研究会抄録

ウェブ座談会シリーズ1「世の中何が問題なのか-アラコキ(古希)連が斬りまくる」
講師:参加者は五十音順で伊藤、江目、佐藤、中堤、三井各氏。司会は加藤、事務局は平川。
場所:メロンディアあざみ野
発言広場
【遅牛早牛】 時事寸評「2025年4月の政局、石破政権とトランプ流の絡みあい」
まえがき
◇ 「格下も格下」発言が不適切とは思えない。赤澤氏は役目を果たしているというのが大方の受け止めではないか。問題はこれから先の交渉であり、本格的にやれば何か月もかかるから、今は期限内で日米間でどのような議論ができるのかについて入口での整理の段階であろう。
行動が心の表現系であるなら、大統領閣下のお出ましは差し詰め「まんじゅう怖い」ではなく「売却怖い」ということであろう。米国債の急落は金融パニックの引き金になりかねない。そうなればすべてを失う。わが国の政府系ではそのようなことはないと思うが、民間は別であろう。「格上も格上」であっても焦燥を隠すことはできない。
◇ トランプ関税はそれとして、とくに安全保障については多角的、重層的な議論がひつようである。ごく一部で語られている米国が海洋大陸に閉じこもるといったことは、たとえてみれば地球の自転が止まるような話である。
離れる必要性がでてくれば、すなわち条件が整えば米軍は日本から離れるが、それは構造的な緊張緩和(デタント)ということであり、わが国にとっても悪い話ではない。と同時に構造的というのは簡単に実現できるものではない。
今日の米中対立の出口は緊張緩和でしか成しえない。トランプ関税の逆説的評価は民間レベルでの日中欧交流の促進であろう。某国の覇権主義の角(かど)がとれればすべてが円滑になる。皮肉なことに相互関税が触媒効果を発揮しはじめると思われる。わが国も欧州も中国との交易は古く、新大陸云々以前の話である。あくまで民間が中心の話であるが。
◇ 4月23日の党首討論は筆者にとっては感慨深いもので、野田氏、前原氏、玉木氏の三氏はともに旧民主党の仲間であった。「この三人はどうして一緒にならないの」と聞かれて困ったが、「一緒になってもすぐに別れるから」と答えてしまった。労働組合ははじめに団結があり、その団結を守るためには綾絹をあつかう繊細な心がいる。政党はどうなのかしら。
それにしても、石破氏は足利義昭(室町幕府第15代将軍)なのか、兵力不足なのに応答自在である。日米交渉が有権者の視野にはいってくれば、石破氏にとって得点のチャンスであろう。あんがい勁草なのかも。