今ご指摘がありました24時間の遠隔監視サービスでございますが、シンドラーエレベータ株式会社から聴取しましたところによりますと、10年ほど前から新規の設置分については24時間監視を導入したエレベーターを設置して保守管理を行っているけれども、この事故機については当初からこれを行う仕様とはなってなかったということを言っております。
現場の実態ですけど、今新設のエレベーターについては大手5社で約9割、それからシンドラー社でも新設の約8割でこの24時間監視体制が導入されていると伺っております。
○加藤敏幸 時代の趨勢としては、住民あるいはビル使用者の安全をいろんな角度から確保していくということから、そういう高度な監視体制をも組み込んだシステムをやっぱり導入していくということが大切ではないかと思います。また、保守点検費用について、コスト競争ということも現実は激しくなっておりまして、私は働く人たちからの意見を聞いていますけれども、相当に労働過重の条件の中で保守点検費用の引下げ合戦が行われている。その影響をメーカー系の点検会社も受けておる中で、労働条件をいかに保持していくかということで苦労をしている。そういう話を聞いているわけであります。
もちろん、自由主義経済でありますから、やはり競争ということを前提として、ある種の社会コストの引下げだとか、更なるサービスの向上を図るべきということは当然のこととは思います。けれども、一方で最終的な安全をしっかり守る、そのラインを逸脱するようなコスト競争、最後にだれかが犠牲になるというようなことでは私たちの目指した社会ではない、このように思うわけでありますから、その点も含めてこれから場面場面において必要な方針、方向を明確にしていただきたいと思います。
さて、更に少し細かくなりますけれども、六本木で回転ドアで事故が起こり、この関連の問題意識ということも高まってきたわけであります。私は、個々の先ほど申しました事故、不具合、何かおかしい、そういう事例、データが広範に収集されて共有化されると、そしてその中から、設計の段階では想定してなかったけれども、ひょっとしたらこんなことが起こるかも分からない、というようなことをきちっと分析をしていくというプロセスの中で、私は、明日ひょっとしたら発生するかも分からない新しい事故に対する予防が行えるのではないかと、そういうことを真剣に考えるべきだと思います。
そこで、エレベーターの安全基準にかかわる法令を見てみますと、一つは、建築基準法第34条の昇降機の安全構造に関する規定とその法文を受けての基準、建築基準法施行令の第129条、これは先ほども少し触れましたけれども詳細に規定されています。一方、日常的な安全点検に関しては、建築基準法第12条3項に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者の検査を受け、その結果を特定行政庁に報告しなければならないという規定のみでございました。報告は半年から一年の間に1回とされていますけれども、点検の具体的内容については問われていない、私はこのように受け止めております。
エレベーターの定期点検については、国土交通省では月に1回を推奨されていますけれども、この事故のあった港区住宅公社のマンションでは月2回の点検が行われていたということでございます。どうでしょうか、皆さん。
点検は回数でなく私は内容だと、ここが私は非常に大きな問題であると思います。
国土交通省としても、今後、エレベーターそれからエスカレーターの安全確保に関し、点検項目、報告先の特定、不具合があるいは故障が見付かった場合の部品取替えなどの責任の所在と処置方法などについて、やっぱりきちっとしたガイドライン的なものを明示して業界やビル管理者を指導していくべきではないだろうかと、私はそうすべきだと、こう思いますけれども、ご見解をいただきたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 エレベーターの定期点検の規定でございますけれども、引用していただきましたように、建築基準法の規定で、一定の資格者に定期的に、6か月から1年の間で特定行政庁が定める期間ごとに、まず不適切な改変行為が行われているかどうかということを調査し、もう一つは損傷とか腐食などの劣化の状況について点検を、検査を行わせまして、その結果を特定行政庁に報告するようにという制度となっております。
国とか特定行政庁、これは建築行政を担う組織でございますんで、が設置する建築物についてはこれまでこの制度はなかったんですけれども、昨年の六月から、法律改正によりまして、国とか特定行政庁が設置する建築物についても、不適切な改変行為の方の調査はしませんけれども、損傷とか腐食などの劣化がどのような状態にあるのか、きちんと検査をして前に進んでいくように、そのことを義務付けております。
この点検とか点検項目、それから報告すべき内容でございますが、今定めました法令の下におきまして、財団法人日本建築設備・昇降機センターにおきまして定期検査業務基準書というものを定めております。実際にどういう項目についてどういう検査をした上で、その結果をどういう様式で特定行政庁に報告するかということを定めておりまして、検査の方法につきましても、エレベーターの場合は、目視でまずやった上で実際に運転をして性能の検査をするといったようなことを具体的に定めておりまして、これが基本的に私たちが持っている検査の基準なんですが、さらに、大都市などの特定行政庁におきましては独自の検査項目とか報告様式を定めているところもございます。それは、今申し上げましたのは法令上の定期検査でございますけれども、日常的な点検についても業界団体でマニュアルを用意して進めているところでございます。
法令と、それから財団法人建築設備・昇降機センターの基準、それから業界団体のマニュアル、それぞれにおいて今のやり方で十分なのかどうかということも含めまして、建築物等事故・災害対策部会においてきっちり検討していただこうと思っております。
○加藤敏幸 まあ局長のご答弁は答弁として受け止めますけれども、これ、警察の捜査が深まってきますし、シンドラー社の昨日の会見の意味をよく考えますと、「1年4か月も私どもは触らしてもらえなかった、信頼できるかどうかはともかく、自分たちとはかかわりのない点検会社がされた、何をされたかは分からない、どういうことをしたかのエビデンスも本当に分からないという状況の中で、我が社に責任を問われても・・」という、そういうにおいが私はしていると思うんです。
だから、要は、結果としてこれから明らかになってくる、1年4か月の間にいかなる点検がされて、あの機械にどういう触り方がされてきたのか、それが十分であったのか不十分であったのか、そのことをだれがどう判断したのか、点検する人たちの資格なり、そしてその技量、社内における保守点検に対する教育指導体制、訓練、そういうようなことを含めた総合的な保守点検の実力など。やるといって本当は札掛けているだけかも分かんない、そういう指摘もまあテレビではしておられましたですよね。そんなことはあってはならない。本当の意味で保守点検が実行されるという体制を是非とも業界の皆さん方の協力も得ながらしっかりとやっていっていただきたいということを申し添えまして、本件については終わりたいと思います。
3、法案は消費者・購入者の立場にたっているのか
○加藤敏幸 それでは、建築基準法改正案の改正にかかわる内容についてご質問をさせていただきたいと思います。
参考人の皆さん方の意見聴取を含めまして、ある意味で審議が相当尽くされつつある状況になってきたとは思います。これまで議論重なる部分もいろいろございましたけれども、本日はひとつ基本的な点について改めて質問をさせていただきたいと思います。
まず、法改正の基本的姿勢について確認させていただきたいのですけれども、今回の法改正は建築物の安全性確保のための建築確認関係の行政的監督権限の強化、さらには建築士などの法令違反に対する罰則強化など、建物の建築から施工にかかわる全体のプロセスに対する規制強化あるいは不正の予防システムの整備と、こういう側面が強いと思います。私は、これはこれで評価できると、このように思っております。特に、耐震強度偽装事件発生から今日までの短い期間で、かかる法改正に至ったということについては率直に事務当局の努力もこれは多としたいと思います。
しかし、今回の耐震偽装事件から、私どもが学んで、そして全力を挙げて解決すべき最大の課題は、こういった欠陥住宅を買わされた消費者が真に救済されるのかどうか、そして今後一切このような欠陥住宅を買わされることがない、こういう保障が本当にできるのか、私はこの視点からこの法案の中身はどうかということについて考えてみますと、私は不十分であると言わざるを得ない、このように申し上げます。
具体的には、法案では瑕疵担保責任の明確化あるいは瑕疵担保責任の保証、保険契約の面での若干の改善点、これはございますけれども、全般的に現在の行政の範囲内あるいは業界のできることの範囲内ということでの改善であり、どう見ても消費者、住宅購入予定者を真に安心させるものにはなっていないように私は思うわけであります。言ってみると、悪いんですけれども、軸足の置き方がずれているんじゃないかと、このように思います。
そういう点で、まず改正で、消費者、購入者の視点に立った場合、どのような点で改善、配慮されているのかどうか、北側大臣にお伺いをしたいと思います。
○北側一雄・国土交通大臣 住宅を取得ということは本当に一生に一回あるかないか、また大変高価な買物をされるわけでございます。その際に、住宅取得者の利益をきちんと守っていく、そういうふうなシステムをつくるということは大変大事なことであると私も考えているところでございまして、今回の耐震偽装事件を通じまして、そうした観点から改善をすべきところというのが私はやはり多々あるというふうに認識をしているところでございます。
まず、そもそも、この建築基準法であれ建築士法であれ、これはそもそも住宅を取得される方々に安全な建物を提供していこうという観点から、元々建築基準法だって建築士法だってあるわけでございますが、今回、建築確認検査をより厳格化をしていこうということで、一定の建物につきましては構造計算適合性判定制度というものを導入いたしましてピアチェックをすると、こういう制度を導入させていただいたり、また建築士の業務の適正化のための措置についても今回改正をお願いをしているところでございます。
それとともに、やはり情報開示というのが私はやはり大事だと、消費者の方々、住宅取得者の方々にきちんと情報が開示されるということが非常に大事であると思っておりまして、そうした観点から住宅の売主等に対しまして、契約を締結する前に保険加入の有無、保険に入っているのかどうか、入っている場合はどういう内容なのか、そうしたことについて相手方への説明を義務付ける、こうした改正もお願いをしているところでございますし、また建築士の方、施工者の方々の責任の所在というものも明らかにしていく必要があるわけでございまして、特に建築士の場合は、今回の案件のように、重層的に設計がなされます。そういう中で、構造、設備関係の設計士については責任の所在が不明確と、こういうふうなご指摘もいただいておりまして、その辺についても今回改善をさしていただいているところでございます。
ただ、これで終わりということではなくて、今委員のおっしゃった住宅取得者の利益の保護という観点から更に制度の改善をしなければならないと思っておりまして、一つは、保険への加入につきまして義務付けができるのかどうか、そういうこともこれいろいろハードルがあるんですけれども、保険への加入等瑕疵担保責任の履行を、実行を確保していくということは非常に大事なことだと考えておりまして、今、金融の専門家の方々等も入って住宅瑕疵担保責任研究会を開催をしているところでございます。夏ごろまでに基本的な方向性を取りまとめて見直しをさしていただきたいと考えております。
○加藤敏幸 多とする部分もありますけれども、特に消費者保護という視点からいかなる点が改善されたのかということで、私は今議論をさしていただいているということであります。
少し見方を変えますと、生産者と消費者、売手と買手と、こういう状況があるわけです。これはある意味で利害が反すると、利害対立構造にある場合もありますし、そこを市場原理ということで、ある程度社会的な規制の中で調和を取るというんでしょうか、調整して折り合いを付けていくというのが今日的な状況だと思います。
家電製品なら、本当に具合が悪けりゃ販売店に持っていけば恐らく3日以内に新しいのと取り替わるというケースが多いんですよ。ただ、これ、家の場合、3日後に取り替えるといっても、まず替えられるはずがない。また、その不具合の程度というのも、ここも住む人のいわゆる感性によって変わってくることもあると。例えば、丸い玉を、ビー玉だとかパチンコ玉を、ぱっと置いた途端にがらがらがらっと転がっていく、これけしからぬやないか、こんなもので住めるかと言ったら、お客さん、その程度はまあ範囲ですとかですね。その範囲がどこまでかということをこういう基準できっちり決まっておるのかどうかもまだ分かんないし、買手の方もそれだけの知識があるわけじゃない。
最近は、消費者もよく勉強しなさいと。インターネットもあるじゃないですか、サービス誌もあるじゃないですかと。そういうことをしてよく勉強して賢い消費者になれと、こういうふうなこともありますし、私はそれは正しいと思うんです。だけど、このくそ忙しいときに、仕事だけで毎日夜の10時、12時まで残業しておるような、そういう環境の中でそんな時間を取ることができる、そういう人ばっかりでもないですね。
そういうことをもろもろ考えたときに、仕事では専門だけれども住宅については素人だと、そういう買手がたくさんおられるんだと。そういうことで、買手と売手との情報量、いろんな意味での力の差のアンバランスをどうやって取って、本当に市場原理だと胸を張って言えるような環境につくっていくのかということも、私は大きな課題ではないかと思います。行政というのは、この両者の間に立ってバランスの取れた政策を展開しないと、一方に偏った政策を展開することは新たなる矛盾、問題を引き起こすということから、ゆめゆめ慎重なる対応が必要であるということはよく分かるわけでありますけれども。
今私がるる申し上げました視点に立って考えてみますと、例えば事故処理の紛争処理センターなどのように、被害者、加害者の間の過失割合をある程度アドバイスをする中で、高度の専門家の立場から、最終的な決着に向けて、「これはやっぱり売主の少し問題がある、だからといって、建物を壊して建て替えるというところまでには至りません」などと。そういう、消費者の立場に立って、情報サービスだとか専門的な視点からの助言だとか、私はそういうことをする機関がやっぱり必要ではないのかと思いが至るわけであります。
建築物購入にかかわる瑕疵担保責任の争いについて、公的に相談、アドバイスのサービスが受けられるような第三者機関の充実など、消費者、購買者の立場に立つ施策の在り方について、概略も含めて述べていただきたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 さきに住生活基本法を制定していただきましたけれども、この基本法に基づいて住宅ストックの重視、住宅市場を重視する政策を運用するという場合に、市場で行動する供給者と消費者の間の情報の非対称をどういうふうに克服して消費者主権を貫徹するかというのが一番大事な課題だと思っております。
実は、その観点から制定していただきましたのが住宅の品質確保法でございます。この法律によって、まず契約を結ぶ前に、相手にしている目的物である住宅の性能はどういうものであるのかというのを客観的に表示した上で契約を結んでいただいて、その結果について、もし紛争があれば法律に基づく裁判外の紛争処理体制ということで指定紛争処理機関、これは全国の52の単位弁護士会でございますけれども、そこで紛争処理をしていただくと。なおかつその法律で売主の瑕疵担保責任を10年とすると、民法の特例として。この3点を基本的な構造としているのが住宅の品確法でございます。
この法律を認めていただきましてからいろいろな努力をしてきているわけですけれども、ご指摘いただきました住宅の瑕疵をめぐる様々なトラブルにつきましては、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター、これは品確法に位置付けられた機関でございますが、ここで性能評価を受けた住宅はもちろんでございますが、それ以外のすべての住宅の消費者を対象に相談を受け付けております。センターでは、建築士などの資格を有する相談員が毎日相談に応じておりまして、常時7名から8名常駐しておりまして、電話による相談に対応しているわけですけれども、相談者のご希望に応じまして個別具体のケースについて弁護士とか一級建築士などを紹介して、専門家による面談の相談も応じております。実は、これは年々相談件数増えておりまして、昨年度は全体で1万1373件の相談を受けました。これ年々増えてきているわけでございます。先ほど言いましたように、法律に基づく指定住宅紛争処理機関で建設住宅の性能評価を受けたものについては簡易な調停もございますので、そういったことで紛争処理を受け付けている状態でございます。
今後とも、住宅の瑕疵をめぐる様々なトラブルへの的確な対応ということは大事でございますので、この住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおける相談業務を更に活用していただけますように、広く消費者の皆様方への周知を図るなど努力をしていきたいと考えております。
○加藤敏幸 消費者の味方であるべきセンターの存在とその拡充ということについて更に私はご努力をお願いをしたいと思います。
4、瑕疵担保責任と保証保険について
○加藤敏幸 そういう形で、ある程度紛争トラブルの処理の道筋が付いた、しかし、ないものは払えぬと、ない袖は振れぬと、こういうふうに建築側が言い始めると、これは解決が付かなくなる。こういう意味で保険の問題が出てきます。
最終的に、売主に幾ら瑕疵担保責任が課せられましても、責任遂行能力に問題があれば全く意味のないことですし、今回の偽装事件での販売会社のヒューザーを見れば、結局これで終わりです、こういうことではこれは本当に意味がないことになるわけです。
そこでいろいろ考えられますけれども、やはり有効な手段は瑕疵保証保険制度であり、国土交通省としても今後消費者保護の立場から、これは民主党も瑕疵保証保険の加入促進を主張しておりますけれども、今後の一連の事件からしてその必要性がますます高まってくると考えられます。現在、住宅保証機構による住宅性能保証制度や住宅完成保証制度がございますけれども、普及率の低さを考えると、制度にも種々大きな課題があるのではないかと思います。
今後はこの制度を大きく普及させる必要があると思いますが、是非とも、国土交通省としてもその普及促進について検討していただきたいという立場から、ご見解をお願いしたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 ご指摘いただきました住宅性能保証制度でございますが、昭和55年度の創設以降、これまでに約110万戸の住宅に利用されてまいりました。平成17年度には、民間にも同様の制度がございます、この民間の同様の制度と合わせまして新築住宅の13%、保証機構が8%、その他が約5%ということで、新築住宅の約13%に当たる16万戸に利用されている状態でございます。これを建て方別に見ますと、戸建て住宅だけで見ますと約30%、15万戸が利用していると。基本的に戸建て住宅でご活用いただいているということでございます。
この制度は賠償責任保険を背景に運用している制度でございますけれども、これまでもいろいろな住宅関連のイベントとか、イベントを契機にした報道、新聞とか雑誌などを活用して、住宅の事業者と消費者の双方に広く制度の周知を図ってまいりましたけれども、まだまだ不十分でございますので、更に周知、普及に努めてまいりたいと思います。
なお、先ほど大臣からも瑕疵担保責任研究会の検討状況をご報告しましたけれども、瑕疵担保責任の履行の実効を確保するために、賠償責任保険制度が住宅に関してどうあったらいいかということについて幅広く検討しておりますので、その結果を踏まえて必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○加藤敏幸 この瑕疵保証保険については、現在各方面からいろいろ意見が出されていることも事実であります。一番大きな意見はこの保険によるモラルハザードの問題でして、保険による保証があるために建築主も設計者も責任回避を図ろうとする者が出てくる、そういうリスクが大きいと。もっとひどい場合には、この保険があるからといって、やや詐欺的な事件の予測すらできると、そういう問題も指摘をされております。
また、保証の対象範囲の問題や事前の契約との関係、紛争の処理など、保険の適用・運用における複雑な問題を抱えていることも確かではございますけれども、しかし消費者保護という視点から考えるならば、やはり英知を結集して、先ほどのような研究会における、私は、研究、議論を促進をしていただきまして、海外ではそういう保証制度などいろんな形で行われていると聞いておりますので、市場原理に任せるということじゃなくて、最終的な保証制度を持った消費者保護政策ということを政府としてもご努力をお願いをしたい、このように思います。何かご感想があれば。
○山本繁太郎・住宅局長 ご指摘いただきましたとおり、保険を普遍的に活用するとしても制度的な非常に大きな問題がございます。重過失、故意、モラルハザードをどうするかというようなこともございます。それから、住宅、共同住宅も含めて全体をカバーするということになりますと、大変なリスクをその保険の制度で負うということになりますので、整備すべき保険が備えるべき条件というのも非常に多岐にわたることになりますので、そういったことを今中心にご検討いただいております。
保険でカバーできない場合に今回のような故意による損害の場合をどういうふうに対応したらいいのかということも、これは検討会というよりは、むしろ社会資本整備審議会の建築分科会の基本制度部会の方できちんと整理した上で方針を取りまとめていきたいと考えているところでございます。
5、建築士の収入面の安定性について
○加藤敏幸 それでは少し視点を変えまして、私としては素朴に、こんな事件が起こっていろいろ建築士の実態が報道されるのを見ておりまして、建築士というのは経営としてやっていけるのかと、こういう素朴な疑問を持ったわけであります。
建築基準法の改正の一つのねらいは、建築士の良心あるいは善意に期待するという立場から、いわゆる性悪説に立ってルール化と罰則強化と、そういうふうな施策の必要性が展開されてきたと。ということは、姉歯建築士の悪質な行為、それに続いて発覚した福岡、札幌の事例を考えれば、やはり100%信用するということでは、これは何にもならない、これでは済まないということでやむを得ない方向だ、このように考えております。
しかし、建築士の地位を向上させ、その独立性を確保していくことは建築業界の大きなテーマであり、また消費者のためにも必要なことであるということでありますし、また偽装事件を防ぐという意味からも重要な点だということであります。建築士が独立するということは、公平公正な立場を貫き、またコンプライアンスもしっかりするということでございまして、民主党としても提案しておりますけれども、建築士会といった職能団体、これをつくり、職能としての独立性を保つという方法もこれは極めて有力であると、このように考えております。
しかし、建築士の独立性確保において私はやはり十分考えなければならないのは、収入面での安定性であると、このように思うわけであります。
建築士の収入について、一般的なモデルはあるのでしょうか。例えば、独立した一人の建築士が一般の労働者並みに年間2000時間働いたとすると、年収1000万円の収入を得るためには、時給換算で5000円というレートを付けなければこれは1000万の収入にはなりません。一日8時間労働で1週間5日で終わるということができる設計、依頼された設計あるいは構造計算だと、請負金額は20万円となると。これは単純な計算でございます。これが相場としてどうなのか。もちろん、設計事務所を構えて人を雇えばこんな金額ではやっていけないと、こういうことでございます。
請負金額については参考人のご意見の中でも若干の報告がございましたけれども、建築士の独立性を論じていく場合、こういった収入の実態や最近の傾向なども把握することが重要だと考えますけれども、そういう情報を踏まえて議論をしていただきたいんですけれども、ご見解があればお伺いしたいと思います。
○山本繁太郎・住宅局長 私どもとして、建築士の個別の業務ごとに報酬実態を把握するということはいたしてはおりません。
ただ、建築士の賃金水準につきましては、厚生労働省におきまして賃金構造基本統計調査が実施されております。平成13年度から一級建築士の賃金についてもこの統計調査の対象として調べられております。この調査、平成17年度の結果によりますと、一級建築士の年収は平均で、年齢44歳ですが、540万円でございます。医師は40歳で1050万円、歯科医師が35歳で900万円、弁護士が41歳で2100万円などに比べますと低い水準にございますが、一方、社会保険労務士、これは38歳で550万円、技術士が40歳で530万円、薬剤師が36歳で507万円といったところと同じ程度になっております。ただ、建築士の賃金の推移ですけれども、14年度からずっと基本的には下がってきております。14年度から16年度は600万円程度でございましたけれども、17年が540万となっております。
建築士の報酬の実態調査でございますが、他の資格者との比較ということであれば、この厚生労働省の調査、もちろん基本的に参考にしてまいるわけでございますけれども、社会資本整備審議会の中間報告でも、建築士の報酬基準の見直しに取り組めということをご指摘いただいておりますので、その中で、意匠とか構造、設備の専門の業務ごとに実態を掌握する必要があると考えております。
○加藤敏幸 私は、今回の耐震強度偽装事件の中でほとんどの建築士の皆さん方は憤慨されて、非常に残念な思いで今まで過ごされていると思います。
しかし、一生最大の買物である建物、これを買うときに、消費者の立場からいうと、やっぱり建築士が味方なんですよね。建築士が信頼できれば、その人が、じゃお金を渡して、しっかりと間違いのないものを、私が確認したんだと、命を懸けてもいいと、こう言い切ってもらって物を買うということ、私はそういうふうな信頼に堪え得る建築士であってほしいし、またそういう、月光仮面とは言いませんけれども、消費者の味方がやっぱり必要だと。そうしないといろいろな問題が発生をしてくるし、これ、高い買物で失敗したねというけど、家で失敗すると人生立ち直しが大変なんですよ。テレビとか車ならまだ、ほかのメーカーの買えばいいなと、5年我慢しようということになりますけど、建物の場合はこれどうにもならないと。
そういうふうなことを含めて、私は、やっぱり建築士に志を、コンプライアンスを、それを求めていくということは大事だと。
ただ、その前提条件として、ああ、このごろ所得は減っていくね、稼ぎは寂しくなるね、奥さんから怒られるねとか、そういうふうな苦労を抱えて、それでもなお侍稼業としてやりなさいというのも、社会一般的なあれからいくと、そこはしっかりとした経済的な基盤の強化を図るという方策もなければ私はバランスが取れないな、常に私はもうバランスを取る政策が得意ですけれども、そういう思いもするということでございますので。
弁護士さんの場合には、協定価格のような、よく知りませんけれども、一時間相談に乗ると5000円とか取られて、冗談で言ったつもりが後から請求書が回ったという、来たという、そういう話も聞きますけれども、私は、こういう建築士における、専門職にふさわしい水準の料金体系をやっぱり社会的に形成していくという、こういう考え方について国土交通省どうお考えになるか、よろしくお願いします。
○山本繁太郎・住宅局長 現在、建築士法に基づいて告示されております報酬基準でございますが、具体的な報酬額を設定するのではなくて、それぞれの建築士の能力等がきちんと反映されるという観点から、具体的な報酬額よりは仕事の中身、設計とか工事監理に係る標準的な業務内容を示した上で、これに必要となる作業量、これは人日数でございますけれども、を定めて、業務量に応じた報酬の設定が可能になるような目安を用意をしております。
こうした報酬基準の基本的な構造自体については、関係のいろんな団体からもこのやり方が妥当だろうという意見をいただいております。その上で、中間報告で、設計及び工事監理の報酬基準について内容を見直し、更に基準としての実効性を確保するための方策について検討すべきであるというご指摘をいただいておりますので、こうした点を踏まえた上で、建築士制度の見直しとトータルな課題だと考えておりますので、併せて方針をまとめていただいて措置していきたいと考えております。
6、分譲マンションの「青田売り」の規制について
○加藤敏幸 それでは、最後の質問に入っていきたいと思います。
これも既に少し質問が出ておりましたけれども、分譲マンションの青田売り規制について少し質問をさせていただきたいと思います。
私個人の感想を申し上げれば、これは青田売りといって青田にもなっとらんじゃないかと、何を売るんだと、こう言いたくなりますし、「世界でこんな商習慣あるの?」と申し上げたいと思います。
しかし、我が国では、建築確認が取れれば直ちに、この前提示されておったようなこういうふうなチラシが、きれいなチラシが出て、あたかももう物が建っているような感じで売りに出されると。それ、物もできていないのに何を買うんですかと、買うといった人は何を買うのかもよく分かんないと、架空の話ではないかと、こういう思いもあるわけであります。
そういう意味で、この青田売りが持つこれは問題が私はあると思うわけでございまして、ただ大手のマンション分譲会社においては既に現物・現場販売ということもやられていて、現にこれですよと、周辺の環境も含めてこの現物ですと、こう示されると、ああ、これ分かりやすいし、床も柱すべてが明朗になっているということでございます。
青田売りの場合は、マンション購入者は、モデルルームは専有部分だけ、共有部分については普通余り明示されていないと。建築現場は大体更地だとか土木工事の最中ということで、生活的なイメージが少し周辺についてはわかないとか、不安を持ったまま契約をせざるを得ないということでございます。先着順だから遅れちゃ駄目よ、こういうふうな売り言葉の中で契約をしていくわけですけれども、これは私はやっぱり、売る側の論理が全面展開された販売方法ではないかと、このように思います。
この分譲マンションの青田売りの現状をどのように考えておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○竹歳 誠・総合政策局長 今お話ございましたように、我が国ではこの青田売りというのが長年不動産取引の実態として定着しております。その背景には、多分、住宅に対する大変強い需要と、それから売る側のモラルとか信頼性というのがあったので、長年こういうシステムが続いてきたのではないかと思います。
ご質問通告いただきましたので、大急ぎで若干海外の事例等についても関係者に分かる範囲で聞いてみました。海外におきましても青田売りはないわけではないようでございますが、欧米では住宅の中古市場というのが非常に発達しておりますので、需要サイドとして青田買いまでして住宅を求めるということもないためか、住宅の分野でそういうのは少ないと聞いております。
青田売りの問題は、今ご指摘のとおり、物ができる前に売買契約をするということから、消費者にとって情報が不十分で、青田の段階で想定していたものと実際に買ったものが違うというような問題があるわけですから、消費者保護の観点から十分注意していかなくちゃいけない問題だと思います。
そういう観点から、現行の宅建業法では、どこの段階で規制すべきかという議論になるわけでございますが、一つは、その建築確認を始め一定の法令上の行政処分等があった後でなければ広告してはいけないというのが一つの青田の基準ではないかと思います。それから、最終的には、買主が重大な不利益を知らずに契約してしまって思わぬ損害を被らないように、その売買等の契約締結前にきちっと書面で説明してというような枠組みになっていると思います。
今回の構造計算偽装問題等でいろいろ明らかになりましたのは、実はこの青田売りの二つ側面があると思います。一つは内装のように見て分かるものと、それから耐震強度のように、構造のように見ても分からないものがある。今ご指摘ございましたけれども、青田売りじゃなくて、できたものを見ればいいじゃないかというご議論も、構造については実は見ても分からないと。
本質的な問題は、消費者が見ても分からない構造、消費者から見えない構造、後で直せない構造、こういうものについてどうするのかというのが正に今、この基準法のシステムのご審議をいただいているんではないかと思いまして、そこがやっぱりきっちりすることが青田売買の問題についてもそのベースを成すものではないかと思います。
○加藤敏幸 現状について簡潔にお話をしていただいたということでございますし、これからの問題についても触れていただいたと思います。まあ販売者側への信頼は大きく言えばあったと思いますけれども、でも、この前の田村委員のご指摘のように、それでもやっぱり不満だとか問題点というのは多々あるというのがこのマンション等にかかわる問題点だと思います。
私、最後に、先ほど、いわゆる広告開始のタイミングについては、今局長の答弁にあったとおりでございますけれども、やはりこの宅建法第33条の広告の開始時期の制限というものについて、建築確認済みと、このタイミングが本当にいいのかというようなところもあるのではないかと。言われるとおり、中古市場が発達してきますと、もう大体、現物を確認してというのが、10年、20年たってくるとそういうふうなことになるかも分かりませんけれども、それまでに至るプロセスにおいて、やはりこういう青田売りが引き起こす消費者に対する不利益というふうなことを考えてみると、私はもう少し規制を強化する必要があるのではないかと思います。
この広告開始時期の制限については、違反しても直接的な罰則規定がないと。その前の宅建法第32条の誇大広告等の禁止については、これは6か月以下の懲役若しくは罰金と。罰金は改正案で30万から100万円以下、こういうふうに改正されるということでございますけれども、私はもう少し直接的な罰則を強化する必要もあるのではないかと思います。この点について、国土交通省のご見解をいただきたいと思います。
○竹歳 誠・総合政策局長 まず、現在の宅建業法第33条で広告開始時期の制限について定めているわけでございますが、これは広告で表示したものと現実にでき上がったものとの間に途中で大幅な設計変更等があって大きな差が生じてくると当事者間の紛争原因となるということがありますので、建築確認等を始め、一定の法令上の行政処分等があった後でなければ売買等の広告をしてはならないこととしているということでございます。で、建築確認などが行われた場合、工法上の制限によって大幅な設計の変更を余儀なくされることはないと考えられるために、広告開始の時点をもって建築確認などがあった場合とすることは適当ではないかと考えております。
また、罰則につきましては、今ご指摘の誇大広告につきましては、直接的な罰則の対象になっているわけでございますけれども、これは購入者を欺いて契約を誘引、締結するという、悪質性とか反公正性が強いということで直接的な罰則の対象としているわけでして、この広告開始時期の制限については行政上の監督処分という仕組みになっているわけでございます。
○加藤敏幸 時間が参りましたので質問は終えたいと思いますけれども、私は、この耐震強度偽装事件というのは終わっていないと、なお国民は不安感を持っているし、ある種不信感を持っているということは現実だと思います。そういう状況の中で、私は今なすべきことは、国が、行政が消費者保護を前面に置くと、その私はメッセージを実際の法律改正とともに国民に送ることが今一番必要ではないかと、このように思う次第でございます。そういうようなことを最後に申し上げ、まじめな国土交通省が更に国民、消費者の利益のために全力を挙げられることを心から祈念いたしまして、質問を終わりたいと思います。
以上です。
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