研究会抄録
ウェブ座談会シリーズ1「世の中何が問題なのか-アラコキ(古希)連が斬りまくる」
講師:参加者は五十音順で伊藤、江目、佐藤、中堤、三井各氏。司会は加藤、事務局は平川。
場所:メロンディアあざみ野
発言広場
【遅牛早牛】 時事寸評「トランプ氏再び大統領に、歓声と悲嘆からの離陸」
1.帰ってきた「アメリカファースト」、渦巻く期待と不安
「アメリカファースト」が帰ってくると世界が身構えている。米国内は期待と不安が入り混じったまるで分離したドレッシングのように見える。たった一人の政治家に対してこれほどの反応が地球規模で起きるのは稀なことであろう。もちろん期待よりも不安のほうが大きいと思いながらも、1月15日イスラエルとハマスがガザ地区での停戦と段階的な人質解放で合意したと聞けば、大統領就任式の前というタイミングに意味があるのか気にはなる。そんなことよりも今は「よかった」と言葉をかみしめている。
「アメリカファースト」と聞いた瞬間こそきわめて鮮明な印象を受けたが、すぐさま焦点がぼやけた。分かったようで分からないのがキャッチコピー(とても気を引くいいまわし)の宿命である。
ところで、何でもかんでもいつでも「アメリカファースト」であるし、「アメリカセカンド」というのはついぞ聞いたことがない。おそらく声援や囃子詞(はやしことば)の類であるから深い意味などはないのであろう。
というのも自国利益第一というのはごく当然の原則であり、どの国もそうなのであるが声に出すことはない。いわゆる「いわずもがな」であるのだが、この人が言えば求心性が高まるのが不思議である。人気アーティストのライブでの決まり連呼と同じなのであろうか。ちなみに、わが国の首相が「ジャパンファースト」と言えれば空気が冷える。