研究会抄録 記事一覧
ウェブ鼎談シリーズ(第6回)「労働運動の昨日今日明日ー最低賃金についてー」
講師:北浦 正行氏、加藤 昇氏
場所:「工房北浦」渋谷区渋谷
前回の賃金に引き続き、最低賃金について話をすすめました。経済政策として政府主導の賃金引き上げがさまざまな影響を引き起こしていますが、地域別最賃も何とも言えない軋轢を引き起こしています。お隣の韓国ほどの事態には至っていませんが、地域地場産業への影響が気になるところです。
もちろん何事もやってみなければわからないということも真実ではありますが、知らな過ぎる政治家の蛮行の被害もありうるわけで、時には経験に学ぶことも必要ではないでしょうか。ということで、最賃と言えば必ずお名前が出てくる、北浦正行氏、加藤昇氏をお迎えし、最賃の歴史など豊富なお話から学ぶ中で、明日を展望したいと思います。(2018年4月26日午後)
以下本文中の中見出しです。
労働条件の開示は社会的責任の基本?、最低賃金とのかかわり、産業別最低賃金の見直し議論から(加藤昇)、「企業の枠を超えた社会的賃金決定システムとして重要だ」、組織率の壁をどうやって乗り越えるかー署名捺印方式、電機連合の産業別最低賃金の礎石は企業内最低賃金、賃金政策としての最低賃金とは、政治主導による最低賃金上昇の副作用は?労使の議論の形骸化、地域別最賃では地域差が是認されている、歴史を振り返りながら、今後のあり方を考える
ウェブ鼎談シリーズ(第5回)「労働運動の昨日今日明日ー賃金をめぐる諸課題ー」
講師:北浦 正行氏、加藤 昇氏
場所:「工房北浦」渋谷区渋谷
「労働運動の昨日今日明日―賃金をめぐる諸課題―」と題して、北浦正行氏と加藤昇氏との鼎談を掲載いたします。労働運動にとって「賃金」は古くて新しいテーマです。近年、関心が薄れているとはいえ、働く者にとって生活の糧という意味を超えて、働きの評価を表すデリケートな側面もあり、なかなか奥の深いものであります。今回はお二人の専門家を交え実践的経験を踏まえた、活きた賃金論を送りたいと思います。(2018年4月26日午後)
以下、本文中の小見出しです。
「昨今、官製春闘と言われていますが」、
春闘終焉と言われて、久しいですが(30年)、
春闘の役割は変わっていないのでは、
「連合春闘」最初からバーチャルなところがありましたが、
「労働条件は産別自決、連合の調整」との方針はあまり広がらなかった、
産別自決はいいとして、連合の役割は大きいのではないか、
電機連合の取り組みを振り返れば(個別賃金方式への挑戦)、
回答表示をめぐっての苦労、
要求方式が産別運動の内実を物語る、
平均賃上げ方式は原資配分が問題となるときに、
産業別統一闘争の取り組みの深化?、
賃金格差と同一(価値)労働同一賃金、
生産性と賃金の関係をめぐって、
賃金の果たす役割は複合的で、すそ野は広い、
確かにデフレ時代の賃上げ交渉は難しい、
企業内協約を乗り越えて
ウェブ鼎談シリーズ(第4回)「労働運動の今日今日明日ー政策制度課題の取り組み」
講師:小島茂氏、花井圭子氏
場所:電機連合会館4階
連合運動における政策制度改善の取り組みは古く、1972年労働戦線統一が路線対立により失敗した後、統一の灯を消すまいとする強い思いの中で発足した「民間労組共同行動会議」にその源を見出し、1976年発足の「政策推進労組会議」にその流れを見ることができる。イデオロギーに捉われず、働くものの生活改善を前面に打ち出した政策制度改善の取り組みは、確実に労働戦線統一の実利的効用を実証するものとして、空論に陥りがちな斯界の議論に組合員の立場からも確実に感じ取れる新たな取り組み分野を提起し、そのための方法としての労働戦線統一という運動の側面を提起するものとなった。地味ではあるが画期的な問題提起であったといえる。
その流れをくむ現在の連合の政策制度改善の取り組みであるが、要求項目の洗い出しから、要求の組織化へ、さらに要求実現に向け気の遠くなるような段階を着実に踏みながら、関係組織・機関への働きかけに知恵を絞り、最終的に政権の中枢に食い込んでいく胆力というべき思いの強さも必要であり、語られる内容は奥が深く、地味に富む。
連合発足以来、事務局の現場を支え、粘り強く運動を推し進めてきた小島氏、花井氏からその苦労と工夫をうかがい、後を引き継ぐ活動家の参考に資することができればと思う。(鼎談は4月9日午後行われました。)
ウェブ鼎談シリーズ(第3回)「労働運動の昨日今日明日-ILO100周年に向けて-」
講師:熊谷 謙一氏、長谷川真一氏
場所:電機連合会館4階
来年2019年はILO設立100周年にあたり、オリジナルメンバーである我が国にとっても大変感慨深いものであります。特に100年の歴史を振り返りながら改めてILOの意義について認識を共有しあうことも必要かと思います。
同時にこれからのILO活動をどのように展望していくのかは、アジア地域における労働運動の展開と密接不可分なものであり、多くの経験を持つ日本として特段の役割を求められると同時に、政労使それぞれの立場でアジア地域の平和と労使関係の発展による経済的豊かさなどの実現に寄与していく必要があります。
「ドアを開ければそこはベトナム」と言われる今日のグローバル状況の中で、個別労使としてもILO基準を常に意識していくことが求められています。
ILOの世界では貴重な経験をお持ちの長谷川氏と熊谷氏をお招きしての鼎談となりました。労働運動の活動家にとって大いに役立つものと思います。(鼎談は2018年4月3日午後行いました)
ウェブ鼎談シリーズ(第2回)「労働運動の昨日今日明日-官民合流、ILO-」
講師:長谷川真一氏、山本幸司氏
場所:電機連合会館4階
「政治と労働の接点」という視野において、特に労働サイドから労働運動の歴史を反芻し、今日時点での評価を議論する。たとえば連合結成30年を前に、統一運動の到達点であった官民統一が労働運動全体に与えた効果、あるいは未達成項目など、労働現場からの視点、産別運動からの視点、労働行政の視点から改めて振り返る。
連合結成からもうすぐ30年。組合員の多くは連合結成以降の加入者である。したがって彼ら彼女らの多くは労働四団体時代の記憶を持たない。またこの30年間の日本経済の変貌は著しく、特に経済のグローバル化は国内の産業立地や雇用構造を大きく変え、国内労使関係では解決策を見いだせない、極論すれば「対応不能」課題を多く生み出したと言える。企業別労使においては企業存続が、産業別労使においては産業政策が、中央レベルにおいては福祉政策を含め所得再配分政策が俎上に挙げられたが、政治との距離感が大きく変遷する中で議論は活発ではあったが、大きく結実するには至らなかったと言える。それぞれの役割の再整理についての議論が必要である。
また今日団塊の世代が古希を迎え、世代交代の流れが加速されており、経験知の喪失が懸念されている。経験知の継承は可能なのか。またその方法について忌憚のない意見交換が必要である。
加えて国際労働運動についての日本の報道機関の関心は極めて低い状況下で、この課題をどう喧伝していくのか。来年は国際労働機関(ILO)設立100週年である。国際労働組織がさまざまな課題に対し解決機関になりうるのか、日本の労働現場から同様な議論ができるのか。など自由闊達を胸に斯界のベテラン諸氏に語っていただく、ウェブ鼎談シリーズを複数回計画した。(インタビュー形式、文責研究会事務局)
ウェブ鼎談シリーズ(第1回)「労働運動の昨日今日明日ー産別運動の現場からー」
講師:大福真由美氏、西原浩一郎氏
場所:電機連合会館4階
「政治と労働の接点」という視野において、特に労働サイドから労働運動の歴史を反芻し、今日時点での評価を議論する。たとえば連合結成30年を前に、統一運動の到達点であった官民統一が労働運動全体に与えた効果、あるいは未達成項目など、労働現場からの視点、産別運動からの視点、労働行政の視点から改めて振り返る。
連合結成からもうすぐ30年。組合員の多くは連合結成以降の加入者である。したがって彼ら彼女らの多くは労働四団体時代の記憶を持たない。またこの30年間の日本経済の変貌は著しく、特に経済のグローバル化は国内の産業立地や雇用構造を大きく変え、国内労使関係では解決策を見いだせない、極論すれば「対応不能」課題を多く生み出したと言える。企業別労使においては企業存続が、産業別労使においては産業政策が、中央レベルにおいては福祉政策を含め所得再配分政策が俎上に挙げられたが、政治との距離感が大きく変遷する中で議論は活発ではあったが、大きく結実するには至らなかったと言える。それぞれの役割の再整理についての議論が必要である。
また今日団塊の世代が古希を迎え、世代交代の流れが加速されており、経験知の喪失が懸念されている。経験知の継承は可能なのか。またその方法について忌憚のない意見交換が必要である。
加えて国際労働運動についての日本の報道機関の関心は極めて低い状況下で、この課題をどう喧伝していくのか。来年は国際労働機関(ILO)設立100週年である。国際労働組織がさまざまな課題に対し解決機関になりうるのか、日本の労働現場から同様な議論ができるのか。など自由闊達を胸に斯界のベテラン諸氏に語っていただく、ウェブ鼎談シリーズを複数回計画した。(インタビュー形式、文責研究会事務局)