研究会抄録

ウェブ鼎談シリーズ(第10回)「労働運動の昨日今日明日ー労働運動と生産性ー」

ウェブ鼎談シリーズ(第10回)「労働運動の昨日今日明日ー労働運動と生産性ー」

講師:山﨑弦一氏、中堤康正氏

場所:電機連合会館4階

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発言広場

【遅牛早牛】 時事雑考「新型コロナウイルス感染症がもたらす変化(社会・経済分野)」

感染症対策と経済対策はトレードオフ関係に、当面アクセルとブレーキの併用

 123日の武漢市封鎖から5か月あまり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との戦いは延長戦にもつれ込んでいる。感染者が確認された国の多くは、都市封鎖など積極的に取り組んできたが、それらの強権的対策が経済に与えるダメージが感染症以上の被害を生み出すことへの強い反発を受け、感染状況に細心の注意を払いながらもソロリソロリと封鎖を解除しはじめた。大量の感染者が医療機関に押しかけることによる医療崩壊さえ避けることができるなら、経済活動との両立を図るほうがはるかにマシだと考えることは現実的である。

 消毒、手洗い、マスクの着用などが生活習慣として多くの国民に受けいれられれば、また、車間距離ならぬ人間(じんかん)距離やシールドカーテンあるいはフェイスカバーが広く普及すれば感染そのものを減らすことができると考えることは経験的に正しいといえる。

つまり、ワクチンや抗ウイルス薬が完成、普及するまでの戦いとして、大流行をいくつかの中流行や小流行にコマ割りし、規制措置を適宜コントロールすることで、疾病被害と経済被害の総合最小化を図る、すなわち抑制的集団免疫路線を選択しているといえる。

 もともと、このウイルスの完全封じ込めは難しく、たとえ一国で成功しても海外との交流が再開されれば感染リスクはふたたび高まることから、完全な鎖国が選択できない以上、インクが滲む程度の感染は甘受せざるをえないといえる。

現在のグローバル化した経済を前提にするなら、感染症対策の成功は経済的損失と背中合わせになっている、つまり逆相関関係にあることから、当面アクセルとブレーキをうまく併用することで対応せざるをえない状況にある。

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