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report──国会質問 会議録

 

 

 


 


大臣所信への一般質問
国土交通行政の基本課題について討論。
経営課題の改善にあたって労組の協力を得ることの重要性も指摘。

(国土交通委員会)
2006年10月26日

 9月26日に国土交通大臣に就任されたばかりの冬柴鐵三大臣に対し、政策全般についての一般質問に立ちました。「国土の開発と環境の保全をどのようにバランスさせるのか」「港湾、空港、道路、JR含め、国際競争に打ち勝つ産業インフラの整備をどうはかるか」「国家財政が膨大な累積赤字を抱える中、どのように公共事業を見直していくのか」こういった基本的課題についてまず論議しました。

 また、「労働組合は改革を阻害する抵抗勢力だという与党議員も多いが、大臣は労組の機能・役割をどのように考えておられるのか」こういう質問もしました。国交省と関わりの深い労組、たとえばJRの労組、航空会社の労組などにおいて、それぞれの労組が経営に関する方針を論議し、積極的に事業改善に協力しようとする姿勢であることも紹介しながら、現場に働く人々の熱意があってこそ経営改善が本物になる、政策の推進においても労組の協力を得ると視点は重要である、このように訴えました。

 その他、鉄道事故対策、パーク・アンド・ライド方式などの推進による環境対策、空港(とくに関西空港)整備問題についても質問しました。

[質問要旨] (クリックすると該当の箇所にジャンプします)


[質問項目]
1、国土交通行政の基本課題について

2、鉄道事故対策について

3、改革と労働組合の役割

4、環境問題への対応―LRTの促進

5、関西空港の経営について

 

○大江康弘・国土交通委員長 引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言を願います。

○加藤敏幸 民主党・新緑風会の加藤でございます。久しぶりの質問でございますので、皆さん方のご支援、ご協力もお願いしたいと思います。

1、国土交通行政の基本課題について
○加藤敏幸  冬柴先生が国土交通大臣に就任をされましてお祝いを申し上げたいと思います。しかし、国土交通政策、国土交通行政というのは大変幅も広いし、多くの課題を抱えているということも事実でございますので、是非ともご奮闘をお願いしつつ、私としては幾つかご質問をさせていただきたいと、このように思います。まず初めに、先ほどの所信表明をお聞きしながら、国土交通行政、何が課題なのか、私は4つの課題を中心にいろいろとらえておるわけであります。

  一つ目は、国土開発と環境保全、このバランスをどう取っていくのかという視点での問題です。

  二つ目は、膨大な累積赤字を抱えている国家財政、このことから我々は非常に政策的にも苦しんでおるわけですが、その中でどのように公共事業を展開するか、見直していくか。これは午前中の中島委員のご質問とも関連をしてくることですけれど、そういう視点があると思います。

  三点目は、これは藤本委員も質問されておりましたが、経済のグローバル化が更に進んでいくという中で、国際競争力を高める、維持する、そういう意味での産業インフラ等の整備、この分野も大きな課題があると思います。私はかねて、「ものづくり日本」、日本の製造業こそがこの国の最も大事な産業ではないか、観光も含めまして多くの大切な産業はございますけれども、1億2800万人がしっかり生活をするために、将来の子供たちのためにも、これは大切な産業だと。そういう意味で、国際競争力を維持するという視点から国内の工業立地、製造業の立地を支えるということで、港湾、空港、それから高速道路、JR含めまして大変大きなインフラ自身の競争力を保持する、こういうテーマがあると思います。

  四点目は、正にこれは冒頭掲げるべきだとは思いますけれども、安全、特に大臣が所管されている範囲でいえば交通の安全、建物の安全、また災害からの安全、こういう視点に立っていかに安心感を持って生活をしていくことができるのか。

私が関心を持っている分野でいえばこの四つになります。

 そこで、午前中にも質問がありましたのでやや質問の中身を絞り込みますと、特に公共事業の関連につきましては、今日の朝の議論も聞いておりまして、安倍内閣の経済運営の基本というのは私はやはり成長路線というところをとらえておられると思うし、それはそれで一つの見識であると思うわけであります。しかしながら、一方で公共事業というものが冒頭お話にあったように毎年3%、少しずつ減らしていくということの中から、これはやはり成長路線と公共事業の関係ということについてもある程度整理をしておかないと、私は国民に対する説得力がなかなか成立しないんじゃないか。こういう視点で、「一段の工夫をされる」と言われていますけれども、そこはどういう工夫なり、国土交通省としての政策の展開の余地があるのかということを中心に、概略的な質問ですが、大臣としての所信をうかがいたいと思います。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 日本の財政が本当に国、地方とも逼迫をして、このままいけば子や孫にそのツケを回さざるを得ないというような状況にありますから、何としてもここは我々の世代でそのようなことが少しでも軽減できるような、また子供や孫にツケを回さないようにするために頑張ってきているところでありまして、具体的に2011年には国、地方合わせたプライマリーバランス、これをプラスにする。これは大変な仕事でございまして、そのときのこの差額は16兆5000億円と計算されております。

 これだけを全部歳出でカットするということは幾ら頑張ってもこれは無理だろうと思いますが、一方、この5年間という間に今の経済成長というものを確実なものにし、持続してやっていけば、これはやはり歳出カットと税の増収というものを合わせれば何らかの処方は見いだし得るんではないかと思います。

 その意味で、内閣の一員といたしまして、この歳出、聖域なき歳出カットということには協力をしなければならない。具体的に、公共事業ということになれば、前年度比3%のカットということが言われております。しかし、それをどういうふうに続けていくかということは、その年その年の経済情勢なり成長なりあるいは緊急の必要性なりを考えながら決めていかなければならないと思いますが、3%というものをこの発射台である来年はこれはもう入れざるを得ない。もう身を切るような痛みではありますけれども、私も内閣の一員としてこの大きな流れには沿わなければならないと思っています。

 一方、我々の子供や孫のことを考えれば、彼らが自信と誇りを持てる美しい国日本というものをつくっていくのもこの国土交通省の大きな使命でもございます。そういう意味で、非常に苦しい台所ではありますけれども、それを工夫をし、そして都市部とか地方とか区別することなく真に必要な社会資本の整備というものを重点化、効率化というものを徹底をしながら進めていかなければならない、このように思うわけであります。

 工夫というところでは、例えば高速道路、今まで残っている部分を、有料高速道路でございますが、20兆円を必要とするということがほぼ普通に認められていたものでありますけれども、道路公団改革等の作業を通じていろんな工夫がそこにされました。例えば、田舎でそんなに片道4車線を走らせる必要はないんじゃないかと。そういうところをそれを2車線にするとか、そういうことによって、トンネルのボリュームあるいは橋梁のボリュームというものを小さくするという工夫もされたわけでありまして、こういうことを通じて、現在は20兆と言われたのを10兆5000億まで圧縮してもできるという計算ができているわけでございます。

 そのほか、非常に恥ずかしい話ですが、入札に関しまして談合というようなことが行われ、これが本当にいろんな国の事務に対する国民の信頼を損ねました。こういうものは、談合は、本来、例えば見積額の80%でできるものが95%で落札されているということになれば、15%というものが余分に使われている、国民の税金がそのように使われているということを意味するわけでございますから、こういうものを厳しく、例えば一般入札というものを限りなく広い範囲で採用するとか、あるいは総合評価方式というようなものを取り入れて、安かろう悪かろうは駄目だと。しかしながら、極限までこういうものを、大切な財源というものを有効に使っていこうという、あるいはボンド制度の導入とか、要するに入札制度の合理化によって所要経費の圧縮をするとか、そういういろんな工夫をしながら大胆に進めていかなければならない、このように思うわけでございます。

 公共事業を進める問題につきましては、先生もご指摘のように、私は、一つは安全、安心の国土を形成しなくちゃならない。それは、言われましたように、災害に強い国土をつくらなければならないという意味で、河川やがけ崩れ等に配慮したそういうようなものもやっていかなければならない。建物も、いろんな不祥事がありましたが、国民の信頼を回復するような法制度もつくって回復していかなければならない。また、交通関係については、陸海空を問わず、この安全ということが、社長、一番上のトップから末端に至るまで、これが運輸の生命線なんだと、いろんな利益を上げるとか、あるいは定時に発車するとかいうようなこともあるけれども、しかし何よりも安全であるということを徹底する、こういう国土をつくっていかなければいけない、これが一つです。

 二つ目は、先生もおっしゃいましたけれども、今少子高齢社会を迎えながら、なお経済成長を続けていくためには、近隣のアジア諸国との一体的な成長、すなわち日本で製造するものを例えば安い人件費の海外で製造する。そしてそれが、でき上がった品物を日本の市場だけではなしに広い大きな市場で、海外の市場でこれを消費していただくことにより、日本の一つの経済発展の資にしていく。こういう観点からこのゲートウエー、すなわち国際港湾・空港、あるいはそこと拠点とを結ぶ道路や新幹線等のネットワークを整備する、こういうようなことが一つ。

 もう一つは、頑張る地方ですね。これを、国土形成計画に従って、地方がこういうふうにしてもらいたい、我々の歴史や風土あるいは伝統、自然環境等々を踏まえて、こういう地域をつくっていきたいという部分について応援を、きちっとした支援をしていかなきゃならない。こんな感じであるわけでございますが、何しろ大変身を切るようなこの予算の圧縮でございますが、頑張っていきたいという決意でおります。

○加藤敏幸 ありがとうございました。
  今日は最初ですから、各論についてはこの後また議論の機会があると思います。
  ただ、「ものづくり日本」。この考え方の中には、もちろん適地生産ということで中国でおつくりになるのもいいでしょう。しかし、私は電機産業に所属していますけれども、今行われていることは、マザー工場は日本につくるんだ、目の前で物つくって、そこで初めて分かることが一杯あるんです。だから、研究開発、設計は日本列島でやって、簡単なものづくりは中国、ベトナムという考え方は通用しないですよ。やっぱり一気通貫で、自分たちが全部つくってみることから初めて本当にすばらしい製品ができてくる、このマザー工場を日本列島の中にしっかり残していくということを、国土交通省におかれましても、是非大臣の頭の中に置いていただきたいというのが私の要望であります。

 加えて、「一段の工夫」といったときに、これはもう簡単でないと思うんです。二律背反、予算が減るから身が切られるんじゃなくて、正に二つの違う方向のベクトルを、これを実現をしていく、制御していくということは相当に胆力も要るし、本当に力の要る仕事だと思うんです。

  その中で、特に民間のメーカーは、バリュー・アナリシスとかバリュー・エンジニアリングということで、これは簡単に言うと、会社の中で例えば放射線を使って非破壊検査とか膨大な設備が要るときに、これ放射線を遮へいするために厚さ1m以上のコンクリートの巨大な建造物が要る。何10億ものお金が掛かるときに、じゃ土塁を造ろうと。要するに盛土をするだけなんです。幅は3m。そうすることによって1mの厚さのコンクリートに代わる遮へい物ができる、水平方向については。ということで、何10億円も掛けなくてもいいというような形で、予算執行については命懸けでやっているわけですね。

  公共事業だって国民のニーズはいろいろやっぱりあるわけですよ、これは。増えることはあっても減ることはない。そういう中で、本当に今言ったようなバリュー・エンジニアリングだとかいうことも考えられ、本当にそういう努力をしなければ、予算は減る、ニーズは増える、それから安心、安全を守る、この三つのベクトルをかなえることはできないんじゃないかと。一言、アイデアを申し上げさせていただきましたけれども、よろしくお願いしたいと思います。

2、鉄道事故対策について
○加藤敏幸  次に、鉄道事故対策について、鉄道の安全確保という点でお伺いをしたいと思います。

 通常国会では、運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部改正ということを行いまして、10月1日をもって施行されました。安全対策における経営トップの意識改革と各社における体制整備、ヒューマンエラーの防止という視点が強調されたわけでありますけれども、我ら参議院で附帯決議を付けまして、第4項、「ヒューマンエラー発生の背景と指摘されているヒューマン・マシン・システムを含む労働条件・労働環境の改善、安全に関する技術継承や人材育成のための環境整備、必要な要員の確保などが図られるよう、運輸事業者に対して継続的に指導・監督・支援を行うこと。」と、こういうことを付けさせていただきました。

 10月1日施行ということで、現時点で総括的な評価を下すのには少し時間的に早いかもしれませんけれども、これらの立法趣旨あるいは参議院での附帯決議の意図をどのように生かされているのか、お伺いをしたいということと、あわせて、改正鉄道事業法に基づき、10月18日から、JR西日本の経営幹部に対し、運輸安全マネジメント評価のための聞き取り調査を開始されたとお伺いしましたので、この内容についてご報告いただきたいと思います。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 前半の部分について私から、後半は政府委員の方から答弁をさせていただきます。

  参議院で誠に適切な附帯意見を付けていただきました。このご指摘を受けまして、国土交通省としては、三つの措置を現在とっております。

  一つは、鉄道事業の乗務員の資質についてでありますが、運転士の技能、適性、知識の保持向上を図り、必要な訓練や教育指導を行う責任者として、乗務員指導管理者という制度を創設をいたしました。

 二つ目は、運転者のヒューマンエラーによる事故防止を図るために、運転者の心身状態及び運行状況のモニタリング技術を開発するとともに、その技術の普及のためにガイドラインを作成してまいります。これは18年、19年で、今年度と来年度でこれはきちっとやります。このモニタリング技術ですけれども、例えば運転士がちょっと居眠りといいますか、そういうことをすればすぐにアラームがきちっとそれをとらえるという、そういう技術も開発をしております。そういうことが二つ目でございます。

 第三には、安全統括管理者等の安全管理に係る要員を対象に、事業者の安全管理体制のリーダーとなるべき人材の育成を支援する研修等を実施してまいります。これは19年度から始めることにいたしております。

 今後とも、このご指摘の附帯決議の適切な対応も含めて、輸送の安全確保に向けて努力をしてまいるつもりでございます。私からは以上でございます。

○杉山篤史・運輸安全政策審議官
  それでは私の方から、先日行いましたJR西日本に対します安全マネジメント評価につきましての概要をご報告させていただきたいと思います。

 先週の18,19の二日間にわたりまして、JR西日本の本社におきまして、同社の安全管理体制の構築状況等につきまして、社長、それから副社長、これは安全統括管理者兼務でございますが、それから安全関係の部長からヒアリングを実施したところでございます。

  まず、概括的に申し上げますと、JR西日本は福知山線における脱線事故を踏まえまして、昨年の5月に、安全性向上計画を定めたところでございまして、この計画に基づき教育制度あるいは情報伝達体制の見直し、さらには外部有識者から成る安全諮問会議の設置、安全研究所の設立等、各般の安全対策を進めてきているところでございまして、安全管理体制の構築に係る一連の取組は一定程度評価できるという具合に考えている次第でございます。

  ただ、一方におきまして、安全風土を構築しまして定着させるためには、この安全管理体制の更なる改善に向けまして課題も見いだされたところでございますので、幾つかの点につきましてより一層の改善を求めるということで助言を行ったところでございます。

 幾つか具体例を申し上げますと、一つはやはり経営トップの継続的なリーダーシップの発揮ということでございます。それから二点目は、企業の安全風土、安全文化の定着の程度を把握するための評価手法を利用する、そういうものを検討してもらいたいということ。それから、いわゆる事故には至りませんが、事故の芽の情報というのがございます。この事故の芽の情報の今収集体制を一生懸命JR西日本では構築しているところでございますが、この収集しました情報の今後の具体的な活用方策を確立してほしいということ。それからさらには、社内に関する更なる社内コミュニケーションの充実。こういった点を幾つか改善事項として指摘をさせていただいたところでございます。

 JR西日本におきましては、今回の私どもの助言、指摘を踏まえまして、より一層の安全管理体制の充実改善に向けた努力を継続していただきたいと考えている次第でございます。

○加藤敏幸 非常に、ごく最近のことでありますけれども、しっかりとした報告をいただきまして感謝いたします。

  明るく優しく、しかし、しつこく。やっぱり安全の問題はしつこくしつこくやっていかないとこれは定着をしないと思います。厳しくということも必要ですけれども、継続は力、そして国会は常に関心を持っていると、忘れないと、このことをやっぱり事業者の皆さん方、そしてかかわる皆さん方にメッセージを送り続けることが大切ではないかと、このように思っておりますので、これからもまた質問させていただきたいと思います。

  次に、先週、西日本鉄道で運転士の飲酒検査の不正が発覚をして、ショックなことがあったということであります。今、全国的に飲酒運転の撲滅ということでいろいろと議論がされておりますけれども、こういった公共交通機関での飲酒運転はこれは許されないことだと、当然のことであります。国土交通大臣として、鉄道、バス、航空機、船舶、そしてハイヤー、タクシー業界も含めて、公共交通機関における飲酒運転の防止について当然徹底した対策を講じるべきだと思います。今後の方針についてご説明をいただきたいと思います。

○望月義夫・国土交通副大臣 まずもって、実は加藤先生は自動車衝突防止センサーの開発に取り組んでこられたその道のプロであるということで、大変敬意を表したいと、このように思います。安全の分野でのプロでございますので、私が本当に適切に答えられるか心配でございますけれども、お答えさせていただきたいと思います。

 交通分野におけるこれはもう安全確保は最も基本的な問題でございまして、正に飲酒運転、公共交通でこれはもう許されるべきものではないと。これはもう我々国土交通省としては最も最重点課題として、許されるべきものでないと、取り扱っていきたいと思っておりますが、この運転禁止については、鉄道、バス、タクシー、航空旅客機、それぞれのモードごとに、法律としては、鉄道営業法、道路交通法、道路運送法、航空法、船員法等の法令によって禁止されておりまして、自動車運送事業者に、実は9月15日に、死亡重大事故の発生を受けて、交通対策本部がなされ、周知徹底が図られたところでございます。

 実は、国民の公共交通に対する信頼の根本をなすものとして、国民の皆様に安心して利用いただけるサービスを日々に確実に提供できるように、飲酒運転の根絶に向けて監査、行政処分の更なる強化等によって交通事業者への指導を徹底してまいりたいと、このように思っております。

○加藤敏幸 30年前の話を言われると私もちょっと顔が赤くなりますけれども、これからもよろしくお願いしたいと思います。

 そこで、お手元にこういう資料を用意させていただきましたけれども、これは私の事務所で、新聞報道等を中心に、4月から9月まで、不通時間が1時間を超える首都圏での鉄道事故ということで挙げさせていただきました(資料提示)。やっぱり多いなというのが率直な感想でございます。

 

(提出資料)最近起きた不通時間が1時間を超える首都圏の鉄道事故(4〜9月)

日 付

路 線

不通時間

影響人員

原   因

4月24日

山手線・埼京線他

5.5時間

32.0万人

高田馬場付近で道路拡幅工事の不手際で線路が隆起

4月28日

京浜東北線

3.0時間

8.5万人

御徒町-上野間で信号故障

4月30日

中央線

1.6時間

1.3万人

新宿駅付近でポイント故障

5月11日

京浜東北線

4.0時間

14.5万人

川崎-鶴見間で信号異常

6月 9日

埼京線

1.0時間

5.5万人

大宮−大崎間で信号故障

6月14日

中央線

1.0時間

4.5万人

中野駅付近で信号故障

7月16日

武蔵野線

1.0時間

2.1万人

西船橋駅付近で信号故障

7月18日

埼京線

2.2時間

4.0万人

原宿-渋谷間で線路の砂利陥没

7月20日

東北線

1.5時間

0.4万人

小山-小金井間で線路の砂利陥没

7月30日

常磐線

5.0時間

7.8万人

送電線の不具合

8月12日

山手線他

3.3時間

11.8万人

落雷による停電

8月24日

常磐線

1.1時間

12.0万人

松戸-柏間でレールのひび

9月16日

東北新幹線

1.8時間

1.7万人

大宮-宇都宮間で停電

9月28日

京葉線

8.0時間

21.6万人

変電所火災による信号トラブル

※読売新聞9月28日夕刊など新聞報道を参考に作成

 

 個々ご紹介は時間の関係でいたしませんけれども、安全運行、定時運行、サービスの向上、私はこれは運輸機関にとって当然一番大きな使命だということから、人の命は幸いにして失われてはいませんけれども、ヒヤリ・ハット、ハインリッヒの法則等によれば、こういうことが積み重なっていくというのが正に重大事故を生み出している一つの土壌のメルクマールなんだ、こういうふうにもとらえなきゃならないし、人命にかかわらなかったから、まあ助かった、良かったなという気持ちではなく、これはいつかは事故を起こす土壌なんだと、そういう厳しい視点に立って現状を洞察をしていく努力、取組が必要ではないかと、このように考えておるわけであります。ここ最近のこういった状況に対して、国土交通省としてどういう問題意識をお持ちになっているのか、この点に限ってお話を聞かせていただきたいと、このように思います。

○平田憲一郎・鉄道局長 お答え申し上げます。
  最近発生いたしました事故に至らないインシデント、輸送障害につきましては、八月に発生いたしましたJR東海名松線の車両逸走のインシデント、さらには、九月に発生いたしましたJR東日本京葉線の東京駅構内の変電所火災によります長時間輸送障害など、鉄道の安全、安定輸送につきまして利用者に不安を与えるようなトラブルが発生しておりますのは、委員ご指摘のとおりでございます。

  これらのトラブルは重大な事故につながるおそれや社会的な影響が大きいと、こういうようなことから、私ども国土交通省といたしましても誠に遺憾であると考えておりまして、事業者に対しましては、徹底的な原因究明と再発防止を文書で警告するなど、トラブルが発生した都度、安全、安定輸送の確保を指導してきているところでございます。

 ちょっと具体的に申し上げますと、輸送障害の発生件数の絶対数が多い事業者でありますとか、増加率の著しいこういった事業者に対しましては、徹底的な今申し上げました発生原因の分析でありますとか、総合的な輸送障害防止対策の策定について指導しておりまして、その報告を求めているところでございます。

 いずれにいたしましても、私ども国土交通省といたしましては、今後もあらゆる機会をとらえまして、インシデントでございますとか輸送障害などの発生防止について徹底した指導を行ってまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 質問に対するお答えはそういうことだと思います。

  しかし、例えば私も工場の設備をずっとやっていまして、不良品が出てくるわ、短期間の停止が起こるわ、こんな時、いろんな要素を分析をしていく中で、やはり10年で替えようと思っておったものを15年使ったり、だましつつとかいう、その5年間にいろいろ発生することもある。つまり、設備投資の基本的な考え方だとか、メンテナンスに掛けるやっぱり人、物、金の在り方だとか、これらを含めた視点からも押さえていかなきゃいけないし、働く人たちのモラルとモラールの問題も含めていろんな要素を、組織点検だとか、それをやらないと、通常、通り一遍のマニュアル的な点検だとか指導ということだけではやっぱりある日突然ばっと起こってしまう。

  ここがやっぱり命懸けだよということで、私何回も安全については過去申し上げていましたのは、そこを、新しい大臣、副大臣、政務官の、そこにお座りの方々にはここが勝負だと、そういうふうにこの安全の問題は是非とらえていただきたいということをこの場では申し上げたいと思います。

3、改革と労働組合の役割
○加藤敏幸 さて、次にちょっと話題を変えます。

  私、衝突防止センサーの開発よりは労働組合の方を長くやっておりましたので、労働組合をやっておった関係で少し大臣にお伺いをしたいのは、行政改革だとか経営構造改革とか、今ずっと十年間、あるいはここ最近話題になってきた中で、労働組合って何なのと、改革に対する抵抗勢力じゃないのとか、労働組合があるからどうもうまく仕事がいかないんだとかいう、そういう方々もおられるかも分からない。

  また、道端でマイクを持ってそういうことを言われる方もおられるかも分からないということで、ぜひ、私は本日、冬柴大臣について、労働組合にもいろいろあるということはあると思いますけれども、しかしほとんどの多くの、労働組合の役割とか機能とかについてご見解をお伺いしたいと思います。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 これは経営者と労働者との民民の問題でありまして、その利害の調整は、憲法に基づく労働基本権三権を基にして労働者と経営者が心を一つにして、特に私は、運輸という事業を営む事業にありましては、経営者も労働者も、これは安全という点では一丸となって取り組んでいただけるものだと思います。労働条件の向上とかそういうものをめぐり労使が対立的関係にあることは、それはもうよく分かりますが、その解決はやはり民間と民間、経営者の経営の問題でありますから、我々がそこに容喙(ようかい=「くちばしを入れる」の意味)することは、これは差し控えるべきであろう、こういうふうに思います。

 ただ、我々、この交通安全マネジメント制度、評価をするに当たりまして、とはいうものの、そういうところがぎすぎすした対決、対立というようなことがありますと、これはやはり、運輸というものは労働集約的な仕事であるだけにやはり無関心でいられない面もあります。そういう意味で我々は、そういう評価をする際に、ただに経営者とかそういう人たちだけではなしに、働く人たちのご意見も伺いながら双方向のコミュニケーションがうまくやられるかどうか、そしてその話題としては、共通の意識として乗客の安全を確保し、利便性を高めるという、その点でやはり一致した考えを持っていただきたいということを我々としては申し上げることは許されるだろう、このように思います。

 労働組合の果たされている役割は憲法上ちゃんと保護されている権利でありますから、その関係で、民民同士で円満にやっていただきたいということを期待するだけでございます。

○加藤敏幸 そこでもう一つ、一枚資料を少し用意をさせていただきました。理事の方から出典を明記せよと、こう言われたんですけれども、明記するのをある意味で忘れておりまして、これはJR連合さんの発行物であります。お酌み取りいただきたいのは、ここに書いてある項目を少しごらんになっていただきたい。

  これは、ある労働組合が交通にかかわる自らの産業についての重点政策についてどこに関心があるかということを、それを知るためであって、これを要望するとかそういうふうな趣旨ではございません。

  私が申し上げたいのは、1974年の第一次石油ショック以降、労働組合の基本的な方針というのは大きく変わってきたと思います。それは、コストプッシュインフレ、大幅賃上げがあるとまた物価が上がる、この悪循環をどう断ち切るのかということを、時の政府とともに一生懸命悩んで、組合員さんには悪いけれども我慢してほしいというのが「経済整合性論理」なんです。

  この路線をめぐって。労働界は後に相当大論争になって非常に苦しんだ時代もあったわけですけれども、結果は、狂乱物価は一年で、翌年には14%に落ちたわけですから、私は、国全体の経済政策に対してもやっぱり責任を持って対応していく、1974年に金属労協を中心にそういう路線が確立をしたという中で、以降、自分たちの産業をどうやって成長させていくのか、そして、お客様あるいは国民の皆様方ときちっとした調和を取れる産業政策を展開していく、そのように路線が変わってきた。早く気が付いてやったところもあれば、つい最近まで少し乗り遅れたという差はありますが。

 そこで、交通運輸にかかわる労働組合としても、安全から始まって、書かれていることを見ていただければ、当たり前の関心事項を持っておられるということでありますから、必ずしも自分たちの労働条件だとか既得権だけとか、そういうことだけを守るところが重大関心事ではもう既にないんだということと、それから資料には用意しませんでしたけれども、こちら航空連合の方が産業政策をまとめられた資料ですが、航空にかかわる、私これ一冊読めばもうすべての問題が提起できる、空域調整についても結構詳しく書いている、ということで、こういう働く人たちの力を是非事業者が有効に活用するように私は激励してほしいんです。これ、「ただ」ですから、これ現場が勝手に自分たちのお金でやったことですよ、事業者はお金出さなくても。そして、自分たちが言い出したことは自分たちでやっぱりやらないかぬということです。

 日本の鉄道は、安全、定時運行、そしてサービス向上、この三点で今必死になってやっていますけれども、世界でいって、コストは私は言いませんけれども、やっぱりすばらしい水準です。これを支えているのは、やっぱり一人一人の働く人たちが安全と定時運行には人生を懸けるぐらいな気持ちでやっているから、一分違わない新幹線の運行ができるわけです。世界でそれできる国はそうないんですよ、ほとんどないということを含めて、私は、やっぱりこういう現場の力を大きく、国の安全と、そしてある意味で国の大きな改革に私は取り込んでいく、それをも含めて抱き抱えていくそういう度量を、政治家も含めて、当然事業者も含めて、経営者も含めて持っていただかなければ、どんな改革のすばらしいスローガンを掲げたってそれは実現しない。こうのがこの30年間の我が国の歴史だったんじゃないか。余り大演説をしては申し訳ございませんけれども、ということを受けまして、何かご感想があれば。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 私は、現場の方が一番その問題点とか解決策を知っていられる知恵者だと思うわけであります。
  その意味で、労働組合とかどうとかいうことじゃなしに、そこで働く人々の意見があらゆる面で、もちろん経営者もそうですし、政治の上でもそういう人たちのきめの細やかな、その我々が机の上では到底気が付かない、そういう知恵がそこにあるわけでございますから、尊重していかなければならない。これは本当にすばらしい提言がここに盛られているというふうに高く評価をさせていただきたいと思います。

○加藤敏幸 足りないところもございますので、またそれはお互いに切磋琢磨し合うということでいきたい、私がいきたいと言ってもしようがないんですけれども。

4、環境問題への対応―LRTの促進

○加藤敏幸 さて、次にテーマを変えまして、今度は環境問題という視点から、これも中島委員の方から少し触れられましたけれども、LRT(次世代型路面電車、ライトレール)の促進ということで質問をしてみたいと思います。

 一人当たり年間エネルギー消費量を国際比較をいたしますと、アメリカ、カナダが石油換算で8トン、フランス、ロシア、韓国、ドイツ、日本と順番が続いて、我が国は4.1トンと非常に効率的な、ある部分では模範的な私はエネルギー消費に関する産業なり生活ができていると。ここはここで私は自慢していいと思っているんです。
  ただ、例えば京都議定書とか見てみますとね、なかなかこれから先の進展は難しいなというところもあるわけですし、エネルギー消費量がなぜ4.1トンまであるのというと、鉄鋼とかですね、そういうエネルギー集約的な産業もこれは大切にしていかにゃいかぬと。そこの省エネというのはもう相当限界に達しつつあると。そういう視点で、今後は運輸や民生部門での努力が大切だなと。

 そこで、国土交通省の所管としては鉄道貨物や船舶によるモーダルシフトということを再三言われておりますけれども、それに加えて、私は都市交通システムの改革も必要ではないのか。具体的には、都心部への車の乗り入れ規制、それから大きな駐車場を設けて、そこからLRT、ライトレールトランジット、次世代路面電車やバス、それからパーク・アンド・ライド方式の導入、それらがCO2削減に効果があるのではないかと、こういうようなことで、17年度から政策の中にも加えておられるということでおります。

 現状についてはもう申しませんけれども、是非ともこの政策の展開について新大臣として意気込み、これも含めてお答えをいただきたいと思います。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 もうこの委員会でも、本当にすばらしい取組をしていられる富山市における富山ライトレールが予想を上回る利用者数があり、市民の好評を得ていられるということは周知のことでありまして、こういうことを通じましても、今先生がおっしゃいましたように、LRTの公共交通を活用したまちづくりとか、あるいはその際の都心部への車の乗り入れを規制するためのパーク・アンド・ライド駐車場の整備に対して我々がきちっとした助成をさせていただくとか、そういうことが非常に必要だと思います。

 こういうものは地域、国がというよりはむしろ地域と国が、関係者が一体となって総合的な交通戦略を策定して、それに基づく事業に対して総合的な支援を国が行う、こういうことがいいのではないかと、このように思っております。

 新しい都市交通について取組も始めておりますので、担当局長から説明させていいですか。

○加藤敏幸 それじゃ、簡潔にお願いします。

○中島正弘・都市地域整備局長 もう既にご案内のとおりと思いますので簡潔に申し上げますが、17年度ぐらいから、富山が最初でございましたけれども、まず関係者が寄って地域で合意をしていただくと、その上で私どもだけ、都市・地域整備局だけでなくて、鉄道事業者に対しては鉄道局から、道路ということは道路でと、そのほかは一般会計の事業としてと、あらゆる手段をもって支援するという体制をつくりつつあって、足らぬところは今後また工夫していきたいと思います。よろしくお願いします。

○加藤敏幸 ありがとうございます。
  三局にわたる、国土交通省の中では連合事業ですので、本当に足並みはそろえて、それから地域活性化ということ等、総合政策的な要素が非常に強いと思うんですね、これは。そういうふうなことで、是非とも大臣のほか副大臣も含めまして、マネジメントグループの皆さん方の意欲とやっぱり力が大切だということで、特にお話し申し上げたということであります。

5、関西空港の経営について

○加藤敏幸 次に、ちょっと走った関係で申し訳ございませんけれども、空港整備特別会計に関連しまして、関空問題について少しお聞きをしたいと思います。

 インフラコストの国際競争力ということから日本の空港を効率化していく、そういう視点で関空についてはいろいろ議論がされてきたわけであります。私は、空港についてここ二年間、国土交通省がいろんな形で政策を展開されたことは多としています。あの高かった空港利用料も中部空港並みに随分下げてこられたと。港湾についても努力目標を作られたと。

  しかし、これ関西国際空港の経営については会計検査院より、「関西国際空港の経営において、長期有利子債務の確実な償還を図り、安定的な経営基盤を確立するため、経営改善に努めることが必要な事態について」の報告書が出されております。読みますと、書かれていることはそのとおりです。だけど、これは私、民間の経営者の立場でこれをもらったら、この長期有利子債務、一兆円を超えるこの膨大なものを背負った上で本当に関空の経営改善が、働く者含めて、管理者から、明るく未来を見て希望を持って行くぞという気になるのかと。もう本当に鉛のふろに入っているほど重たい有利子に囲まれたこの現状の中でどう考えていくのかということも、これは何回も議論されたんですけれども、大きい問題だと思います。

 国際空港が持つ戦略性なり、やっぱり国益を担うという側面もこれあり、そういうふうな視点から、民間企業という立場だけでその経営責任を追い求めるということが本当に現実的なのかという議論について、やっぱりこれはどこかでしっかり私は方向を示すべき時期がもう来ているんではないかということを含めまして、大臣は尼崎ですから、伊丹にも空港はあるし、また神戸にもできたということで、私もちょうどその辺に住んでいますけれども、是非、大臣の本件に関するお考えをお伺いしたいと思います。

○冬柴鐵三・国土交通大臣 関西国際空港についてはいろいろなことを言われましたけれども、私は大丈夫だと。数値から見ても、今有利子債務、非常に重いものがありますけれども、本当に民間の経営者を入れてすごい努力をやられました。その結果、財務上も今年度は92億円の黒字を計上するに至っておりまして、いっときのように167億円とか150億円という赤字を出していたことを考えれば、この経営改善というのは非常に大きいと思います。

 私は、このいっとき、特にSARSで物すごく乗客が落ちました。そういう意味で、乗客とかの伸びが落ちましたけれども、今年度の年末は過去最高の発着数、発着便とかですね、あるいは貨物ですね、国際貨物、カーゴですね、カーゴの伸び等、非常に明るい材料がありますので、私は大丈夫だというふうに確信をいたしております。

○加藤敏幸 最後に、確かに大丈夫だと今言われましたけれども、実は90億円の利子補給がある前提での92億円のプラスであるということ、それから確かに経営上はずっと右肩上がりで、まあ成績としてはいいんですけれども、ただ、これ発着便数というのは限界があるわけです。それから、SARSは終わりましたけど、第二、第三のSARSがこれはあれば直ちに売上げに影響を与えるという意味で、相当リスクのある航空事業なんですよね。

 そういうようなことの中で、私は大丈夫だという大臣の言葉はそれでよしと受け止めますけれども、しかし、それを本当に来年も再来年も同じくよしと言えるためには、再度強力な私は経営に対するやっぱりしっかりした見通しと点検と更なる工夫が必要ではないかということをご要望申し上げまして、時間になりましたので終わりたいと思います。


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民主党参議院比例区第3総支部