研究会抄録

ウェブ座談会シリーズ2「世の中何が問題か-振りかえる兵庫知事選とSNS選挙の行方」

ウェブ座談会シリーズ2「世の中何が問題か-振りかえる兵庫知事選とSNS選挙の行方」

講師:座談会は五十音順に伊藤、江目、佐藤、中堤、渡邊の各氏、司会は加藤、事務局は藤田

場所:メロンディアあざみ野(横浜市青葉区)

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発言広場

【遅牛早牛】 時事雑考「2025年8月の政局 米国の外交は引き算、中国は足し算―戸惑う同盟国と友好国」

まえがき

【今回も、7月13日、7月17日に引きつづき、2025年のリスクについて妄想を重ねてみた。2025年も早や半ばを過ぎ北半球はうだるような暑さに悶えているのだが、悶える原因は猛暑だけではない。

 今や、トランプ関税が地球を覆っている。政治が経済を振り回している。かつては経済が政治を規定していたが、今日立場は逆転した。トランプ氏は「アメリカファースト」に忠実なあまり、世界経済におかしな鉄槌を打ちこんでいる。しかし、トランプ関税が最終的にトランプ氏を支持する人びとにプラスになるのか、現時点では分からない。

 それよりも、同盟国あるいは友好国に対する容赦のない過酷な要求はかならず同盟劣化として米国にはね返り、予想外の事態をまねくであろう。悲観的すぎるかもしれないが、地政学的液状化という時限爆弾のカウントダウンは止められないかもしれない。この段階で覇権国の洞察力をこと挙げするのはさすがに一方的すぎるかもしれないが、トランプ関税が国家間の搾取をもくろむ罠であることは自明であるとしても、罠にかかった獲物の多くが同盟国であり友好国であることがこの先何をもたらすのか、あれこれ考える余裕もなく「よき時代」は確実に終焉にむかっている。

 リスクを論じているうちはまだまだ幸福なのであろう、なぜならそれは直(すぐ)に惨禍に姿を変えるから。また、悪いことは重なるので気をつけないと。

 前回にひきつづき、ユーラシア・グループの「2025年10大リスク」のリスク項目は、本文中では「」で示し、日本語はユーラシア・グループ「2025年の10大リスク」日本語版リポートから引用した。】

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