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report──国会質問 会議録

 

 

 

 


 

 


ひきつづきPCI社による不正請求問題を追求
                   (ODA特別委員会)
                              
2007年11月14日

 3点の質問を行ないました。
1、ODA予算編成のあり方について
  ODA予算についての実質的な増額をはかる努力をすべきであるという観点で予算編成のあり方を高村大臣に問いました。

2、PCIグループの不正行為について
  先月の決算委員会に続き、PCI社の問題を取り上げ、政府の対応を問いました。ODA事業での不正請求が問題になり、平成16年から18ヶ月間、JICA・外務省から指名停止になっていたにもかかわらず、内閣府は、中国の遺棄化学兵器の処理事業についてはPCI社への委託契約を継続しました。3年間で230億円という巨額の随時契約を結んだ経過についても質問し、国の事業を食い物にする不正に対する政府の対応を問いました。

3、ベトナムのカントー橋崩壊事故とODAのあり方
  今年9月、日本のODA事業により建築中の橋が崩壊し、54人の犠牲者をだしたベトナム南部のカントー橋建設現場事故に関連し、原因究明の状況、被災者とその家族への救援・支援、今後のODA事業での事故予防策など質問しました。

 

 

<委員会配布資料>
PCI社の不正請求の方法は、請け負った事業の再委託を通じて経理をごまかすという方法で一貫しています。詳細は今日の委員会で配布した資料をご覧ください。

 (PDFファイル)「中国遺棄化学兵器処理事業をめぐる動き(平成11年〜19年)」


[質問要旨]
(クリックすると該当の箇所にジャンプします)

1、ODA予算編成のあり方について

2、PCIグループの不正行為について

3、ベトナムのカントー橋崩壊事故とODAのあり方

 

1.ODA予算のあり方

○加藤敏幸 委員長、ありがとうございます。民主党・新緑風会・日本の加藤敏幸でございます。
  ただいまの藤末委員の質問と関連、連動しながら、一つはODA予算編成の在り方、二つ目は、先ほどございましたPCI社の問題、三点目は、ベトナムにおけるカントー橋崩壊事故、この三点に絞ってご質問を申し上げたいと思います。
  まず第一に、来年度のODA関係の予算編成に関連してお伺いをしたいと思います。
  来年、2008年という年は、ODA政策にとって大変重要な節目の年になると考えております。
  一つは、7月に日本でサミットが開催され、国際的責務にかかわる議論が行われるであろうということ、二つ目に、来年10月に援助機関の統合が行われ、新JICAが発足し、新しい体制への期待があるということ、三点目、5月にアフリカ開発会議が開催され、我が国のアフリカ支援に大きな期待がもたらされていること、そして第四点目に、テロ対策特別支援法等をめぐり、国会での論戦を経て、人道支援あるいは貧困対策など、ODA、国際貢献における援助の在り方について広く、国民を含めまして議論が深まっていくであろうということ。
  そういう情勢を思えば、ODA政策を推進する上では大変重要な年になるであろうという思いの中で、来年の予算編成について、昨年同様にODA予算についての増額は、普通に言えば期待できないと思います。
  しかし、19年度については、総額7293億円で4%減になったものの、これに18年度補正予算862億が追加されたことで実質的には前年比2.7%の増額になったと、そう理解しておるわけであります。ODA事業量100億ドルを積み増しするという国際公約も背景としてあるわけでございまして、単純にこの特別委員会が外務省に予算編成について頑張ってほしいと督励するというのもおかしいですけれども、また最近、野党はなかなか財源については疎いのではないかと、こういうご批判のある中で申しにくいんですけれども、流れとしてはこのODA特別委員会の中でも多く議論されてきて、やはり努力すべきではないのかということでございますので、意気込みを含めましてご答弁いただきたいと思います。

○高村正彦・外務大臣 国際貢献を通じて国益を実現していく我が国にとって、ODAは最も重要かつ有効な外交手段の一つであります。
  来年は、正に我が国の国際協力にとって大きな節目の年になるわけであります。4月にはG8開発大臣会合、5月には第四回アフリカ開発会議、TICADWでありますが、7月にはG8洞爺湖サミットが開催されます。10月には技術協力、円借款、無償資金協力という三つの援助手法を一元的に実施する新JICAが発足するわけであります。この機会をとらえて我が国の国際協力を一層充実したものにしていく考えでございます。
  ODAの事業量は、一般会計を財源とする無償資金協力や技術協力のみならず、円借款や債務救済、国際機関への出資、拠出なども含めて構成されているわけでありますが、現時点で事業量の見通しについて確たることを申し上げることは困難でありますけれども、いずれにしても、国際公約をしっかり達成すべく、今後とも財政当局と協議していきたいと考えております。
  委員におかれましても、応援していただければ大変有り難いと思います。

○加藤敏幸 大臣の答弁にありましたように、来年度を一つの重要な年としてとらえる背景や環境については共通認識ができていると思います、具体的項目も一致しております。閣法、我々の提案している法案も含め、国際貢献についての多面的な議論を国民全体に惹起する非常にいい機会でもあるし、また、いろんな議論が行われていると思います。
  その中でのメインストリートは、やはりODAを中心とした国際貢献であり、ここ何十年来政府も提唱されておりますし、我々もそれを支援をしてきた。是非とも外務省には政府の中において努力をいただきたいと思います。
これはこれで質問は終わりますけれども、そのためにもODA予算なりに関連する予算の厳正な執行が必要ではないかということを次のテーマとして議論をしていきたいと思います。

2.中国遺棄化学兵器処理事業の不正問題について
○加藤敏幸  さて、二点目でございますけれども、中国遺棄化学兵器処理事業の不正問題です。先ほど藤末委員の方から、いろいろと質問があったわけですけれども、お手元に少し資料を用意しました。これは政府の資料を中心にまとめた資料でございます。ただ、PCIグループ、PCI社が関係するグループの欄の中に不正流用の構造という記述がありますけれども、この出典は新聞報道を中心とするものでして、正式に確認はまだされていないとういう前提でまとめておりますので、その点はご容赦をいただきたいと思います。
  左端にある政府・国会関係というのが国会における議論の発端、あるいはPCI社に対する指名停止のタイミングなりその内容等、あるいは会計検査院との関係が記述されております。真ん中の遺棄化学兵器処理事業、そして右端のPIG関係につきましては、その中心となった事業体並びにその事前の調査事業の関係が記述されています。
  この遺棄化学兵器処理事業につきましては、調査研究事業が12年から15年と、PCI社と株式会社日揮との共同企業体のPMCが事業の主として担ってきた中で16年3月に株式会社遺棄化学兵器処理機構が設立されて、以下、平成18年度まで三か年、230億余の契約を随意契約として受託されている。これは当然ながらODA予算とは関係のない資金を使ってということでありました。
  そして、この不正流用の構造というのは、報道を中心とした内容でございますけれども、16年度の75億5400万円のうち34億分の事業をPCI社・日揮共同企業体に再委託をし、さらに2億円を同グループ企業のPPM社に再委託し、PPMはさらに1億6千万円を子会社の4社に再委託をし、この過程で架空経費計上等により約9千万円の資金を捻出したと報道され、かつ、捜査に当たられている。これが大体、全貌であります。
  そこで、いろいろな疑惑の中で、現実に捜査を受けているという状況の中で、まず随意契約をされた、結果的に230億5500万円のすべてが随意契約としてこの機構と契約をされたということですが、随意契約をされるにはそれなりの根拠が要る、なぜ随意契約なのかと。その理由、経過、そしれこの株式会社を使ったということの理由についてお伺いをしたいと思います。

○西正典・内閣府遺棄化学兵器処理担当室長 
 
お答え申し上げます。
  先生ご指摘のとおり、平成16年度に株式会社処理機構、これを随意契約で調達しております。これは、中国吉林省ハルバ嶺における処理事業、これが本格化していくことが見込まれるようになってまいりました。それ以前はコンサルティング業務のみでございましたところ、今後は発掘・回収施設の建設、あるいはそのために必要ないろいろな装置の製造に係っての調達、あるいは現地での施設の運転・管理、こうした業務が必要になると見込まれるようになってまいりました。
  施設などの調達業務は、本来、政府が行うものではございますが、当時、内閣府の担当室の方では、事業の特殊性やマンパワーなどから見て、これを行うことが困難であろうと考えられましたことから、これらの業務を一体的に処理させる管理会社が必要、かような判断をいたしました。
  管理会社の調達に当たっては、公募も含め検討いたしましたが、最終的には、これまで蓄積されたPMCの技術的なノウハウを生かす形でスキームを構成することが最も適当であろうということに相なりました。
  そこで、担当室、私どもとパシフィックコンサルタンツグループ、PCIGが協議をいたしまして、政府が管理会社の設立をPCIGに依頼し、平成16年3月にただいま先生ご指摘の株式会社処理機構が設立され、同年4月に内閣府がここと業務委託契約を締結、これが随意契約でございますが、このような経緯でさせていただいたものでございます。

○加藤敏幸 国民が「何で随意契約なんですか」と、こういう疑問を持たれたときに、私が答弁する立場で、どうしても答えろと言われるならば、ここに書かれているとおり、調査事業から密接な関連を持ってずっとこの事業が計画されてきたと、そしてその結論として株式会社という、言ってみれば国策会社とは言いませんけれども、いわゆる目的を持って株式会社を設立し、この事業に当たっていると。したがって、契約の形態としては、他者をもって代え難い経緯、歴史があるということの流れから、ほかに競争入札しようが指名競争しようが、なかなか選択肢としては競争になり得ないという状況がつくられた中で、のこのPCI関連企業を対象会社としてきたというのが浮かび上がってくることであり、事実だと思うんですね。
  そこで、この随意契約という契約形態が是なのか非なのかというのは、すこぶる多面的な要素をこれ検討しなきゃ、一概に随意契約だからいけないと言うつもりもないし、そういうことでもないと思います。
  しかし、このようないきさつ、歴史をはらんだ形でここにやっぱりお願いをするというときに、これ二つ目の質問でありますけれども、同時に、この右の方を見ていただいたときに、PCI社、非常に支配されているとは言いませんけれども、強い影響力を持っているPCI社において、コスタリカを含めて左端のような事件がこれやっぱり起こっているわけでありまして、言ってみると、こちらの方では火が付いていろいろ「もめ事」がある中で、それの日揮との共同株式会社にしても、こちらの企業については歴史的に調査から始めてずうっと国策的にやってきたというこの流れの中で、私は内閣府の立場で、「PCI社というのはどうなんだろうか」と、そういう疑問が発生しなかったのかということについて質問をしたいと思います。

○西正典・遺棄化学兵器処理担当室長 ただいま先生ご指摘のとおり、私ども、外務省ODA事案におけるPCI社のことに関しまして重大な関心を払ってまいりました。これに対して私どもの方でもしかるべく対応をせねばいかぬということで、私どもが契約関係を持っております株式会社処理機構に対して、その業務の厳正性を促すために各種指導を行ってまいりました。
  しかしながら、結果として、今回改めてこうしたPCIグループの事案が発生したこと、私ども誠に遺憾に思っておりまして、これに関して更に一段奮励せよという指示を岸田大臣の方からちょうだいしておるような次第でございます。

○加藤敏幸 ならば岸田大臣にお伺いをしたいと、このようにも思いますけれども、その前に、委員長にお願いがございます。
  藤末委員の質問の中にもありましたが、PCI社に対する発注実態と本年度の発注内容等について明らかにされていないと、このように思います。また、私自身この議論を進めるためにも、PCI社並びにこの株式会社遺棄化学兵器処理機構との関連含めまして、今答弁もございましたので、PCI社を中心とする発注等の内容についての詳しい報告を委員会として求めるということについてご処置をお願いをしたいと思います。

○溝手顕正・委員長 本件につきましては、後刻、別途理事会において協議したいと思います。

○加藤敏幸 ありがとうございます。
  さて、このPCI社にかかわる質問の最後でございますけれども、この遺棄化学兵器処理事業というのは非常に重要な事業であると認識をしております。国民の中には様々なこれはとらえ方、意見があることも事実であります。しかし、現に私どもの先輩といいましょうか、連綿とした私たちと血のつながりのある世代が残念なことに他国に残してきたことの責任を率直に受け止めて、そこで全力を挙げて処置をしていくということは大変重要であるし、日中二国間の関係のみならず、世界に対して我が国の姿勢を表す意味でも重要であると、こういうふうに認識をしているわけであります。
  国民には、国内の経済あるいは生活が苦しくなってもODAは重要である、私どもも議員としてもこの理解を求める活動をしておる中で、今回のような不祥事が報道されていく中で、やはり見方によるとODAが食い物にされているのではないか、あるいは国の予算が、税金が浪費されているんではないか、こういうことになると、納税者の信頼を失ってしまうと思います。
  そういう懸念から、こういった不正を未然に防ぐ方策やチャンスはその都度いろんなタイミングであったかもしれないと思うわけでありますし、会計検査院の調査にもありますように、無償技術供与などでは随意契約を結ぶケースが多い、やはり随意契約を締結する場合は、契約時点における厳格なチェックとともに、契約後も継続的な監視が必要であると、このように考えるわけでございます。
  政府として、このような事件を未然に防ぐためにはどのような対策を立てようとされているのか、お伺いをしたいと思います。

○中川義雄・内閣府副大臣 先ほど来、加藤委員のお話を聞いていて、本当にごもっともだと、よく調査してくれたと、そういう気持ちで聞かしていただきました。
  ですから、大切な国民の税金を使っているわけですから、これに少しでも疑義を受ける、これはあってはならないことだと思っております。いろんな過去の、例えばどうしても民間、特定の民間に委託せざるを得ないというような特殊事情があったとしても、これはやっぱり透明性をしっかり確保して、こんな事件が起きて国民から疑念を抱かれるような、こんなことがあっては決してならないと、私もそう覚悟しておりますので、大臣ともしっかり打合せして、今、加藤委員のご指摘が全くそのとおりですから、できる限り努力したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○加藤敏幸 本日は副大臣の答弁をもって多としたいと思います。随意契約そのものが間違っているということでは国の事業が動かないと思いますし、このPCI社に対しても、まずいことを起こした一面だけですべてを評価することではどうもバランスが欠いていく、権威ある国会の議論はもう少しオーソドックスにやるべきだと、こういう考えでおります。
  ただ、そのためには、先ほど資料を委員会の方から請求していただきたいとお願いしたように、透明性と言われたことを積極的に随意契約においてはなおのこと確立していくということを国会並びに政府の方針として努力をしていただくということを要請申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

3.ベトナムのカントー橋崩壊事故とODAの在り方

○加藤敏幸  さて、次は、ベトナムのカントー橋崩壊事故とODAの在り方ということで、実はこれは過日決算委員会で木村副大臣に質問をいたしまして、その時点、1月ほど前の時点における現況あるいは政府の認識というものをお伺いさせていただきました。事件についてはもう皆さんご存じのとおりだと思います。我が国の海外支援事業においては未曾有といいましょうか、極めて残念な悲しい事故であったということでございますし、この事故の問題については、我が国全力を挙げて原因の究明に援助をする、支援をする、あるいはその後の復旧、補償について努力をするということであると思います。
  これは、現在、ベトナム政府が事故調査委員会を立ち上げ、専門的な調査分析を行っておられますし、施工事業者である大成建設、鹿島、新日鉄エンジニアリングによる共同事業体は、10月4日に横浜国立大学の池田名誉教授と大成建設の社員二名、鹿島一名の計四名の事故調査メンバーを派遣し、原因究明に当たるとされております。
  最終的にはベトナム政府の調査委員会の報告を待たなければなりませんけれども、外務省として現時点で得ている事故原因等に関する新たな情報がございましたらお答えを願いたいと思います。

○木村仁・外務副大臣 ただいま委員からご指摘がありましたように、ベトナムの建設大臣を議長とする国家事故調査委員会が原因の究明に当たり、また、かつ責任の所在についても問題を整理をしてベトナム政府の総理大臣に報告をするということになっておりまして、日本からも橋梁の専門家が一人その委員会に入っておりますのでその審議の模様は幾らか分かっておりますけれども、ベトナム政府自身がその審議の内容を秘密にせよと、これは日本人でありますけれどもベトナムの委員会に入っているものですから、そういう前提で入っておりますので詳細はお答えできませんけれども、まだ最終的に原因の究明が尽きていないと。
  ただ、総理の指示は1月以内に明確にしろということでありましたから、そろそろ出てくる時期であると考えておりますけれども、今の時点ではまだ明確なことは申し上げられません。

○加藤敏幸 それでは、その報告をまず待つということだと思います。
  ここで、大臣に今日はご出席をしていただいていますので、本事故の重大性を外務省のお立場でやっぱり率直に今どう受け止められておるかということを、国民の皆さん方も含めましてやっぱりご発信をいただきたいということであります。簡単でも結構ですけれども。

○高村正彦・外務大臣 極めて重大な事故であると、こういうふうに思っております。ODAというのはすべて日本人の税金でやられることでありますし、そしてこの案件については特に日本企業を指名すると、それは日本企業というのは技術が高いからということで、そういうことで、ある意味でひも付きでやった事業でこういうことが起こるというのは極めて残念であります。それは、国内的にも説明が付かないし、国際的にも説明が付かない。
  だから、そういうことを、原因を究明して再びこういうことが起きないように、今第一義的に発注者がベトナム政府でありますからベトナム政府にやっていただいておりますが、その原因究明ができたところで、そしてさらに、それを基に日本政府としても二度とこういうことがないように万全を期していきたいと、こういうふうに思っております。

○加藤敏幸 ありがとうございました。
  さて、昨年の6月にこの円借款事業について中間レビューがJBIC(国際協力銀行)によって行われております。その中間レビューによりますと、実施機関であるベトナム交通運輸省は、景気刺激、雇用促進への貢献があったと認識、特に日本企業によってもたらされる品質の高さ、しっかりした工程管理、ベトナム現地企業に対する技術移転効果を高く評価しており、価格的に高くてもそれに見合う効果が得られるとのことであったと報告をされております。また、本邦コンサルタント、コントラクターは、橋梁基礎工事で用いられた深いくい打ち技術など日本が持つ技術的優位性を生かすことができたと評価していると報告しています。
  しかし、これらの評価も今回の事故によって大きく揺らいでしまったと、このように思います。中間レビューはODA事業の事前評価に基づき事業の有効性や効果、環境への影響などを評価するわけでございますが、今後は工事の進捗状況とともに、安全対策や現地における下請企業の適正性などもチェックするような体制が必要ではないか。つまり、総合的な評価、監理、そういうようなことが必要ではないかと私は思いますけれども、本日、JBICのご出席をいただいておりますので、見解をお伺いしたいと思います。

○新井泉・国際協力銀行理事 お答え申し上げます。
  私ども国際協力銀行といたしましては、円借案件の実施段階で様々な監理を行っておるわけでございますが、先生ご指摘の中間レビューというのも、これもその一つでございます。
  中間レビューといいますのは、円借款契約締結後、原則として5年目の事業実施段階におきまして、事業計画の妥当性が保たれておるのか、また当初予定されておりました事業効果とこの発現が5年後の段階でも将来的に見込まれるのかと、こういったことを検証するために一部の案件を抽出いたしまして、それで行っているものでございます。カントー橋、この建設事業については、私ども、外部の専門家に委託いたしまして、昨年、2006年に行われております。
  ご指摘の点でございますが、今回のカントー橋の事故を踏まえまして日本政府がカントー橋崩落事故再発防止検討会議というのを立ち上げていただきまして、私自身もそこの委員として参加をさせていただいております。私どもの銀行といたしましては本件の事故を深く受け止めておりまして、この検討会議でも事故原因の調査結果を踏まえて今後の円借事業に係る案件監理の改善点や同種事故の再発防止策等を検討するということでございますので、先生のご指摘の点も踏まえ、今後、更に案件の監理というのを充実していくべく日本政府とともに検討させていただきたいと思っております。

○加藤敏幸 全力を挙げて対応をよろしくお願いをしたいと思います。
  そこで、少し関連をいたしまして、この事故が耳に入ったとき、極めて驚愕というんですか、大変ショックを受けたわけでありまして、それは大臣も言われたように、技術があるから日本という、それが全然違うということと同時に、思ったことは、これは単なる一つの偶然といいましょうか悪いことが重なった事故ということだけではなくて、やはり我が国の建設、橋梁、そういう技術力、総合的な技術力に何かしらひびが入っているようなことではないのだろうか。私、生まれ付き心配性なんです。ですから、余分な心配かも分かりませんけれども、一つのことをもってやっぱり全体のことを顧みるということはやっぱり必要なことではないんでしょうか。
  そういう意味で、日本国内における建設、建築あるいは橋梁等をずっと見た中で、必ずしも無事故ということではないということも事実であります。物づくりでございますから、完璧にできるということではございません。私も物づくり産業に携わってきたので、なかなかここのところはいわく言い難い苦しみがあるころはわかっています。
  建設の物づくりは各セクションが役割をこなすだけでは結果としていいものはできない、その品質は企画、設計、監理、施工が一体となって確保されるものだと、このように言われてきておりますし、今回のカントー橋の事故では、施工監理コンサルタントの日本人技師が今年の6月段階で安全性について警告をしたというような情報が、そしてこれを施工業者側が余り扱わなかったと、こういう情報も飛び回っております。
  日本政府として、今後原因が究明されれば責任の取り方を明確にしなければならないと思いますけれども、最も大事なことは、今後こういった事故を起こさせないための予防をいかにしていくのか。今日は、こういった我が国建設業の根幹にかかわる問題になる要因を抱えているということで、わざわざ国土交通省においでをいただいておりますけれども、我が国の建設技術の信頼度を高め、事故を予防するという観点から、今回のカントー橋の事故を契機に国土交通省としてのご見解を、一般論としてでも結構ですので、お願いしたいと思います。

○佐藤直良・国土交通大臣官房技術審議官 先生ご指摘のとおり、我が国における社会資本等の整備を円滑に進めるためには、その品質の確保という観点からも、工事中の事故防止にも寄与し得る建設技術の維持向上、これが必要不可欠であると私どもも認識しております。
  我が国においては、土木学会あるいは建築学会等の学会活動、これにつきましては産学官連携して共通の視点で技術を維持向上させていこうと、こういう活動はもとより、私ども国土交通省におきましても、建設技術の維持向上、これは最重点課題として過去からも取り組んできたところでございます。
  具体的に少し事例を申し上げますと、民間が様々な創意工夫で建設現場における技術開発、これを実施しております。この情報を世の中で共有、あるいは情報提供を一元的に行うという趣旨から、新技術活用システム、こういうものを私ども設けて広く世の中に新技術を、情報を提供するですとか、最近、公共工事の品質確保に関する法律、これも施行されておりまして、国内の工事の入札段階において、安全管理も含めた施工計画、具体の工事をどう進めるかという施工計画等を評価する総合評価落札方式、これを取り入れさせていただきまして、価格のみではなくて具体にその業者さんがお持ちの技術力、価格と技術力を総合的に評価させていただきまして一番優れた調達を実施しようと、これを現在行っております。これらを通じて、建設会社の建設技術力を向上を促すですとか、あるいは、私ども、発注側につきましては監督・検査体制の充実と、こういうものを一体的に図っているところでございます。
  いずれにいたしましても、引き続き、今回ございましたような海外における事故防止あるいは国内における事故防止も含めた、それらにも寄与し得る建設技術の維持向上、先生ご指摘のとおり、私どもにおいても不断の努力を進めてまいるつもりでございます。

○加藤敏幸 私の経験から、あらゆる事故の原因の中に慢心、緩み、これがあるんです。どんな技術、管理、やっぱり慢心を退治する、そういう視点で我が国いろいろと心掛けるべき点があるのではないかということを申し上げまして、最後に木村副大臣に、前回もご質問申し上げましたので続きということで、このカントー橋はベトナムにとって非常に重要な交通の要衝となるポイントであって、これは必ず復旧させなければならないということがあると思いますので、そのときに対する、ベトナム政府に対する日本国の、どういう援助の仕方とか、あるいは被災家族、事故に遭われた方々への補償も含めて、今後の対応等について現時点でお話しできることがありましたら、ご回答お願いしたいと思います。

○木村仁・外務副大臣 この事件は、ベトナムと日本の非常にいい友好関係にあるその関係に傷を付けてはいけませんし、また日本の、またベトナムの国家的信用を落とすということになってもいけない。さらに、それ以上に被害に遭われた方々に対する補償等をしっかりやっていかなければいけない。同時に、この国家的な事業ということにベトナムとしてはなりますので、何とかして予定の時期までにきちっと完成させたいという、そういう重要性もございます。
  そこで、私どもとしては、まずは原因の究明をベトナム政府とともにやるという意味でカントー橋崩落事故再発防止検討会議を立ち上げました。これは再発防止検討会議ということになっておりますけれども、原因の究明、それと補償の完璧な補償、それから事業再開に当たっての完全な安全管理、そして早期の完成と、そういうことを両政府共通の目標としておりますので、それを受けて設置したものであります。ほぼ1月たっておりますのでベトナムの調査結果が報告される可能性がありますので、昨日、ベトナム政府にも通告の上、第一回の会合を開かせていただきました。
  原因については先ほど申し上げたとおりでありますが、補償につきましては各企業が個別に交渉をして当たっているようでございます。しかし、それに先立って、10月4日に総額90億ドンといいますから6300万円でありますけれども、そのうち10億ドンが見舞金、80億ドンが遺児に対する基金と、こういうことで設置をいたしたということでありましたけれども、その後、大成建設等には、社内で自主的な献金も集めて相当の金額をまた遺族へ届けているようでございます。
  しかし、私と向こうの総理のお話合いで、ベトナムの法律に基づく補償をしっかりやると、そして、それが世界的水準から見ておかしくないような補償にしてほしいと、こういうことでありましたから、今後は企業に協力を、協力というか、企業を指導してちゃんとした補償ができるようにしたいと考えております。
  それから、事業を再開するに当たって更なる借款等の要請があるかということは、現時点では全くありませんし、各企業も保険その他それなりの事業完成のための準備はあると思いますので余り心配はないとは思いますけれども、もしそのような要請がありました場合には事業を、極めて重要な事業であることには違いがありませんので、完成させるために積極的な対応を検討してまいりたいと考えております。

○加藤敏幸 質問を終わります

 
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