研究会抄録

ウェブ座談会シリーズ2「世の中何が問題か-振りかえる兵庫知事選とSNS選挙の行方」

ウェブ座談会シリーズ2「世の中何が問題か-振りかえる兵庫知事選とSNS選挙の行方」

講師:座談会は五十音順に伊藤、江目、佐藤、中堤、渡邊の各氏、司会は加藤、事務局は藤田

場所:メロンディアあざみ野(横浜市青葉区)

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発言広場

【遅牛早牛】 時事雑考「2025年6月の政局-地球規模の変動が米国を襲う」②

まえがき

[ 6月に入ってからイーロンマスク氏が減税をふくむ予算案に異議を唱えるなど反トランプ姿勢を強めている。ここでどうつぶやくのか、インフルエンサーなら腕の見せ処であるが、見せ処は見られ処なので気をつけるべしというか滑りやすいのである。

 しかしまあよく分からない世界というか、1日で12兆円も資産を減らしても平気な地球で一番の大金持ちであるマスク氏と、唯一の超大国の代表者でほぼ王様になっているトランプ氏の関係をぺらぺらとしゃべってみても「ところであんたいくら持っているの?」と突っ込まれたらそれでオシマイでしょ。

 とにかくナミの金持ちではない超々々々々超金持ちなんだからマスク氏は、いや正しくは50兆円があのマスク氏のマスクを被っているのさ実存的には、だから仮にマスク氏がフツーの人であっても50兆円の心情なんて分かるわけがないでしょ。

 心情が分からない以上外見的にいうしかない。そこで今回のことは、ご主人さまは王様よりも王様的なので、人気者が嫌いなだけ。にもかかわらず、客人待遇のクラウン(ピエロ)が勘違いしてはしゃぎすぎて捨てられた、つまり処分されたということでしょうね。

 そもそも、選挙で選ばれたわけでもなく、巨額の選挙資金を評価されただけなのだから、いいタイミングだったと思う。それにしても夢のような130日間ではなかったかしら、だれでも金さえ積めば経験できるというものではない権力の満漢全席が一日あたり3億円余りなんだからけっして高いとはいえない、そこは運がいいというかマスク氏自身が掴んだものといえる。で王冠の飾り羽がうれしげによく揺れるのでいよいよ邪魔になり、それで捨てられたのであろう。こんな話は中国の王朝ではよくあることなんでしょうが、それでも王朝の評価には関係しない。殉死をまぬがれただけでもましでしょ。

 が、政府効率化省(DOGEドージ)が生みだした数々の悲劇の後始末を引きうけるのは誰か。また恨まれるのは誰か。名声3日恨み万日なので、これ以上ドジをふまないように。

 さて、つづきコラムの途中でのまえがきは異例であるが、気候変動ならぬ「地球規模の変動が米国を襲う」というタイトルは「トランプは結果である」との仮説から寄せたもので「何かに襲われている米国政治」といいたいのである。もちろん、気候変動の厳しい襲撃を受けることもふくめての話である。

 ところで、中国のトランプ取説はずいぶんと充実しているようで、6月5日の電話会談も伝わっているところでは習氏の対応は完ぺきだったと思われる。それでも中国側の悩みがつきないのは、トランプ氏には過去はあるが過去概念がなく、昨日のことは昨日で終わり、今日は今日で新しいのだ、というあまり「考えない哲学」つまり今だけを生きる超人なのであるから、不確実そのものではないか。思想なき者を思想の網では捉えられない。彼は自由なのかしら。]

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