研究会抄録

ウェブ鼎談シリーズ第(14回)「戦後の労働運動に学ぶ」

ウェブ鼎談シリーズ第(14回)「戦後の労働運動に学ぶ」

講師:仁田道夫氏、石原康則氏

場所:三菱電機労働組合応接室

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発言広場

【遅牛早牛】 時事雑考「2024年6月の政局-自公維の賛成スクラムが呼びよせるものは」

1.珍しいドタバタ劇  政治資金規正法改正案、再々修正へ

 政治資金規正法の改正なくして、政治資金パーティー還流金の不記載(裏金)事件に端を発した政治改革の出口はない、というのが筆者の基本ラインであった。逆にいえば、適切な改正をおこなえば事態は収拾するということであり、適切なのかどうかは立場によって変わるものであるが、国会での議決において余裕のある多数派を形成することが当面の決着となるのであるから、自民党としては公明党はもちろん中道に位置する日本維新の会の賛同をえることが最重要かつ優先度の高いものであったということであろう。

 さて、どの程度の改正におさめるべきなのかについては、与党内の軋轢、野党間の駆けひき、世論の圧力などが複雑にからみあっているので、まさに湧水で鯉の切り身を洗うようなキリキリとした運びであったと思われる。

 そんな中、5月31日自民党から岸田氏の意向を反映した再修正案がしめされた。その主な内容は、パーティー券購入者名の公開基準額を27年1月から「5万円超」に引きさげる、また政策活動費の支出状況が分かるよう10年後に領収書を公開するというもので、岸田総理が公明党の山口代表、日本維新の会の馬場代表と個別に会談し、それぞれの要求を受けいれ合意に達したという。

 その結果、今国会で同法の改正案が成立する運びとなった。ようやく迷路から脱けでることができるという意味で、政権としては一安心と思われたが、ツッコミどころが多くのこされており、たとえば27年1月からという開始時期には遅すぎるという非難が噴出すると予想される。

 また、政策活動費の「領収書10年後公開」についても期間短縮の要求がでてくるであろう。一定期間後に公開できるということであれば7年、5年と短縮しても事務作業としては変らないということで、さまざまな議論がおこると思われる。

 そういった議論にくわえ、修正と引きかえに賛成にまわる公明党と日本維新の会にとって、それが党内で「納得できる内容」といえるのかなどと、あれこれ想像するのであるが、両党とも党内での議論が平穏にすすむとは思えない。まあ、参議院本会議で可決されるまではザワザワすると思われる。

 というのは、もうすこし厳しくてもよかったのではないかという相場観もあって、いわゆる「のりしろ」の幅が気にかかるという向きも少なくないのである。いいかえれば、100パーセント丸呑みというほどのものであったのかという疑問もあって、ウエストのゴムがゆるい感じを禁じることはできないのである。ということで、一部でささやかれていた自民党内の不満については徐々に鎮静化していくと思われる。

 と書き終わってから、政策活動費の開示基準を50万円超とする自民再修正案をめぐり維新の反発が急浮上し、6月4日の総理出席予定の委員会、衆本会議の日程が延期された。丸呑みといいながら小さな骨がひっかかった模様である。大小にかかわらず喉に刺されば大事であるからか、再々修正のうえ明日にも本会議で可決される見込みであると報道されている。(6月4日14時記)

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